2009年07月31日
08-09シーズンはトータルで見れば成功といえるシーズンでした。
クラブワールドカップ獲得と、その代償としての過酷なシーズン日程を跳ね返して獲得したプレミアリーグには特に価値があります。
ですがCL決勝の完敗のインパクトがすべてを吹き飛ばしてしまいました。
またCロナウドの移籍もあり、ひとつのサイクルが終了した印象を受けてしまいます。
<CL決勝>
雑誌のインタビューでモウリーニョ、ペジェグリーニ両監督が言っていたように、自分ももっとできたはず、と思います。前半10分までの急造DFラインを攻め立てていた内容はその後の展開とはかけ離れすぎています。
試合を決定づけたエトーのゴールですが、自分はビディッチのミスだと思います。事前に研究していたはずのエトーの得意パターンの切り返しで簡単に振り切られてしまいました。あのレベルのCBではやってはいけないことだと思います。
その後、前半の間は失点こそしなかったもののつまらないミスを連発しました。厳しい日程を乗り越えてきたメンタル面の張りが、ここで完全に切れてしまった印象です。その後前への意識を見せた(結果は伴いませんでしたが)のは前チャンピオンの意地かもしれません。
<Cロナウドの放出>
これはオファーの額からも仕方がない、と思います。
07-08シーズンはウインガー兼ストライカーとして非凡な得点力をみせましたが、08-09シーズンはサイドハーフよりの仕事もこなすようになっており、幅の広がりを感じさせました。
得点力の穴埋めを期待されているのはおそらくオーウェンよりもルーニーと思います。昨シーズンはフィニッシャーとしての欠点だった、シュートをうつタイミングに変化を付けようとしているように感じましたし、テベスもいなくなった今かかる期待は大きいです。昨シーズンまでは中盤の仕事も多かったですが、今シーズンはフィニッシャーよりの仕事が増えるのではないでしょうか。
<ベルバトフとテベス>
なぜベルバトフが優先されたか、についてですが08-09シーズンのテーマは過密日程だったと考えます。テベスの方が運動量がありますが、そうすると周りも動かなければならず、疲労が高まってしまいます。
ベルバトフはテベスと比較すれば静の選手ですが、ポストワークは巧く、ボールが収まるのでテベスに比べれば周りのサポートが(ボールロストが少ない分)比較的少ない運動量ですみます。代わりに失うものは流動性と得点力ですが、どちらを取るかということでベルバトフを優先したと思います。
そのおかげでプレミアリーグを獲れたと自分は思っていますが、流動的でスピーディな展開を失い、かつテベスまで失うことになりました。
<09-10シーズンの展望>
今のところ移籍市場では効果的に動けていませんが、Cロナウドの代わりとなる選手の獲得は必須と思います。ですが前線よりレベルが低い中盤センターの補強の方が優先するかもしれません。キャリックやフレッチャーも成長はしていますが、ラテン系の優秀な選手(シャビやグティ、ピルロら)と比べてボールキープが決定的に下です。ヨーロッパの舞台では特に目がいってしまいますが、ビジャレアルと比べても下と思います。代わりにフィジカルで多少上だとは思いますが、技術の差を埋められるほどではありません。
ただ財政事情、特にプレミアリーグはアメリカ資本が結構入っているので、昨年の財政危機の影響が直接でていて動けないのかもしれません。イギリスの金融機関はアメリカ以上に危機的、という話もありますし、今シーズンは意外なチームがプレミアを奪取するかもしれません。あと、おそらくユナイテッドの今シーズンのCL優勝はないと思います。
posted by juventus1buffon |22:40 |
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2009年01月11日
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
プレミアリーグはアーセナルが脱落し、3強の争いの様相になりました。
EUROとオリンピック、CWCがあった影響が大きくなると思われる後半戦ですが、今年は疲労からおそらく団子状態のまま行くのではないかと思います。
リバプールはキーンがフィットしないのが大きい、という見方もあると思いますが、自分はアッガーが怪我がちなのが大きいと思います。前線からプレッシャーをかけることが多くなった現代サッカーで、後ろから組み立てに参加出来る選手の重要性が飛躍的に増しています。レイナも組み立てに参加出来ますが、もう一人いることで中盤以降のプレーの幅が広がります。逆に後ろが苦し紛れにロングボールを蹴る頻度が多くなれば、トーレスのスピードが活かせません。ストーク戦でも内容の薄い試合でドローでしたが、攻撃に妙味のないキャラガーの右サイド、ヒーピアとシュクルテルの攻撃力の無さが原因と思います。
