2006年09月22日

[対談]コボとカズの場外トーク

角海老宝石ジム売り出し中の若手期待株、プライベートでも仲が良い現日本チャンピオンの小堀佑介と渡邉一久による対談企画「コボカズの場外トーク」がスタート!

-それじゃ始めましょうか。えーと小堀くんの方が2歳年上でしたっけ?

渡邊一久(以下カズ)「僕が22歳で小堀さんが今年25歳だよね」


-じゃあ小堀くんがお兄さんキャラ?

小堀佑介(以下コボ)「そうですね。僕が面倒見てるっていうか…」
カズ 「おい!そんなことねーだろ。どっちかって言ったら俺が世話してるって感じですよ。そうだろ」
コボ 「(うつむき加減に)ええまあ…」

小堀佑介&渡邉一久
-え?そうなんですか!? 小堀くんの方が落ち着いてる印象があるけど… コボ 「そうなんですよ、一久はまだ若いっすね」 カズ 「おいこら!」 -ははは、まあどっちもどっちということで。で、2人はどういう関係なの? カズ 「まあボクシング漬けの毎日の中で空いた時間を楽しく過ごすための仲間っていうか。要するにヒマ潰しの友って感じですかね」 コボ 「そんな感じです…」 -具体的にはどういうヒマ潰しをしてるの? カズ 「メシ食ったり、飲み屋行って馬鹿話したり。昔はよくギャンブルしてました。小堀さんに悪の道に引き込まれて」 コボ 「悪の道って…。パチンコとかそんな類ですよ。ジムの寮生時代の頃ですけど」 カズ 「あれって3~4年前? 色々やったなあ。ここでは話せないこともあるけど(笑)。でもまあギャンブルもある意味勝負だから面白いんですよ。俺はどちらかって言うと感覚で勝負するんだけど、小堀さんは色々研究したりして慎重派、だよね」 -へえ、それはまた性格が出ますね。ボクシングもそんな感じじゃない? カズ 「あ、そうかもしれない。」 コボ 「そうだね。でも一久はさあ、ちょっとしたことで今よりずっと強くなれるのに。ホントもったいない」 カズ 「もったいないってなんだよ!」 コボ 「だから普通にボクシングをすればめちゃくちゃ強いのに、意味もなく試合中に熱くなって悪い方に行っちゃったりして。もったいないんですよ」 カズ 「うんうん(少し嬉しそうに頷く)」 コボ 「だから普通にボクシングをすればめちゃくちゃ強いのに、意味もなく試合中に熱くなって悪い方に行っちゃったりして。もったいないんですよ」 カズ 「でもそれも含めて俺じゃない。そうやって簡単に言うけど人間はそんな風にすぐ変われないんだって。俺はこの性格と一生付き合ってくって決めてるからいいの!」 コボ 「(小声で)まあこいつはまだ若いんで…」 カズ 「おい! この人ほんとウザイんすよ」 -いやいや面白いよ、見てる分には。じゃあ一久くんから見て小堀くんの強さはどんなとこ? カズ 「この人はねえ……、あんまり感情を表に出さないように見えるけど、実は超が付くくらいの凄まじい負けず嫌いで」 -あ、それは意外 カズ 「でしょ。みんな知らないけど俺は知ってる。一見クールに見えて実はそうなんですよ。だから強い。それは小堀さんのギャンブルを見てれば一発で分かる!(断言)」 コボ 「…。まあいいよ。でも一久はさあ、俺のボクシングを真似ようと思えばできるんだよ。でも俺は一久のボクシングを真似ようと思ってもできない。元々の素質が全然違うから」 カズ 「そんなことないよ。俺は小堀さんのボクシングは絶対できないもん。性格変えないと」 コボ 「だから性格なんてすぐ変えられるよ。俺は俺の体は変えられないからさ」 -まあまあ、おふたりとも素晴らしいボクサーだっていうことで カズ 「そういうことです(笑)」 -それじゃあチャンピオンになってどうですか? 何か変わったことってある? コボ 「(照れながら)少し明るくなりました」 カズ 「なんだよそれ!」 コボ 「いや性格が…」 カズ 「ほんとウザイでしょ、この人。訳分かんないんですよ」 コボ 「いやいや本当だよ」 カズ 「自分自身はそんなに変わってないなあ。ただ忙しくはなりましたよ。こういう風に取材受けたりとか、色んな人との付き合いが増えたりとか。それはそれで楽しんでますよ。チャンピオンだって自慢したりは絶対しませんけど、人に接する時とかもそういう意識は一応持ってます」 コボ 「取材ですか…、僕の場合は電話すら鳴りません」 -(一同爆笑)そうですか、鳴りませんか(笑) カズ 「それも小堀さんいつも携帯圏外だから(笑)」 コボ 「色んな意味で圏外なんですよ、僕は。でもいいんです。人は人、僕は僕ですから(少し寂しそうに)」 カズ 「とか言いながら人付き合いとかすごく上手ですよ、小堀さん。俺の方がどっちかと言えば不器用だもん」 コボ 「(自慢げに)上手です」 カズ 「おい!どこで自分アピールしてんだよ!でも小堀さん良い人ですよ。日本チャンピオンになった時もその1週間後に僕のタイトルマッチがあって、小堀さんが電話くれて『お前がチャンピオンになるまで俺もチャンピオンじゃないから』って」 コボ 「(照れながら)そんなこと言ったっけ?」 カズ 「言った言った。覚えてるくせに」 -それはそれは、素晴らしい友情ですね。感動的な話が聞けたところで2人とも防衛戦も近いし、目標とかってありますか? カズ 「色んなとこで言ってるけど、僕はとりあえず粟生くんとやることですね」 コボ 「僕は……、世界です(ポツリと)」 -お! それは初めて聞きました。でもそれって本気で言ってる? 一久くん通訳お願いします(笑) カズ 「本気に見えないようで本気ですよ。これがこの人の照れ隠しですから。実は心はメラメラ燃えてるはず。でしょ?」 コボ 「うーん、この間世界ランクの15位(取材の時点では)に入ったんですよ。一応挑戦権はあるんで日本じゃなくても外国でもいいし、可能性がないわけじゃないんで」
小堀佑介&渡邉一久
-是非頑張って下さい。世界チャンピオンになったら絶対取材も来ますよ! コボ 「そうですね、頑張ります!」 カズ 「あれ? なんだか最後の最後で小堀さんにおいしいところを持ってかれたような…」


