2007年03月16日
坂本博之インタビュー2 これからの人生
15年間に及ぶ現役生活で数々の名勝負とドラマを生み、多くの人々に感動と勇気を与え続けた不動心・坂本博之。1月6日の試合を最後にリングを降りた坂本に、あらためて現在の心境、そしてこれからのことを聞いた。 -さて、現役を引退していよいよ新たな人生が始まるわけですが、坂本博之のこれからを聞かせて下さい 「ひとつには角海老宝石ボクシングジムでトレーナーとして、いままでとは違う立場からボクシングという世界に携わることになる。選手と指導者では同じ世界でもまったく違う分野なので、色々勉強していきたいし、選手時代に培った経験を次の世代にも伝えていきたい」 -トレーナーとして今後の予定などはありますか 「まず2月の中旬頃から小堀(佑介・現日本スーパーフェザー級王者)のトレーニング視察を兼ねてアメリカに行くことになるのかな。小堀は入門当時から俺のスパーリングパートナーをやったり、本当にガッツのある奴。最近の頑張りも立派だし、何かしらサポートしてあげたい。また、自分のこれからの指導に役立ていけるように、向こうの練習方法だったりを選手の頃とは違う視点から色々見てきたいね」 -そうなると将来第2の坂本博之が見られることを期待してしまいますが 「まあ、それはまた違う話になるかもしれないな。俺のようなスタイルが一番良いとも言えないから。人間はそれぞれ個性があるからその子の個性が活きるようなボクシングを見つけてあげないとね」 -指導者としてはどのようなボクサーを育てたいと思いますか? 「技術的にどうのこうのじゃなくてやっぱり熱を持ったボクサー。命をかけてやれるボクサーを育てたい。ボクシングは技術的なことよりも精神面がことさら重要だから。そしてもちろん自分の手でチャンピオンも育てたいと思ってるよ」 -またボクシングの世界で坂本さんの姿が見られることをファンの人たちも喜んでいると思うし、期待しています 「まったく新しい世界なので新人の気持ちで色々吸収して、良いボクサーを育てたいね」-もうひとつ、トレーナー以外にも坂本さんには選手時代から続けている児童支援の活動がありますよね 「これはもうライフワークというか人生をかけてやっていくことなんで。テレビのニュースを見れば親が子を殺し、子が親を殺す、いつの間にかそんな寂しい社会になってきて、自分がそうだったように世の中には身も心もハングリーな子どもたちがすごく増えてる。選手時代からやってる心の青空基金の活動も継続していくし、いままでは時間がなくてなかなかできなかったけれど、これからは子どもたちの支援活動も本腰を入れてやっていくつもり」 -具体的にはどういった活動になるのでしょうか 「とにかく現場、色々なところに顔を出して歩き回りたい。そして子どもたちの心の叫び、生の声にちゃんと耳を傾けてあげたい。やっぱり愛や情を知らずに育った子が多いんだよね。俺も同じ境遇を経験してるからその寂しさはよく分かる。話を聞いてくれる、真っ正面から向き合ってくれる大人たちがいないんだろうね。だからまずはそこの部分で手を差し伸べてあげられたらって思う」 ' -仰る通り子どもたちが荒れる原因は、一義的には大人や社会にあるわけで' 「いまの社会は大人たちも忙しくて余裕がないからね。昔は親がいなくても町のおじちゃん、おばちゃんがいて、みんなで子どもを育てていく土壌があったけど、今は核家族になって人間関係もどんどん希薄になってきた。周りに信用できる大人がいないから子どもたちは大人や社会に不信感を持って生きるようになっちゃうんだよね。俺は福岡の和白青松園に入って家庭を感じることができたけど、いまは養護施設が足りなくて施設にも入れない孤独な子どもがいっぱいいる。本当にこの問題は根が深いんだ」 -そんな冷たい時代に坂本さんのような「熱」を持った大人は少ないですから 「そうなんだよね。世の中が本当に冷え切っちゃってるから。なんでもクールでしょ。俺みたいな人間はかっこ悪いって言われちゃうかもしれないけど、俺は周りの人たちの愛や情に救われてきたからそれがどれだけ重要か分かってるんだ。確かにきれい事ばかりじゃない部分も社会にはたくさんあるけど、やっぱりきれい事も大事だと俺は思ってて、子どもたちと同じ土俵に立って笑われてもいいから熱く愛や情、人とのつながりの大切さを伝えていきたい。ボクサーだった頃と同じように、子どもたちともやっぱり『熱』を持って接していきたいよね」 -そういう意味ではボクシング以上に長丁場で、大きなやりがいを感じられる活動ですね 「そう、これは自分の人生をかけてやっていく大仕事だから、いまはすごく使命感を感じてる。ゆくゆくは駆け込み寺じゃないけど、何らかの学校のような施設……、そうだな、子どもたちが気軽に集まってみんなで食卓を囲めるような場所を作れたら良いよね。そこでは俺も不動心・坂本博之じゃなくて、なんでも話せる気さくな坂本おじちゃんだから(笑)」 -トレーナーとしてはもちろん、子どもたちの支援活動でも活躍を期待しています。また機会を見てご自身の活動についてお話を聞かせてください。それでは最後にファンの方たちへ一言 「15年間のボクサー人生に幕を閉じたけれど、これからの人生の方が現役生活よりもずっと長い。だから僕は生涯現役です。これからも坂本博之は熱く熱く生きていきます。色々な場所でまた皆さんとお会いする機会を楽しみにしています」 -今日はどうもありがとうございました
■坂本博之プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/players/index.cgi?n=339
posted by 角海老広報室 |19:09 |
対談・インタヴュー |
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この記事に対するコメント一覧
昔お会いしましたよ
15年前勝又ジム所属していた頃のサウスポースタイルの練習生でした。自分も同じくプロボクサー目指して新聞配達しながら坂本さんとスパーリングした者です。坂本さんが新人王戦の頃に練習してプロの恐さを知ったものです。あれから15年間経ちますが懐かしい気がします、今思えば鏡でもあり貴方は夢の憧れの人でした、今後、僕も長い人生の中で、この15年間糧にしたものを台無しにせず普通に暮らしていきます。選手生活ご苦労様でした。坂本さん今も応援してるよ。
posted by chikara | 2007-03-22 17:05
Re:坂本博之インタビュー2 これからの人生
長い間、坂本選手に自分の夢や希望を合わせて応援していた者です。熱のある生き様からは、どんな世界チャンプよりも大きな感動を与えられました。心からありがとうございました。今後トレーナーとして活躍されてゆくそうですが、現役のときよりも、むしろこれからの人生のほうが、坂本さんが手にした財産が本当に輝いてくる時代なのではないかと思います。今後も陰ながら応援しています。
posted by 坂本ファン | 2007-03-31 08:08
遅ればせながら
現役引退お疲れ様でした。
同級生の中では坂本選手は、ほんと誇れる存在だと思います。
これからは、後輩選手を育てる立場で活躍されるのでしょうか?
その魂を受け継ぐ選手がこれから活躍されることを期待しています!
同窓会幹事
posted by ryuchu1986 | 2007-07-14 11:28




