2007年04月20日

[小堀佑介]米国修行から帰国!

惜しくも3月17日のタイトルマッチで破れたWBC世界スーパーフェザー級前王者のマルコ・アントニオ・バレラのスパーリングパートナーに選ばれ、米カリフォルニア州ビッグベアでの強化合宿に参加した日本スーパーフェザー級王者の小堀佑介。帰国した小堀に1カ月に及んだ米国修行の感想を聞いた。

--まずはおかえりなさい。アメリカ修行はどうでしたか?

「それが初日に有り金を全部やられちゃいまして……、お土産も買えず最悪でした」

--え? 一体なんの話ですか?

「いや、だからベガスで……」

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--それカジノの話じゃないですか。ギャンブル修行の旅じゃないんですから。 「あ、すいません。てっきりそっちの修行のことかと……」 --相変わらずですね。キャラが変わってなくてホッとしましたけど。いや、そんなことはどうでもいいんで、バレラ選手とのキャンプのことを聞かせて下さい。 「は、はい。いやあキツかったっす。まず練習する環境が日本じゃちょっと考えられないような場所で。バレラチームがキャンプを張ったロス郊外のビッグベアっていうのは標高2,000メートルの高地で、分かりやすく言うと富士山の7合目あたりで毎日練習するようなもんなんですよ」 --確かに普通、富士山7合目で練習しませんよね。当然酸素は薄いと。 「薄いですね。実際酸素が薄いってすごいことですよ。普段生活してる分には問題ないんですが、体を動かし始めるとすぐ呼吸が苦しくなってきて。僕、スパーの途中で吐きましたから。初めてですよ、運動して苦しくなって吐いたのなんて。酔っぱらって吐くことはあっても……」 --酔っぱらいの武勇伝はまたの機会に。なるほど、そんな環境でバレラ選手たちはバチバチやってるわけですね? 「そうなんです。ボクシングの技術とかじゃなくて一番違いを感じたのはあんな高地でスパーをやっても彼ら全然疲れないんすよ。12ラウンドやった後に普通にサンドバック打ってますから。もう根本的に土台が違う。だから彼らと同じ土俵に立ってやるためには富士山の7合目まで行かないと本気でダメだと思いました」 --って言いますけど行く気あります? 「いやありませんけど(苦笑)。向こうではこれくらい負荷かけてやらないとダメなんだなって思ってたんですけど。やっぱり日本に帰ってきちゃうとぬるま湯が心地良いっていうか……」 --小堀選手、そろそろチャンピオンらしくしましょう(笑)。実際バレラチームとのスパーリングはどうだったんですか? 「初めは1週間の予定だったんですけど、バレラ選手から『最後までいてくれ』って言われて3週間いました。バレラ選手や他の選手たちと1日おきにスパーをやる感じですね。ただ、知ってれば前もって調整したんですけど僕の体重が重すぎちゃっていきなり4キロ落とさなくちゃいけなくなって。もう飲まず食わずで2、3日で落としましたよ。試合前以外でこんな減量したことないってくらいだったんで、正直スパーどころじゃなくて。吐いたのもちょうどその時だったし」 --それはハードですね。でもキャンプ後半はだいぶ激しくやり合ったと聞いてますよ 「キャンプ中盤から体も慣れてきて、元世界チャンピオンのルディー・ロペスなんかとは結構やりました」 --ボコボコにしたらしいじゃないですか? 「かなり打ち込んでやりました。ロペスも効いちゃって相当悔しがってましたよ」 --相手はメキシカンで、日本人との差みたいなものはなかったですか? 「リーチが長いっていうのとアッパーがちょと独特の軌道で入ってくるくらいで、大きな差は感じませんでした。全然通用すると思います」 --元世界チャンプをはじめそれなりの面子を相手に十分できたっていうのはかなり自信になったんじゃないですか? 「そうですね。自信にはなりました。あのクラスとならやっていけるっていうのは。でもやっぱり世界チャンピオンクラスになると全然違いますよ」 --バレラ選手はやっぱり強かった? どのくらいの違いなんですか? 「全部違います。パワー、スピード、巧さ、スタミナ、どれを取ってもレベルが違いますね。ベガスのタイトルマッチを見てはっきりしたんですが、しかも僕らとのスパーでは全然本気出してないですから。年齢的なこともあるからたぶん半分くらいの力でやってたと思います。僕は2週間で計5回、20ラウンドくらいバレラ選手とやったんですが、まったくパンチが当たりませんでしたね。それに12ラウンドずっとフルスピードでやりますから」 --バレラ選手は破れはしましたが、確かにマルケス選手とのタイトルマッチは凄い試合でしたもんね。 「僕、初めてボクシングの試合を観て感動しましたよ。ベガスって一流のエンターテインメントが集まる場所ですよね。あの試合はそんなベガスにふさわしい超一流のエンターテインメントでした。バレラ選手も負けはしましたが、どっちが倒れてもおかしくない展開がずっと続いて、2人とももの凄いボクサーですね。