2007年09月25日

引退セレモニー

現役を引退した今なお熱く生きる坂本博之が、折にふれ見聞きしたことや感じたことなどを語る。

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ちょっと時間が経ってしまったけど、7月末に福岡で行われた僕の引退セレモニーについて、ここであらためて感謝の気持ちも込めて少し振り返りたいと思う。 このセレモニーは長年僕を追いかけ、そして支えてくれた九州が拠点の西日本新聞社が主催してくれた。天神にある福岡国際ホールという場所で行わたんだけど、会場には和白青松園の子どもたちが作ってくれた特設リングが設置され、マットには大きな世界チャンピオンのベルトが描かれてた。それだけでも本当に感動したよね。ベルトも本物のようによく出来ていて、でもよくよく見ると小さくアンパンマンの絵が描いてあったりしてね(笑)。 会場には400人近い方たちが集まってくれて、そのほか同じ同郷・福岡出身の元世界フェザー級チャンピオンの越本(隆志)君と日本競艇界の女王といわれる日高(逸子)選手も駆け付けてくれて、3人で子どもをめぐる社会問題についても語り合うセッションもあり、互いに熱い部分で共感し合えることができてとても嬉しかった。 さてこのセレモニーのメインイベントは僕のスパーリング。そして僕にとっては初めての10カウントを聞くということ。なにしろ久々の実戦形式のスパーリングということで当日の2日前に(渡邉)一久とスパーしたんだけど、その時に一久が「まだまだ全然パンチ生きてますよ!」っておだてるもんだから、嬉しくなって「よし!」って自分自身かなり本気になってたんだけど……。 相手は筑豊ジムの丸山大輔選手で、彼は日本スーパーフライ級1位のトップランカーだからね。2ラウンドのスパーリングだけど、俺はヘッドギアも付けないし、まだまだやれるだろうって自信も少しはあったから、彼には「ガチンコでやろう」って提案した。やっぱりセレモニーに来てくれる方たちに本当の試合に近い形で、できるだけ本気の坂本博之を最後に見てもらいたかったんだよね。 もう控え室では本当の試合前のような気持ちだったよ(笑)。新世界が鳴り響く場内に白のトランクスとガウンを着てリングに上がったら、まるで現役時代に戻ったかのような雰囲気で気合も相当入った。 それでスパーをやったんだけど……、正直こんなキツイとは思わなかった。体が全然ついてこなくてお客さんはヒヤヒヤしながら観ていただろうね。丸山選手は試合前の約束通り本気でやってくれたから、おかげで顔が腫れちゃって帰りの飛行機の中でスチュワーデスの人がびっくりするぐらいだった(笑)。 それでスパーも終わっていよいよ10カウント。和白の江中宣夫園長が鐘を鳴らしてくれたんだけど、それがまた最高のタイミングで鳴らしてくれた。後で聞いたらやっぱり練習をしていたとのことで、カウントを聞きながら現役時代の出来事が本当に走馬燈のように頭の中によぎって感極まると同時に感謝の気持ちでいっぱいになった。 自分があそこまで戦ってこれたのもファンの方々をはじめ和白の子どもたちや先生方、友人、家族、ジムのスタッフの皆さん、角海老のボクサーたち……数え切れないほどの人たちが僕をサポートしてくれ、熱い声援を送ってくれたから。本当に感謝してもしきれないくらいの恩を感じています。 そしてわざわざ僕のためにセレモニーを開いてくれた西日本新聞社や関係者の皆さんにはこの場を借りてあたらめて感謝したい。自分にとっては忘れることのできない引退セレモニーとなりました。本当にありがとうございました。 そんな皆さまの熱い思いを背負って僕は次のステージでまだまだ頑張ります。これからも引き続き応援よろしくお願いします!


