2008年06月30日

EURO決勝 ドイツ-スペイン

長かった大会もラストです。

〈硬いスペイン〉
クローゼも引いてコンパクトに布陣しパスの受け手を制限する意図のドイツに、縦パスのコースを作れないスペイン。フィジカルを活かすことを選んだドイツにやや受け身で入ってしまったスペインは、地理的にドイツホーム気味のスタジアムの雰囲気も併せて硬い立ち上がり。ポジションを変えるバラックをセナを含めてスペイン守備陣が捕まえられずドイツペースでスタートします。セルヒオラモスの簡単なパスミスからクローゼがチャンスを迎えますが、プジョルの好守でしのぎます。

〈奮闘するトーレス〉
15分ころから、本来のスペインとは色が違いますが、ロングパスをトーレスが得意な形で受けることでリズムをつくり始めます。裏をねらうトーレスに引っ張られる形でドイツ最終ラインがコンパクトさを保てなくなりスペインが中盤で回せるようになります。

ドイツは上がり始めたスペインの右サイドバックの裏をつき始めます。バラックが空けた中央にヒツルスベルガーが入ってくる形で攻撃しますが、受け渡しを整理したスペインがバラックにセナとマッチアップさせることに成功すると、少し攻撃が停滞します。

少しづずつリズムをつかみ始めたスペインは、トーレスの個人技で先制。右サイドバックとセンターバックに挟まれながら難しいシュートでしたが、素晴らしい能力です。このスタイルと違う武器を持っているというチームの幅が今回のスペインの強みでしょう。

おかげでスペインから硬さがとれます。ドイツはセットプレーからゴールに迫ろうとしますが、カシージャスの素晴らしいハイボール処理もあり、スペインペースへ移って前半を終えます。サイドへ流れるトーレスが空けたスペースに2列目から飛び出す形が多くなり、流動的なポジショニングも含め、らしさが出てきました。トーレスは引いての動きもよく、特にシャビとの関係が良くなっています。

〈スペインペースの後半〉
守備面ではバラックのマークを整理し、攻撃面ではトーレスの動きで出来たスペースを有効に使い始めたスペインは、後半もそのままの勢いで入ります。ドイツはけがのラームに代えてヤンゼン。流れを変える意図はありません。

ドイツはその後システムを変更します。ヒツルスベルガーに代えてクラーニィで2トップにします。サイドアタックを主体にし、消えているクローゼと併せて高さに勝るという武器を活かそうとします。しかしスペインはカシージャスがおり、簡単にはいきません。スペインがドイツのシステム変更に合わせて中盤後ろ目をにシャビアロンソにしたこともあり、ポジションを下げたバラックは相変わらず展開力が活かせません。

〈レーマンの好守〉
スペインの流れを止められないドイツですが、レーマンが素晴らしい出来で追加点を許しません。あわやオウンのボールやトーレスの飛び出しへの対処も含め、ハンドっぽいのを除いていいパフォーマンスでした。が、ドイツの消耗は激しく、バラックのコンディションの悪さからパフォーマンスが急落したこともあり、こじ開ける力はありませんでした。

〈表現しきったトーレス〉
途中交代したトーレスですが、元からいけるだけ飛ばす戦術だったかもしれません。交代までの時間、彼というプレイヤーを表現しきったと思います。先制点はスペインを救う得点でした。彼の能力が優勝を決めたといっても過言ではありません。かなりの人と同意見でしょうがMOMでしょう。

〈亡きプエルタのために〉
セルヒオラモスが着ていたTシャツ。カップ授与のあと、すぐにカップを手渡されました。
素晴らしい闘いを見せてくれたスペインへ感謝するとともに、プエルタの冥福を祈ります。

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posted by juventus1buffon |18:40 | EURO2008 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年06月29日

EURO決勝展望 ドイツ-スペイン

今回のユーロも決勝を残すのみとなりました。
前回と違い、決勝カードは強国同士。特にCLで凋落を感じさせたスペインは名誉挽回のいい機会でもあります。

注目しているのはスペインはトーレスがどこまで噛み合うか。同数ならスペインが中盤を制圧する可能性は高いです。セナが好調を持続すればほぼ間違いないと思います。そこでトーレスが中盤からよいパスを引き出せるかがキーでしょう。ラームを封じるためと後ろのスペースのなさからあ右に流れることが多くなるかもしれません。あとは気持ちが引かないこと。攻めの姿勢を通して出せればスペインが優勝とおもいます。

ドイツは両サイドハーフの運動量にとフリンクスの出来が鍵を握ると思います。彼らがいかにバラック、クローゼをマークからはがせるか。そして高さとフィジカルを生かしたプレーを使えるか。先制できればドイツが勝てるかもしれません。もしスペインが固い立ち上がりで引いたら、一気に叩ける力は持っています。