僕はリングサイドで観戦させてもらったんですが、ボクサーじゃなくて完全に1人の観客になってましたから」 --同じリングに上がりたいとかは考えなかった? 「考えないっていうか、考えられなかった。セミ、セミセミくらいまでは観てても俺だったらこうするとか、このレベルなら十分やれるって思ったんですけど、メインのタイトルマッチを観ちゃったら絶対無理、みたいな。あのレベルの人たちが本気を出したらって考えると、今の僕にはまだ考えられないっすね」 --なるほど。ところで実際に向こうでの生活はどうだったんですか? 内気な日本人1人で大変だったんじゃないですか(笑)? 「メキシカンはホント陽気でテンションが高いんで。僕もいつもよりテンション上げて頑張ったんですが……、辛かったです」 --テンションの高い小堀選手、見てみたいです。 「日本だとあんまり他人のこと気にしないから1人でいればいいんですが、彼らにとって僕みたいなキャラは格好の獲物だったようで。ズボン下ろされたりとか、イジられっぱなしでした」 --小堀選手はラテン気質とは対極のキャラクターですもんね。しかしスパーでも実力を見せてだいぶ向こうでも名前が売れたじゃんじゃないですか? 「いや、それがなぜか僕、みんなから『カリオキさん』って呼ばれてたんですよ。どうも初めに来る予定だったかなんかの人が『カリオキ』っていう名前の人だったみたいで、僕は『コボリだから』って言ったんですけど、『カリオキさん』って呼び続けるから面倒くさくなっちゃって」 --もう『カリオキさん』でいいや、と。 「はい。最後まで『カリオキさん』でした(笑)」 --面白すぎますね。そんな風にイジられながらもこの1カ月間は貴重な経験だっただろうし、色々学ぶことも多かったんじゃないですか? 「確かにたくさんのことを経験させてもらった気がします。世界チャンプと同じ環境で練習できたこと、世界のレベルを肌で感じられたことも大きいですが、彼らのボクシングに対する意識が日本とは全然違ったことにも刺激受けました。キャンプ中に3日くらい雪が降ったんですが、それでもみんな朝ロードに出るんですよ。強くなろうとか、世界チャンピオンになろうとか、そういうことじゃなくて彼らにとってはボクシングしか道がない、そういう意識だからどんな時でも走るのは当たり前っていうか。でも元々陽気な気質だからあまり悲壮感とかせっぱ詰まった感じはないですけどね」
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--そこが分かったら小堀選手も日本のぬるま湯に慣れすぎないように高い意識でやらないと、ですね 「そのつもりだったんですが、なにしろベガスでの負けがストレスになっちゃって、帰国してから2週間くらい遊びほうけちゃいました。ベガスではお金がなくて残りの1週間をホテルでずっと悶々としてたんで。そう考えると体力的にはアメリカ行く前の方があったような気がして、なんのためにアメリカに行ったのか最近になって自問自答してます(苦笑)」 --全然ダメじゃないですか! まあ冗談はその辺にしておきましょう。5月19日には先輩の本望信人選手が返上した東洋タイトルと日本タイトルを懸けた試合がすでに決まっています 「そうですね。ベガスショックの傷も癒えたんで猛練習してますよ。今回はアメリカキャンプで学んだことを色々出してみたいと思います。フットワークやパンチの打ち方とか細かい部分も盗んできたんで」 --ほほう、そうやって目に見える形で成果が出ると行った甲斐もあったという話になりますね。それと最後に5月3日にはその本望選手が世界タイトルマッチに挑みますが、相手は小堀選手がスパーしたWBC世界スーパーフェザー級王者のエドウィン・バレロ選手ですが、何か一言ありますか 「僕がスパーをしたバレロ選手の印象なんかは本望さんにも伝えています。みんなチャンピオン有利だと思ってると思うんですが、それこそ何が起きるか分からないのがボクシングですから。本望さんは絶対やってくれると信じてます!」 --本望選手には是非ともベルトを持ち帰ってきてもらいましょう。もちろんご自身の試合も頑張って下さい。さらに強くなった小堀選手に期待しています! 「ありがとうございます。アメリカで学んだ成果を少しでも見せられるように頑張ります!」


■小堀佑介プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/players/index.cgi?n=338

posted by 角海老広報室 |17:33 | 対談・インタヴュー | コメント(1) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:[小堀佑介]米国修行から帰国!

先日の試合で応援団が持ってた幟は良かった!
小堀の似顔絵入りTシャツが出たら絶対買う!

posted by croco | 2007-06-05 12:39

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