2009年06月10日
日本スーパーバンタム級タイマトルッチ10回戦 同級6位・金沢知基 VS 王者・木村章司(花形)
日本スーパーバンタム級6位の金沢知基が6月8日、同級タイトルマッチ10回戦に初挑戦。しかし、王者・木村章司(花形)の巧みなボクシングを突き崩すことができず、9回1分34秒、左アッパーでキャリア初のダウンを喫し、そのままカウントアウトされてタイトル奪取に失敗した。 金沢は序盤から積極的に前に出ていった。ワンツー、右から得意の左フックのコンビネーションを狙っていくが、木村は距離をコントロールしながら頭を低くして、金沢のタイミングをことごとく外していく。さらに金沢の踏み込みに左フック、右のクロスを合わせるなど、カウンターを主体としたボクシングを上手に展開していく。 中盤に入って金沢は、なんとかショートレンジでの打ち合いに持っていこうとするが、直線的な動きで顔面を狙うという金沢の攻撃パターンを読み切った木村は、カウンターを当てながら距離を使って試合の主導権を明け渡さない。 こうなると完全にチャンピオンのペース。挑戦者・金沢にも焦りが見え始め、大振りのパンチや強打狙いの一発攻勢が目立ち、単発でいくつかパンチを当てるものの局面を打開することができない。 そして迎えた9回、レフリーがブレイクした直後に木村が飛び込みざまに左のアッパーカットを繰り出し、意表を突かれた金沢はそれをモロに貰ってしまい、たまらずダウン。なんとか立ち上がったが、レフリーはカウントを止めずにテンカウントを数えた。この瞬間、王者・木村が初防衛に成功、新鋭・金沢26歳のタイトル初挑戦は悔しい結末を迎えた。 振り返ってみて際だったのはキャリアの差というべきもの。 この試合が27戦目の木村は、早い段階で金沢のタイミングとパンチを完全に見切っていた。リングを自由に動き回り、絶妙な距離感とダッキングで金沢の攻撃をかわし、カウンターを中心に的確にパンチを当てていく。経験値に裏打ちされた熟練のボクシングで最終的には過去ノーダウンの金沢をノックアウトすることができたわけだから、チャンピオンにとってはほぼ完璧な内容だったはず。 一方の金沢は、挑戦者らしく積極的に戦い、強い気持ちを見せた。しかし攻撃が正直すぎてキャリアの差を埋めることができなかった。もっと打ち合いたかったというのが本音だろうが、木村のような技巧派を相手にした時に、どう距離を詰めていけるのかというのはファイタータイプの金沢には大きな課題に見えた。一発で局面を打開できるパンチを身につけるのか、フェイントや横への動きなどのギミック、アッパーやボディーなど顔面への攻撃に終始しないバリエーションも必要かもしれない。 いずれにしても26歳とまだまだ伸びしろのある年齢。大舞台での敗戦という経験は、それこそ金沢のキャリアにとって黒星以上に収穫もあったはず。自分の現在地点としっかり向き合うきっかけを、そしてこれから自分がどういうボクシングを目指していくのか大きなヒントを与えてくれた試合であったようにも思う。金沢の再起に期待したい。
■金沢知基 http://boxing.kadoebi.info/boxing/players/index.cgi?n=346
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posted by 野口弘宜 |13:32 |
試合レポート |
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