あと後半にはいってからの両監督の交代策。
修正に長けたドイツと、強気な交代策が当たっているスペイン。どういうカードを切るか楽しみです。

前に行けばスペイン、スペインが引いてしまったらドイツと思います。堅い入り方になる試合が多い決勝という舞台ではややドイツに分があるかもしれませんが、大舞台で強気に出て勝ちきるスペインが見たいです。

優勝予想はスペインにしておきます。

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posted by juventus1buffon |15:38 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月27日

EURO準決勝 スペイン-ロシア

イタリア戦は膠着したものの、ベスト8の壁を打ち破ったスペインと、素晴らしい戦術で旋風を起こしてきたロシアの対戦です。

<上がるスペインのSB>
テクニックで上回るスペインは、ロシアをCBを無力化しようとする戦術に対して、マルチェナとプジョルがサイドに流れるパブリュチェンコについて行くことで対処し、片方のSBが上がることで、ロシアの枚数をかけるサイド攻撃に枚数で対抗します。地力で上回るスペインはサイドを同数で制圧し、ロシアを押し込みます。さらに守備的MFのマルコス・セナが積極的に上がることで、ロシアの中央を揺さぶります。サイドに人数をかけたいロシアですが、ビジャやトーレスもサイドに流れることもあり、サイドの優位を確立できません。雨の中で高いテクニックを披露するスペインは見事です。惜しいシュートもありましたが、アキンフェエフにセーブされます。雨で偶発的なミスが起きることも考え、低い位置で獲られたくないスペインは縦に早めに入れていき、カウンターを警戒して後ろよりを意識しますが、やや意識が強い印象。ロシアはサイドから縦への速いカウンターが封じられますが、シンプルにスローインやコーナーを狙い、シュートで終わる意図を明確にすることで危険を回避、ポゼッションを高めます。いつもの作戦が出来ない場合のプランBとしては安全性の高いもので、このまま後半へ行きたいという意図を感じます。

<ビジャの負傷>
ビジャが負傷したことで、セスクが入ります。ポゼッションを優先する方向へ変わります。ボールは回るようになりますが、最初から右ウイングの位置とされているサエンコが献身的に守備に回っていることで決定的なシーンを演出させません。
お互い妥当と思える結果で前半を終了します。

〈仕掛けるロシア〉
後半早々にロシアは前線から守備を仕掛け始めます。サイドを封じられたため前から仕掛けたんでしょうが、ことごとく避けられます。負傷交代といえ入ったセスクによりさらにポゼッション傾向を強めたスペインは、技術に劣るロシアが前にでることでさらに交わしやすくなります。一か八かのヒディンクの采配は裏目にでました。

ガチガチに引かれると意外に弱いスペインですが、前に出てくる相手はお手のもの。素晴らしいパス回しから左を主戦場にして復調したイニエスタからクロス、宛先はセスクの飛び出しを捕まえきれないロシアに追撃をするかのように飛び込んできたシャビでした。素晴らしいゴールです。

〈手を緩めないスペイン〉
引いたら相手の思うつぼ、とロシアの戦術を見切ったように、アラゴネス監督は後に引かない覚悟を交代でみせつけます。グイサとアロンソで後半20分過ぎに投入してカードを使い切り、決勝への覚悟と選手への信頼、攻撃を緩めない意志を表します。

信頼に応えたスペインの選手はグイサ、シルバの追加点でロシアにとどめを刺しました。

〈最後に〉
ロシアはアルシャビンとアキンフェエフ以外はそれほど能力の高くない選手ですが、戦術を表現することで勝ち上がってきました。二つ目の勝ちきるプランを持つほどのチームではなく、第一プランを崩された今回は手も足もでませんでした。しかしこのレベルのチームをここまで持ってきた戦術は素晴らしかったです。

スペインはロシアの戦術を研究してつぶした上で自分たちのサッカーを表現しきりました。優勝できるだけの本当の強さを身につけたように見えます。決勝はトーレスがどれだけ周りとフィット出来るかが鍵になりそうです。

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posted by juventus1buffon |22:48 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月26日

EURO2008 準決勝 ドイツ-トルコ

GLの課題を修正して勝ち上がったドイツと、ミラクルを起こし続けるトルコの対戦でした。
トルコはまさしく満身創痍です。

<集中力を欠いたドイツの立ち上がり>
急造トルコがどういうチームになるか分からなかったためか、急造の格下と侮ったのか、簡単なトラップミスや最終ラインでの何でもないところでのラームのミスなど、らしくないミスを連発したドイツは、攻守の切り替えもマークもルーズでした。5分くらいまではトルコも引き気味でしたが、来ないなら行ってしまえと言わんばかりに攻撃に出ます。10分たった頃にはミスこそ減りましたが、ルーズな部分は相変わらず。レーマンやバラック、クローゼは時折檄を飛ばしていましたが、ルーズさはなかなか修正出来ません。特に守備ブロックの集中力の欠如はかなりのものでした。15分頃からバラック・クローゼが中心になり前の選手が守備のサポートに比重をおき、スタミナを守備に割かれ始めます。岡田監督の解説通り、スタートから守備組織の出来ていないトルコを叩きに行く方が良かったと思います(理由が勘というのは頂けませんが)。
その流れを修正できないまま、幸運もありピンチしのいでいたドイツですがついに22分頃失点します。寄せもマークもルーズが目立つ失点でした。