チェルシーはモウリーニョ時代の堅さが減ったのと引き替えに、テクニカルさが増してきました。そこで不遇になったのは、ボールの入ってくるタイミングが遅くなった分ポストプレーが困難になったドログバ。これからも不遇と思いますが、アベレージの高いアネルカにはない、高いフィジカルに支えられた一発があります。大事なところで使えるか、期待に応えられるかが優勝への鍵になりそうだと思います。
マンチェスターUはこれから非常にタイトなスケジュールですが、選手の使い方からもそれを想定したものではあります。それでも一番の懸念は選手の疲労度と故障でしょう。今後のキーになる選手は今のところ不列すなテベスだと思っています。あとはオシェイ、フレッチャーの活躍に期待でしょう。Cロナウドは色々な攻撃オプションを備えた選手へと進化しましたが、その分ドリブルの威力が下がった気がします。この後原点回帰が必要になる、と思っていますがどうでしょうか。
posted by juventus1buffon |17:47 |
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2008年11月06日
現時点で最大のサプライズ、ハルシティとの対戦でした。
この試合を見た限りでのハルシティですが、まず選手は基本的に平均もしくは下のレベル。いかにもイギリス人といった足元のおぼつかない、しかしフィジカルに優れた選手が多いです。例外はジオバンニとクザンで、前者は技術が高く充分なキック力がある反面フィジカルが弱く、後者は足元もそれなりでフィジカルを活かしたポストプレーが得意ですが、反転やシュート技術はそれほどでもない印象です。
最大の売りはあきらめないこと。精神的に強い選手が多いということでしょうか、と書くのもいいんですが、バカっぽいのでもうちょっとマシに書きます。
全員があきらめないということは監督やスタッフが信頼されているということで、失点しても諦めないというのは点を取るアテがあるということです。選手のレベル差は歴然で流れからの得点は期待薄。では何をして点を取るかと言えば、つまり支えになっているのはセットプレーと思います。
1点目のクザンのゴールが象徴的です。ボールをキッカーではない選手が置く、というのもそうですが、ゴールに向かうインスイングのボールは普通ファーか中央の高い選手めがけて入れます。期待するのは頭でのシュート、折り返し、あわよくばそのままゴールで、ニアは合わせるのが難しいため直接ゴールを狙う以外はあまり入れません。なので背が高い前線の選手クザンが、ニアにいてそのまま直線で入ってくること、ニアにインスイングのボールを入れることは練習してきた奇策でしょうし、ユナイテッドが予想していなかったのはクザンのマーカーがナニだったことからも分かります。
監督は硬い守備で守りきることを重視しているようで、無失点に抑えた3試合を思い出す必要がある、といったことを言っています。今回を見る限り各ラインの距離感は前半特に悪かった印象で、後半は修正できた(ユナイテッドの交代策の影響もありますが)印象です。セットプレーの引き出しの多さが現状の軸と思いますが、冬の移籍でどう変化があるか、バリエーションがどれだけあるかが今後楽しみです。
ユナイテッドはCロナウドが素晴らしいです。開始早々の得点はトラップも素晴らしく、守りたい相手を引っ張り出すという意味でも大きい得点でした。バランスを崩したハルシティから、早々に4点取ることができたのもこのおかげです。
ベルバトフは馴染んできたようですが、もう少しかかりそうです。後半戦にかけて消耗の少ない戦いをするのに、彼のような選手は必要だと思うので、今優先的に使われていると思います。テベスはCWC後には出場機会が増えると思います。アンデルソンはボール持ちすぎですし動きすぎですが、チームにテクニカルさを与えられる存在で守備が上手くなった印象です。ナニもよく使われていますが、これらの選手の使い方はCWCとその後失速しないことを見据えていることを表していると思います。
来月は日本でどういうチームを見せてくれるのか、楽しみになってきました。
posted by juventus1buffon |02:06 |
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2008年10月08日
アングロサクソンの傾向として、ミドルレンジ以上のパスとシュート、視野の広さ、闘争心と体の強さが強み、俊敏性に欠け、ボール保持や細かいエリアでのプレーは苦手です。
また今年はユーロ、オリンピック、クラブW杯を抱えるリーグですので、疲労とけがの管理が鍵になりそうです。
