角海老-ボクシングコラム

「5・8角海老ボクシング」見どころ

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角海老ボクシング

 昨年暮れから年初にかけ、世界・東洋太平洋・日本王座を制覇するゴールドラッシュに湧いた名門・角海老宝石ジム。小堀佑介(元WBA世界ライト級チャンピオン)以来約8年、2920日ぶりに世界王座をもたらしたIBF世界スーパー・バンタム級チャンピオン小國以載は移籍組、日本ボクシング界に風穴を開ける空前の偉業を成し遂げたOPBF東洋太平洋ヘビー級チャンピオン藤本京太郎はK-1、苦節7年で花を咲かせた前日本ライト級チャンピオン土屋修平はキックボクシングからの転向組と、昨冬の快進撃は大志を抱く若武者に広く門戸を開放してきたジムの伝統「来る者拒まず」という気風の結晶でもあった。

 角海老黄金時代の再来を予感させる中、ゴールデンウィーク明け初日の5月8日(月)に後楽園ホールで開催される「角海老ボクシング」。当初、京太郎の初防衛戦が予定されていたメインイベントは急遽、WBOアジアパシフィック王座も懸けられる運びとなり、二冠戦にグレードアップ。またアンダーカードの主要キャストも移籍組で固められた。

 2度目の挑戦で東洋太平洋の頂点に駆け上がった新春のウィリー・ナッシオ(豪)戦。立ち上がりこそ、15kg以上の体重差に面喰った様子の京太郎だったが、ナッシオの力量を見極めつつ隙を窺い、早速2回に右カウンターで先制ダウンをゲット。一撃で主導権を引き寄せた後はリングを縦横無尽に動き回る機動力でナッシオを衰弱させた。ソロモン・ハウモノ(豪)の威圧感と実績に委縮し、「ヘビに睨まれたカエル」の如く圧殺されてしまった2012年の大晦日の王座初挑戦から約4年。その間、元WBA世界スーパー・ウェルター級暫定チャンピオン石田順裕(グリーンツダ)、日本ヘビー級の第一人者オケロ・ピーター(緑)といった歴戦の雄と拳を交えて積み上げた経験値を血肉にした京太郎は、ナッシオの巨漢とパワーを目のあたりにしても浮足立たず冷静に対処。メンタル面の成長を示した戴冠劇だった。

 さらなる「初(防衛)」の称号を勝ち獲るべく二冠戦で迎え撃つヘルマン・パーセル(豪)は17戦12勝(6KO)5敗の22歳。直近試合で、京太郎が2012年5月のプロ3戦目で2回TKOに下したアファ・タトゥプ(ニュージーランド)に初回KO勝ちを下している。

 豪州ラグビーリーグのオールスター戦でMVPを獲得した経歴を持つ二刀流選手ポール・ガレン(豪)と一戦を交えた映像を参考にすると、上背は推定180cm弱。サモア出身とあり、上半身の厚みと馬力を身上とするデビット・トゥア(1990年代後半から2000年代にトップシーンで活躍したサモア出身の元IBF世界同級1位)タイプのファイターで、前傾姿勢から飛び込み様に強振する豪快な左フックは一撃必倒の破壊力を秘めるが、WBO13位・WBA14位・WBC15位にランクされるチャンピオンとの経験差は歴然。最長で8回までしか戦ったことがないパーセルの出方は想像がつくだけに、ナッシオ戦同様、序盤を慎重に入り、規定の12回を戦い抜くプランでゲームメイクすれば、勝機は見出せるだろう。とはいえ、京太郎の最終目標は東洋太平洋王者ではないはず。世界進出を見据えるのであれば、勝利を求めるだけでは物足りない。特にフレーム(体格)面で大きな不利を被らずに済みそうな今回は、武器であるアジリティ(敏捷性)を活かしながらも、ヘビー級の重厚感を漂わせるボクシングでパーセルを一蹴してもらいたい。なお日本・OPBF王座を保持する京太郎が勝利を収めた暁には、JBC非公認王座を含むと日本ボクシング界では2005年のクレイジー・キム(ヨネクラ、日本・OPBF・ABCOスーパー・ウェルター級)以来の同時三冠王者に輝く。ボクシング転向直前の2011年6月、全日本プロレスの両国国技館大会にスポット参戦した京太郎が三冠王者として、その名を刻む可能性は極めて高いと見る。

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