2007年04月28日

小雨のシモキタで高室洋臣、涙の初勝利!

'☆4月17日 東京・下北沢 北沢タウンホール
「Hopeful Fight Vol.1」(新田ジム主催)第4試合
バンタム級4R'
高室 洋臣 [判定4R 3-0] 竹間 竜一(新田)×

約1万人のキャパシティを誇る有明コロシアムでのデビュー戦(1月3日)では極度の緊張に襲われ、本領を発揮できなかった高室のプロ2戦目の会場は、前回とは打って変わって定員294人の北沢タウンホール。区民会館の2Fに併設された小劇場には、後楽園ホールのような独特な雰囲気もなく、また佐藤直樹トレーナーの緊張緩和工作(という名のちょっかい?)に「緊張する間もないですよ」と苦笑いを浮かべた高室は、地に足ついたメンタリティで勝負の舞台に立った。

試合開始早々、ボディ攻撃を中心にした左右ショートフックの連打を繰り出し、先手先手でグイグイと攻め込んで行った高室は、左フック・右ストレートで迎撃されてもたじろぐ様子はなく、手数で圧倒する好発進を切った。2Rも高室はクリーンヒットこそ多くはないものの、手数を伴った執拗な攻撃で竹間を押し、攻勢を印象付けた。3Rも高室は開始から猛然と攻めて出るが、ロープ際に押し込んで細かく手数を出していたところで、竹間の右フックを被弾。攻撃精度の低下も顕在化し、このラウンドはパワーに勝る竹間がペースを挽回した。最終R、持てる力を振り絞って息を吹き返した高室は、ショートパンチを矢継ぎ早に繋ぎ、竹間を守勢に回らせたが、終盤には竹間も反撃に転じ、火花の飛び散る打撃戦が展開される中、熱戦は終幕を迎えた。

判定はジャッジ3者とも39-38。パンチ力では劣ったものの、手数・回転力で勝った高室は終始、相手の間合いを潰し、自分の展開に引き摺り込んだことが勝因だったが、勝負の分岐点は経験の差にあったように思う。デビュー戦の竹間に対し、「敗北」という苦汁の味を知っているからこそ、高室は最後まで飽くなき闘志を燃やし続け、勝利へと帰着させることができたのではないか。

戦前「(デビュー2戦目にして)既に崖っぷちの心境」と語っていた高室は、この試合に進退を賭けていたという。それだけに試合後のドレッシングルームで腫れ上がった顔を氷嚢で冷やしながら呟いた一言には、首の皮が繋がったグリーンボーイの偽らざる実感が凝縮されていた。

「良かった。これでまたボクシングができる.....」

辛苦と歓喜を味わった男の次戦は6月15日。”ボクシングのメッカ”後楽園ホールのリングに初登場する予定だ(レパード玉熊ジムの桜井康弘とバンタム級4回戦)。

posted by kadoebi1 |16:42 | 試合レポート | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年04月24日

小堀佑介さん

2006年1月に『小堀佑介さん』が『真鍋圭太さん』を衝撃のKOで下して、日本チャンピオンになった試合の入場曲は、ステッペンウルフのボーン・トゥ・ビ・ワイルドで、日本名ワイルドで行こうだった。70年代デニス・ホッパーが監督したヒッピーを題材にした映画の主題歌で、ロングホークのカスタムバイクがとても新鮮だったのを憶えている。「なかなか渋い曲を知ってるな」と思って確かめたら、全くの人任せの選曲で、本人はタイトルさえ知らないということだった。


