2008年03月24日
日本ボクシング界が誇る最強のカードと言ってもいい、東洋太平洋フェザー級王者の榎(洋之)と若き帝拳のホープ、日本フェザー級王者の粟生(隆寛)君のダブルタイトルマッチが行われる4月5日がいよいよ迫ってきた。
驚いたのは2月末の段階でなんとチケットが完売。試合の1カ月以上前にチケットが完売することなんて日本のボクシングでは超異例の出来事。それだけでもこの試合への注目度の高さが分かるだろう。しかも試合は後楽園に新しくできるJCBホールのこけら落とし興行ということもあって、今年のチャンピオンカーニバルの中でも大一番のカードだ。
榎はよくこの試合を決断したと思う。すでに世界ランキングでWBA2位と挑戦権獲得まであと一歩まで来ている榎にとっては、粟生君は世界ランカーとは言え榎よりはランキングでも下、粟生君の持つ日本タイトルにももはや興味はない。榎にとっては得るものよりも負けて失うものの方が大きいだろうし、この段階で粟生君と戦うことにはかなりのリスクが伴う。
しかし榎自身なかなか世界戦が決まらず辛かっただろうし、その後モチベーションを維持して戦うのは相当厳しかったはずだ。そういうこともあり、あえて粟生戦を受けて立ち、勝って正真正銘のフェザー級日本人最強の称号を手に入れてやろうという榎の心意気は本当に立派だし、男だと思う。
もちろん粟生君に勝てば世界戦への弾みになることは確実だろうし、知名度、注目度ともにぐっと上がることになる。興行的に見ても、そして日本のボクシングを盛り上げるカンフル剤になるだけの試合。それだけに榎自身もこの試合にはハンパじゃない意気込みで臨んでる。
お互い無敗の世界ランカー同士、日本のボクシング界を背負って立つ2人の逸材がすべてを賭けて戦うことに俺自身興奮してるし、そしてもちろん榎を信じてるよ。榎の勝利に対する気持ちは恐ろしいほど強いよ。榎はこれまで粟生君が経験したことのない修羅場はいくつも通って今の位置にいる。その蓄積の差を見せてもらいたい。
勝負のカギはいかに粟生君の距離にさせないか。だが、ここまで来たらつべこべ言わずに榎の勝負魂をしっかりと見届けてやりたい。幸運なことにチケットを持っている皆さんは日本ボクシング界きっての、この歴史的な一戦の証人となるはず。運命の決戦はもうすぐだ。
posted by 角海老広報室 |18:32 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
トラックバック(0)
2008年03月24日
☆第2試合 L・フライ級6R
×大内 淳雅(角海老宝石)【判定6R3-0】小野 心(花形)●
元日本ミニマム級チャンピオン・阿部弘幸トレーナーの指導を仰ぐ大内が今回対戦する小野は、大内の兄弟子にあたる日本L・フライ級6位・斎藤直人に判定勝利を収めた経歴を持つ強敵。その05年1月の斎藤戦以来の実戦となる仇敵に対し、果たしてTEAM阿部は3年越しのリベンジとなったのか。
初回、長身アウトボクサーの小野の懐に飛び込もうと前進を繰り返した大内の出端を、サウスポースタイルから長く伸びる小野の右ジャブが弾く。長らく実戦から遠ざかっていた小野は、まずは相手の出方を窺い、勘を取り戻そうとしている様子だ。対する大内は懐深い相手に対しての攻め口を探り出しているといった感じか。
2R、大内はフック系、小野はストレート主体のパンチで攻撃を組み立てる。大内は打ち合いの中で右ストレートをヒットさせたが、両者の有効打はほぼ同数。待ちのボクシングを展開する小野よりもアグレッシブネスに勝った分、大内は優勢を印象付けた。
3R、攻勢を強めた小野は、右ジャブ、左ストレート、右フック、左右ボディをヒット。一方の大内は右目尻をカットするなど苦しい展開が続き、主導権は小野に傾く。
4R、両者は積極的にパンチを交換。大内は終始ボディに狙いを定めたが、上下に散らすパンチの的確性では小野が上回る。しかし小野もブランクの影響からスタミナ切れの兆候が出て、スピードに若干の陰りが見られ始めた。
5R、大内は左の相打ちで一瞬グラつく。その後も小野は大内の接近際にジャブとカウンターを合わせ、アウトボクシングで逃げ切り体勢に入った。ポイントを挽回したい大内は前進を止めないが、そこには焦りの色が窺え、なかなかパンチを正確にヒットできない。
最終回、パンチを小刻みに繰り出し、小野を打ち合いに巻き込んだ大内はロープ際で右をクリーンヒット。すかさずショートパンチのラッシュを仕掛けてチャンスを作った。だが小野も反撃に転じ、熾烈な打撃戦が展開される最中、試合は終了となった。
採点は58-57、58-56、57-57の2-0で小野に軍配。ここ6戦でサウスポーとの対戦は4試合目。「左への苦手意識は大分払拭できつつある」と戦前に話してくれた大内だったが、「懐の深いサウスポー」という特異性を持つ相手を突き崩すにはわずかに力及ばず。サウスポーのジャブ、ストレートに行く手を阻まれてしまった。上を狙うためには、左右問わず、長身ボクサーへの対応力が今後の課題になりそうだ。
posted by kadoebi1 |16:23 |
試合レポート |
トラックバック(0)