2007年12月27日

「沼田康司さん」

20071227
『沼田康司さん』は、2006年までは『沼田康司君』だったけど、あれよあれよと言う間にランカーになって、今ではウェルター級の1位までになってしまった。他のクラスに比べて、若干人材層が薄い階級とは言え、まさしく龍の如く頂点に達しつつあるボクサーだ。 彼は、デビューから7連勝した後、1つの引き分けを挟んだ『小野寺洋介山さん』との試合で初めて負けるのだけど、これまでのどの試合もが、そりゃあ物凄いものだった。今、日本のボクサーの中で真の“ファイター”と呼べる数少ないボクサーの一人だと思う。 まず目付きが凄い。よく見かける薄っぺらな恐喝者のようなそれではなく、真剣で果し合いに臨む武士のような、怒りと悲しみがこもった、とても複雑な鋭い眼光を放つ。リングに登場する時、彼はいつも少しばかり眉間にシワを寄せて集中力を高めるが、レフェリーを交えた試合前の挨拶の際には必ず礼をするし、ゴングが鳴るとまず丁寧にグローブを合わせる。そして、誰が相手でも決して打ち負けることのないクールなファイターになっていく。 『小野寺さん』に判定負けした試合でも、『小野寺さん』独特のオープンブロウまがいのデンデン太鼓・パタパタ打法に対して、レフェリーが一度も注意を与えなかった中で、自らのスタイルを崩すことなく、ドコン、ドコンとハンマーのようなパンチを決めていた。『沼田さん』の判定負けは、あと1回。今はスーパーウェルター級6位の『中川大資さん』で、何とこの試合のジャッジにも『小野寺さん』との試合と同様にウクリッド・サラサスが混じっていた。『沼田さん』の本当の弱点は、実はサラサスなのかも知れない。 12月4日の『上石剛さん』との試合は、自分の中では今年のベストマッチの1つに入る。『上石剛さん』は名前的に『力石徹』に似てるなと密かに思っているボクサーで、2006年の夏『清田広大さん』との激闘が記憶に残る坊主頭のこれもファイターで独特のクラウチングスタイルのサウスポー。序盤、少し髪を伸ばした『上石さん』の左ストレートがカウンター気味に決まり、いきなりダウンを喰らってしまった『沼田さん』。ダメージはそれほどではないが、何しろ人生初めてのダウン。「今日が試練の日かな?」と思ったところ、トランクスに縫いこまれた“なにくそ”魂が大爆発して猛反撃の結果の大逆転TKO勝利!『上石さん』も相手の猛攻に本当によく耐え、最後までマットに膝をつくことはなかった。二人とも、ホント凄かった。 『沼田さん』は、自らの職業を“植木屋”と名乗り、“造園業”とは言わない。そこのところも何だかとてもいい。そして、必ずしも恵まれた子供時代を過ごしていない点と、常に強引なまでに打ちかかるスタイルは、あの『坂本博之さん』を彷彿させるところもある。今度のチャンピオン・カーニバルではあの偉大な『湯場忠志さん』とのタイトル戦が決まっているけど、機会があれば是非見ておくべきボクサーだと思う。マスコミの注目を浴びることはないが、寡黙で控えめな態度の内に、燃え上がるような闘争心を秘めた真のファイターを目にすることができる。 ♪ 久し振りに見た『ジミー・ペイジ』は、まるで小沢征爾のようだった。


■沼田康司選手 所属ジム・トクホン真闘 公式ホームページ
http://www.sinto-gym.jp/index.html

posted by 村木田一歩 |13:02 | コラム-リングサイド | コメント(0) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/kadoebi1/tb_ping/155
コメントする