かぼすシュートの蹴球アラカルト

近代日本サッカーの礎を開拓した岡野俊一郎さんを偲ぶ

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平成29年2月2日、元日本サッカー協会会長、IOC・JOCの役員でもあった岡野俊一郎さんが85歳で亡くなられた。
ご冥福を、お祈りいたします。

この方の名前を初めて知ったのは、昭和36年(1961年)だった。
大分市内の王子中学校(指原ことサッシーの出身校でもある)に入学した私は、当時県内で三連覇していたサッカー部に入部した。
高度成長期が始まりかけた頃、TVの普及率もまだ低い時代だった。新聞のTV欄にサッカーの日本対韓国戦の記事が載った。
確か中学校の宿直室で見たTVが初めてのサッカー観戦、初めての日本代表戦であった記憶がある。

記録で調べてみると1960年ソウル運動場で行われた日本対韓国戦には、大分トリニータ二代目監督の、朴景和さんが出場している。
さらにこの試合、戦後初の日韓戦で注目されて、韓国代表の主将には大分トリニータ初代監督の文正植さんが主将として出場したが、鎖骨骨折して試合途中で病院へ搬送されて、試合後にクラマーさんが見舞にいった記録が残されている。試合は2対2の引き分けだった。

翌年の1961年の6月には国立競技場で1962年W杯チリ大会のアジア予選で日本対韓国が戦っている。試合は2対0で韓国が勝った。韓国代表には骨折も癒えた大分トリニータ初代の文正植さんがFWとして出場している。
日本代表には故人となった宮本征勝、平木、宮本輝紀、八重樫、渡辺らが出場している。
私が見たサッカー中継は、この試合だったのかもしれない。
ちなみに岡野俊一郎さんの初サッカー解説は、1961年11月の日本対ユーゴースラビア戦だそうである。この試合が長沼健さんの現役最後の日本代表戦でもあり、日本は0対1で負けた。
岡野俊一郎さんが、NHKTVで初解説、その時のクラマーさんのアドバイスが「センテンスは短く、お話はチャーミングに」という、最高のアドバイスをいただいたと語っている。

岡野さんの解説はこの試合を機会に、NHKのサッカー中継ではほとんどが岡野さんだったように記憶している。1965年から始まった日本サッカーリーグでも軽妙な語り口でサッカーの面白さ、楽しさ、難しさを伝えてくれた。
広島の国泰寺高校からの日本リーグ中継では(当時高校グランドからも生中継)、「チーム練習するより、日本リーグの試合を見てイメージを高めて欲しい」と、語っていました。

IOCの役員でオリンピックの投票権を持っていた岡野さんは、大分にきた二次会で、「今朝大分に来る時に、レーガン大統領から直筆のサインで、冬季オリンピックの開催地候補についての依頼文がきていてね・・・」と、胸ポケットから見せてくれて・・・驚きました。

大分の講演では、これから高度の技術化、情報化社会、サッカーの生い立ち、日本の和歌や短歌の文化、日本のスポーツはアマチア・プロの分別化を嘆き、オリンピックに野球を入れた経緯、・・・岡野さんらしい博学で軽妙な語り口には、羨望の眼差しで見つめる自分がいました。

大分から東京出張の時には、三菱ダイヤモンドサッカーが見れると、喜び勇んでいました。

昭和28年、日本サッカーの初めての学生欧州遠征、開幕戦での敗退、意気消沈して食堂に入った時、静まり返った食堂が、突然の大拍手・スタンディングウエーブ、鳴り止まぬ拍手・・・それは開幕戦に地元ドイツに負けたが、大健闘したアジアの日本チームに贈られた「称賛の嵐」だったのです。そしてその感動を、50年後の2002年W杯の時に語ってくれました。
その大会で得たスポーツの素晴らしさを「サッカーは世界の言語」という言葉で語ってくれました。
私は、その直筆のサインをいただいております。お墓の中まで持っていきたいと思っております。

また、岡野さんの思い出を綴りたいと思います・・・今回はこの辺で・・。
合掌・・・・。

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「水と緑と青い空」、大分の自然を愛し、大分トリニータを愛し、サッカーを愛してやまない「お爺さん」です。

一方ではサッカーの歴史にも興味を示し、スポーツ社会学やスポーツ産業学にも好奇心旺盛な一面があり、地方をスポーツで笑顔にしたいと思っております。スポーツ社会学研究会(サロン2002)の会員でもあります。

2014年3月末で定年退職、30数年間勤務した民間企業・17年間勤務した教職、合計47年間の仕事生活に別れを告げました。

今は毎日自由な空間に浸り、何とも言えない空気の匂いを嗅ぎ、土いじりをしたり、快速自転車に乗って近隣の街を訪れています。

でも、サッカーとは離れられずに,大分トリニータボランティアと高専サッカー部の指導(外部コーチ)は継続しています。

時折、地方でサッカーTV・ラジオ解説、そしてFMラジオに出てfootballを語っています。

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