2008年04月18日

●田中栄民の徒然なるまま日々のこと 小堀の世界戦が決定!!

20080418
 なんと言っても小堀(佑介)の世界戦がついに決定したぞ。この交渉は3カ月ほど前から水面下で行われていたのだが、相手のWBA世界ライト級チャンピオンのホセ・アルファロは大物プロモーターのあのドン・キングの選手で、交渉は紆余曲折もあったが1カ月前にはほぼ対戦が決まり、こちらも試合に向けて準備を始めていたところだった。  アルファロは若干24才で右打ちオーソドックスのファイタータイプ。ビデオも見たけど良い根性してるよ。去年の12月にタイトルを獲得したばかりで今回が初防衛戦。気合十分でガンガン打ち合ってくるだろうから小堀とだったら相当激しい試合になると思うよ。本当にやるかやられるかの勝負だ。  もちろんこっちとしても負けるつもりは毛頭ない。小堀もこれまでずっと準備してきたし、やっぱり練習に対する力の入り方も違うな。世界戦決定の知らせを聞いた時は「本当ですか?」なんて言ってたが、正式に決まってあいつと「よし、やってやろうぜ」ってお互い気持ちを入れ合ったからね。  俺はあいつなら絶対やれると思ってるよ。小堀は意外とああ見えてクレバーで賢い部分も持ってるし、反応、タイミング、回転力、それに割と注目されてないが目も良いからディフェンス能力も非常に高い。なんと言ってもあいつは皆さんもご存じの通り普段からとぼけた顔してるだけあって、悪く言えば天然でズボラなだけだが、良く言えば何事にも物怖じしないんだよ。それが私生活ではどう出るかは知らないが、こと勝負事に関しては小堀の場合はそれが大きな長所になってる。あいつはどんな試合でも必要以上に気負わないし、どんな相手でも前に出て勝負ができる。それがなによりボクサーとしての奴の強みだよね。  俺自身、トレーナーとして小堀の世界戦を熱望してたんだが、実際決まってみると意外と冷静というか割とさっぱりしてるもんだね。まあ勝負事は平常心が基本だから、それでいいんだろうな。試合が近づいてきて、また当日になったら気分も違うんだろうけど、今はしっかり目標に着実に近づけるように冷静にやっていこうと思ってる。  階級はこれまで戦ってきたスーパーフェザー級から一つ上げてライト級での挑戦となるが、問題はないだろう。小堀はこれまでもライト級の選手とも戦ってきてるし、元々回転とパワーのある選手だから力負けすることは絶対ない。  特にあの怪物と言われるエドウィン・バレロともスパーをし、去年はマルコ・アントニオ・バレラとのアメリカ合宿に行ってびっちり鍛えられてきた。世界のスーパーチャンプたちの実力を肌で感じてきてることが大きな経験になってるし、自分が世界で通用することにも確信を持ってるはずだ。   とにかくあいつは何かやってくれそうな気がする。妙な大物感というか、そういう雰囲気を持ってる男だと思うよ。試合自体もボクシングの醍醐味である男同士の殴り合いが見られる、本当に面白い試合になるはずだから、是非5月19日は小堀の一世一代の大勝負を皆さんにも見届けてもらいたい。