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posted by 坂本博之 |19:45 | 坂本博之「熱導・新世界」 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2007年09月24日

東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦

王者・榎洋之×挑戦者・真教杉田

9月16日に行われたダブルタイトルマッチ。メインイベントは東洋太平洋フェザー級王者・榎洋之の世界前哨戦第2弾。榎にとって実に7カ月ぶりの試合は挑戦者に同級3位の真教杉田(畑中)を迎えての2度目の防衛戦。

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9月16日に行われたダブルタイトルマッチ。メインイベントは東洋太平洋フェザー級王者・榎洋之の世界前哨戦第2弾。榎にとって実に7カ月ぶりの試合は挑戦者に同級3位の真教杉田(畑中)を迎えての2度目の防衛戦。 現在WBA2位、WBC8位に位置する榎にとっては、待ち続けている世界戦がなかなか決まらない今が一番辛い時期かもしれない。例えば今回の防衛戦にしても、なぜこの試合をやるのか? なにをモチベーションにすればいいのか? という部分で本人はかなり苦しんだのではないだろうか。とは言っても世界への道は辛く険しく、この試合もまた榎にとっては目指す舞台に辿り着くための試練のひとつ。 一方、名古屋出身の挑戦者・杉田は27戦24勝の元世界ユースチャンプで、9連勝中と波に乗り、初めての後楽園ホールそしてタイトルマッチということもあって、モチベーションの面では断然榎より上。チャンピオンにとってはまさしく気の抜けない相手だ。 試合はやはり序盤、杉田がチャレンジャーらしく榎を攻め立てる。フットワークを効かせながら踏み込んで左を突いていく杉田に対して、顎をしっかりと引いた榎はいつものようにスロースタート、相手のパンチを見ながらゆっくりと試合に入っていく。 榎の武器はなんと言っても破壊力のある硬質で重たい左のジャブだが、特にこの試合では左を軸に自分のボクシングに徹した。ジャブ、そしてタイミングを見計らってのワンツー、右ストレート。攻撃はこれだけと言っていいくらいだったが、コツコツと左を当て続けることで試合を制してしまうのが榎のパターン。 序盤までは杉田が足を使いながらボディー、アッパーなども加えてバラエティのある攻勢を仕掛けるが、榎はペースを崩さずひたすらジャブを突く展開。だが、一見地味に見えるこの榎のジャブが、過去数々の強豪を沈めてきたのと同様に今回もジワジワと効いてくる。 5Rに入るとついに杉田が右目をカット、顔面が真っ赤に染まり始める。加えて右ストレートも当たり出し、榎がペースを握り始める。それでも杉田は懸命に榎の懐に飛び込んで打つ手をやめない。むしろ手数では杉田が勝っているが、有効打は榎の方。ジャブの差し合いを制し、杉田の顔面は見る見るうちに腫れ上がっていく。 この流れは終盤まで変わらず。マイペースで左を突き続け、時折右のストレートを打ち込む榎。そのパターンをなんとか攻略しようとあの手この手で攻める杉田。試合は結局最終12Rまでもつれ込み、そのまま判定に。結果は3-0のユナニマスディシジョンで榎が2度目の防衛に成功した。
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榎にしてみれば自分のボクシングに徹した勝利だが、光ったのは挑戦者・杉田の頑張りだろう。右目の流血をぬぐいながら、決して最後まで攻撃の手を緩めることはなく、榎自身も試合後に「こんなに顔面にパンチを貰ったのは初めてです」と頭を垂れていた。この健闘で杉田の名は確実に関東に知れ渡り、近い将来の日本ランキング入りも確実だろう。 一方の榎は日本チャンプの粟生隆寛(帝拳)との対戦も浮上しているが、それよりもやはり目指すは世界戦の実現。実力に関しては問題なし、あとは運とタイミング。いつチャンスが来ても良いように心身ともに常に万全の状態を維持してほしい。 控え室でのコメント 「思ったほど体が動かなかった……。距離を取っていなす感じでやろうと思ってたんですけど、途中から前に出てやった方がいいなと思って。向こうは良いリズムで良く研究してたと思います。パンチを貰ったことも悔しいし、調整失敗っていうかもっと動けるのに動けなかった。そういう意味ではこの試合をやったこと自体が勉強になった。やっぱり普通の試合と世界戦のどっちが頑張れるかと言ったら世界戦なのは当たり前なんだけど、だからと言って世界戦が決まらなくて腐っててもしょうがない。そんなんじゃあ世界をやってもダメだってことが良く分かった……」


