角海老-ボクシングコラム

ドネアがリゴンドーに敗北 世界Sバンタム級統一戦

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 軽量級屈指のビッグマッチとして大きな注目を集め、14日に米ニューヨークで行われた世界Sバンタム級王座統一戦は、 ”フィリピンの閃光” こと世界4階級制覇のWBO王者ノニト・ドネアが、五輪2連覇を誇る11戦無敗のWBA王者ギジェルモ・リゴンドーに3-0の判定負けを喫する予想外の結末となった。

 ビック・ダルチニアンをはじめフェルナンド・モンティエルや日本の西岡利晃、5階級制覇のホルヘ・アルセらを下し、マニー・パッキャオに続くフィリピン人ボクサーとしてスター街道を爆進中のドネア。一方、リゴンドーはアマチュア240勝以上を誇り、シドニー、アテネ五輪で金メダルを獲得、プロ転向後はわずか7戦で世界の頂点に立ったキューバ史上最高のボクサーと評されるサウスポーだ。この2人の対戦は現時点では軽量級最高峰のカードと言ってもいいだろう。

 戦前の予想では、いくらアマチュアでは素晴らしいキャリアを築いたリゴンドーとは言え、12年間無敗、30連勝中というプロとしての経験、歴戦の強豪たちを下してきた実績からドネア有利を推す声が多かった。

 試合は立ち上がりから凄まじくスピーディーな両者の攻防が繰り広げられた。まずは様子を見ながらペースを掴もうとするドネアに対して、リゴンドーは序盤から積極的に仕掛け、カウンターの左ストレート、ボディーアッパーを中心に鋭い強打をヒットさせる。

 リゴンドーの間合いとリズムにドネアはなかなかペースが掴めないまま試合は中盤に。ドネアが攻勢を強め出すと、リゴンドーは一転してアウトボクシングにスイッチ、距離をうまくコントロールしながら高いディフェンススキルを発揮してドネアの攻撃を寄せ付けない。中盤以降リゴンドーはポイントワークに徹し、これには客席からブーイングが飛ぶ一幕もあったが、プロのリングでもアマチュア経験を最大限に活かした試合巧者ぶりで、ドネアという最高のボクサーにほぼ何もさせないのだから、並大抵のことではない。

 いつもと違って輝きを放つことができないドネアが唯一見せ場を作ったのが10Rだった。リスクを取らねば勝ちはないと判断したのか、ドネアが最後の勝負に出ると接近戦から放った左が直撃、これにリゴンドーがたまらずダウン。しかしダメージは少なくドネアは追撃できず、最終12回には逆にリゴンドーが左のカウンターで迎撃し、ドネアの右目を腫れ上がらせたところで試合終了のゴングが鳴った。

 判定の結果は、114-113 115-112 116-111でリゴンドーが3-0で勝利し、WBOとWBAの統一王者に。

 試合後のインタビューでリゴンドーは「ドネアは素晴らしいボクサーだが、今日の試合で勝ったのは自分だ」と勝ち名乗り、一方のドネアは「リゴンドーのボクシングはとても美しかったし、完敗。研究不足だった。もっと練習して強くなる」と負けを認め、再戦に関しては「減量が厳しいので階級を上げることを考えていたが、リゴンドーとはまたやりたい」と話した。

 この一戦により一気に名前を上げることになったリゴンドーだが、中盤の戦い方には評価が分かれるところだろう。勝負論で言えば当然だが、エンターテインメントとしてのプロボクシングという興行論で言えば共感を得るのは難しいかもしれない。それでもリゴンドーが素晴らしい選手であり、今後の軽量級戦線を担うタレントであるのは間違いない。

 12年ぶりの黒星を喫したドネアが今度はしっかり対策を練ってリゴンドーとの再戦を望むのか。それとも階級を上げて新たなチャンピオンロードを歩むのか。どちらにしてもこのまま終わるような選手ではないはず。試合内容からしても、もう一度観てみたいカードでもある。引き続き、今後の2人の動向に注目したい。



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