2007年03月12日

『後楽園ホール』

 プロレスを含めた様々な格闘技には、何故か興味が湧かないし、「笑点」でもないので、後楽園ホールにはボクシングだけを見に通う。だいたい年間80回前後も行くのだが、行くと必ず見知った顔があり、あの人たちは一体どれだけ通っているんだろうかといつも思う。どんな試合でも全て見る人もいれば、身内や友人の晴れ姿や、タイトルマッチや前評判の高い試合だけを見に来る人もいる。自分としては全部見たいのだが、仕事の関係でそれが許されない状況のなかでは、結構頑張ってる方だと思ってる。

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 ホールヘ行くには色々な交通手段があるが、自分はJRの水道橋駅から行くのが一番いいと思っている。地下鉄から遊園地や東京ドームを横に見ながら歩くのは、どうもしっくりしないので、地下鉄の方が便利な場合でも、どこかでJRに乗り換えてから水道橋で降りる。駅から殆どの人が、外堀通りをまたぐ陸橋を渡ってホールに向かうが、この陸橋はドームや遊園地に向かう人帰る人でごった返している事が多いし、ある日、その人たちの華やいだ雰囲気とホールに向かう自分の気持ちとか、あまりにもかけ離れている事に気付いてからは、人の通らない陸橋の下の信号を渡るようになった。  たくさんの試合を見るようになると、個々の選手の顔と前回の試合内容が頭に浮かぶようになって、ああ彼は今日の大丈夫だろうかと胸が高鳴って、まるで自分が戦場へ向かうような、悲愴と高揚を感じてしまうので、何となく「一人にしておいて」というような気分になるからだ。  ホールへは、開場と同時に入るのがいい。まだ観客もそれほど入っておらず、照明を落とした中で、リングの感触を確かめながら、ウォーミングアップするのを見るのが好きだ。選手達はファイナルに近づくほどホール入りが遅くなるので、ベテラン選手が出てくる事は少ないが、チャンピオンになってもなるべくリング上でのアップをルーティンとしている選手もいる。  試合は、第一試合から見るのがいい。アナウンサーをリング中央に立ち、パッと、それこそパパッと照明が全開になる瞬間がいい。初めて来たような人たちは、ここで「オオーッ」と静かにどよめく。リング上は、「君たちは、これまでこんなに明るく照らされたことがあるか!」というほど眩しくなる。今日の第一試合は、双方デビュー戦だ。「カーン」という有無を言わせない音を合図に、敵の力量も全く分からないまま、やるかやられるか、こちらの初年兵も戦場へ突っ込んで行く。  高揚と悲愴、恐怖と期待、歓喜と絶望、こんな世界が、今ほかにあるか。


posted by 村木田一歩 |20:53 | コラム-リングサイド | コメント(1) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:『後楽園ホール』

無い!!!

posted by babu | 2007-03-17 21:40

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