2007年03月15日
坂本博之インタビュー1 現役を振り返って
15年間に及ぶ現役生活で数々の名勝負とドラマを生み、多くの人々に感動と勇気を与え続けた不動心・坂本博之。1月6日の試合を最後にリングを降りた坂本に、あらためて現在の心境、そしてこれからのことを聞いた。 -まずは現役生活お疲れさまです 「ありがとう。引退して少しゆっくりできるのかなと思ったら、お世話になった人たちへの挨拶回りや取材なんかでバタバタしてて、まだ自分の時間っていうのがあまり持ててなくて。下手すると現役の頃より忙しいかもしれないな(笑)」 -それでも表情は晴れ晴れとした感じですね 「ボクサーとして俺にできることは全部やった。やり尽くしたっていう思いが強いからかな」-1月の引退試合はドローに終わりましたが、その結果はどう受け止めていますか? 「ファンの人たちのエネルギーを感じながら、高いモチベーションで練習も精一杯やって、万全の状態で試合に臨むことができた。相手は若くて元気があって思ったより強かったというのは事実だけど、あれだけのパンチを貰っても倒れなかったし、自分としては坂本博之らしい最後まで諦めない強い意志を見せられたと思ってるよ。だから結果にはものすごく満足してると同時に、終わってみてやっぱり世代交代の時代なんだっていうことも痛感したな」 -あっけないKO勝利で終わるより、最後まで厳しく戦い抜く試合の方が、逆に坂本さんらしい終わり方のように思えました。そう感じたファンも多かったはずです 「そう思ってもらえれば嬉しい。あの試合でポイントアウトしようという思いはなかったし、俺は最後まで倒せるチャンスを狙ってた。打たれても前に出ようと常に意識して戦えた。それが俺のボクシングだから。なあなあに練習してきたら絶対倒れてたはずだし、そういう技術じゃないハートの部分はしっかり伝えられたんじゃないかな。俺にしたらボロボロになるまで戦えたあの試合こそ、坂本博之らしい有終の美だったと思ってるよ」 -その一方で、見ていて「昔だったら…」と思うような場面もあったと思うのですが 「やっぱりね。攻撃の合間をぬってなんとか仕掛けようと思ってたんだけど、なかなか連打が出ない。これは練習でも感じてたことで、昔だったらあの程度のパンチはなんともなかったし、体力で簡単に押し返すことができたけど、正直言ってあれが精一杯だったんだよね。年齢とこれまでのダメージの蓄積は予想以上に大きくて、俺も生身の人間だったんだってこと。それが分かっていたからこそ俺はグローブを吊す決断をしたわけだし、あの試合で見せた俺のボクシングがあの時に出来た限界のボクシングで、それも含めてボクサー坂本博之の最後の試合だったんだよ」 -15年間の現役生活を終えた瞬間というのはどういうものだったんでしょうか? 「試合が終わってジムの仲間たち以外にも辰吉をはじめ俺と同じ時代を生きたボクサーたち、戦友たちがリングに上がってくれ、さらにリングを降りても熱いファンの声援をもらって……。これが15年間走り続け来た結果なんだなって、ベルト以上の財産を俺はボクシングに与えてもらったんだって心の底から思えた」-あらためてボクサー坂本博之を振り返ってもらえますか 「この15年間を振り返ってみると、もう一滴も出ないよ(笑)。でもね、ボクシングは言葉じゃない、自分の姿や生き様を通してメッセージが伝えられるスポーツなんだ。命をかけて何かに熱中すると人間はあそこまで出来る、本当に人間は強いんだってことを伝えられたと思う。そして応援してくれた多くの人たちのの魂にふれ、熱を持った交流が出来たこと。熱を持って接すれば必ず熱を返してくれる人たちとの交流だよね。自分の命をかけられるものに出会えた俺は幸せだし、もうプロボクサーとしては思い残すことは何もない。いやそれでも思い残すこともあるだろうって言う人には、じゃあ俺と同じことをやってみたらって言いたい(笑)。でも冗談抜きにそれくらい俺のボクサー生活は濃密なものだったからね」 -これからの坂本博之の人生にもきっと多くの方たちが注目してると思います 「ありがとう。47戦目、最後の試合で初めてのドローっていうことの意味は、まだ俺の人生の勝負はついてないなんだってことだと受け止めてるから。これからはトレーナーとして、また自分の人生の中で俺の生き様を通して何かを伝えられたら良いと思ってるよ」
■坂本博之プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/players/index.cgi?n=339
posted by 角海老広報室 |13:51 |
対談・インタヴュー |
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