またトルコは相手の入り方の悪さをついて攻撃的に出ましたが、良い判断でした。急造チームであり自信も守備の連携もないチームですが、後ろの不安を振り払って攻撃的に出た判断は、チーム力に劣るトルコに勝利の可能性を与えました。

<エンジンが掛かり始めるドイツ>
失点したことで目が覚めたドイツは失点直後に攻勢に出ます。バラックとクローゼが中央でためを作り、左サイドを駆け上がったポドルスキから、同じように長い距離を駆け上がってきたシュバインシュタイガーがダイアゴナルに切れ込んできて、エリア内で横に動いて受け、緩いマークを外してゴール。ドイツ人は走力で問題を解決する、という文章をどっかで読んだんですが、まさしくこれかというゴールでした。

しかしそれ以降もドイツの後ろが緩いため攻撃が上手く機能しません。失点して浮き足だったようで、守備の精神的な主柱となるはずのベテランGK・レーマンも不安定なパフォーマンスで拍車をかけてしまいます。攻撃にいく姿勢は出ますが、前と後ろが離れ気味になり単発で終わります。しかし少し盛り返した形で前半を終えます。

バラック封じに貢献して攻撃を分断し、攻撃的なトルコを支えたメフメット・アウレリオが良かったと思います。

<攻勢に出るドイツ>
負傷のロルフェスに代えて怪我明けのフリングスを入れてきたドイツ。組み立てにも好影響を与えることで、ドイツの攻撃が活性化します。ただバラックをアウレリオらが抑え、右サイドバックのフリードリヒが攻撃性能が低いこともあり決定的なシーンは作れません。トルコは前半の出来で自信が出てきたのでしょうか、急造にもかかわらず高い集中力で引いて守り、硬直を生み出します。攻められてはいるものの、トルコには悪くない流れで進みます。バラックは中央の上下運動をメインに、時折サイドに流れてボールをもらいに動き運動量は多いですが、タイトなディフェンスに苦しんでボールロストが多くいい形パスも貰えないので絡めない状態です(出し手の問題もあります)。

<動き出す終盤戦>
追加点はドイツ。精度もそれなりのアーリークロスに、CBの後ろにいたクローゼがヘッドの瞬間だけ前に出るという絶妙な入り方で打点の高いヘッド。リュシュトゥは判断ミスです。右利きSBでミドルのあるラームですから、シュートとクロスとドリブルの可能性がある中で、遅れながらも博打のような飛び出しには問題があります。

同点ゴールはラームが体を付けながら簡単に反転され、レーマンは飛び込んでいるトルコのセミフを見ておらずにクロスを取りに行くという集中に欠けたプレーでした。ただスペースはない中決めたセミフのシュートは良いシュートでした。

決勝点はラーム。先のまずい守備を取り返すゴールでした。トルコには運もなかったですが、攻撃的なラームは魅力があります。シュバインシュタイガーと受け手を二つつくってヒツルスベルガーのパスを引き出し、ニアハイへのシュートは難易度が高いシュートです。そしてそのままドイツが勝利しました。

<サッカーはメンタルスポーツという一面もある>
ドイツは入り方の失敗をトルコに突かれたところから、彼らのペースで試合を進めることが出来ませんでした。失点も最後までミスがらみですし、修正を終えることが出来ませんでした。トルコはその点をついてメンタル面で優位に立ったおかげで実力以上にドイツを苦しめることができました。ただドイツは苦しい試合を90分続けましたが、終了寸前にトルコのお株を奪う粘り強さと、延長を良しとしないメンタルを持っていたと言えるとも思います。

決勝は同じ轍は踏まないはずです。
ピリッとしたドイツが見られるはずです。ただ相手がロシアになるとCBの攻撃力の無さからも難しい試合になりそうで、スペインの方がやりやすいと思います。

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posted by juventus1buffon |16:23 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月25日

EURO本戦 スペイン-イタリア

なかなかの内容で勝ち上がったスペインと、個の能力だけでなんとか勝ち抜けたイタリアの対戦でした。

<攻撃の修正が出来ないイタリア>
GLでは守備面の修正は出来たイタリアですが、攻撃面は相変わらず。8人で守って2人で攻める形で、サイドバックが上がった時しか形になりません。しかしトニとカッサーノはそれぞれ体の強さ、左右に流れてのキープ力を活かして起点作りを頑張ります。しかしサポートも少なく枚数も少ないため、あまりチャンスを作れません。カッサーノはワイドに開く傾向が強く、サポートのタスクは負っていないように見えます。よってトニは孤立気味。さらにGLでのおかしな使われ方でスランプ、プレーに落ち着きがありませんし選択もおかしくなっています。サポート役と思われるペロッタは縦の走り込みと運動量が売りの使われる選手ですが、トニ・カッサーノとの連携が良くなく攻撃に絡めません。