その試合の勝利者インタビューによって『小堀さん』のインタビューイヤイヤ病が世に知れることとなった。そしてそれ以来、ファンは試合中と同じぐらい『小堀さん』と一緒に、勝利者インタビューでドキドキしてしまうようになった。『小堀さん』はインタビューが始まる前に、こそっとアナウンサーに話しかけることがあるけど、あれは絶対「簡単にお願いしますね」って頼んでるんだと思う。それと月間MVPで表彰された時も、新人賞を取ってそこそこキッチリ挨拶していたボクサーにそっと話しかけてたけど、あれは「話するのうまいですねえ」だったと思う。でも、『真鍋さん』との試合後のインタビューで彼が言った「次もいい試合できるか分かりませんが・・・」と「一つ一つコツコツと・・・」を越える、素直な心情をそのまま表したすばらしい言葉を今まで自分は聞いたことがない。あの時『小堀さん』はプライベートでいろいろあった事もあって、それを乗り越えての勝利が本当に嬉しかったみたいで、田中トレーナーと抱き合って子供のように笑っていた。あの試合下馬評では『真鍋圭太さん』の方が優勢だと言っていたが、自分は『小堀さん』の勝利を確信していた。KOセンセーション『真鍋さん』のKO勝ちの相手は、外人ボクサーがとても多いのを知ってたし『小堀さん』は、2005年に入ってから急に異常に強くなったのを自分は知っていたから。その後『藤田和典さん』『三上朗央さん』『大之伸くまさん』を強烈撃破して現在に至っている。

20070424-02.jpg
今度戦う『村上潤二さん』は年齢が3歳上だが、デビューが『小堀さん』と一緒で、21戦してるのも一緒。勝率も15%ほどしか違わず、よく似た戦績だが、『本望信人さん』以外は戦ってきた相手のグレードが相当違うし、最近の『小堀さん』の上昇度とバレロとバレラとのスパーを通して学んだものの大きさを考えると、普段の気持ちで臨むことが出来たら、苦戦する理由は見当たらない。まず、第1ラウンドだな。相手は必ずガーッと来るので、こちらも当たらなくてもいいから、大きい右フック3連発で脅かしてやれいい、『真鍋さん』の時のように。『小堀さん』は立ってるだけで、形になっているボクサーだと思う。腰を軸にして上体を前後左右に軽く揺らせながら、リズムを取り、タイミングを計る姿がとても美しいと思う。余裕のある時には、両手のグローブで軽く円を描くポーズをすることもある。オーソドックスなワンツーもあるが、いきなり大きな右フックを放ったり、左のダブルフックをきっかけにすることもある。そして、このダブルの左フックが天下一品で、少し身体を左に傾けながら、同じ強さで打つこともあるが、初めは弱く、二つ目は強く、と緩急をつけることもあるし、二発ともボディの時もあれば、初めはボディに次は顔面に、と打ち分けることもある。この点だけを見れば『小堀さん』は十分世界チャンピオンクラスだと思うし、現在の時点で、『小堀さん』に勝てるボクサーはいないと言い切れる。自分は素人だけど、あえて言うならば、オーソドックス・スタイルのボクサーで左のダブルフックを打てるヤツは強いと思っている。相手の右が飛んでくるリスクを負いながら、タイミングを計って、早いフックを連発するのは、とても難しいことだと思う。 それと、相手が一気呵成にバキバキ打ってきた場合でも、『小堀さん』は一歩引いて様子を見るということなく、同じように一気に勝負に出るところがある。自分としては、背負っているものが相手とは違うんだから「もう少し、いなしておけばいいのに」と思わないでもないが、『小堀さん』は敢然と打って出る。それもほとんどノーガードでガムシャラに打ち合う道をとる。確かに、背骨を軸にして打つ『小堀さん』のパンチはほとんどの場合相手より強いし、左右の回転の速さで相手が3発打つ間に、5発は打ち込むことが出来るんだが、不幸にも相手のラッキーパンチを喰らわないとも限らない。なんとかもう少し慎重に、とも思わないでもないが、その最中のハラハラ感もなかなか魅力的なのも事実だ。チャンスと見た時『小堀さん』は、後先なく、それこそ鬼のように連打を放つ。 『小堀さん』は、いい意味で相手に合わせてボクシングが出来るし、タイミングとリズム感が極上で、あて勘が非常に優れているし、流れの中でカウンターが打てるとてもクレバーなボクサーなんだが、何故かインタビューとなると、別人になってしまう。これは一見とても不思議なことのように思えるが、自分も少人数での打合せや会議は何でもないのだが、大勢の前でしゃべったり、形式的なトークになるほど苦手なもんで、彼の気持ちは本当に良くわかる。で、いつも試合後『小堀さん』と一緒にドキドキしてる。 アマチュア戦績9勝6敗だったのが、日本チャンピオンになるとは、もしかしたら本人さえ予想もしてなかったのかもしれない。ここまでになるには本人の努力の結果なのは勿論だが、田中トレーナーの指導もとても大きいのだろうと思っている。 ■小堀佑介オフィシャルサイト http://www.boxing-kobori.com/


