2008年03月13日

宮田と南アフリカへ

宮田芳憲
 宮田(芳憲)のWBCインタータイトルマッチで南アフリカのヨハネスブルグに行ってきた。残念ながら宮田は8回TKO負けでタイトル獲得はならなかったが、やはり準備に2週間しかなかった状況など、とにかく条件が厳しかったのは大きかった。  知っている人もいると思うけど、ヨハネスブルグは「世界一治安の悪い場所」と呼ばれていて、我々の泊まったホテルの周りはそんなに治安が心配されるような場所じゃなかったはずだけど、近隣の家は塀が3メートルくらいあったり、鉄格子や有刺鉄線で囲まれてたりして、あれにはさすがにビックリしたな。  だから現地に入ってからもロードワークは危険だからと言われてできず、しょうがないからホテルの駐車場で練習したよ(苦笑)。  試合は地元のカジノで行われたんだが、途中大きなビルが立ち並ぶビジネス街のような場所を通った時に、運転手が「あそこだけは絶対行っちゃダメ」って言うんだよ。でも見た目はビル街だし、なんでだろうってよく聞いてみたら、周辺の治安が悪すぎてビジネスマンたちはみんな出て行ったらしい。今はゴーストタウンになってて、地元のギャングの巣窟になってるって聞かされて震えたよ(笑)。なんだか治安の悪さのスケールが違うっていうかね、さすがだなと。  試合自体はカジノの余興的なイベントのような感じだったけど、メインイベントでしっかり国家も歌ってWBCのタイトルマッチらしくその辺はしっかりしてた。お客さんは向こうのお金持ちの人たちばかりだから、逆にプレッシャーを感じることもなかったな。  でも正直宮田はキツかったと思う。大した練習もできず、減量も最後にほぼ2日間絶食してなんとかクリアできた状況だったし、決してコンディションはベストじゃなかった。  チャンピオンは元々アマチュアの選手でオリンピックのベスト8まで行ったことがあるらしく、強いというよりとにかく巧かったな。リーチも長くて距離を取って軽いパンチを上手に当ててくる、完全にポイントアウトするボクシング。宮田のパンチもなかなか当たらず、一度だけ良いのが入ってグラつかせたんだが、すぐに組み付かれてクリンチで逃げられてしまったのは残念だった。  効いたパンチもなく試合中盤に入ったんだが、突然目立って宮田の疲れが出始めておかしいと感じた。実は試合会場は標高が1500メートル以上ある場所で空気が薄く、宮田はほとんど呼吸ができない状態になってたんだよ。ポイント差もあったしこれ以上試合を続けると危険と判断して、結局レフリーに試合を止めてもらったのが結末だ。  空気の薄さというのは普通にしていても分からないが体を動かすと明白なもので、以前小堀がアメリカキャンプに行った時も高地でスパーをして呼吸困難になり、「人生初めてスポーツで吐いた」って言ってたほどだから。  宮田の敗戦は、もちろんチャンスを逃してしまったことは非常に残念なことだが、今回ばかりは状況的に仕方がない部分もあった。ただ宮田のような選手はいつチャンスが来ても良いよう、常に準備をしていないとな。この経験をまた糧にして頑張ってほしい。  しかし強烈な国だったよ。一生のうちに行けるかどうかっていう場所だし、それはそれで俺自身も良い経験になったよ。まあまた行きたいかと言われたら正直悩んでしまうんだが……(苦笑)。


■田中栄民プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/trainer/tanaka/

■宮田芳憲プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/players/index.cgi?n=351

posted by 角海老広報室 |16:03 | 田中栄民の徒然なるまま日々のこと | コメント(0) | トラックバック(0)
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