守備は急造DFラインおよびGKの守備ユニットと中盤の守備は崩されることもなく、スクランブル時の対応としてイタリアらしいのは確かですが、カンナバーロ離脱の影響をいまだ強く感じます。

<崩せないスペイン>
個々の技術は本当に高いスペインですが、イニエスタのコンディションの悪さが気になります。ダイナミックな動きとその中でも発揮出来る確かな技術を持った選手ですが、ダイナミックな動きは影を潜め、簡単なトラップをミスするなどらしくありません。
攻撃ではビジャとシルバのバレンシアコンビがポジションを変えながらイタリアを崩しにかかりますが、イタリアが引いていることもあり上手く崩せません。この2人はスペインの中でも攻守に奔走し、よい出来だったと思います。

<両GKのレベルの高さ>
特に前半は裏に抜けるボールに対する反応の早さ、的確なポジショニングは素晴らしく、攻められていたイタリア側はブッフォンが裏へのボールをキャッチする場面が多く見られました。高いポジションを取っているためビジャなどが長い距離のループを狙ったりしましたが、余裕を持って戻っています(枠も外れてましたが)。
さらに技術に優れるスペインに難しいミドルシュートを打たせる守備陣の統率とポジショニング素晴らしいです。
カシージャスも数は少ないながらほぼ同じクオリティを発揮していたと言えると思います。シュートセーブは言わずもがなです。

後半はお互い一つずつ大きなミスがありました。ブッフォンはセナのミドルのキャッチミスでこぼれ球がポストをたたきました。カシージャスは自身の素晴らしい反応で帳消しにした、カモラネージの決定機前の飛び出しミス。GKはお互いを意識するものですし、0-0の緊張感と併せてお互いのプレー精度にブレが出たのかもしれません。
バックパスの受け手として繋ぎに参加できる足元も、相手のシュートにズレを生じさせる名声も、その名声を汚さない高いクオリティも持った素晴らしいGK達です。

<悪い意味で噛み合う両チーム>
中盤は同数で攻撃的に3枚のスペインに対し、守備的に3枚となってしまったイタリア。サイドに流れるビジャとカッサーノ、スペースが少なく力を発揮しきれないトーレスと不調のトニ、中盤でためを作れず上がりが少ないサイドバック。両監督ともに交代で同ポジションの交代に終始と、役割に変化はありましたが展開に動きをもたらすようなポジションの枚数の変更はなく、全体的には盛り上がりが少ないままPK戦、そしてスペインの勝利に終わりました。

<攻撃のシステムが修正できないドナドーニ>
GLで通用しなかった予選までの4-1-4-1(4-3-3)ですが、初戦で機能せず大敗し修正を余儀なくされました。が、サイドからボールを受けてこそフィニッシュで輝くトニにも関わらず、特性と間逆の縦のパスが多くなり裏へ走るプレーを強要されるなかで調子を落としていきました。
予選同様サイドを使うなら、微修正ですませて左にカッサーノかデルピエロ、右をカモラネージとディナターレで行って前に出来るだけ残した方が良かったかもしれません。もしくはタイプの違うCF(インザーギなど)を呼んでおくべきでした。また中盤が急造DFへの不安からか後ろに引っ張られすぎでした。見事な修正を見せたドイツのレーブ監督などと比べると一段落ちる監督と言えると思います。

<スペインはロシアに勝てるか?>
個の能力では間違いなく一段上回るスペインですが、予選と同じようにロシアに勝てるかは微妙です。戦力をフル活用しているという点では監督はヒディンクの方が上でしょう。問題は現状のトーレスがチームにフィットしていない点、そしてイニエスタのコンディションです。

リバプールと違い、縦に遅いスペインに現状のトーレスはあっていません。それだけ幅が狭い選手ということも出来ますが、クラブでの出来が素晴らしかったのは事実。時折個の能力の高さで輝きを見せるときもあるだけに、アラゴネス監督が我慢し続けるのか、トーレスの幅が広がるのかが見物です。

イニエスタはバルセロナでのリーグ終盤あたりから少しずつコンディションが落ち続けている印象があります。彼を使い続けたとして上向くだけの何かがあるのか、休ませるならどうシステムを修正するのか。個人的にはビジャの1Top、右ワイドにセルヒオガルシア、右インサイドにセスクでビジャの空けるスペースに飛び込む形が見てみたいです。

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posted by juventus1buffon |23:02 | EURO2008 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年06月23日

