2007年03月20日
[小堀佑介]アメリカ修行の収穫
97年エディ・タウンゼント賞受賞の名伯楽、角海老宝石ジムの「先生」こと田中栄民チーフトレーナーが選手のことやジムでの出来事、試合の裏側などを毎月語ってくれます!! 小堀(佑介・現日本スーパーフェザー級王者)のアメリカキャンプの話でもしようか。ファンが少ないとは言え、知りたい人も少しはいるだろうから(笑)。角海老ジムのブログや坂本(博之)のブログでも報告してるだろうから細かい話は置いておいて、今回のバレラとの合宿であいつは今までにない刺激を受けてるし、確実に強くなって帰ってくると思う。あれだけの経験をして何も収穫がなければもうどうしようもないっていうぐらいだ。 キャンプ地になったLA郊外のビッグベアは標高が高く酸素が薄くて、あいつもとにかく初めは環境に慣れるのに精一杯だったけれど、体重管理ができていなかったとは言え、バレラを含め向こうの連中とかなり激しく打ち合ってるし、小堀の評価も悪くない。 ただ今回のキャンプに参加して決定的だったのはスタミナの違い。バレラは高地トレーニングの環境下で12ラウンドのスパーリングを全開でやった後でも、平気な顔してサンドバッグを打ち始める。あの余裕な感じはもう見ててかっこいいぐらいだよ。だって小堀なんかは4ラウンドでヘトヘトになってるんだから(笑)。 とにかく元々の土台が違うっていうか、その圧倒的なスタミナの差はどこから来るのか? その一端が分かるエピソードがあるから紹介したい。 ビッグベアではバレラチームみんなで毎朝走るんだけど、ある日大雪が降ってさすがに小堀とこれじゃ走れないって話になってロードは中止したんだ。ところがジムに行くと他の連中が「なんで小堀は今日来なかったの?」って聞くから小堀も「雪が降ってる」って答えた。そうしたら他の連中はその日も朝走ったって言うんだよね。それで「なんで来なかった」って。 俺たちもびっくりして「お前ら雨でも雪でも走るの?」って聞いたら、あいつらは「当たり前。だって仕事だから」って笑うんだよ。「普通の人は雨でも雪でも会社に行くだろ」って。それを聞いてハッとしたっていうか、驚いたし、でも確かにサラリーマンでも社会人なら誰でも雨だろうと雪だろうと仕事に行くし、言われたことはもっともだと思った。あいつらと小堀で決定的に違うのはボクシングに対する意識。ボクシングは自己実現の場所であり、強さや夢を追い求める場所であるんだけど、それ以前に向こうの連中にとってはまず「仕事」なんだよね。毎日走って練習するのが当たり前の感覚を常に持ってる。そのシビアな意識が彼らの底力を作ってるんじゃないかなって今回のキャンプに参加して思った。 これには小堀もかなり驚いてたし、刺激を受けてた。あの別名「サボリ」が日本に帰ったら1.6キロのロードコースを7、8周するって言ってたくらいだから(笑)。あいつにとってはそれが一番重要なことかもしれないな。バレラチームの奴らと同じくらい本気でボクシングに取り組むことができたら小堀は間違いなく強くなるよ。ありとあらゆる面で世界のレベルを肌で感じることができるこの貴重な経験を、これから小堀がどう吸収して肥やしにしていくか。俺自身すごく楽しみだよ。
■小堀佑介プロフィール http://www.kadoebi.com/boxing/players/index.cgi?n=338 ■田中栄民トレーナープロフィール http://www.kadoebi.com/boxing/trainer/tanaka/
posted by 角海老広報室 |15:02 |
田中栄民の徒然なるまま日々のこと |
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