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posted by 角海老広報室 |22:48 | 対談・インタヴュー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年09月22日

榎洋之[角海老宝石]***ナデル・フセイン[オーストラリア]2006/09/16

東洋太平洋フェザー級王者の榎洋之(角海老宝石)が世界トップクラスの実力を証明した。初防衛戦が9月16日に行われ、指名挑戦者で屈指の世界ランカー、ナデル・フセイン(オーストラリア)と対戦。榎にとっては念願の世界初挑戦に向けた最大の試練となったが、フセインを文句なしのフルマーク判定で下した。

WBC同級6位のフセインは2度の世界挑戦を経験しており、戦績は41勝(26KO)3敗。しかも負けた相手はマニー・パッキャオ、オスカー・ラリオス、スコット・ハリソンという名だたる世界王者のみ。24勝(18KO)1分けでいまだ無敗の榎だが、キャリア、実績ともに確実に格上の相手だ。指名挑戦者ということもあって、世界のボクシング関係者が注目するこの試合。勝てば世界の壁が確実に見えてくるが、逆に勝てなければ「世界挑戦の資格なし」の烙印を押されかねない、夢の大舞台への切符が懸かった大事な一戦となった。

周囲から「フセインは強い」と言われ、かつてないプレッシャーを感じていたはずの榎。それは「精神力が今回の課題」と語っていたことからも明らかだった。実際リングに上がった榎は何かの覚悟を感じさせるほど引き締まった表情を浮かべ、この試合にかける強い意気込みが見て取れた。

試合はファイタータイプのボクサー同士、技術と技術、気力と気力がぶつかり合う、まさに「世界」を意識させる好勝負となった。スロースターターの印象が強い榎だが、いつもとは違って1R立ち上がりから積極的にジャブ、ワンツーを繰り出していく。一方のフセインは、まずは様子見といったところ。しかし2Rからは一気にペースを上げ、ノーモーションからフリッカー気味の高速ジャブで差し合いを制し、コーナーに追いつめての強烈な右のボディーブローに榎が一瞬バランスを崩す。