三次予選 バーレーン戦(H)を終えて

現地で見た人、テレビ観戦した人の方が気持ちが折れそうな試合でした。

<PKは遠藤でしょう>
世界有数のPKキッカーですし、エンターテイメントということを考えても序列を明確にするべきです。

<布陣と選手があっていない?>
球足が伸びるピッチで成功率が落ちる、裏への抜け出しが特徴のFW二人を起用したうえ、縦に並べるのは常識的にありえません。裏を狙うことで出来るバイタルのスペースにもう片方が入っては意味がない。玉田は引いても多少妙味はありますが、彼の特徴を活かしているとは言えません。同時に使うなら横の関係にして、自軍ボールなら交互に裏を狙ってバイタルを空ける動きとサイド攻撃のサポートを行うことを徹底させるべきでしょう。同時にではなく段違いにすると後から入る選手がオフサイドをかいくぐれる可能性も高まります。

縦の関係になったせいでバイタルが空かず、両中村がいい形で内に入れません。
FWのサイドへのサポートが少ないため俊輔と本田が1対1で仕掛けるウイング気味の役割を求められるのが自然ですが、お互いそのような能力は持っていません。俊輔は低めでゲームメイクをし、展開の中でバイタルへ入っていく選手ですが、バイタルは混雑気味です。本田は左利きの左サイドでの起用ですが、同様に内に絞る傾向があります。さらに混雑します。憲剛は前に向いてからダイナミズムを生む縦へのドリブルに魅力がありますが、すでにバイタルは大混雑で敵味方入り乱れています。
ミドルをいい形で打つスペースは出来にくいです。

そこにいる遠藤はサポートとゲームメイクに長けた選手ですが、真ん中によっているので妙味を発揮しきれません。サイドバックが上がるまで大混雑の中でパス回しをしますので取ったり取られたりのグダグダな展開になりやすいです。
上がってもサポートすべき選手達が内に入るのでサイドバックは相手SBと1対1ですので単独突破が求められますが、それは基本的にウイングの仕事です。

突破しにくい中央にこだわり、サイドを軽視して自ら崩しにくくしています。
中央突破を目指すのであればダイレクトパスは確かに有効なんですが、混雑している中では適当に足を出されてもカットされる可能性が高まります。

選手の特徴を掴んで何かを表現したい、試したいという布陣・選手起用・システムになっていません。スタートからカオスが生まれやすい状況と言えるでしょう。

<引いた相手にショートカウンター>
ならばサイドを起点にして工夫するべきだし、出来る限り佐藤か玉田を前に残す必要がありますが、両方とも戻りすぎです。引いている中央にカウンターは難易度が高まります。

<ペースに緩急を>
前半から飛ばしてスタミナが切れたら右肩下がりという一定ぺースでは相手の予測の内のため、相手の肉体・メンタルの消耗が比較的少ないです。下手すると攻めてる自軍の方が先にスタミナ落ちます。
意表を突かれないためだんだん慣れてきますので、多少の個人能力差は簡単に埋まってしまいます。

<CBとGKは一つのユニット>
意志の疎通自体は出来ていると思いますが、連動するユニットとして連携の質が低いです。ボールキープ面では2人ではなく3人でパス回しをすることで支配率を上げ、キープと休憩の時間を増やすことで試合中に体力回復を図ることもできます。
守備面では楢崎の守備範囲はもう少し広いと思いますので、ずるずる下がらないよう3人のポジショニングを修正するといいと思います。

<日本の守備は問題ない?>
無失点だからいいというわけではありません。SBとCBの間にロングボールが簡単に通り過ぎだし、それでラインを後ろに下げさせられることも多いです。
スピードがない2人ですから、前からの守備ではサイドへのロングボールを蹴らせないようにケアし、連動してCBは高めでロングボールを跳ね返すこと、コンパクトにすることでセカンドボールを拾えるようにすること、オフサイドを取れるようラインコントロールをすること、正確なパス回しとロングフィードで攻撃を助けることが必要です。
オーバーラップとセットプレーだけがCBの攻撃でありません。

各自の役割をはっきりさせることが逆に連動性とポジションチェンジによる流動性を生み出します。自軍と相手の選手の特性を掴み、戦術の意図をはっきりさせることでEUROのロシアのような状況や相手によって戦術をかえる、戦術をベースにした自由で有機的なチームが作れます。

先に書いたことを、たくさんの方法はあれどもほとんど表現出来ていない監督は指導者としてのレベルが低いと思います。たくさんの方が最近の日本戦をつまらないというのは、選手の質を相手と自然に比べて、この程度しか出来ないわけがない、と感じているからではないでしょうか?日本の方が強いのに、もっといい勝負が出来るはずなのに、という代表から感じる不甲斐なさからくるものではないでしょうか?