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2008年03月24日

田中栄民の徒然なるまま日々のこと 「榎の心意気」

20080324
 日本ボクシング界が誇る最強のカードと言ってもいい、東洋太平洋フェザー級王者の榎(洋之)と若き帝拳のホープ、日本フェザー級王者の粟生(隆寛)君のダブルタイトルマッチが行われる4月5日がいよいよ迫ってきた。  驚いたのは2月末の段階でなんとチケットが完売。試合の1カ月以上前にチケットが完売することなんて日本のボクシングでは超異例の出来事。それだけでもこの試合への注目度の高さが分かるだろう。しかも試合は後楽園に新しくできるJCBホールのこけら落とし興行ということもあって、今年のチャンピオンカーニバルの中でも大一番のカードだ。  榎はよくこの試合を決断したと思う。すでに世界ランキングでWBA2位と挑戦権獲得まであと一歩まで来ている榎にとっては、粟生君は世界ランカーとは言え榎よりはランキングでも下、粟生君の持つ日本タイトルにももはや興味はない。榎にとっては得るものよりも負けて失うものの方が大きいだろうし、この段階で粟生君と戦うことにはかなりのリスクが伴う。  しかし榎自身なかなか世界戦が決まらず辛かっただろうし、その後モチベーションを維持して戦うのは相当厳しかったはずだ。そういうこともあり、あえて粟生戦を受けて立ち、勝って正真正銘のフェザー級日本人最強の称号を手に入れてやろうという榎の心意気は本当に立派だし、男だと思う。  もちろん粟生君に勝てば世界戦への弾みになることは確実だろうし、知名度、注目度ともにぐっと上がることになる。興行的に見ても、そして日本のボクシングを盛り上げるカンフル剤になるだけの試合。それだけに榎自身もこの試合にはハンパじゃない意気込みで臨んでる。  お互い無敗の世界ランカー同士、日本のボクシング界を背負って立つ2人の逸材がすべてを賭けて戦うことに俺自身興奮してるし、そしてもちろん榎を信じてるよ。榎の勝利に対する気持ちは恐ろしいほど強いよ。榎はこれまで粟生君が経験したことのない修羅場はいくつも通って今の位置にいる。その蓄積の差を見せてもらいたい。  勝負のカギはいかに粟生君の距離にさせないか。だが、ここまで来たらつべこべ言わずに榎の勝負魂をしっかりと見届けてやりたい。幸運なことにチケットを持っている皆さんは日本ボクシング界きっての、この歴史的な一戦の証人となるはず。運命の決戦はもうすぐだ。


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2008年03月14日

奈須が日本人世界ランカーに挑戦

奈須勇樹
 奈須(勇樹)がスーパーフライ級の強豪、世界ランカーの中広大悟と対戦する。奈須は移籍後2戦目となった前戦でまさかの1回KO負けして一時は相当ヘコんでたけど、中広戦が決まったことで今は切り替えてバリバリ練習してる。  中広君は過去に現WBCチャンピオンの内藤大助と日本タイトル戦、ポンサクレックとも世界タイトル戦を争い、いずれも負けはしたけど判定まで戦いきったWBC12位の世界ランカーだ。  敗戦はこの2試合だけで現在3連続KO勝利中。正直言って強いよ。奈須にとっては格上との危険なマッチメイクでもあるが、勝てば世界ランキングが手に入る大きなチャンスだ。厳しいと思うか、おいしいと思うか、男なら断然後者だろうね。  奈須は05年の全日本新人王を獲得し、ポテンシャルには相当期待している。中広君も同じ新人王を獲ってからステップアップしていった選手だから、このチャンスを前に前回の負けを引きずってられないし、堂々と下克上を狙ってほしい。  中広君は右も左も多彩なパンチを持っているが、パンチは奈須の方があると思ってる。試合自体も噛み合うだろうし、白熱した屈指の好カードになることを予感している。  こちらとしてはチャンレンジャースピリットを持って先手先手で行きたいところ。前回がああいう負け方だったこともあって、奈須にはとにかく気持ち、気持ちで負けないこと。勝負事は集中力とモチベーション、悩んだり頭の中を忙しくしてると勝負勘は鈍くなるものだ。この1戦が自分にとってどういう意味を持つのか、どれだけのチャンスなのかをしっかり認識して戦い抜き、最後にお客さんの前で勝ち名乗りをあげてもらいたい。


