2011年11月15日

西岡がベガスで防衛成功 日本人初の偉業達成

 WBC世界Sバンタム級王者の西岡利晃(帝拳)が日本人初の偉業を成し遂げた。10月1日、プロボクシングの本場ラスベガスで7度目の防衛戦を行い、同級2位で2階級制覇の元世界王者、ラファエル・マルケスを3-0の判定で下した。日本人が米国本土での世界戦で勝利するのは初めてのこと。しかも相手はビッグネームのマルケスとあって、西岡の米国での認知度と評価は一気に高まり、早くもV8戦でのビッグマッチが実現しそうな情勢だ。

 ラスベガスはプロボクシングにおける世界最高峰の舞台であり、会場となったMGMグランドはマイク・タイソンをはじめ、ジョージ・フォアマン、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオら、このスポーツのスーパースターたちが戦った場所であり、そんな聖地とも言える会場で日本人ボクサーが世界戦を戦うというだけでも大きな意味がある。

 しかも迎えた挑戦者は、実兄のファン・マヌエルとともにメキシコの英雄的存在のラファエル・マルケス。Sバンタム、バンタム級の元世界チャンピオンで40勝中36KOのハードパンチャーで、西岡にとっては間違いなく過去最強の相手であり、この大舞台にふさわしい強豪だ。

 試合は世界戦らしく、緊張感あるハイレベルな攻防の連続だった。ラフで荒々しいボクシングが特徴のマルケスだが、この試合では長い射程距離を活かして懐を深く保ち、慎重なボクシングに徹していた。これも、現WBC世界フェザー級王者のジョニー・ゴンザレスをノックアウトした西岡の「モンスターレフト」を警戒してのことだろう。

 一方の西岡は細かいフェイントや左右へのフットワークをうまく使って、得意の左を中心に常にスピーディーで攻撃的に動いた。中盤以降は完全にペースを掴み、何度も左の強打を打ち込み、マルケスを削っていった。西岡の集中は最後まで切れることなく、終わってみれば最大6ポイント差の3-0判定勝利。米国本土での防衛に成功しただけでなく、内容でもしっかり魅せ、日本のボクシング史上に残る価値ある勝利となった。

 すでにV8戦の相手には、パッキャオの後継者と目されている現WBC・WBO世界バンタム級王者のノニト・ドネア(フィリピン)の名前が挙がっており、実現すればマルケス戦を超えるビッグマッチとなるのは必至。次戦で現役引退とも囁かれている西岡だが、その動向からは当分目が離せなさそうだ。

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2011年10月15日

パッキャオの祖国では草ボクシングが盛ん

 先日フィリピン旅行に行ってきたのだが、やはり現地でのパッキャオ人気は凄まじかった。お土産物屋に行けばTシャツや帽子などのパッキャオグッズが並び、電気屋のテレビでは常にパッキャオの試合が流れているといった状況。
 
 フィリピンの国民的なスポーツは「3B」と言われ、ボクシング、ビリヤード、バスケットボールの3つのBが頭に付くスポーツだ。いずれも国内では非常に人気が高いが、世界レベルで見るとこれまでの花形はビリヤードだった。「マジシャン」の異名を取るエフレン・レイズという選手は長年世界チャンピオンとして君臨し、「ビリヤードの神様」と呼ばれた。レイズもまたパッキャオと同じく国民的英雄の一人だ。

 ビリヤードは庶民的なスポーツで、フィリピンのどこの町に行っても必ずと言っていいほどビリヤード場がある。ビリヤード台は決して平行ではないし、もちろん棒きれで作ったキューに精度などを求めてはいけない。

 そんな環境で夜通し男たちは金を賭けて玉を突く。ギャンブル好きの国民性からなけなしの金を賭ける者も多く、勝ち負けをめぐってのトラブルも絶えない。しかしそういう庶民レベルにまで浸透した状況があるから、フィリピンはレイズだけでなく多くのスター選手を生み、世界トップの「ビリヤード大国」となったのである。