<最後に>
内田のゴール時の巻と岡田監督の不可解とも言える渾身の喜び。
仮にもTacticsを名乗るブログ的に考えてみますと、あれは狙い通りだったということだと思います。内田は露知らず、巻と監督にとっては練習を重ねた狙い通りの形、会心のゴールだったというわけです!(ネタです・・・)

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posted by juventus1buffon |11:54 | 日本代表 | コメント(12) | トラックバック(1)
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2008年06月22日

EURO本戦 オランダ-ロシア ヒディンクマジック再び

GLを見事な攻撃力で突破したオランダと、ヒディンクの戦術をピッチで表現してきたロシアの対決でした。

ロシアは縦の関係だったパブリュチェンコとアルシャビンを左アルシャビン、中央パブリュチェンコに代え、時にポジションを代えて守備的なブラルーズ側の攻略を狙います。さらに守備意識の高いカイトを後ろに引っ張る狙いでしょうか。右はサエンコを張らせてファンブロンクホルストの上がりを牽制します。中盤はデヨンクとエンヘラールへのプレスよりもファンデルファールトとスナイデルへ厳しく当たることに重点をおきます。ファンニステルローイへはコロジンが密着に近いマークを基本とします。
ファンデルサールとCBへのプレッシャーはチーム全体が押し上がっているときは行きますが、それほどきつくない印象。オランダの流動性とゲームメイクがファンデルファールトとスナイデルの関係にとどまっていることを突いた戦い方です。

20分頃まではロシアの狙いにはまっていたオランダですが、スナイデルとカイトの左右を入れ替えて対抗します。カイトの守備力と運動量を期待して、ファンブロンクホルストが上がりやすくなり、バランスをやや修正しますが、ロシア寄りのペースで前半が終了します。チームとしてチャンスは高めでボールを奪い、サイドからショートorミドルカウンターを仕掛けるロシアが多く、オランダはロシアのミスからチャンスを拾う感じ。ただ個人能力の高さからオランダはチャンスを決定的なものにしますが、ファンニステルローイとファンデルファールトのシュートはアキンフェエフの好守に阻まれます。

セットプレーの守備はチームの意識が前がかりのロシアがキーパーとの間を空けてしまい危険でしたが、オランダはものに出来ず。ジルコフが運動量をセーブしているあたりに妖しさを漂わせて前半を終了します。ロシアはミドルをふかさないあたりもボールの研究も手を抜いていない印象です。

後半スタートからカイトをファンペルシに交代。ここでロシアはジルコフのエンジンをかけてファンペルシを押し込むことを狙います。ヒディンクは相手の攻撃的な選手に攻撃的な選手をぶつけ、押し込むことを基本戦術にしているようです。そのための方法論が豊富にあり、自軍選手と相手に合わせて返ることが出来るのが素晴らしいところです。

先制点はロシア。テコ入れしたはずのオランダの右サイドからアルシャビンも参加して枚数をかけて崩し、右めから一度消える動きをして中に入ってきたパブリュチェンコが押し込みました。オランダはCBが簡単にパブリュチェンコを見失ってしまうあたり脆さを感じます。

その後オランダも選手交代し攻勢に出ますが、ややラインを低くしたロシアの守備を崩しきれません。さらにオランダは守備陣が脆さをだし、たびたび危険なシーンを作られますが、ロシアが決めきれないこともあり、ファンデルサールの好守もあって追加点をえられません。

同点ゴールはセットプレーから。多少修正したロシアのセットプレーの守備でしたが、ファンニステルローイが上手く合わせてきました。

延長入って目立ったのはロシアとオランダのメンタルの消耗の差。カウンターの守備に追われたオランダはいい面を消され続けたたこともあって落ち込み、ロシアはいいパフォーマンスを格上に披露したこともあり、メンタルは充実していました。

決勝点と追加点はキーマンのアルシャビンを全く捕まえきれないという崩壊した脆い守備によるものでした。アルシャビンも相当肉体的に疲労していましたが、見事自分を表現しきりました。

ロシアは戦術的に最も素晴らしいチームです。戦術理解だけでなく監督への信頼も厚く、選手への信頼も厚いことも重要な点でしょう。スペインが勝ち上がり、かつオープンな打ち合いにならなければ決勝も狙えると思います。

オランダは戦術の差と守備陣の攻撃力の低さ、守備力の弱さが前線の攻撃力を失わせました。カイトとエンヘラールを削り、ロッベンとペルシをウイングにして攻撃的にいった方が良かった気がします。

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posted by juventus1buffon |19:41 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月22日

EURO2008 クロアチア-トルコ 戦術とメンタル

ドイツを倒し、テクニックとシステムがいい形で融合した形で突破したクロアチア。
テクニックにハードワークとあきらめの悪さで勝ち上がったトルコ。

前半15分くらいはトルコのペースでした。オリッチをCB2枚が見て、クラニチャルを6番のメフメット・トバルが見る形。両サイドバックが高めに位置取り、クロアチアを自陣に押し込めますが、決定的な形まではいきません。押し込んだせいでニハトのスペースを消している感もあり、プランとして微妙な気がします。

地力に勝るクロアチアは16分の決定的な形のように(宮沢ミシェル氏の指摘通り)クラニチャルが両サイドに流れたり引いたりしてトバルのマークをずらし、高めのセンターハーフに位置するモドリッチと縦のポジションチェンジでトバル・アルティントップの攻守の無力化をしてチャンスを作ります。トバルとアルティントップの受け渡しが上手くないことを突いた上手い攻めで、選手の頭の良さを感じます。