続きを読む...

posted by 村木田一歩 |18:29 | コラム-リングサイド | コメント(1) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年04月23日

[本望信人]世界初挑戦の意気込み

東洋太平洋スーパーフェザー級王者の本望信人が5月3日、有明コロシアムでついに念願の大舞台に上がる。WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチの挑戦者として21戦全KO勝利の同級王者、エドウィン・バレロ選手(帝拳)に挑むことが正式決定。36戦目、30歳で迎える初の世界挑戦、リングに立つだけで満足する気は毛頭ない。チャンピオン圧倒的有利の予想を覆しベルトを持ち帰るために本望は、キャリアの集大成としてすべての力を出し尽くすつもりだ。

--世界戦挑戦が決定した今の心境からお願いします

「もう24時間試合のことを考えてます。1日1日が無駄にできません。それだけこの試合には興奮してます。世界タイトルマッチっていうのはボクサーだったら誰もが目指すものだし、僕自身ずっとやりたいと思ってきました。ただ、いくら実力があってもそのチャンスを掴めない人もたくさんいるし、誰もがその舞台に立てるわけじゃない。だから僕の心のどこかにもう無理かも、っていう思いがあったのも事実です。だからこのチャンスをくれたジムや関係者の皆様には本当に感謝の気持ちで一杯です。あとはやるべき事をしっかりやって自分を信じて全力を尽くすだけですね」

20070423-00.jpg
--24時間試合のことが頭から離れないと聞いて、この試合にかける意気込みのほどがうかがえます。やっぱり今までの試合とは違いますか? 「そうですね、家にいる時でもどう攻めようか、とかつい色々考えちゃうんです。ここまでボクシングのことばかり考えることも今までなかったかも、っていうぐらい。もちろんどんな試合でも一生懸命やるのは当然ですが、やっぱりモチベーション、意気込みの面ではこれまでの試合とは違って、練習をしててもいつもとやってる時間は変わらないんですけど内容が濃い。さらに集中してるし、気持ちも入ってるから練習が終わるといつも以上に疲れるんですよ」 --世界戦に向けての準備はどれくらい前からやっていたんですか? 実際に試合が決まったのはいつ頃ですか? 「昨年11月の前回の試合が終わって1カ月間は目の傷を治療して今年に入ってからいつ試合が決まってもいいように練習してました。それでちょうど1カ月半くらい前に帝拳の本田会長がジムに来られて世界戦が決まったことを聞きました。過去3試合はずっとサウスポーとやってきたし、僕の中では良いタイミングでしたね」 --気になる目の傷の具合はいかがですか? 「今回スパーをやっても切れることは一度もなく、完治したと思います」 --それは良かった。では王者のバレロ選手について聞かせて下さい 「誰もが認める世界チャンピオン。なにせ全戦KO勝利、ビセンテ・モスケラとの世界戦を除く殆どの試合を1Rで仕留めてますからね。パンチもスピードもあってもの凄く強い選手だと思います。まずそんな相手と世界の舞台で戦えるっていうだけでボクサー冥利に尽きます」 --そしてそのバレロ選手を倒せば…… 「誰も文句は言えないと思います(笑)」 --弱点はありますか? 「あまり詳しくは言えませんが、あると思います。全戦KO勝利というだけが強さじゃないということを証明したい。ああいうスタイルのボクシングでは完成形かもしれませんが、ボクシングには色々な強さがあるってことを見せたいですね」 --バレロ選手はきっと早い段階で仕掛けてくるでしょうね 「倒す自信もあるだろうし、きっとそうでしょうね。でも僕は倒されません(キッパリ)。逆にいつも早いラウンドで試合が終わってるので、そこはバレロ選手の長所であると同時に弱点でもあるように思います。僕には彼にはない経験とキャリアがある。それを信じてやります」
20070423-01.jpg
--色々対策は練ってそうですね。田中(栄民)トレーナーによると、練習はすべてバレロ対策と聞いていますが、差し障りのない範囲でお願いします 「そうですね、具体的な練習内容については言えないんですが、田中先生はバレロのスパーも見てるし、ビデオもしっかり見て2人で研究しながらメニューを考えてます。バレロとスパーした小堀(佑介)からもアドバイスをもらってるし、練習を積んでいくにつれて『絶対行ける』っていう自信も出てきました」 --下馬評では当然チャンピオン有利ですが、もちろん勝ちにいくつもりですよね? 「もちろんです。負けるつもりで試合はしないし、良い試合をしようとも思ってない。本気でベルトを獲りに行きます」 --周りやご家族の期待も大きいと思います。是非ベルトを持ち帰ってきて下さい 「はい。僕のボクシング人生の中で一番大きな試合だし、これはこれまで応援してきてくれた人たちや家族に対する恩返しです。辛い時や気持ちが途切れそうな時、家族や周りの人たちが支えてくれました。そういう人たちのためにも絶対勝って世界チャンピオンのベルトを見せてあげたいと思います。自分に負けないように、自分自身とこれまでの経験を信じて、試合では本望信人の集大成を見せるつもりで全力を尽くします。期待してて下さい!」 --期待しています。今日はお忙しい中、本当にありがとうございました


