2009年08月19日
前回は「見て見ぬふり」ということについて書きました。「見て見ぬふり」はいけないことだが、やはり今の時代だと、素行の悪い子供を注意して逆に反撃されたらどうするの? 坂本さんは元ボクサーで腕力もあるからいいけれど… … といった意見もあるかと思います。
確かにそうかもしれません。反撃されないとは言い切れないし、確かに僕は一般の人よりも腕力はある方でしょう。しかし反撃されるのが怖いからと言って「見て見ぬふり」をしてもいいかと言うと、そうじゃないような気がします。
つまり「見て見ぬふり」というのは逃げることと同じなのではないでしょうか。だからそうした場面に遭遇し注意すべきか迷った時には、ある意味で自分が試されているわけです。それまでにどういう人生を歩んできたのか、どういう経験を積み上げてきたのか、そういうことが問われてくる。これまでの人生で何事に対しても逃げずに、自分に対してしっかりとした自信を積み上げてきた人なら、きっとそうした場面でも上手に対応できるはずです。「こら!おまえたち!」と上から目線ではやるのでなく、「ちょっといいかな?」と子供たちと同じ目線で語りかけ、丁寧に、真剣に向き合えばきっと子供たちは理解してくれるはずです。
そして「見て見ぬふり」をしなかったという経験は、またひとつ自分にとっての自信になり、そうした自信の積み重ねは自分を強くするんです。善いことをすればいずれ自分に返ってくるもの。善は善を呼ぶというのは人生にとってのひとつの真理ではないでしょうか。僕はそう思っています。
だから皆さんももしそういう場面に遭遇したら、目をつぶらずに、勇気を出して行動してみて下さい。大人たち一人ひとりの小さな一歩がこの世の中を、社会を変えていくのだと僕は信じています。
posted by 坂本博之 |14:57 |
坂本博之「熱導・新世界」 |
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2009年08月17日
最近、社会全体が「見て見ぬふり」をすることに馴れてきてしまっているような気がします。自分のことを優先するあまり他者との関わり合いを拒否する、そんな世の中になり始めていることに僕は憂いを感じています。
教育の現場でも、先生が子供たちを叱ることは減ったと聞きます。親や教育委員会だったり、先生たちにも言い分はあるのかもしれませんが、成長過程の子供たちに善悪の判断を教えていくのも大人の役割だと僕は思っています。大人が子供たちに対して真剣に向き合わなければ、子供はそういうものなんだと思ってしまう。
以前ある中学校で講演した時も、教室で僕が話してる最中に生徒たちが騒ぎ始めました。初めはあまり気にせずに話を続けていましたが、騒ぎは一向に収まらない。部外者の僕がとやかく言うのもと思い、担任の先生の方を見たのですが、特に何も言わない。僕はびっくりして結局そのまま講演は終わったんですが、なにか後味の悪さが残りました。
また最近こんなこともありました。散歩がてらに近所の公園に行くと、高校生ぐらいの少年たちがたき火をしていました。そしてまだ火が消えていないうちにそのまま立ち去ろうとしたので、「ちょっと待て」と僕は彼らに声をかけました。僕が注意すると彼らは少し面倒くさそうに残り火を消し始めました。すぐにその場を立ち去りたそうな彼らに、僕はもう一言声をかけました、「どうしていけないか分かるか」と。
もし僕がこのまま彼らを帰らせてしまえば、きっと彼らは面倒くさい大人に怒られたというだけで、自分たちの行為の善悪を理解しないまま帰ってしまうことになります。それではいけない。だから僕は公園には幼い子供たちがいることなどを説明し、彼らにも「なぜそれがいけないのか」を説明しました。すると彼らも納得し、理解し、僕も彼らも晴れた気持ちで別れることができました。
大人たちが子供たちと真剣に向き合えば、彼らは分かってくれます。「見て見ぬふり」をすることは楽なことかもしれません。ただ、こうした風潮が社会全体に広まってしまえば、自分のこと以外は関係ないという人が増え、冷めた世の中になってしまうような気がします。昔はこうるさい近所のおじさんやおばさんがいました。子供たちにとっては面倒くさいかもしれませんが、僕もそんな大人でいたいと思います。
posted by 坂本博之 |20:52 |
坂本博之「熱導・新世界」 |
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2009年04月22日
家庭がなく、児童養護施設に預けられた子どもたちにとって大きな問題は、施設を出た後、いかに社会の中で自立して生きていくかということ。むしろ施設を出てからの方が人生は長いんです。だから児童支援を目的に僕が運営しいる「こころの青空基金」でも、子どもたちの自立支援が最近では大きなテーマになってきています。
2年前から始めた「Skyhigh RingS(SRS)」という活動を通じて、施設の子どもたちとボクシング交流する中で、子どもたちの熱い思いがミットを通してこちらにも伝わってきます。普段笑顔を見せない子どもたちが、時に真剣に、時に笑顔で、たくさんの感情を表現しながらボクシングをする姿を見て驚いた。そんな先生方の声も聞いたりし、あらためてボクシングというスポーツの魅力にも気づきました。
子どもたちの自立支援に関しても、僕はボクシングが一つの受け皿にもなれるんじゃないかと思っています。施設で育った僕自身、ボクシングを通してたくさんの愛情や勇気を貰い、ボクシングを通して自分の生き様を表現をすることができました。たとえ世界チャンピオンを目指さなくても、一つのことに打ち込むことで何か感じ取れるものがきっとあるはずです。