 一方、ボクシングに関してはこれまでも盛んではあったが、やはりパッキャオというスーパースターの登場が大きい。今回マニラの庶民的な町を歩き回っていて、今のフィリピンでのボクシング人気を象徴するような光景に出くわした。いわゆる草ボクシングである。

 ボクシングのリングはビリヤード場と違って町中に点在しているわけではないので、一般の庶民がやるとしたら草ボクシングしかないのだが、まあ言ってしまえば路上でグローブを付けて殴り合いをするというものだ。しかも下は一ケタの年齢の子どもから大人まで、大勢がロープの如く周りを囲み、即席リングを作って熱狂するのである。

 子どもたちに話を聞けば、やはり「パッキャオのようになりたいから」と言う。パッキャオもまた彼らのような庶民街の出身で、路上で寝泊まりし、貧困と闘いながらボクシングで身を立てた人なだけに、彼らのパッキャオに対する憧れは強い。そしていつの日か自分もパッキャオのようになれることを夢見ているのだ。

 ハングリースポーツと呼ばれるボクシング。フィリピンでは第二、第三のパッキャオが近い将来登場してもおかしくないような状況が生まれているようだ。

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2011年09月23日

タイトルマッチ続々決定!

 角海老陣営のタイトル挑戦が続々と決まりつつある。
 
 9月18日にはSウェルター級3位の十二村喜久が、同級の日本・東洋王者のチャーリー太田(八王子中屋)に挑戦。そして10月14日には、日本ライト級2位の加藤喜孝が、同級3位の稲垣孝(フラッシュ赤羽)と前王者の荒川仁人(八王子中屋)が返上した王座を賭けて戦う。
 
 また10月15日には、日本Sライト級4位の麻生興一が「最強後楽園」決勝戦に出場し、同級3位の岩渕真也(草加有沢)と対戦する。勝てば来年のチャンピオンカーニバルでタイトル挑戦となる運びだ。

 ほかにも日本ウェルター級2位の下川原雄大も、タイトル挑戦を待つ。11月1日に同級の日本・東洋王者の渡部あきのり(協栄)が同級8位の庄司恭一郎(戸高)と防衛戦を行う予定で、ここでの勝者とのタイトルマッチを来年早々にも狙いたいところだ。
 
ここ数年で多くのチャンピオンたちが引退し、新しい世代を育成するなどして新陳代謝を図ってきた角海老ジム。ランカーたちの成長はもちろん、全日本新人王MVPで日本ライト級8位の土屋修平らその下に続く世代も着々と育ってきている。

 まずは十二村、加藤、麻生、下川原の4人の中からベルトを持ち帰ってくる選手が出てくることを期待したい。

posted by CRK |20:55 | コラム-KNUCKLE IS THE SOUL | トラックバック(0)
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2011年07月26日

下田昭文が「メジャー挑戦」に失敗も健闘

'下田、ラモスの一撃に沈む KO負けで初防衛に失敗=WBA世界戦

 ボクシングWBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチが現地時間9日、米ニュージャージー州アトランティックシティーで行われ、チャンピオン・下田昭文(帝拳)が同級1位のリコ・ラモス(米国)を挑戦者に迎え、初防衛戦に挑んだ。
 下田は序盤から持ち味であるスピードと野性的な防御勘・ディフェンスワークでラモスを翻弄(ほんろう)。自身のペースで試合を進め、左ボディーストレートで挑戦者を削っていく。
 試合の大部分でラモスにロープ・コーナーを背負わせて展開するなど優勢に進め、終盤でのKO、あるいは判定勝ちが期待された下田だが、中盤7R、狙って放った左が当たらず、やや振りが大きくなる。
 そこへジャブからストレート、ワンツーと細かく放って当てたラモスは間髪いれず左フック一閃(いっせん)。これが綺麗にアゴを打ち抜くと下田はバッタリ倒れてしまい、立ち上がる意志を見せたものの、足元が泳いでしまい定まらず。レフェリーはノックアウトを宣告し、7R2分26秒、リコ・ラモスが20戦全勝と無敗記録を更新して新チャンピオンとなった。
 下田は初防衛に失敗し、戦績は27戦23勝(10KO)3敗1分に。日本人初となる米本土での防衛劇はならなかった。(スポーツナビ)'

