2007年07月27日

数・かず

長年ボクシングを見続け、自他共に認める大のボクシングファン、村木田一歩氏の独善コラム!

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全国で5つのブロックに分けられているボクシングジムの総数は250くらい。そのうち130ほどは、東日本にある。そのまた半分は東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県に集中している。高校野球の聖地がかなり西に寄り過ぎなのと比べて、位置的にも極めて妥当といえる。 ライセンスを取得しているプロボクサーの数はというと、日本中で2500名くらいらしい。そうすると一つのジムに10名が平均になる。日本で最も多くのプロボクサーを抱えているのは『ワタナベジム』で80名、その次は70名で『角海老宝石ジム』。この二つのジムが突出していて第3位は、40名ほどになる。そして、20名以上が所属しているジムは、東京周辺には17あって合計550名となっているが、その他の地域では4ブロックの合計でも僅か6しかないし、その所在も大阪と名古屋周辺に限られていて、所属ボクサーの合計は200名弱となっている。 つまり全体の中の1割の大規模ジムが全体の3割のボクサーを保有しているのが現状であって、それらのジムが全て三大都市圏に集中していることも分かり、プロボクシングというのは全くの都市型スポーツであることが知れる。これは、アルバイト等の働き口が都会に集中していることとも関係があるのではないかな。また、上記23の大手ジム所属のボクサーの平均数が30名強なのに対し、残り9割のジムのボクサー数の平均は7~8名にしか過ぎず、大手の寡占化傾向にあると言える。要するに、プロボクシングというのは、今のところ都市型・大手寡占型スポーツになっているのだ。 2500名の中には約600名のデビューボクサーが含まれていて、例年ボクサーの総数に大きな変動はないらしいのだが、実はこれは大変な数字なんだ。600名増えて前年と同じ人数ということはつまり、以前からのボクサーが600名減っていることを示していて、常に4人に1人が辞めていく勘定となる。他のスポーツと比較しても、もともと実働期間の極端に短いスポーツだと思ってはいるが、これは本当に大変な競技だ。で、長くやっている人はとてもエライということで、10年選手には是非、協会から特別表彰を。それから、5回以上タイトルを防衛したチャンピオンにも5回目にはベルトを進呈するということで・・・。日本チャンピオンのベルトは、使いまわしだっていうの知ってた?OPBFやWBC、WBAは一回ごとの買取らしい。


posted by 村木田一歩 |14:36 | コラム-リングサイド | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年07月25日

6/28加藤善孝×会田篤

☆6/28 東京・後楽園ホール 「DANGAN3」メインイベント
60.2kg契約ウェート8R
加藤 善孝(角海老宝石) [判定8R 3-0] 会田 篤(ワタナベ)×

当初はこの興行で日本ライト級6位三垣龍次(M.T)と対戦が組まれていた”デーヴ”加藤善孝。諸般の事情で初のランカー戦はご破算となってしまったが、最終的に拳を交えることが決まった会田篤も14勝(9KO)2敗1分の立派な戦績を誇るイケメンボクサーパンチャーで相手に不足なし。工藤静香の往年のヒット曲「嵐の素顔」を出囃子に、デーヴは初のメインイベンターとしてリングに登場した。

長いリーチを利したアウトボクシングを展開する会田に対し、デーヴは間合いが掴み切れず、手数の少ない立ち上がり。距離を詰めようと踏み込んだところに左ジャブ・フックのリードブロー、右ストレートに左右アッパーを合わされ、序盤2ラウンドは会田にリードを許す。

ショートレンジでも思うように手が出なかったデーヴの左右フックが会田の顔面を捉える機会が増えたのは3Rから。会田のアウトボクシングはままならなくなり始め、パンチの的中率も低下。4Rになると、執拗なプレスをかけてくるデーヴを突き放せなくなってくる。

5R序盤、会田は偶然のバッティングで左目上をカット。これを機に流れはデーヴに傾倒し、ロープ・コーナーに詰めては、細かいパンチをまとめ、断続的に左フックを痛打。馬力と手数の差が浮き彫りになってくる。