あのパッキャオ、そしてハリソンからダウンを奪い、ラリオスとは判定まで戦ったその実力はやはり歴戦の強者であることをうかがわせる。だが、榎はそのフセインのプレッシャーに決して負けることなく、集中力を切らさなかった。

その後も左のリードジャブを効果的に使い、日本屈指の剛腕を誇る右の強打は何度もフセインの顔面を脅かし、ガードが上がればボディーを下がれば顔面を、という具合に丁寧かつ執拗に攻め立てていく。フセインもフットワークを使いながら榎の強打を警戒しつつ、スピーディーで伸びのあるパンチを武器に一進一退の攻防を展開する。

6R、榎がついにフセインを捉え始める。右のストレートの強打をくらったその直後、左右のボディーの連打からカウンターの左フックがフセインの顎を打ち抜き、ピンチをチャンスに変える会心の一撃。

7Rには右の強打を側頭部に叩きつけ、さらにロープ際で右のストレートを見舞う怒濤の攻撃に、フセインの頭が大きくのけぞる。

榎洋之
8R以降、明らかにフセインは失速した。セコンド陣営がたまらずインターバルで時間遅延を図る苦肉の策を何度も試みる。表情にも覇気がなくなり焦りの色が見え始め、フットワークで榎の攻撃をかわしてスタミナ切れを狙うが、榎の勢いは途切れない。距離を詰めてショートレンジから打ち込んでいく。 そして最終回。榎にとって12Rを戦うのは初めての経験だが、ここでセコンドも「絶対に下がるな。ポイントよりも倒しに行け」と気合を注入して盛り立てる。結局KOこそならなかったが、最後まで油断することなく一発を狙うフセインを寄せ付けず、そのまま試合終了のゴングがなった。 判定は3人全員が2~4ポイント差を付けて榎の完全勝利。強敵を迎えた上、難しいといわれる初防衛に見事成功した。勝者コールの瞬間には榎が珍しく感情をあらわにし飛び上がって喜びのガッツポーズ。リング上では「本気で本気で世界……、応援よろしくお願いします!」とアピールし、会場は大歓声に包まれた。この試合でのフセインの強さは誰もが納得するところ。その強敵相手に判定だったものの内容では圧倒した榎の実力は、文句なく世界を狙える位置にまで達していることを証明したと言える。 角海老宝石ジムの鈴木会長も「世界挑戦に値する選手に成長した。ジムとしてもなるべく早くタイトル戦を組んであげたい」と話し、いよいよ次戦の期待も膨らんできた。 榎の試合後の話 「初めて試合に勝って喜びました。これで喜んじゃいけないんですけどね。世界との差がそんなにないことを実感できたのは大きい。これで文句を言われずに世界戦ができる時が来たんじゃないかな。ブランクが8カ月もあって減量がきつくて不安もありました。練習自体はうまく出来たんですけど、やっぱり試合直前になって弱気になっちゃって。だから木内さん(トレーナー)とも『精神力が課題だぞ』って。特に作戦とかもなくて、とにかく勇気。勇気を出して戦いました。相手はそれなりに強かったですけど、うちのジムには本望さんっていうものすごく強い世界ランカーがいるんで。試合は先手先手でずいぶん飛ばしましたけど、そのまま最後まで行けました。それでもスタミナはもっと付けないと。それにジャブの差し合いで負けてたのはあり得ないですね。今後の反省点です」


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posted by 角海老広報室 |19:53 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年09月22日

ボクサーという人種

97年エディ・タウンゼント賞受賞の名伯楽、角海老宝石ジムの「先生」こと田中栄民チーフトレーナーが選手のことやジムでの出来事、試合の裏側などを毎月語ってくれます!!