 下田の出来は悪くなかった。6回までジャッジ1人がフルマークを付けるほど、ポイントでも優位に立っていた。特に4、5Rは右のジャブも左のパンチも走り、スピーディーに動いて、その類い希なボクシングセンスを存分に見せつけていた。
 それだけに7RのKOパンチの左フックを貰ってしまったのがもったいない。ラモスにとってはラッキーパンチとも言える下田ペースの展開だっただけに、悔しい。このあたりの心情は、格闘技を中心とした取材プロダクション『拳論』さんの記事に同調したい。(http://boxing.dtiblog.com/blog-entry-2360.html)

 日本人が世界チャンピオンとしてアメリカで勝つことは、日本のボクシング界にとっては悲願の夢で、野球で言うならばメジャー挑戦と同じような価値がある。下田は負けたものの向こうでも十分通用するだけのパフォーマンスを見せたことは確か。
 そして「SHIMODA」の名前は、米国のボクシング関係者の記憶にもしっかり残せたのではないだろうか。まだ26歳と若い。「アゴが弱い」とも聞く下田には、ディフェンス面をしっかり強化し、引き続きアメリカ挑戦の夢を諦めないでほしい。
 むしろこれを機会に積極的にアメリカでのトレーニングや試合を組んでいくのも良いかもしれない。
 10月には下田と同じく帝拳ジムに所属するWBCスーパーバンタム級王者の西岡利晃が、ラスベガスで7度目の防衛戦を行うことが決定。挑戦者は2階級を制覇した元世界チャンプのラファエル・マルケスと言われており、西岡にとっては有名ファイターとの本場ベガスでのビッグマッチとなる。
 弟分の下田がなしえなかった日本人初のアメリカでの快挙を西岡には是非とも実現してほしいし、こうした日本人ファイターの海外進出は、どんどんやってもらいたい。

posted by CRK |16:58 | コラム-KNUCKLE IS THE SOUL | トラックバック(0)
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2011年06月08日

11歳のボクサー、坂本正道君

 角海老宝石ボクシングジムに通う11歳の少年が評判だ。埼玉県蕨(わらび)市に住む小学6年生の坂本正道君は3歳の頃からムエタイを始め、立ち技格闘技のシュートボクシングのジュニア部門ではすでに80戦を超え、うち60勝以上しているこの世界では名の知れた「強者」だ。3カ月ほど前から兄の政一君(17)、妹の美加ちゃん(10)とともにジムに通い、現在はプロボクサーを目指しているという。

 「今までの試合はほとんどパンチで倒してるから、ボクシングでプロになりたい。夢は世界チャンピオン」と恥ずかしそうに話す正道君。幼い頃から兄の影響で地元にあるムエタイの名門「ウィラクサクレックジム」に通い始め、メキメキと才能を発揮。アマチュアシュートの全国大会では6連覇を達成したこともあるほどの怪童だ。

 小6とは思えないほどしっかりと鍛え上げられた肉体、腹筋はしっかり割れている。キックで木製のバット2、3本は折ると言うから驚きだ。ジムではミット打ちからスパーリングもやっており、先日は昨年の全日本新人王、Sバンタム級12位のコーチ義人(20)とスパーリングしたという。

「コーチ君はやっぱり巧かったし、ボディーが結構効いた。でもちょっと火が付いてきた… 」とうつむきがちにかなり悔しそう。自他共に認める負けず嫌い。

 毎日2時間は必ずジムに来て練習し、田中栄民チーフトレーナーも「筋が良い。この年で大したもんだ」と太鼓判を押す。「ボクシングは細かいテクニックがたくさんあって難しい。もっともっと練習したい」と正道君。このままいけば間違いなく将来の角海老を背負って立つボクサーになるはず。正道君のこれからに期待したい。

posted by 野口 弘宜 |13:23 | コラム-KNUCKLE IS THE SOUL | トラックバック(0)
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