会田が2度目のドクターチェックを受けた6R。密着してアッパー、フックをしつこく繰り出す加藤の攻撃に会田は根負けした様子で、バックペダルを踏みながら防戦に終始。7Rには苦し紛れにデーヴの後頭部を上から叩いてしまい、減点1が課せられた。最終8Rは会田が持ち直して、小刻みなパンチを繰り出し、反撃に転じた。

現在の技術的な課題として「小堀さんみたいに行くべきところ、詰めるべきところでまとめられるようになりたい。パンチを単発で終わらせないというのを心掛けています」と試合前に話していたデーヴ。

馬力と手数の差、また会田の反則打にも助けられ、クロスゲーム(判定は77-76、77-75、78-76の3-0)を制した日本ランカー挑戦試合前哨戦。勝ち名乗りを受けた後は、会場に駆けつけてくれた応援団に「エビバディパッション!」を披露するなどサービス精神を発揮していたが、「蜂の一刺し」が打ち込めず、課題克服が先送りとなった反省点の多い試合内容に、控え室に戻ったデーヴ本人は神妙な面持ちだった。しかし9戦8勝(7KO)のハードパンチャー三垣との仕切り直しが予定される次戦に向け、改めて取り組むべき修正点を見つめ直せたのは、ある意味で収穫だったのでは、と好意的に解釈したい。

posted by kadoebi1 |14:29 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年07月23日

「第64回東日本新人王予選」

☆6/27東京・後楽園ホール「ダイナマイトパンチ」
S・フェザー級4R
×半田 海門(角海老宝石) [判定4R 3-0] 金子 大樹(横浜光)

約1ヵ月半の間隔で新人王予選3試合目に臨むタイトなスケジュールの半田は、いつも通りシャープな左で牽制。対する金子も半田の出方を窺い、1Rは偵察戦に終始した。試合が動いたのは2R。開始20秒、ジャブの出し易さを重視し、左手を下げて構える半田の顔面に、金子のワンツーストレートが吸い込まれるように決まり、半田は尻もちをついた。しかしダメージは然程深くはなく、それを察した金子は思慮深く深追いを避けた。

3Rもフェイントを応酬しつつ、タイミングを探り合う技術戦を展開する両者。すると金子の左ガードが下がったところを見逃さかった半田が右フックを強振。まともに急襲された金子はショックを吸収できず、膝元を揺らしながらロープ際まで泳がされた。しかしノックダウン寸前に追い詰めた半田は「相手にかすらせさえしないボクシング」を信条とする基本的にディフェンシブなスタイル。チャンスで連打をまとめるというシチュエーションに慣れていないのもあったろう。仕留め切れず、金子に急場を凌がれてしまった。

4R、逆転を狙って半田はジワジワと前進。懸命な攻撃を繰り返すも、逃げ切り態勢に入る金子は左ジャブで半田の出鼻を挫いてペースメイク。半田は有効打を叩き込むことができず、勝負は判定に委ねられた。

採点は39-36が二人に、39-37のユナニマスデシジョンで金子を支持。結果的に3回戦敗退となった半田だが、新人王戦を戦い抜く過程において、スタイリッシュなアウトボクシングに進歩の跡を感じた。今後はB級に昇格し、6回戦に舞台を移す半田のボクシング特性からすると、ラウンド数が長くなった方が、より真価を発揮できるはず。持ち味のアウトボクシングを引き立たせるためにも、攻撃志向を強めてくれることを望みたい。  

☆6/29 東京・後楽園ホール
バンタム級4R
田中 稔大(角海老宝石) [TKO3R終了] 小島 智(横田スポーツ)×

ノーファールカップを装着し忘れ、慌てて控え室に戻った田中だが、そのハプニングにも動揺することなく、試合開始からフック・アッパーをボディ・顔面へと丹念に打ち分けていく。2Rも田中は、前進しながら左右フック、右ストレートを上下に捻じ込んだ。3Rも田中の攻勢は続き、左ジャブで間合いをとりながら、コンパクトなパンチを的確に繋いだ。田中のパンチの標的となった小島の口内からは大量の出血が見られ、レフェリーはドクターチェックを要請するも、試合はすぐに再開。その後は右ストレートを二発叩き込み、ボディアッパー、左フックを確実に命中させて、小島を弱らせて行った。深刻なダメージを負いながらも小島は果敢に応戦したが、このラウンド終了後にアゴの骨折の疑いから棄権を申し入れた。 