続きを読む...

posted by 角海老広報室 |13:21 | コラム-KNUCKLE IS THE SOUL | コメント(0) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年04月22日

4/14大北正人×石本康隆

'☆4月14日東京・後楽園ホール
「第410回ダイナミックグローブ」第3試合
バンタム級6R'
石本 康隆(帝拳) [判定6R 2-0] 大北 正人×

昨年度の東日本バンタム級新人王・大北正人が、昨年12月の全日本新人王決定戦以来の試合に臨んだ。対する石本康隆(帝拳)は、一昨年度の東日本新人王戦(S・フライ級)でファイナリストとなった右のボクサータイプだ。

初回、互いにリードブローで相手の出方を探り合う中、大北が掲げた左ガードの外側から石本の右がヒット。両者の前足が絡み合ったのも相俟り、大北はバランスを崩す。だが40戦28勝のアマチュアキャリアを持つ大北は、右ジャブや左ストレートを上下へ繰り出す丁寧な攻撃で、展開を立て直した。

2R、ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(前WBCバンタム級チャンピオン)が西岡利晃(帝拳)を攻略した時のように、対サウスポー戦術における常套手段のひとつである、ノーモーションでの右ストレートを多用する石本に主導権が傾きかける。ところがラウンド終了間際、右の軽打後にすかさず右回りして、ワンツーでの追撃を狙った石本に、大北が右フックを合わせると、石本は踏ん張り切れずにキャンバスへ転げ落ちた。

だがこのダウンはタイミングによるもの。石本にダメージは見受けられず、3R以降はノーモーションの右が冴える石本がペースを支配する。4Rには石本が返しの左フックもヒットし始め、大北は貯金を吐き出してしまった。一度勢いづいた流れを堰き止めることはできず、5・6Rのショートレンジでの攻防も手際良く戦った石本が打ち勝った。

判定は、ダウンシーンを除いて、全般的にイニシアティブを握っていた石本を、ジャッジの過半数が支持(58-56、58-56、57-57)。苦汁を舐めた大北の捲土重来に期待したい。

posted by kadoebi1 |15:23 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年04月20日

[小堀佑介]米国修行から帰国!

惜しくも3月17日のタイトルマッチで破れたWBC世界スーパーフェザー級前王者のマルコ・アントニオ・バレラのスパーリングパートナーに選ばれ、米カリフォルニア州ビッグベアでの強化合宿に参加した日本スーパーフェザー級王者の小堀佑介。帰国した小堀に1カ月に及んだ米国修行の感想を聞いた。

--まずはおかえりなさい。アメリカ修行はどうでしたか?

「それが初日に有り金を全部やられちゃいまして……、お土産も買えず最悪でした」

--え? 一体なんの話ですか?

