2009年08月01日
7/18 日本フェザー級10回戦 WBA世界フェザー級8位・榎洋之(角海老宝石)VS 日本同級4位・李冽理(横浜光)
3月にインドネシアのアルディ・ディエゴを3回KOで破ったWBA世界フェザー級8位の榎洋之(角海老宝石)が、日本同級4位の李冽理(横浜光)を相手に約4カ月ぶりのリングに。世界再挑戦を目指す榎にとっては、日本ランカーを撃破して、その実力をアピールしたいところだったが、試合は10回終了後、2-1の判定で榎が破れる波乱の結末となった。 試合を通じて目立ったのは李のボクシングの完成度の高さだった。 まずは立ち上がり。じわりじわりと前に出て堅く、重いジャブを突いてくるいつも通りの榎。相手ににじみ寄ってジャブを突くという一見地味だが、このプレッシャーこそが榎の生命線でもある。過去多くの対戦相手が榎の圧力に押し込まれてきたが、李はリングを広く使い、大きく左に回ることで榎のプレッシャーを回避した。そして、左を伸ばしながら自分にとって危険な距離、安全な距離を把握し、4回以降は完全に距離を支配したと言っていい。 李は、安全な中間距離では持ち前のリーチを活かした変則的なタイミングでジャブを打ち、左右のアッパーなど多彩なパンチを的確に当てていった。李は至近距離での打ち合いにも強く、4回には榎をコーナーに詰めて連打を叩き込むなど、日本トップランカーの実力を見せつけた。 李は中盤4、5回で榎を圧倒すると、終盤にかけては攻める時、守る時と距離をしっかりと使い分けて、榎をほぼ完封した。フットワーク、上半身の使い方などディフェンス能力も高く、榎のパンチをまともに貰うことはほとんどなかった。 李のボクシングの完成度は特筆すべきもので、この大金星でランキングを上げ、今後日本タイトルにきっと絡んでくる選手になることは間違いないだろう。 一方の榎は距離を支配されてしまい、終始手詰まり感が否めなかった。榎の仕上がり自体は悪くなさそうで、パンチにもキレはあったが、得意のジャブを封じ込められてしまって攻撃にリズムが出ず、結果的に全くといって言いほど自分のボクシングができなかった。効いた場面や決定打を貰うことこそなかったが、榎も手応えのあるパンチは最後まで当てられずじまい。最終10回には両者ともに激しく打ち合い、榎もらしさの片鱗を見せたが、やはりポイントでは追いつかず、悔しい敗北を喫する結果となった。 この敗戦で榎の世界再挑戦は大きく後退せざるを得ないだろう。試合後に現役続行を決めた榎だが、これから自分のボクシングをどう進化させていくか、目の前に突きつけられた課題は大きい。良くも悪くも重く堅いのが特徴の榎だが、今後はスピードや軽快さといったこれまでの榎になかった要素の習得にチャレンジするなど、自らのボクシングの進化のためには何か抜本的な変化が必要なのかもしれない。完全に攻略されてしまったと言っていい今回の大きな敗戦を糧に、榎には新しい何かにチャレンジしてほしい。
■榎洋之プロフィール
http://boxing.kadoebi.info/boxing/players/index.cgi?n=335
posted by 野口 弘宜 |13:47 |
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