そういえば角海老にいた前田(宏行、3階級制覇元日本チャンピオン)がついにK-1デビューしたな。試合は残念ながら途中で怪我をしてしまいTKO負けだったんだが、前田はなかなか頑張ってたぞ。あれは怪我さえなければ勝てた試合だったな。人気や認知度で言えばホントに大きな舞台だから、前田には是非ともボクシングの強さをアピールしてもらいたい。


しかし前田にしてもそうだけど、戦うことの魅力を知ってしまうと引退してもきっと血が騒ぐんだろうな。特にボクサーという人種はその傾向が強いじゃないかって思うんだ。もちろん格闘家も本気で強くなりたいっていう奴が多いのは分かってるし、俺はボクシング以外の格闘技に否定的な意見を持ってるわけじゃないよ。

ただボクシングっていうのはたとえ日本チャンピオン、もしくは世界チャンピオンになったって有名になれるわけじゃないし、金持ちになれるわけでもない。メディアだってテレビは深夜にしか放送されないし、専門誌があるだけだ。そう考えれば、いまの世の中で格闘技をやろうと思ったらまず思いつくのは PRIDEやK-1だろう。山本KIDや魔裟斗をはじめカリスマファイターやメディアの露出も多い。やっぱり普通は華やかな舞台に行きたいじゃないか。

そんなボクシング低迷の時代の中で、あえて他の格闘技じゃなくてボクシングをやろうと思うのはどんな奴か。まあ一言で言ってしまえば変人だな。人気や金じゃなくてただ純粋に「男は強くてなんぼ」、そんな考え方を持ってる変わり者。根っから戦うことが大好きで、腕っ節でしか自分を表現できない不器用な人間たちだよ。前田にしろ坂本にしろ辰吉にしろ、結局戦うことが大好きで大好きで仕方がないんだよ。


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そんな人間たちだよな、ボクサーっていうのは。だからどこのボクシングジムもそうだろうけど、今の時代には珍しい本当に変わった若者たちが集まってきてる。でも考えてみれば、インターネットなんかで世の中はどんどん便利になってきたけど、その一方で親殺しや子殺しのニュースがありふれて、社会が本当に「なんでもあり」の時代になってきてる。 そう考えると俺はむしろ世の中の方がおかしい、変わってるんじゃないかって思うんだよ。ボクシングをやるような若い奴ってのはそんな世の中から見れば変わり者だけど、人間的にはしっかり生き甲斐を持って、周りに流されず自分の価値観だけを信じて生きてる実はまともな連中なんじゃないかなって。 ボクシングの世界でトップを取って一つ得られるとしたら、この競技の長い伝統と歴史が認める「日本で一番強い男」、もしくは「世界で一番強い男」っていう名誉と称号だけだ。古くさいかもしれないけど、そんな馬鹿みたいな男たちがいたっていいんじゃないか。たとえボクシングでトップを取ることができなくても、ボクシングを通して得られる厳しいけれどもこの純粋で濃密な経験っていうのは、その後の人生の大きな糧になるはずだ。ボクシングをやめて、前田のように舞台を変えて戦う者もいれば、新しい人生と格闘する者もいる。どんなに不器用だとしても結局自分さえ見失わなければ心配はいらない。ボクシングっていうのはそういうことを教えてくれるスポーツでもあるんだよ。


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posted by 角海老広報室 |16:36 | 田中栄民の徒然なるまま日々のこと | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年09月12日

塩野翼[角海老宝石]***小口雅之[草加有沢]2006/09/05

注目の「カツラボクサー決戦」が9月6日、「クリーンファイトボクシングパート3」のメインイベント・スーパーフェザー級8回戦で行われた。友人27人による色とりどりの「ヅラトレイン」を従えた塩野翼(角海老宝石)は銀色のロン毛、一方の小口雅之選手(草加有沢)は本格的なアフロヘアと、入場前のカツラ対決も盛り上がったが、試合はパフォーマンスを忘れさせる純度の高い好勝負。お互い一歩も譲らない気持ちの入った乱打戦を展開した結果、経験で上回る小口選手が3-0の判定決着で勝利した。