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posted by 角海老広報室 |18:09 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年09月22日

日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦

9月16日に行われたダブルタイトルマッチ。先に登場したのは日本スーパーフェザー級王者・小堀佑介。同級1位のハードパンチャーで知られる三浦隆司(横浜光)を挑戦者に迎えての5度目の防衛戦。

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満員の場内、さらに入場には派手なレーザー光線の演出などいよいよ小堀も人気、風格ともにチャンピオンらしくなってきたようだ。挑戦者の三浦は13戦無敗10KOとKO率の高いファイター。ファイター同士、スリリングな試合展開が予想される。 序盤1、2R。出たのはやはり挑戦者の方。サウスポーの三浦はワンツー、左ストレートを積極的に繰り出し、小堀の顔面にヒットさせていく。一方、王者・小堀は手数を抑え、相手のパンチをひたすら見ていく立ち上がり。 3Rに入ってエンジンをかけ始める小堀。得意の連打から左フックを強振、いきなりダウンを奪う。いつものパターンとばかりにここから一気にまとめに行く小堀だが、三浦のダメージはさほどなく両者激しい打ち合いとなるが、三浦の左がカウンター気味に入り小堀は失速、仕留めきれず。 ここから試合はシーソーゲーム。本来は手数を出して回転を上げながらペースを掴む小堀だが、狙いすぎなのかいつもより手数も少なくリズムを作ることがなかなかできない。一方の三浦はワンツーと左ストレートと単調な攻撃ながら何度もクリーンヒットを浴びせ、小堀をじわじわと攻め立てる。 今回は調整もうまく行き、好調といわれていただけに小堀のもどかしい戦いぶりにチャンピオンサイドも緊迫した様子で試合を見守る。ラウンド終盤には回転力を活かしたラッシュを仕掛けて見せ場を作るが、その後が続かない。6Rではペースダウンした三浦を打ち込む場面もあったが、8Rには三浦が立ち直して反撃。ポイントではダウンの分だけ小堀が優勢だが、一進一退の攻防が続く。 ついに試合は最終10Rに突入。このラウンド次第では勝利の行方はまだ分からない。両者とも最後の力を振り絞る。前に出る三浦、迎え撃つ小堀というラウンド序盤だったが、後半に入るとファイター同士真っ向から近距離で足を止め、打ち合いが始まる。ここでついに王者・小堀が爆発、圧倒的な回転力で左右の連打をフルスピードで乱れ打つ。これまで一歩も退かずに堂々とチャンピオンに立ち向かってきた三浦だったが、なんとラウンド終了と同時に力尽きてダウン、試合は劇的なフィナーレを迎えて終了した。 判定の結果、2、4、5ポイント差の3-0で小堀がV5を達成。苦戦しながらも激闘を制した。最終ラウンドの圧倒的な攻撃力はさすがと言うしかないが、むしろそれがなければ若干小堀が有利だったものの試合は微妙な判定結果となったはず。もちろん並みの選手ならばそれでも十分かもしれないが、日本タイトルを獲ってからKO勝利の山を築き、毎試合ごとに凄まじい成長を遂げ、今となって世界さえも期待される小堀にとっては決して手放しでは喜べない勝利だったことは間違いない。試合後のインタビューでも「強かったです……」と三浦を称え、反省の色が見えた小堀。調子が良かっただけに本人にとっても悔しさが残る試合となった。
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ただやはりこの試合だけ見ても小堀の強さに疑いの余地はなく、今回の反省を新たな課題と捉え、来る世界の舞台へ向けてしっかりと準備を進めてもらいたい。 控え室でのコメント 「調子が良かったので倒しに行こう倒しに行こうとしちゃって、狙い過ぎました……。パンチも見えてたし、効いたパンチは特になかった。ただ途中で右目にパンチが入って目が見えなくなってしまって、効いたように見えたのかもしれません。見映えが悪いとは思っていたので、最後の最後でなんとかダウンが取れて。後もう1ラウンドあれば……。今までで一番悪い試合でした……」