「いや、だからベガスで……」

20070420-03.jpg
--それカジノの話じゃないですか。ギャンブル修行の旅じゃないんですから。 「あ、すいません。てっきりそっちの修行のことかと……」 --相変わらずですね。キャラが変わってなくてホッとしましたけど。いや、そんなことはどうでもいいんで、バレラ選手とのキャンプのことを聞かせて下さい。 「は、はい。いやあキツかったっす。まず練習する環境が日本じゃちょっと考えられないような場所で。バレラチームがキャンプを張ったロス郊外のビッグベアっていうのは標高2,000メートルの高地で、分かりやすく言うと富士山の7合目あたりで毎日練習するようなもんなんですよ」 --確かに普通、富士山7合目で練習しませんよね。当然酸素は薄いと。 「薄いですね。実際酸素が薄いってすごいことですよ。普段生活してる分には問題ないんですが、体を動かし始めるとすぐ呼吸が苦しくなってきて。僕、スパーの途中で吐きましたから。初めてですよ、運動して苦しくなって吐いたのなんて。酔っぱらって吐くことはあっても……」 --酔っぱらいの武勇伝はまたの機会に。なるほど、そんな環境でバレラ選手たちはバチバチやってるわけですね? 「そうなんです。ボクシングの技術とかじゃなくて一番違いを感じたのはあんな高地でスパーをやっても彼ら全然疲れないんすよ。12ラウンドやった後に普通にサンドバック打ってますから。もう根本的に土台が違う。だから彼らと同じ土俵に立ってやるためには富士山の7合目まで行かないと本気でダメだと思いました」 --って言いますけど行く気あります? 「いやありませんけど(苦笑)。向こうではこれくらい負荷かけてやらないとダメなんだなって思ってたんですけど。やっぱり日本に帰ってきちゃうとぬるま湯が心地良いっていうか……」 --小堀選手、そろそろチャンピオンらしくしましょう(笑)。実際バレラチームとのスパーリングはどうだったんですか? 「初めは1週間の予定だったんですけど、バレラ選手から『最後までいてくれ』って言われて3週間いました。バレラ選手や他の選手たちと1日おきにスパーをやる感じですね。ただ、知ってれば前もって調整したんですけど僕の体重が重すぎちゃっていきなり4キロ落とさなくちゃいけなくなって。もう飲まず食わずで2、3日で落としましたよ。試合前以外でこんな減量したことないってくらいだったんで、正直スパーどころじゃなくて。吐いたのもちょうどその時だったし」 --それはハードですね。でもキャンプ後半はだいぶ激しくやり合ったと聞いてますよ 「キャンプ中盤から体も慣れてきて、元世界チャンピオンのルディー・ロペスなんかとは結構やりました」 --ボコボコにしたらしいじゃないですか? 「かなり打ち込んでやりました。ロペスも効いちゃって相当悔しがってましたよ」 --相手はメキシカンで、日本人との差みたいなものはなかったですか? 「リーチが長いっていうのとアッパーがちょと独特の軌道で入ってくるくらいで、大きな差は感じませんでした。全然通用すると思います」 --元世界チャンプをはじめそれなりの面子を相手に十分できたっていうのはかなり自信になったんじゃないですか? 「そうですね。自信にはなりました。あのクラスとならやっていけるっていうのは。でもやっぱり世界チャンピオンクラスになると全然違いますよ」 --バレラ選手はやっぱり強かった? どのくらいの違いなんですか? 「全部違います。パワー、スピード、巧さ、スタミナ、どれを取ってもレベルが違いますね。ベガスのタイトルマッチを見てはっきりしたんですが、しかも僕らとのスパーでは全然本気出してないですから。年齢的なこともあるからたぶん半分くらいの力でやってたと思います。僕は2週間で計5回、20ラウンドくらいバレラ選手とやったんですが、まったくパンチが当たりませんでしたね。それに12ラウンドずっとフルスピードでやりますから」 --バレラ選手は破れはしましたが、確かにマルケス選手とのタイトルマッチは凄い試合でしたもんね。 「僕、初めてボクシングの試合を観て感動しましたよ。ベガスって一流のエンターテインメントが集まる場所ですよね。あの試合はそんなベガスにふさわしい超一流のエンターテインメントでした。バレラ選手も負けはしましたが、どっちが倒れてもおかしくない展開がずっと続いて、2人とももの凄いボクサーですね。