押し続けたクロアチアでしたが、35分前後から足が止まり始めます。GLの開幕戦からですが、クロアチアにはスタミナが足りないのかもしれません。トルコがやや押し返しますが、同じく暑さのせいでしょうかトルコも元々多めのミスがさらに多くなります。オリッチも下がって守りに参加しますが下がりすぎで起点がなくなり、さらに押し込まれるという悪循環。

そのまま後半ですが、押していた時間帯のようにクロアチアが同じ形で押します。トルコのミスをついて決定的なシーンも迎えますが、オリッチの決定力のなさもあり得点には至りません。クラニチャルをペトリッチに代え、サイド攻撃に重心をかけます。モドリッチが前にいけなくなりますが、代わりに消えかけていたラキティッチが存在感を発揮し始めました。トルコがセミフを入れた頃には全体にスペースが出来はじめ、2TOPでこそのニハトが目立ち始めます。(ソシエダ・・・)

後半38分のスルナのFKをリュシュトゥがファインセーブしてから、オープンなカウンターの撃ち合いですが点は入りません。全般をみるとクロアチアが押し気味ですがスコアレスで延長。クラスニッチの得点で普通は決まりますが、この時点でトルコはあきらめません。PKはメンタルの差でしょうか。

クロアチアはエドゥアルドの不在が痛かった。
個人的にはクラニチャルがうまく周りを使いつつモドリッチにも使われていたのが面白かったです。ラキティッチをもう少し使えるようになると一流へ近づけるでしょう。

トルコはテクニックもありますし、あきらめないメンタルは素晴らしいですが、出場国の中では不用意さが目立ち、簡単なミスからピンチを迎えることが多いので、ドイツとの戦いは苦しいでしょう。監督の采配も微妙です。しかし最後の最後で頑張れるところは格上のチームにしたらやりにくいでしょう。出場停止も含めくめて不安点は大きいですが、奇跡が3度続けば実力です。

あきらめなかった先に何があるのか、が見どころと思います。それと勝負できる個と戦術がベースにあってこそ精神力で差がつくことをトルコは表しています。精神力を先に持ってくる指導者や解説は誤っていると確信を持って言えます。

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posted by juventus1buffon |02:46 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月21日

EURO本戦 ポルトガル-ドイツ

GLでは地力だけでなんとか勝ってきたようなドイツ。
弱点は相も変わらず、でも早々に突破を決めたポルトガル。

普通に見ていればポルトガル優勢と考えるのが自然と思いますが、結果は逆。
だからフットボールは面白いわけですが、ドイツの修正力は素晴らしいものでした。

もっとも大きかったのはクローゼの復調とシュバインシュタイガーの踏ん張り思いますが、戦術的に面白いのでクローゼを取り上げます。
マリオ・ゴメスに使いたいエリアを使われて消えていたわけですが、右へ左へ後ろへとポジションを変え、ボールタッチを多くさわるとともに、バラックとともにペティとDFの混乱を誘うようにいやらしいポジショニングで先制点に絡みました。

先制点は下がってきたクローゼがバラックについていたペティと自分のマークのペペを引っ張り、ポドルスキとのワンツー。ポドルスキはマークにきたボジングワを今度はマークがずれて余裕のあるバラックとワンツーでかわします。ペペが吊り出されて間隔が開いたカルバーリョとフェレイラの間にトップスピードでダイアゴナル(斜め)にシュバインシュタイガーが突っ込んできてゴール。ちなみに引っ張り出されたペペは結果ボジングワの近くにいましたが、ポジショニングの修正ができず守備に貢献できませんでした。

クローゼは巧みなポジショニングが素晴らしい選手で、活かすためにある程度の行動範囲が必要な訳ですが、1トップであることとバラックとの相互サポートの関係(流れた場合はバラックが入ってきてくれます)によってGLとは比べものにならないほどの好パフォーマンスになったと思います。ドイツの攻撃面の意外性を生み出したコンビネーションは見事でした。ちなみに2点目のゴールはボジングワの裏、Cロナウドの前の中間の両方の苦手な位置にいたりして双方のマークを外すなど、本当にいやらしいです。3点目のファウルゲットもペティとペペを吊り出していました。ただコンディションは良好というほどではないようです。

ポルトガルは両ウイングの仕掛けの局面とデコのパス以外に妙味のない、意外と淡白なチームです。ただウイングの威力が半端じゃない、、はずなんですが。先発右のシモン側の翼は大会通して攻撃面の脅威が少なかったと感じます。片翼の鳥は飛び立てない。右の脅威が少ないため中央のデコと左のCロナウドは大会通してタイトなマークに苦しみました。

特にCロナウドは能力を制限される役割でした。ユナイテッドでは右でも左でも、中央でもヘッドでもFKでも点を取れる、守備免除のフリーロールとしての役割を与えられていました。代表では守備のタスクも(実効性はあまりないですが)課されており、攻撃も左から中央へのカットインが基本というシンプルかつ読まれやすい仕事です。
さらに中央はヌーノゴメスが使っており、マークを外すためのスペースもありません。ポジションチェンジもない状況では極端な性質で特化したCロナウドの能力を制限してしまいます。

