2007年06月01日

彼は、どうした?

長年ボクシングを見続け、自他共に認める大のボクシングファン、村木田一歩氏の独善コラム!

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とてもいい試合をするもんで、「将来は絶対ランカーだな」と密かに期待していたボクサーや、強くはないけど妙に印象に残った若者の姿が近頃見られないという事がある。名の知れたボクサー達の動向は、新聞や専門誌に掲載されるから「ああ、そうなんだ」と納得できるが、彼がまだ無名の場合には、事情が分からず心の収まりがはなはだ良くない。 ボクサーがボクシングを辞める理由には幾つかあって、一番多いのはやっぱりケガ。手や肩の骨などの外科的障害もあるが、網膜や眼底に異常を発したり、鼓膜を損傷したり、もっとシンドイのは、脳血管系のトラブルに見舞われたような場合だ。そして、試合でのダメージではなく、デビュー以前ジムでのスパーリングの段階でアウトという実に悲しいケースもあるという。観客の中には血が流れ、朽木のようにボクサーが倒れる姿こそ見たいという人も多いが、早め早めのストップこそが絶対だ。見る人には一瞬の事だが、彼にとってはその後の人生のほうがずーっと長いのだから。 ボクサーがケガ以外でボクシングを辞める理由としては、仕事の方が忙しくなってしまってというのもある。世界チャンプにでもならない限り、ボクシングでは生活が出来ないのが現実だし、食えなければイデオロギーもクソもないというのは、ちょっと前の東欧諸国を見れば容易に知れる。生活の為に辞めざるを得ないというのは、他のプロスポーツでは考えられない事だけど。 それから、プライベートのトラブルを引き起こしたり、巻き込まれたりという事も少なくないらしい。驚くほど少ない報酬に甘んじながら、減量や試合で肉体をイジメ続けるような競技を選択した時点で、彼らはある意味異常だ。お利口さん的で上手な生き方が出来ない分、弱味が出てしまったり、つけ込まれる場合があるんだろうと思う。 「やっぱ、俺は駄目だ」と自分で自分に見切りをつけてしまうボクサーの話も聞く。周囲は「まだまだいけるのに」と慰留したい気持ちがあるにもかかわらず、自分の中のイメージと現実がかけ離れていることに失望してしまうらしい。身近に有力選手がゴロゴロいるような大規模なジムに多いんじゃないかな。 度を越して負けが続いたり、通算で負け越してくると「そろそろ引退か」なんていう雰囲気が漂うらしいが、30歳過ぎて2勝6敗なんて選手が出てくると「彼はほんとにボクシングが好きなんだな」と、何となくほのぼのするよ。


posted by 村木田一歩 |19:22 | コラム-リングサイド | コメント(2) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:彼は、どうした?

ボクシングは、素晴らしいスポーツですよ

posted by 格闘マニア | 2007-06-02 09:40

Re:彼は、どうした?

ボクシング、空手、ムエタイを2年ずつぐらいやりましたが強くて才能がある選手でも練習中や試合中の怪我やダメージで大舞台にたつ前にドクターストップがかかるケースを何度も見てきました。格闘技は本当に過酷だと思います。選手を育てる人たちも選手たちにその過酷さをしっかり教え理解させる責任があると思います。若気のいたりや無鉄砲させで才能を壊してしまわないように。

posted by kozy | 2007-06-02 22:57

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