僕はリングサイドで観戦させてもらったんですが、ボクサーじゃなくて完全に1人の観客になってましたから」 --同じリングに上がりたいとかは考えなかった? 「考えないっていうか、考えられなかった。セミ、セミセミくらいまでは観てても俺だったらこうするとか、このレベルなら十分やれるって思ったんですけど、メインのタイトルマッチを観ちゃったら絶対無理、みたいな。あのレベルの人たちが本気を出したらって考えると、今の僕にはまだ考えられないっすね」 --なるほど。ところで実際に向こうでの生活はどうだったんですか? 内気な日本人1人で大変だったんじゃないですか(笑)? 「メキシカンはホント陽気でテンションが高いんで。僕もいつもよりテンション上げて頑張ったんですが……、辛かったです」 --テンションの高い小堀選手、見てみたいです。 「日本だとあんまり他人のこと気にしないから1人でいればいいんですが、彼らにとって僕みたいなキャラは格好の獲物だったようで。ズボン下ろされたりとか、イジられっぱなしでした」 --小堀選手はラテン気質とは対極のキャラクターですもんね。しかしスパーでも実力を見せてだいぶ向こうでも名前が売れたじゃんじゃないですか? 「いや、それがなぜか僕、みんなから『カリオキさん』って呼ばれてたんですよ。どうも初めに来る予定だったかなんかの人が『カリオキ』っていう名前の人だったみたいで、僕は『コボリだから』って言ったんですけど、『カリオキさん』って呼び続けるから面倒くさくなっちゃって」 --もう『カリオキさん』でいいや、と。 「はい。最後まで『カリオキさん』でした(笑)」 --面白すぎますね。そんな風にイジられながらもこの1カ月間は貴重な経験だっただろうし、色々学ぶことも多かったんじゃないですか? 「確かにたくさんのことを経験させてもらった気がします。世界チャンプと同じ環境で練習できたこと、世界のレベルを肌で感じられたことも大きいですが、彼らのボクシングに対する意識が日本とは全然違ったことにも刺激受けました。キャンプ中に3日くらい雪が降ったんですが、それでもみんな朝ロードに出るんですよ。強くなろうとか、世界チャンピオンになろうとか、そういうことじゃなくて彼らにとってはボクシングしか道がない、そういう意識だからどんな時でも走るのは当たり前っていうか。でも元々陽気な気質だからあまり悲壮感とかせっぱ詰まった感じはないですけどね」
20070420-02.jpg
--そこが分かったら小堀選手も日本のぬるま湯に慣れすぎないように高い意識でやらないと、ですね 「そのつもりだったんですが、なにしろベガスでの負けがストレスになっちゃって、帰国してから2週間くらい遊びほうけちゃいました。ベガスではお金がなくて残りの1週間をホテルでずっと悶々としてたんで。そう考えると体力的にはアメリカ行く前の方があったような気がして、なんのためにアメリカに行ったのか最近になって自問自答してます(苦笑)」 --全然ダメじゃないですか! まあ冗談はその辺にしておきましょう。5月19日には先輩の本望信人選手が返上した東洋タイトルと日本タイトルを懸けた試合がすでに決まっています 「そうですね。ベガスショックの傷も癒えたんで猛練習してますよ。今回はアメリカキャンプで学んだことを色々出してみたいと思います。フットワークやパンチの打ち方とか細かい部分も盗んできたんで」 --ほほう、そうやって目に見える形で成果が出ると行った甲斐もあったという話になりますね。それと最後に5月3日にはその本望選手が世界タイトルマッチに挑みますが、相手は小堀選手がスパーしたWBC世界スーパーフェザー級王者のエドウィン・バレロ選手ですが、何か一言ありますか 「僕がスパーをしたバレロ選手の印象なんかは本望さんにも伝えています。みんなチャンピオン有利だと思ってると思うんですが、それこそ何が起きるか分からないのがボクシングですから。本望さんは絶対やってくれると信じてます!」 --本望選手には是非ともベルトを持ち帰ってきてもらいましょう。もちろんご自身の試合も頑張って下さい。さらに強くなった小堀選手に期待しています! 「ありがとうございます。アメリカで学んだ成果を少しでも見せられるように頑張ります!」


続きを読む...

posted by 角海老広報室 |17:33 | 対談・インタヴュー | コメント(1) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

« 前