その中でも得点に絡むプレーをするのは彼の能力の高さですが、CFをもっと流動的に動かし、逆サイドのウイングをもっと攻撃力のあるクアレスマやナニにして流動的にし、デコに指揮させる形の方が、ポルトガルの表現として正しかった気がします。
ペティと両サイドバックの守備力で支えきれるかというとかなり微妙ですが。

戦術で生き返った不調のクローゼと、戦術に制限されたCロナウドという両エースの対比は示唆に富んでいると思います。

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posted by juventus1buffon |01:42 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月20日

EURO2008 3節の回顧 苦しみと喜び

強豪国の苦しみ、格下と呼ばれる国の喜びありの3節の回顧です。

グループAはトルコが勝ち抜けました。もっとも印象に残ったのはトルコのメンタル、そしてチェフのミスでした。チェコのシステマティックな攻守に手も足も出ない時間もありましたが、気持ちが切れなかった。あきらめなかったご褒美でしょうか、やってはいけないミスが絶対的な信頼を置かれているチェフに出てしまいました。この時点でチェコの敗退が決まったといえるかもしれません。GK、特に世界屈指と言われるキーパーが背負っているものの大きさを感じさせる試合でした。

グループBは意外性のなさとトップの機能不全で苦しむドイツが、なんとか個人能力の差で勝ち抜けました。クローゼとマリオゴメスが互いのスペースを消し合っており、特にクローゼはボールに触れずにリズムが出ないのでさらに調子が上がらないという悪循環に入っているように見えます。戦術と個々の能力に意外性がないため、同格相手に苦戦は免れないと思いますが、テクニックがあるポルトガルとの対戦は相手の自滅やセットプレーで活路を開くことで勝つ可能性も多少あります。

グループCはイタリアが勝ち抜け。選手のクオリティと戦術の機能性の低さは同等の対決でしたが、リベリーの負傷離脱とCBの急造度合いの差で抜けた印象です。サイド攻撃のクオリティと中盤のサポート、守備陣の熟成が課題ですが、個の能力とメンタル・とりわけブッフォンの能力がなんとかするかもしれません。正直ブッフォンを長く見たいだけですが。

グループDは戦術的に非常に優れたロシアが勝ちました。個の技術ではアルシャビンとアキンフェエフ以外は取り立てて高くありませんが、高度な戦術と戦術理解の高さが見られて非常に興味深い試合でした。よく走る、というのは間違いありません。効率良く走っているのもあります。特に2点を取るまでは相手陣内では面白いです。

まずスウェーデンの4-4-2フラットに対して4-2-3-1でトップにパブリュチェンコ。トップ下にアルシャビンでしたが、ハイボールに対してはパブリュチェンコが中央で競り、後ろから押し上げて拾う。ショートパスの場合はパブリュチェンコが外にひらいてCBにターゲットを与えず、アルシャビンがDFとMFの間へ入ってきてマークの受け渡しに混乱を誘う。ボールを持たないサイドの選手と、ボールが流れてこなかった場合のパブリュチェンコは内に流れてきます。守備のターゲットを絞らせないで混乱させることに主眼をおいていると同時に、ハイプレスへの人数確保(3人)を行います。

中盤はデフォルトの5枚に基本的に左SB(状況によっては右)が加わり、スウェーデンの4枚に対して2人の数的有利を作ります。技術によるつなぎではなく、圧倒的な数的優位と運動量で前線へ押し上げます。スウェーデンの中盤は6枚をかいくぐれるほど技術はなく、GKとCBの攻撃力も低いうえプレスを受けるため、ロシアのハイプレスをかいくぐれません。スウェーデンはショートパスは精度を欠き、ロングボールを蹴るしかありません。

後ろは3枚が基本でラーションとズラタンを見ます。ビルドアップではアキンフェエフも参加して4枚で行います。ズラタンはコンディション不良から運動量も低く、ほぼ自由にゲームを作ります。相手の問題点を突き攻撃的にいく。なんと相手陣内に7枚が残ってそのままプレスをかけるというシーンもありました。

点を取るまではハイプレス・サイドからのショートカウンターが基本。点を取ってから特に後半は後ろにラインを下げてサイドに流れたパブリュチェンコをくさびにしてのカウンターがメインでした。後半なかばには勝ちなれていないせいか危険なシーンもありましたが、サエンコを入れたあたりから少しずつ落ち着きを取り戻し、最後にかけてあわよくば追加点のシーンを多数作りました。

戦術的にもっとも高度な試合だったと思います。オランダと当たりますが、オランダの弱みは後ろなので、再現を狙うならパブリュチェンコはジオ側に流れる、プレスのターゲットはCBとエンヘラールでしょうか。問題はファンデルサールが起点になれることで、どう解決するか楽しみです。

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posted by juventus1buffon |00:32 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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