サンデーパンチである左ボディの巧みな使い方、そして左フックの上下ダブル打ち、豊富なアマチュア経験で培った丁寧な攻撃の組み立てが特筆に価した田中は、第3試合で長井一(ワタナべ)を初回で斬って落とした若生燃太(輪島スポーツ)と8月1日に対戦することが早速決まっている。


posted by kadoebi1 |15:36 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年07月22日

第1回・坂本博之からご挨拶

元東洋太平洋ライト級チャンピオンで今年1月に15年間の現役生活にピリオドを打った「不動心」こと坂本博之の新コラム「熱導・新世界」がスタート。現在坂本は角海老宝石ジムのトレーナーとして活動する一方、現代の子どもを取り巻く状況を憂い、ボクサー時代に培った「熱」を子どもたちにも伝えたい、とあちこちを飛び回わるなど忙しい日々を送っている。現役を引退した今なお熱く生きる坂本が折にふれ見聞きしたことや感じたことなどを語る。

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皆さまご無沙汰しています、坂本博之です。今回、僕の活動を幅広く知ってもらうためコラム「熱導・新世界」を始めることになりました。宜しくお願いします。 僕はボクサーの頃から「熱」を大切にして生きてきました。今の世の中を見ていると社会も人間もどこかすごく冷め切ってる。そんな時代だからこそ、熱い何かが必要な気がしています。「熱を持って接すれば、熱を持って返ってくる」。これは僕がこれまでの人生で学んだ強い信念です。 実際僕自身、幼少期に愛情を知らずに育った冷めた若者の一人でした。でもボクシングを始めてからライバルたちとの熱戦やファンやサポーターの方たちとの熱い交流から、僕は勇気をもらい初めて愛情を知り、成長することができました。そして僕はボクサーとしてリングでの戦いを通してたくさんの人たちから与えてもらったその「熱」を自分なりに還元してきたつもりです。 今、僕は現役を引退して角海老宝石ジムのトレーナーとして若い世代に「熱」を伝えています。トレーナーとしてはまだまだ駆け出しですが、これから熱いハードを持ったボクサーを一人でも多く育てていきたい、そう思っています。 もう一つ、僕にはどうしてもやらなければいけないことがある。ニュースを見れば親が子を殺し、子が親を殺すような事件が相次ぎ、現代を生きる子どもたちの状況の改善は社会全体の急務だと思っています。現役時代の2000年7月に立ち上げた「こころの青空基金」は全国の児童養護施設の子どもたちを支援するための活動で、引退した今なら現役の頃よりもっと多くの子どもたちと直接ふれ合うことができる。そう思って子どもたちへの支援活動を自分の人生のライフワークにしていこうと決意しました。 ご存じの通り僕は福岡県の和白青松園という児童養護施設で育ちました。愛情を知らずに育った子どもたちの気持ち、心の寂しい子どもたちの気持ちは多少なりとも分かるつもりです。できるだけ多くの現場に出向き、直接子どもたちと同じ目線で語り合い、少しでも彼らが笑顔でいられる時間を共有していきたい。 よく大人たちは「最近の子どもたちは・・・・」という言い方をしますが、そうじゃないと僕は思います。子どもたちを育ててきたのは、子どもたちが生きるこの社会を作ってきたのは紛れもなく僕たち大人なんです。ギリギリのところで苦しんでる子どもたちや、救いを求める声すら出せない子どもたちは世の中にたくさんいる。生まれた時はみんな素直で純粋なはずが、育っていく過程で社会や大人たちに不信感を植え付けられ、心を閉ざすようになっていく。だから大人たちは「最近の子どもたちは・・・・」と言わずに、自分の問題としてこの状況にもっと危機感を持ってほしい。 聞いた話によれば、養護施設に入居する子どものうち6割が虐待を経験しているそうです。子どもの数は減っているのに施設の数は増え、しかも施設不足とさえ言われています。さらに最近では家庭だけでなく施設内虐待などもあり、子どもを取り巻く状況はますます危機的になってきています。僕にできることは小さなことですが、こうした状況をさまざまな場所で訴え、できるだけ多くの子どもたちと接していきたいと思っています。そう「熱」を持って接すれば、少しは子どもたちの傷ついた心、冷めた心を温めてあげられるかもしれない・・・・ 「熱が導く新世界」。このコラムのタイトルにはそんな意味を込めました。これから僕がトレーナーとして、または子どもたちとのふれ合いの中で感じたことなどをつづっていければと思っています。まずは第1回目のご挨拶ということで。それでは。