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入場時のパフォーマンスでは小口選手を上回る強烈なインパクトを残した塩野。それもこの試合に懸ける意気込みの表れであり、塩野自身も「減量も早い段階から調整したおかげでスムースに行ったし、今までで一番充実した練習ができた。ここで負けたら後はない、そういう覚悟でやってきたから」と話し、気力体力ともに万全のはずだった。 しかし、試合は塩野にとって未体験の8回戦。そこで田中栄民チーフトレーナーが打ち出した作戦は「スタミナのある早い段階から打ち合って勝負に出る」というものだったが、やはり初めての大舞台を任されたプレッシャーのせいか、1、2Rの塩野の動きは硬く、何度も肩の力を抜く素振りを見せる。緊張は誰の目にも明らかでコンビネーションは空を切ることが多く、単発のパンチしか当てることができない。 一方、塩野よりも7歳年上で4戦多く戦っている小口選手は落ち着いて試合に入っていった。互角の序盤にこそ見えたが、小口選手は判定勝負も視野に入れて戦っていたに違いない。ジャブで距離とリズムを作って前がかりの塩野をうまく制していたが、早期決着に勝負をかけるべき塩野の方は自分のペースをつかめきれず、これが勝敗を分けたと言ってもいいだろう。 3Rに入り、塩野がようやく攻勢に出る。打ち合いを仕掛け、左フックを中心に何度も良いパンチが入り始める。小口選手もこれに応え、ここから試合は壮絶な殴り合いへとシフトしていく。小口選手はこのラウンドで右目をカット、そして試合後に発覚することになるが、塩野はこのラウンドで鼻骨を折っていた。 4Rからはお互い頭をくっつけた流血の熱戦。気持ちと気持ちがぶつかり合い、ノンタイトル戦とは思えない濃密で素晴らしいボクシングを繰り広げる。 塩野は鼻のダメージから口が開いて呼吸すらまともにできないはずだが、それに加えて両目もカット。しかし、それでも引き下がらず打ち合う根性を見せた。小口選手も何度も良いパンチを貰い途中再三のドクターチェックを受けたが、表情すら崩さずに拳を振り回した。 観客にとってもほや「カツラ対決」というテーマはどこ吹く風、顔面を真っ赤に染めた一進一退の男同士の戦いにただただ興奮し、場内は異様な熱気を帯び始める。 試合は終盤に入り、怪我の影響もあり塩野のスタミナが切れ始める。ふらつく場面が増え、必死の形相でなんとか食い下がるが、6R終盤にはロープ際に追いつめられ、なんとかクリンチでしのぐ場面も。
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7Rも両者根気を振り絞って戦い抜き、ついに最終8Rを迎える。塩野の顔はかなりのダメージを受けており、肩で息をして苦しそうな表情を浮かべる。小口選手がスパートをかけ攻勢を強めるとふらふらになりながらスリップダウン。それでも立ち上がってパンチを出すことをやめない塩野の姿に場内も大歓声で応援する。もはや両者あっぱれという空気の中、ここで試合はタイムアップ。難しい判定だったと思うが、最後までダメージを見せず一貫して戦い通した小口選手に軍配が上がった。 しかし、小口選手の強さを引き出し、見応えのある試合を作り上げられたのは塩野の頑張りがあったからこそ。塩野にしてもここまで自分の潜在能力を見せることができた試合は過去になく、そういう意味でもこの一戦は塩野のボクシング人生の転機となったのは間違いないことだろう。 「カツラ対決」というバラエティ的な要素から注目を浴びた今回の一戦だったが、会場に足を運んだ観客は塩野と小口選手の闘志、勇気に溢れた戦いぶりに、きっとボクシングの根源的な面白さを堪能したことだろう。試合後、勝敗に関係なく2人のボクサーに惜しみない歓声と拍手が送られたことは非常に清々しい光景だったことを付け加えておく。 ※塩野は試合に負けた悔しさから控え室で目を腫らして泣き崩れた。しかし集まった報道陣からも「本当によく頑張った」「久しぶりに胸が熱くなる試合だった」などの声が聞かれ、引退を口にした塩野に対して周囲は「現役続行」を期待していた。 塩野の試合後の話 「たくさんの方に応援してもらっていたのに本当に申し訳なく思っています。3Rで鼻を折り、両目も切っちゃって4Rくらいからはスタミナが完全に切れました。結局は小口選手が気持ちの面で自分を上回っていたんだと思います。負けたら引退するつもりでやっていたんで、今後の進退は落ち着いてから考えたいと思います」


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posted by 角海老広報室 |19:48 | 試合レポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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