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posted by 角海老広報室 |16:44 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年09月18日

[渡辺一久]角海老祭り試合直前インタビュー

9月26日に行われるオール8回戦の「角海老祭り」。祭りと言えばこの男、メインイベントを任されたのは元日本フェザー級チャンピオンの渡邉一久。王座陥落から復帰第2戦となる試合に向けた直前インタビュー!!

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--4カ月ぶりの試合ということですが、調子はいかがですか? 「全然良いっすよ~。ただ昨日ちょっと足を捻っちゃって軽く捻挫しましたけど、試合には問題ないです」 --復帰第2戦ということですが、前回は勝利したものの厳しい試合でもありました。反則負けに近い状態でタイトルを失ったことで、もちろん反則はやってはいけないんですが、あまりそこを気にしすぎても逆に渡邉一久らしさが発揮できないというか、そういう部分もあったのかなと 「そうなんすよね。正直いまその辺で悩んでます……。俺はこういう性格なんでやっぱり自由に自分のやりたいようにやりたいってこともあって、でも反則は絶対ダメだし、もう2度とあんな思いはしたくない。だからと言ってあまり教科書通りに俺がやってもつまらないでしょ。俺には俺の教科書があるから。そういう意味ではいまは自分の教科書を少し書き直してるって状況なのかもしれないっすね」 --なるほど。あまり型にはまりすぎるのは良くないし、かと言ってあまり派手にやり過ぎてもいけない。その辺の葛藤があるわけですね。 「そう、例えば普通はガードの上からパンチを叩くなって言うけど、俺の場合はガードの上からでも叩きにいく。でもこれは相手の腕を壊しにいって、バランスを崩させることが狙いだし、攻撃のきっかけ作りなんですよ。人にはそれぞれ取り柄があってパンチが強い奴やスピードがある奴、でも俺は人よりずる賢いのが自分の取り柄だと思ってるんで」 --でもそのずる賢さも行き過ぎると反則行為になるリスクもあると 「なんでそこは気をつけて。反則だってしたくしてしてるわけじゃないんですよ、ホントに(苦笑)。去年の10月の梅津戦でタイトルを失って色々言われたけど、梅津さんがそれだけ強かったっていうよりもただ単に俺が自爆しただけ。熱くなって反則してっていう。相手が俺より上だったとは思ってない。あれはそう、自爆だったんですよ。これだけはハッキリ言っておきたい! だから余計に悔しいし、あんなにヘコんだのは高校受験に落ちた時以来だから(笑)」 --それだけ悔しい思いをしたことがきっと良い教訓になるはずですよ 「はい。でもスタイルを変えるつもりはあまりなくて、そういうずる賢いスタイルが俺のボクシングだし、それで日本タイトルまで獲った自負もあるんで」 --確かにそうですよね。それにお客さんも破天荒な一久君を見たいはずだし 「そこは俺にとって一番デカい部分なんすよ。やっぱりお客さんを楽しませる、喜んでもらうっていうことは絶対に」 --それじゃあ次の試合のテーマっていうのは? 「完成された渡邉一久のボクシングを見せたいかなと。さっき悩んでるって言ったけどいまはそういう時期で、でもボクシングの一般的な教科書を読んでみて、正直すごい勉強になってるっていうか。ホントに初歩的なこととか知らないこともいっぱいあって、そういう部分も消化した上で自由にやればいいんだなと思えるようになりました。俺はスキーもやってたんですけど、初めからボーゲンをすっ飛ばして足揃えて滑ることだけをずっとやってきたんすよ。それで滑れるようになっちゃってでも逆にいまでもボーゲンができない(笑)。でも何ごとも本当は初歩からやっていった方が最終的にはもっと完成されるだろうし。ボクシングも一緒ですよね」 --教科書をしっかり読んでおくことが大事だと。知ってて自由にやるのと知らないで自由にやるのじゃ違いますよね 「そうですね。だからいまはそんな感じです。とにかく次の試合では初めて俺を観に来るお客さんたちにも楽しんでもらえるような、インパクトのあるボクシングをしたいと思ってます!」 --分かりました。それでは試合頑張って下さい! 「ありがとうござます!」


