2008年04月10日

4/5 東洋、日本フェザー級ダブルタイトルマッチ

東洋王者・榎洋之(角海老宝石)×日本王者・粟生隆寛(帝拳)
榎洋之×粟生隆寛
 ボクシングファン待望となったチャンピオンカーニバルの大目玉、東洋チャンプ・榎洋之(角海老宝石)と日本チャンプ・粟生隆寛(帝拳)の日本人フェザー級最強を決めるダブルタイトルマッチが4月5日、後楽園に新設されたJCBホールのこけら落とし興行として行われた。ただ、試合は両者ともに決定打を欠いてドロー判定という結果に終わり、残念ながら勝者不在というすっきりとした結果とは言えなかったものの、このビッグカードの対決を振り返ってみよう。  セミイベントの日本スーパーバンタム級の現王者・下田昭文(帝拳)と前王者・山中大輔(白井・具志堅)も白熱した試合となり、判定の末に下田が見事に防衛を達成。その興奮冷めやらぬまま注目のメインイベントへ。  試合に勝てばWBAの指名挑戦権が与えられることもあり、日本人フェザー級最強の称号だけでなく世界戦への挑戦権まで手にできるとあって、両者ともに決意の表情が見て取れる緊迫した面持ちで花道からリングイン。チケットは1カ月以上前に完売しており、この試合を心待ちにしていた満員の場内からは大歓声がわき起こる。  そして試合開始。榎はいつもより慎重に様子を見ながら「自分の生命線」と言う左ジャブを突きながら試合に入る。一方、サウスポーの粟生は右のリードを積極的に打ちながらスピードの乗ったワンツーにつながていく。まずはお互いジャブの差し合い、落ち着いた立ち上がりと言ったところ。  さすが大一番に向けてしっかり仕上げてきた両者ともに凄まじい集中力で、リング上には常に緊迫した空気が張りつめ、見ている方もリング上から目が離せない。  2ラウンドからは榎のジャブがぐんぐん伸びてくる。じわりじわりとプレッシャーをかけ、良いタイミングでジャブが粟生の顔面を捉える。これに対して、高校6冠のテクニシャン粟生もスピードの乗ったコンビネーションでリズムを作りながら、得意の左カウンターを狙っていく作戦か。  中盤に入り、榎は時折右を出すがジャブ中心の戦略は変えず。粟生も右のリードジャブからコンビネーションを狙って積極的に手を出すが、榎のディフェンスを崩すまではいかない。試合は一層緊張感を増していくがその緊張感ゆえか、お互い中間距離で戦うことが多く、なかなかリスク承知で中に踏み込むことができない。  両者そろそろ膠着した局面を打開したいところ。7ラウンドには榎が強引に前に出て接近戦を仕掛けるが、やはり榎の追い足よりもフットワークならば粟生が上、なかなか捉えきれない。中盤の終わりあたりからは榎もジャブから左右のボディー、右のストレートと攻め幅を広げようとするが、粟生の「巧さ」に阻まれてしまい、結局中間距離でジャブから次の攻め手が見えてこない。  そして試合はいよいよ終盤。ここまでは目に見えたポイント差もなくほぼ互角、お互い勝負をかけたいところ。迎えた9ラウンド、粟生が接近戦から放った左アッパーが榎の顎を捉える。たたみ掛けるように粟生が前に出るが、榎もこれをなんとかしのぎ切り、逆にラウンド終盤にはボディーから左フックのコンビネーション、ジャブの連打と盛り返す。これには場内もボルテージが上がり、会場は大きな歓声に包まれる。  そして10、11ラウンドと両者距離を詰めてかなり近い間合いで戦う場面も出てきたが、やはり決定打は出ない。ここまでを振り返ってみると、ポイント的には榎の有効なジャブ、粟生の手数という判断だが、ドローのラウンドも多いと予想され、どちらが有利とは言い切れず。  いよいよラスト12ラウンド、出たのは榎だった。距離を詰めて接近戦から右が粟生の顔面を打ち抜いたことをきっかけに一気に攻勢を強める。左右のパンチを振り回しながらジャブは何発も当たり、粟生は足を使って防戦しながら戦うという展開。そしてそのまま両者最後の3分を戦い抜いてここで試合終了のゴング。  判定はジャッジ三者ともドロー。ベルトは双方がそれぞれ引き分け防衛という形となり、注目の決戦は決着を付けるまでには至らなかった。
榎洋之
 榎陣営からしてみれば最終ラウンドの攻勢をもう少し早い段階で見せたかったし、また粟生の立場で言えばカウンターだけではない決定力が欲しかった。両者とも今後への課題が残る結末となったが、遅かれ早かれ必ず世界戦の舞台に立つだろう2人だけに、どのような形となるかは分からないが近い将来再戦の可能性も十分にある。  試合内容には色々な議論があるだろうが、試合の緊張感という意味では最高レベルのものだった。それはやはり日本のボクシング界を引っ張るだけの資質を持ったこの2人の対戦だったからこそのものだろう。いつかまたリングの上でこの2人が決着を付ける日を心待ちにしていたい。


posted by kadoebi1 |17:14 | 試合レポート | コメント(5) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
4/5 東洋、日本フェザー級ダブルタイトルマッチ

お疲れ様でした。榎選手なら世界を獲れると思うし、榎選手をこれまで見てきた者として世界戦を実現して腰にベルトを絶対にまいてほしいです。
榎選手頑張れ!!

posted by 福岡の榎ファン | 2008-04-10 23:07

4/5 東洋、日本フェザー級ダブルタイトルマッチ

リング広いねぇ。


よく頑張った。

posted by レイ | 2008-04-11 21:00

4/5 東洋、日本フェザー級ダブルタイトルマッチ

プロ根性なさすぎ。
世界戦でフルマーク完敗で引退だね。

posted by がっかり | 2008-04-13 16:17

4/5 東洋、日本フェザー級ダブルタイトルマッチ

粟生選手よりハートを感じました。リナレス、ジョン共に強いチャンプですが、バレロ戦の本望選手みたいな熱いファイトが、榎選手にもできると信じています。

角海老の選手は基礎がしっかりしているので世界戦で気持ちだけが空回りすることもないと思います。

世界戦が決まることを祈っています。

posted by まさ | 2008-04-14 15:55

4/5 東洋、日本フェザー級ダブルタイトルマッチ

リングサイド席で観戦しましたが…
榎にしてみたら高校6冠が真剣に逃げたら捕まえるのは困難だっただろうけど自分が追ってたという自負はあるはずだし、粟生にしてみたら榎に捕まらなかった自分がポイントアウトしたはずという確信があったでしょう。
しかし、KO勝ちする気が無い…すなわち倒しに来ない粟生を捕まえられない榎が世界を獲れるとは思えないし、世界ではない…東洋王者を相手に打ち合いするハートも無い粟生は現時点で世界王者になれる器ではない。
結局世界タイトル挑戦者を決めるはずだった勝負で、どちらもまだ世界は無理だと証明してしまったような気がします。挑戦者決定戦に関しては故・理髪一番社長の言葉を借りるなら「両方負け!」。
しかしあのドロー判定については、倒す気を持って戦っていた榎の方がちょっと可哀相だったように思います。仮に現時点で榎に世界の実力が備わっていなかったとしても、判定結果は榎が僅差の勝利…が妥当だったと思います。

posted by おいちゃん | 2008-04-15 16:08

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