2006年11月10日
小堀佑介[角海老宝石]***三上朗央[帝拳]2006/11/04
日本スーパーフェザー級王者・小堀佑介が同級1位の三上朗央(帝拳)を挑戦者に迎えた2度目の防衛戦。同門で同時期に王者となったフェザー級の渡邊一久がタイトルを奪われた直後だけに、なんとしてでもベルトだけは死守したいところ。 これまで3戦連続KO勝利と好調ぶりを見せていた小堀だが、左肩を脱臼負傷したため当初予定されていた9月の防衛戦を延期、短期間での治療とコンディション調整を強いられており、決して万全の状態とは言えないのが実情。 しかも3年ぶりのサウスポーとの対戦。三上は現時点のトップコンテンダーで、初のタイトル挑戦ということもあって心身ともにしっかりと仕上げてきているはず。小堀にとっては王者の地力が試される一戦となった。 序盤は打ち合いを得意とする小堀に対して挑戦者がプレッシャーを積極的にかけ、この試合への意気込みを示す。やはり小堀は左の故障を意識してか、それとも馴れないサウスポーだからなのか、いつもよりやりにくそうな印象。自分の距離で流れを作り、要所要所で瞬発力のあるコンビネーションを叩き込む。パンチを活かしたクレバーな戦い方が小堀の持ち味だが、この試合では得意の至近距離でもなかなか手が出ず、全体的にもう半歩のタイミングで詰め切れない。 その点では三上の立ち上がりは上々。攻めあぐねる小堀の強打を警戒しつつ左のショート、ストレート気味のボディーブローをうまく当て、打ち合いにも応じる闘志むきだしのファイトでタイトル挑戦者にふさわしい戦いぶりを見せる。 不利な条件の中でこそ王者の真価が問われるものだが、ここ最近の小堀の成長は目覚ましく、特にタイトル戦と初防衛戦という大きな試合を見事なKO勝利で飾り、自信と風格が出てきた。絶好調ではないとは言え、やはり今の小堀を倒すのは容易ではない。 4Rに入り、徐々に小堀がペースをつかみ始める。中盤から激しい打ち合いを展開し、終了間際には三上をコーナーに追いつめて怒濤のラッシュ。真っ向勝負の小堀らしさが出て、ジャッジにも好印象を与える見せ場となった。 その後は三上が若干失速、これを機に小堀がプレッシャーをかけ始める。左も良く出るようになり、カウンターもタイミングが合い始め、手数では完全に三上を上回る。コンディションがベストでないならば一発を狙わずに手数で勝負し、さらにラウンドごとには必ず見せ場を作る試合巧者ぶり。一方の挑戦者も粘り強く応戦して諦める素振りは見せず、2人の好勝負に満員の場内も双方の応援団から大歓声がわき起こる。試合はそのまま小堀が前に出て有利に進める展開。6、7Rには三上が左右の瞼をカット、8Rにはバッティングでさらに右瞼の傷を広げる。挑戦者の顔面に鮮血が目立ち始め、レフリーがいったん試合を止めてドクターも心配そうな様子で傷口をチェックするシーンも。 そして迎えた最終10R。ポイントでは完全に優位に立っている小堀だが、休むことなくパンチを出し続け、このラウンド1分が過ぎるころに強烈な右ストレートが三上の顔面を捉える。ここで三上の傷を心配したドクターが再度チェックに入る。傷口は深くかなりの流血で、結局ドクターはこの時点で試合続行不可能と判断した。 偶然のバッティングによる負傷だったため試合はこれまでのラウンドでの判定に持ち越された。中盤から試合を完全に制した小堀がフルマーク判定で勝利、見事2度目の防衛に成功した。 すでに世界ランキングにも名を連ねている小堀。これまでのKO勝利を意識することなく、判定も視野に入れながら無理をせずに戦えたところにさらなる成長が見えた。持ち前のパワーに頼るだけでなく、こうした賢さを感じさせるボクシングも身につけ、逆境に立たされたことでチャンピオンとしても一層幅を広げた実のある一戦となった。 小堀の試合後の話 「試合中は特に問題なかったんですけど、怪我の影響で心理的な不安もあって久々に緊張したのは事実です。やっぱり久しぶりのサウスポーはやりにくかったですね。打ち合いになってもなかなかパンチが出なくて自分のボクシングがあまりできませんでした。だからポイントも意識して判定でも良いと思ってやってました。まあ勝てたので嬉しいです。これからも地道にやってきます」
■小堀佑介プロフィール http://www.kadoebi.com/boxing/players/index.cgi?n=338
posted by 角海老広報室 |19:28 |
試合レポート |
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