2008年03月22日

『有望株』 村木田一歩

20080322
去年ボクシングを見に行ったのは、合計76回。おととしは85回、その前の年もほぼそのくらいだったから、去年は1割ほどへっている。何故減ったのか色々思い返してみたら、新人王トーナメントを見に行くのがとても少なかったのが大きな理由だと分かった。時間があったにもかかわらず、東日本の決勝戦にも立ち会っていないんだから……。 おととし、新人戦のレベルが急に低くなったような気がしたけど、去年も、是非次の試合を見たいなと思うようなボクサーがとても少なかった。以前だと、「これは、将来ランカーだな。」とその後の成長が楽しみなボクサーもいたし、それほど強くはないけど、何故か惹かれるボクサーも必ずいたんだけど……。それと去年は、途中で棄権してしまうケースが例年以上に多くて、少し期待を寄せていたボクサーが3回戦目を突然棄権してしまってからは、一気に興味が失せてしまった。 唯一今後楽しみなのは、古口ジムの『古口学君』だな。他のランカーの事情や、彼の試合のタイミングなどで、残念ながら今はランク落ちしてしまったけど、クラス慣れしたら、彼はきっと伸びると思うな。 鳴り物入りでプロ転向するようなボクサーは、有力ジムに破格の処遇で引き取られ、いきなりB級デビューするので、そもそも新人王トーナメントには縁がないし、自分としては、原石のようなボクサーを発見するのが嬉しくて、新人戦やデビュー戦の試合会場に足を運ぶ。今年は何だか昨年以上に期待できると思っているんだけど……。 実は、今度の新人戦に向けて、今からとても楽しみにしているボクサーが一人いる。それは、ドリームジムの「藤原陽介君」だ。彼、デビュー戦では、1Rの初めの1分半を全くパンチを出さず、ひたすらガードを固めて相手にプレスをかけることだけに費やした。ガードの上からとはいえ、それこそ打たれに打たれまくって、それでも一発も打ち返さないので、「こいつは何なんだ。」って……。三浦会長もプレスをかけることの指示は出すが、パンチについては一言もアドバイスしないので、とても不思議に思っていたら、ハーフタイムを過ぎる頃突然、「よーし、行けー!」と怒鳴った。その途端「藤原君」は、まるでドッグレースでゲートが開いた瞬間の弾け出たグレイハウンドのように、ガガーッと打ちまくり、あっという間に相手を倒してしまった。自分も驚いたが、相手も相当タマゲタと思うよ。 デビュー戦がそんなんだったので、彼の2戦目を楽しみにしていたら、今度の相手は初戦のボクサー以上のテクニシャンで、アマチュア経験もありそうなファイターだった。今回も前回のような試合運びをするのか注目していたら、さすがにごく普通に戦っていたけど、体の入れ替え方や手数、コンビネーションにも長けた相手に対して、相変わらず厳しいプレスをかけることができて、タイミングのいい鋭いパンチで、またもや見事に打ち倒した。この子は、楽しみだな。 新人王トーナメントで思い出すのは、残念ながら2年続けて無残な負け方をしてしまった弟の応援のため、毎回会場を訪れ、必死の形相で喉が壊れるくらいの大声で声援を送っていた『粟生隆寛さん』。それと、いかにも貧相な新人に対して、床を踏み鳴らして気合を入れていた『クレージー・キムさん』。自分は長いこと生きてきたけど、身内も含めて人からあんなに熱っぽく応援されたことがないもんで、見ていて胸が熱くなったな。 ♪そのエリック・クラプトンやジェフ・ベックが去来していたヤードバーズっていうバンドは、今考えると凄いね。バーズってバンドもあって、こっちの方が“ターン・ターン・ターン”とか“ミスター・タンブリンマン”とか洗練された曲をいくつもヒットを飛ばしてたけど、ヤードバーズは、何だかとても荒っぽいサウンドだったな。かろうじて、“フォー・ユア・ラブ”を記憶しているけど……。


posted by 村木田一歩 |13:00 | コラム-リングサイド | コメント(0) | トラックバック(0)
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