2006年08月05日

亀田興毅にエール!

97年エディ・タウンゼント賞受賞の名伯楽、角海老宝石ジムの「先生」こと田中栄民チーフトレーナーが選手のことやジムでの出来事、試合の裏側などを毎月語ってくれます!!


亀田興毅の世界戦がずいぶん話題になってるようだが、俺の個人的な意見としては試合の判定に関してとやかく言ってもしょうがない気がするんだよな。

色々言われてるけど、亀田は正直良くやったと思う。階級を一つ下げるってのはやっぱり大変なことだし、ライトフライ級では初めての試合、しかも世界戦だろ。それだけのプレッシャーの中で1Rにダウンを取られて、普通の選手だったら持たないよ。階級落としてあれだけのスタミナを維持できて、それとやっぱりあの根性は人並み外れたものがある。チャンピオンになれたのはそれはそれで評価しても良いんじゃないかな。

ただ、実はあまり打たれ強いわけじゃないってことが分かったのは今後の課題だろう。まあ、あれだけガードを上げて戦ってるってことは本人もその辺は自覚してるんだと思うけど。

それよりも考えさせられたのは、ボクサーを育てていく上で人気と実力のバランスを保つことがいかに難しいかっていうことだな。亀田のこれまでの試合を見ていると早い段階でのKO勝利が圧倒的に多い。やっぱり派手な勝ち方っていうのは分かりやすいし、それによって人気も出る。ただボクシングはそれだけじゃない。色んなパターンの試合を経験することも強くなるためには絶対に必要なんだ。どれだけ練習したって本当の意味では強くなれない。試合の中で強くなるしかないんだ。例えば本望のような相手の出方に合わせて戦い方を変えてくる選手をKOするのは難しい。そうしたさまざまな相手との厳しい戦いを経験し、自分のボクシングを発展させていく。それがボクシングの奥深さだと俺は思う。


亀田の場合はメディアを含めた周囲の期待があまりに大きいからどうしても人気が先行してしまって、強くなるための試合、本当に厳しい試合をあまり経験してなこれなかったんじゃないかな。その証拠にデビューしてから彼のボクシングに大きな進歩はあまりなく、持って生まれた身体能力と才能だけで戦ってる気がする。これから世界の強豪と渡り合っていく中で、本当の厳しい経験を積んでいけばもっともっと強くなると思う。

しかし、こうして亀田に過度な期待を背負わすのも日本のボクシング界に辰吉や畑山クラスのカリスマが登場していない背景があるんだろうな。それに加えてこれだけ情報やモノが溢れた今の世の中は、飽きっぽい上に分かりやすさを求めるもんだから周りも本人もどうしても行き急いでしまうんだと思う。

亀田はまだ若いし才能もある、重圧に潰されたらホントに可哀想だよ。そうなったらそれこそ日本のボクシング界にとって大きな損失だ。亀田には自分のペースで自然体で頑張っていって欲しい、そして歴史に名を刻むような偉大なボクサーになって欲しい。亀田の登場のおかげでボクシングに興味を持ってくれる人やボクシングをやってみたいと思う若い子が増えているのは間違いのないことだしね。

■田中栄民プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/trainer/tanaka/

posted by 角海老広報室 |16:21 | 田中栄民の徒然なるまま日々のこと | コメント(0) | トラックバック(0)
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