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posted by 角海老広報室 |18:18 | 対談・インタヴュー | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年09月15日

余生

長年ボクシングを見続け、自他共に認める大のボクシングファン、村木田一歩氏の独善コラム!

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男の平均寿命が78歳ということだが、そうすると自分にはあと20年ばかりが残されていることになる。しかしながら、最後までまあまあ元気でいられる年数となると、もう少し割り引く必要があって、自分としては、いいとこ70歳くらいではないかと思っている。老醜をさらす前に自分で何とか決着を付けられればいいが、とも思っている。となると、余生はあと10年ちょっとということで、正月があと10日回しか迎えられないという事で、つまり今まで生きてきた年月の5分の1ほどしか生きられないということになる。途中の病気や事故でもっと寿命が短くなる可能性もある。「大変だぁぁぁ!」 そんなわずかで大切な余生だから、今まで以上に1日1日大事に過ごそうという考え方もあったが、沈思黙考の結果、結局自堕落に生きてやろうと思うに至った。勿論最低の義務を果すことと周囲に迷惑をかけないマナーは忘れないようにとは思っているが、とにかく基本的にはダラーッと生きてやることにした。若い頃はヒトカドの人物になれると思っていたし、その時々の努力は頂上を極めるための過程と納得していたが、結局その頂上のずっと手前で、「こんなもんかな」という事になってしまい、自分が”地球を救う愛の戦士”でもないことにも気付いた。 人間の生きる意味については古来よりいろいろ言われているが『我思う故に我有り』というのは、どうもしっくり来ない。その種のもったいぶった言い回しで、人間を高い位置に置こうとする魂胆が透けて見えて、どこか欺瞞と自己満足でしかないというふうにしか思えない。人間ってそんなに偉くて優秀だったっけ?結局人間は、どうしたら他の人間を効率よく支配することが出来るかに腐心してきた生物にしか過ぎないんじゃないのかって。蟻の役割分担社会というレベルにさえ到達できず、1万年かかっても強者と弱者の仕組みから脱却することが出来ずにいる、哀れな生き物なのだ。自然界において、同種で殺しあうのは人間だけだし、人間の歴史は詰まるところ殺戮に使う武器の進歩の足跡にしか過ぎないんじゃないの。そう、人間は実に、実に悲しい生き物なのだ。で、そんなに悩んだり、力む必要はないって事で、要するに人間は単なる生き物の一種に過ぎず、他の動植物と同様、とにかく子孫を残すことだけが唯一の存在目的だっていうことにする。そして結局、個体数と食料が地球規模でバランスが取れてさえいればいいのだから、日本の少子化なんて全然OK。 で、とにかくやりたくない事はやらない、会いたくない人には会わない、好きな事だけやるという夢のような余生を今から始める。時間がないので、余計なこともしない。好きなジャズとオールディーズだけ聴いて、たまに本を読んで、映画を見る。そして、スポーツは、ボクシングだけという事になる。


posted by 村木田一歩 |15:10 | コラム-リングサイド | コメント(1) | トラックバック(0)
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