ボクシングはハングリースポーツと呼ばれるように、辛い減量と戦い、肉体を極限まで絞り上げ、厳しい練習を積んでリングに上がる過酷なスポーツです。満ち足りた人間よりも、何かに飢えた、ハングリーで強い気持ちを持っていないとボクシングの世界では上に行けません。施設の子どもたちが育ってきた環境や背景は辛く厳しいものですが、むしろそうした経験で培われた頑丈なハートは、ボクシングでは大きな力になるはずです。
実はいま、鹿児島から施設出身の少年2人が上京し、角海老宝石ジムに練習生として入門しています。2人はまだ10代ですが、ボクシングをやりたいとわざわざ僕を訪ねて来てくれたんです。僕もトレーナーとして、熱の伝わる熱い試合を見せてくれるボクサーを育てたいという思いがあるし、彼らの面倒を見てやりたいと思っています。この2人についてはまた機会を見つけて今度ゆっくり…。
posted by 坂本博之 |16:15 |
坂本博之「熱導・新世界」 |
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2009年04月15日
最近はSRSの活動や講演など、相変わらずあちこち動き回っています。全国の児童養護施設の子どもたちとボクシング交流を図る「Skyhigh RingS(SRS)」もちょうど丸2年が経ったところですが、ここでちょっとしたビッグニュースがあります。
「ショコタン」こと人気アイドルの中川翔子さんから、4月16日に福岡市民会館で行われるコンサートに、施設の子どもたちを是非招待したいとのオファーを受け、僕の故郷でもある和白青松園ほか福岡の児童養護施設3カ所から、17人の子どもたちがショコタンのコンサートに行けることになり、大喜びしています。
中川さんは昔から自分の戦いを見てくれていたみたいで、僕も聞いてビックリしたんですが、2000年の僕と畑山(隆則)の世界タイトルマッチを会場で観戦していたそうです。たぶん当時小学生ぐらいだったんじゃないかなと思うけど、本当に嬉しい限りです。これもまたボクシングが繋いでくれた縁だと感謝しています。
僕が子どもたちへの支援活動を目的に基金(「こころの青空基金」)を設立したのも、親を失った子どもたちが増え続けているこの現状を、少しでも多くの大人たちに気づいてもらいたかったことが大きいんです。でも、いくら僕がボクシングの世界だけで頑張っていても、僕一人の力だけじゃ社会を動かしたり、大きな波を作ることはなかなか難しいものです。だから中川さんのように、社会や世間に直接影響力を持っている人たちがこうした状況に気づき、何か行動したいと思ってくれることがすごく重要なんです。
少子化が叫ばれる世の中ですが、その中にあって児童養護施設の数は増え続け、現在では全国で560カ所、児童の数は約3万人に上っているそうです。幼くして両親と離れて暮らすことを余儀なくされてきた子どもたちが、これから社会で自立して生きていくためには、どうしても大人たちのサポートが必要です。
最近では、企業や学校、公的機関などさまざまな場所で講演する機会が増えています。当初は喋るのが苦手だったのですが、今は僕が言葉で大人たちに伝える良いチャンスだと思って積極的にやらさせて頂いています。
講演でも熱い応援のお言葉をこちらが逆に頂いたり、中川翔子さんからのオファーもそうですが、最近は本当に手応えを感じることが多いです。スポーツや芸能、企業や財団の方たちから支援の申し出が増えてきて、この2年間の地道な活動が少しずつ実を結び始めてきました。熱を持って接すれば、熱を持って返ってくる。そのことの現れだと思っています。今はまだまだ小さな輪ですが、この輪を少しずつ広げ、冷めた世の中に、冷めた人の心にこの「熱」を伝えていきたいと思います。
posted by 坂本博之 |13:09 |
坂本博之「熱導・新世界」 |
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2008年12月16日
ご無沙汰してます、坂本博之です。気づいたらあっという間に年の瀬ですが、今年は自分にとっても大事な年だったような気がします。
児童養護施設の子どもたちとボクシング交流を図るSRS(スカイハイリングス)を立ち上げたのが去年の8月。今年で1周年を迎え、活動も2年目に入ったところです。この1年間でたくさんの子どもたちとともに体を動かし、ボクシングのセッションを通して親交を深めてきました。その中で一つ確信したことがあります。それは、僕たちの活動が必要とされているということ。
「熱を持って接すれば、熱を持って返ってくる」という僕の信念の通り、SRSの活動に対する反響や反応は驚くほどです。子どもたちの叫びや思いを受け止めてあげることの必要性をひしひしと感じながら、自分たちのやっていることは間違っていない、今年はそう思うことができた年でもありました。
SRSの輪も少しずつですが、広がってきました。角海老宝石ジムのバックアップのおかげでたくさんのボクサー、ボクシングジムが協力してくれ、支援してくれる企業や財団も増えてきました。そしてこれからはボクシングという世界だけでなく、その他のスポーツとも積極的にリンクして、スポーツ界ひいては社会全体にまでこの輪を広げていけたらいいと思っています。
来年もとにかく熱く、動けるだけ動く。皆さま宜しくお願い致します。
posted by 坂本博之 |13:56 |
坂本博之「熱導・新世界」 |
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