2007年09月05日

精神力とは

97年エディ・タウンゼント賞受賞の名伯楽、角海老宝石ジムの「先生」こと田中栄民チーフトレーナーが選手のことやジムでの出来事、試合の裏側などを毎月語ってくれます!!

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俺はいつもボクシングにおける精神力の大切さをいつも言ってるんだけど、肉体面以外でボクサーとして必要な能力とでも言うのかな、今日は少しその辺のところを説明したいと思う。 例えば「強い気持ち」とよく言うが、漠然とした言葉だし具体的にはどういうことなのか。色んな意味があるから一言で言うのは難しいんだが、俺は、どんな状況下でも自分を保ち続けられることだと思ってる。相手に一発良いパンチを貰って熱くなったり、もしくは相手に一発良いパンチを当てたからといって突然猛攻してみたり。 もちろん相手があってのボクシングなんだが、こういうことは相手のプレッシャーだったり、ある特定の状況に自分を乱されてしまってるわけだ。忍耐力、辛抱強さ、または冷静さとも言えるかもしれないが、どんな時でも決して心を乱さずに自分をしっかり保つことが強い気持ちなんだと思う。 ボクシングは勝負事。勝負事においてポーカーフェイスは鉄則だ。自分の心の乱れや動揺を悟られてしまえば、相手に攻略のヒントを与えてしまうことになる。だから常に頭と心はクールに燃えているという状況を保つのが好ましい。 もちろん強い気持ちと言えば、単純に相手に物怖じしない、恐怖心を持たない、諦めたり弱気にならないという意味もあるよ。やっぱり誰でも殴られたら痛いからね。ただそれはボクシングというスポーツをやってる以上、大前提として克服しなくてはいけないことだな。 そしてもう一つ大事なのは集中力。3分間の集中力を毎ラウンドどれだけ持続できるかということ。そのためにはまずは10ラウンド以上戦えるスタミナをしっかり付けなくてはいけないし、練習でも常に集中力を高めてやらないといけない。集中して試合をしていれば相手に心を乱されることもなくなってくる。 こうした精神的な強さは持って生まれたものもあるが、経験していくにつれ鍛えられていくし、結局は日々の鍛錬だ。坂本(博之)のように体力を使い果たしてもなお戦える、そういう試合ができたのはひとえに精神力の賜物だろう。先日の内藤(大助)選手が3度目の正直であの絶対王者のポンサクレックを下した時もそう思ったが、大きな試合になればなるほど精神的な強さが結局最後にモノを言う。内藤選手の精神力がポンサクレックの実力を上回ったわけだし、ポンサクレックにしてみれば3度目の対戦だし、どこか心におごりがあったのかもしれない。 そこがまたボクシングの面白いところでもあるんだが、実力を活かすも殺すも精神力次第ということだ。


■田中栄民プロフィール
http://www.kadoebi.com/boxing/trainer/tanaka/

posted by 角海老広報室 |19:10 | 田中栄民の徒然なるまま日々のこと | トラックバック(0)
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