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posted by 坂本博之 |17:00 | 坂本博之「熱導・新世界」 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年07月17日

ボクサーと女

97年エディ・タウンゼント賞受賞の名伯楽、角海老宝石ジムの「先生」こと田中栄民チーフトレーナーが選手のことやジムでの出来事、試合の裏側などを毎月語ってくれます!!

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ボクサーは昼間に仕事して夕方からボクシングっていうタフな日常を送ってるから、とにかくパワーのある奴が多い。それだけ体を使ってもまだパワーが余ってるからたいがいは女好きときてるからタチが悪い(笑)。男にとって女、女にとって男、同じ人間だけれどまったく別の生き物だ。それでも人生とは切っても切れないのが男女関係だからややこしい。だからボクサーの中には女でしくじる奴も多い。なにせボクシングっていうのは職業として考えたらハイリスク、ローリターンだろ。体を壊す代わりにチャンピオンクラスでなければ食うことにも困る商売だ。男のロマンと言えばそれまでだが、それを理解できる女は少ないのが現実だ。 語弊のないように言えばもちろん素晴らしい人生のパートナーを得てこの世界で成功する奴もいる。例えばボクサーとしてピークを迎えつつあるチャンピオンクラスの場合、伴侶を得ることでボクシングに集中できる環境を整え、家庭を持つことでさらにモチベーションを高め、さらにキャリアに花を咲かせるパターンは少なくない。ただ俺の言ってるのは10代や20代の伸び盛りの時期に女にはまり、キャリアを棒に振ってしまうことの多いことだ。まずボクサーは禁欲できて当たり前、試合前に男女関係を持つことは御法度だし、遊ぶのはいいが度が過ぎては絶対ダメなんだよ。食えない若いボクサーが無計画に子どもを作ってしまったりしたらボクシングを続けられなくなって当然かもしれない。やっぱりどんな男だろうと子どもはかわいいから食わせないといけないからな。よっぽど理解ある女ならば良いが、家庭を持てば女房だって旦那の体を心配する。「ボクシングをやめて」と言うかもしれない。良くも悪くも連れがいれば男は守りに入ってしまう生き物なんだよね。ボクサーはリスキーな職業だし、ある意味で夢をひたすら追いかけるスポーツで、そしてその夢を掴めるのはごく一握りなのかも知れない。だからこそ若いうちはしがらみを持たずボクシングに集中し、攻め続けないといけないんだ。 まあこれはもちろん一般論だよ。若くして家庭を作って、それまで適当にボクシングをやってた奴が一念発起して大成することもあるだろうしね。でもね、俺は若い頃に才能も素質もあるのに、そうやってボクシングをやめていく奴を何人も見てきてるんだ。もちろんボクシングやめてから幸せな人生を歩んでる奴も多いだろう。人生はドラマだし、色んな人生があって当然だ。だけど俺はチャンピオンを育てるトレーナーだから、「結婚するから」とか「子どもができたから」とかで簡単にボクシングやめますって言われるとちょっと寂しいんだよな。トレーナーとしてはそれでも頑張ってみろよ、ボクシングで家族養ってみろよって言いたいけれど、そればっかりはそいつの人生、本人が決めることだからね。 まあ最後にこれだけは言っておこうかな。ボクサー諸君、家族計画はしっかりな!


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posted by 角海老広報室 |18:57 | 田中栄民の徒然なるまま日々のこと | コメント(3) | トラックバック(0)
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