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2008年03月13日

宮田と南アフリカへ

宮田芳憲
 宮田(芳憲)のWBCインタータイトルマッチで南アフリカのヨハネスブルグに行ってきた。残念ながら宮田は8回TKO負けでタイトル獲得はならなかったが、やはり準備に2週間しかなかった状況など、とにかく条件が厳しかったのは大きかった。  知っている人もいると思うけど、ヨハネスブルグは「世界一治安の悪い場所」と呼ばれていて、我々の泊まったホテルの周りはそんなに治安が心配されるような場所じゃなかったはずだけど、近隣の家は塀が3メートルくらいあったり、鉄格子や有刺鉄線で囲まれてたりして、あれにはさすがにビックリしたな。  だから現地に入ってからもロードワークは危険だからと言われてできず、しょうがないからホテルの駐車場で練習したよ(苦笑)。  試合は地元のカジノで行われたんだが、途中大きなビルが立ち並ぶビジネス街のような場所を通った時に、運転手が「あそこだけは絶対行っちゃダメ」って言うんだよ。でも見た目はビル街だし、なんでだろうってよく聞いてみたら、周辺の治安が悪すぎてビジネスマンたちはみんな出て行ったらしい。今はゴーストタウンになってて、地元のギャングの巣窟になってるって聞かされて震えたよ(笑)。なんだか治安の悪さのスケールが違うっていうかね、さすがだなと。  試合自体はカジノの余興的なイベントのような感じだったけど、メインイベントでしっかり国家も歌ってWBCのタイトルマッチらしくその辺はしっかりしてた。お客さんは向こうのお金持ちの人たちばかりだから、逆にプレッシャーを感じることもなかったな。  でも正直宮田はキツかったと思う。大した練習もできず、減量も最後にほぼ2日間絶食してなんとかクリアできた状況だったし、決してコンディションはベストじゃなかった。  チャンピオンは元々アマチュアの選手でオリンピックのベスト8まで行ったことがあるらしく、強いというよりとにかく巧かったな。リーチも長くて距離を取って軽いパンチを上手に当ててくる、完全にポイントアウトするボクシング。宮田のパンチもなかなか当たらず、一度だけ良いのが入ってグラつかせたんだが、すぐに組み付かれてクリンチで逃げられてしまったのは残念だった。  効いたパンチもなく試合中盤に入ったんだが、突然目立って宮田の疲れが出始めておかしいと感じた。実は試合会場は標高が1500メートル以上ある場所で空気が薄く、宮田はほとんど呼吸ができない状態になってたんだよ。ポイント差もあったしこれ以上試合を続けると危険と判断して、結局レフリーに試合を止めてもらったのが結末だ。  空気の薄さというのは普通にしていても分からないが体を動かすと明白なもので、以前小堀がアメリカキャンプに行った時も高地でスパーをして呼吸困難になり、「人生初めてスポーツで吐いた」って言ってたほどだから。  宮田の敗戦は、もちろんチャンスを逃してしまったことは非常に残念なことだが、今回ばかりは状況的に仕方がない部分もあった。ただ宮田のような選手はいつチャンスが来ても良いよう、常に準備をしていないとな。この経験をまた糧にして頑張ってほしい。  しかし強烈な国だったよ。一生のうちに行けるかどうかっていう場所だし、それはそれで俺自身も良い経験になったよ。まあまた行きたいかと言われたら正直悩んでしまうんだが……(苦笑)。


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2008年03月07日

不甲斐ない防衛戦

小堀・田中
 1月に行われた小堀(佑介)の防衛戦だが、勝ちはしたもののチャンピオンとしては不甲斐なさが残る内容だったことを少し反省したい。  挑戦者の松崎(博保)君は非常にクレバーな戦い方をしたと思う。松崎君は打っては引き、打っては引きという距離を取ったいわば「打ち合わないボクシング」を終始展開したが、基本的に打ち合いの中から活路を見い出す小堀のようなボクサーにとっては、攻め所が少なくどうしても噛み合わない試合になってしまった。  だが、内容よりも勝利を優先する挑戦者陣営にしてみれば、小堀を研究し尽くした末の勝つために当然の作戦であり、小堀にはその上でチャンピオンとしてどう戦うかが求められた試合だったと思う。  小堀はほとんど「らしさ」を見せることのないまま、僅差の判定でなんとか防衛したわけだが、不調の原因は一言で言えばモチベーションの低下。しっかり研究してきた挑戦者に対して、小堀は大してビデオも見ずにナメてた部分もあっただろう。試合中も気持ちが全然乗ってなかった。そこが根っからの面倒くさがり屋のあいつの悪いところというか…  ただ弁解するわけではないが、小堀にとって前戦が6度目の防衛戦、しかも小堀はこれまでのすべての防衛戦で階級のトップコンテンダーと戦い勝利してきた。日本ではすでに十分結果を残し、世界戦に標準を合わせている小堀にすると、前回の防衛戦を戦う理由がなかなか見つからなかったのかもしれない。むしろ世界戦でないのならもう少し楽な相手と、という思いもあっただろう。  ただ、現時点で日本タイトルを持っている以上、受けて立つのがチャンピオンだ。ましてや世界を狙うのであればどんな試合でも内容、結果が常に問われているのは言うまでもない。相手が打ち合わないからと言ってボーっと突っ立っているようなボクシングをして良いわけがない。  勝ったからまだ良かったけど、これでもし負けてたとしたらもう目も当てられないよ。まあ本人もかなり周りからも言われたみたいで反省してると思うよ。今年は小堀を世界の舞台で戦わせてやりたいと思っているが、今回の試合もまた一つ教訓にしてしっかりやってもらいたい。何ごとも面倒くさらずに!


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posted by 角海老広報室 |18:47 | 田中栄民の徒然なるまま日々のこと | コメント(0) | トラックバック(0)
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