2007年05月28日
本望信人インタビュー引退、そして第2の人生へ(2)
初めての世界挑戦を終えた本望は引退を正式表明、12年間に及んだボクシング人生にピリオドを打った。現役続行を求める声も多かったが、本望の表情はむしろ晴れ晴れとしている。--世界戦後に本望選手は引退を表明されましたが、その経緯などを聞かせてください 「はい。世界戦の前から決めていたことでもあったんですが、やはりバレロとの試合がああいう結果に終わって、もうこれ以上続けることは無理だと確信したことが一番の理由です。ここ最近は瞼のカットでまともに試合を終えることもできず、やはりカットしやすいというのはもう自分ではどうしようもないことなので、これから同じような結果の試合をしてもお客さんに失礼ですし、そういうパフォーマンスしかできないのならばもうグローブを置くしかないなと」 --なるほど。それ以外にバレロ選手との世界戦を終えて完全燃焼したという気持ちはありますか? 「それもあります。あの試合への意気込みは生半可なものじゃなかったですし。結果としては負傷TKO負けでしたけど、持てる力のすべてを出し尽くすことができました。だからもし現役を続けたとして果たしてもう一度チャンスは巡ってくるのか、次のチャンスまでモチベーションを保ち続けることができるのか、たとえチャンスが巡って来たとして今回以上の質と量の練習をすることができるのか。そう考えていくとやっぱり自分自身の中にそこまでの自信がない。あの試合以上のパフォーマンスを見せることは年齢的、体力的に考えても無理なんじゃないかなって」 --後は当然ご家族のことを考えたりということも 「もちろんです。小さい娘もいますし、自分が体を壊してしまっては家族にも迷惑を掛けてしまうので。ここまでやってこれたのも家族のおかげですし。世界戦の試合前に妻が花を持ってリングに上がってくれたんですが、もうその時点で泣いてましたから(笑)。やっぱり試合前からバレロの強さを報道とかで知って不安でしょうがなかったらしくて」 --さすがに相手は全KO勝利のスーパーチャンピオンですから不安にもならない方がおかしいですよね 「殺されるんじゃないかっていうくらい強いボクサーですからね(笑)。だから妻は引退するって聞いて本当にほっとしてますよ」 --一方で現役続行を希望するファンの声も多かったようですが 「ファンの方や周りの方たちからは現役続行して欲しいというたくさんの声を頂きました。本当に嬉しいことですし、期待に応えられずに申し訳ないという気持ちで一杯です」 --引退に関して誰かに相談したりということはありましたか? 「はい。僕が角海老に移籍してからお世話になってる専門誌の記者さんの方がいて、その人には相談しました。そうしたら『正しい選択だと思う』って言って頂いて、それで決心も固まりました」 --確かに最後にあれだけの大勝負ができて、本望選手のこれまでのキャリアを考えると引き際のタイミングとしてはベストかもしれませんね 「そうですね。12年間で36戦やって日本、東洋と獲って最後に世界挑戦の舞台まで経験できた。これ以上ないボクシング人生だったと思います」 --この12年間を振り返ってみていかがですか? 「ボクシングを通して生きていく上で大切なことを勉強させてもらった気がします。世界挑戦がなかなか決まらず腐りかけたこともありました。でもそこで諦めちゃいけないんですよね。諦めずに頑張り続ければチャンスは絶対巡ってくる。それはボクシングだけじゃなくて生きていく上でも同じだと思うんです。辛くても厳しくても諦めないで精進すればきっと希望は見えてくる、それは僕がボクシングから学んだ大きな教訓です。それとボクシングという世界の中で出会った仲間や多くのサポーターの方たちも僕にとってはかけがえのない財産です。本当にたくさんの勇気をもらいましたし、周りの方たちがいなければ、ここまでやれなかったことは間違いありません。引退することを報告しても皆さん『これで終わりじゃないから』って言って下さり本当に心強く感じてます。これからの人生でも今まで築いた人間関係は大切にしていきたいと思ってます」 --ボクシングを引退して第2の人生の目標について聞かせて下さい 「いま柔道整復師という資格を取るため専門学校に通ってます。接骨院や整骨院を開業できる資格なんですが、25、6歳の頃に接骨院に通っていたことがあって、その時から興味を持ってました。人の役に立つ仕事ですし、スポーツ選手としての自分の経験も活きると思って。学校には前から通っていたんですが世界戦が決まってから全然行けてなくて、このままだと退学になるっていうんで試合が終わってすぐ通い始めました。まだ顔も傷だらけだし、体も痛いしゆっくり休みたいところなんですが、退学になると大変なんで(笑)。なんとか資格を取ってゆくゆくは自分で開業できれば良いなと考えてます」 --あれだけの試合をした後に勉強するのも大変ですね(笑)。でも本当に表情も晴れ晴れとしていて安心しました。次の目標に向かって頑張って下さい。12年間本当にお疲れさまでした! 「ありがとうございます! 本望信人を応援して下さったファンの皆様、これまで本当にありがとうございました。これからも勇往邁進を信条に頑張りますので、引き続きよろしくお願い致します!」
posted by 角海老広報室 |13:18 |
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