〈チェルシー〉
スコラーリ監督を招聘し、デコを獲得した中盤が最大の変化です。モウリーニョ時代からの決別がテーマでしょうか。ランパード、バラックとデコの主導権争いが肝で、誰が主導権を握るにしろ波風が立たなければ優勝もあります。立てばここから凋落が始まる可能性も十分です。今のところはプレーエリアが被ることも多く、あまりいい傾向ではありません。尋常ではない攻守の切り替えの速さも売りでしたが、中盤でスローダウンしてしまうと元の所属選手の良さが薄れてしまいます。
スコラーリ監督は素晴らしいモチベーターですが、ポルトガル代表を見る限り戦術面に幅がありません。サポートするスタッフの質が問われます。チェルシー躍進を支えたモウリーニョの遺産を消すとして、どういうサッカーをするのか、グラントと同じように回帰するのかが楽しみです。
消さないとすれば、手直しなしではデコが活きませんしオーナーが納得しないと思いますが、どうなるでしょうか。
〈アーセナル〉
プレミア随一のパスサッカーは健在。ダイナミズムも併せ持っており魅力的ですが、選手層の薄さと経験値の低さは相変わらずです。よってここ数シーズンと同じように優勝には手が届かない、といいたいところですがチャンスはあります。夏の2大会とクラブW杯の疲労で上が落ちてくれば十分PLは狙えます。
エドゥアルドとの回復具合が良く、ウォルコットの成長があればいいところも狙えそうですが、けが人の影響がビッグ4でもっとも大きいのでぶれが大きくCL圏内から落ちる可能性までありえます。今のところウォルコットは期待以上です。チームが若い分波が大きく、ハル戦のようなこともまたあるとは思いますが、上が落ちてくれば相殺出来ると思います。
セスクとファン・ペルシーはプレースタイルの相性が良くなく、セスクを軸と考えるとペルシーは動きすぎてセスクのダイナミズムとパスコースを消している時があるので、調整が必要と思います。3センター気味の中盤の守備も、エブエやデニウソンらが上がりすぎて、セスクと最終ラインに負担をかけています。セットプレーは最近ずっと強くないですが、疲労が蓄積する頃に大きな武器となるので、今シーズン優勝するためには強化したいところです。
〈リバプール〉
多国籍化してきているのに内容がもっともイングランドフットボールっぽいチームです。中心選手のジェラードはイングランドフットボールの要素を兼ね備えたアングロサクソン的選手の最高傑作で、苦手とする細かいプレーはフィジカルと視野の広さ、次のプレーへのビジョンの確かさとそれなりの技術でカバーしています。ただ彼の特長にチームが引っ張られるので、ミドルからロングレンジの展開が増えます。
ロビーキーンの獲得は、トーレスのポストプレーの成長がなければ失敗になると思います。ロビーキーンはスペイン代表で組んだビジャと比べて特にパスワークで劣ります。ジェラードの飛び出すスペースも消しかねず、トーレスのパートナーはスペース作りのうまいカイトの方が良いと思います。カイトがサイドに回ることが多くなりましたが、本職ではなく、運動量はありますが突破力とラストパスの精度に欠けます。
個人的にはトーレスとカイトの2FWとウイングのバベルという変則3トップが見てみたいですが、過度なローテーションをやめない限りそこまでの連携は期待できないと思います。
守備陣の守備力は相変わらず高いですが、サイドの攻撃力不足から取りこぼしも相変わらず、と予想しています。
〈その他のチーム〉
今年こそが続くトッテナムは、前線の核2枚を同時期に放出したことはミスと思います。GKも替わったため、一から連携組み直しでは全体の構築に時間がかかりすぎます。ビッグ4の牙城は崩せないでしょうが、来期以降へ向けて我慢の時期と思います。監督交代さえなければ、ですが。
マンチェスターシティは注目を浴びる大補強ですが、昨年も含めて動きが大きすぎます。今の成績にも反映されていますが、熟成不足なので苦しい時に勝ち点を拾うようなチームとしての粘りが出ません。ただ選手のレベルは上がっているので、ハマったときは格上にも勝ちきることがあると思います。上のチームには嫌な存在です。
posted by juventus1buffon |23:59 |
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2008年09月20日
昨シーズン見に行った、2冠達成のマンチェスターユナイテッドのプレビューです。
昨シーズンは実質Cロナウドが最前線で主にウイング、サブの役割でストライカーなのに、フォーメーションはルーニー、テベス2トップでサイドにCロナウドの4ー4ー2という特殊な布陣でした。スタート位置としてのフォーメーションとシステムでのフォーメーションが違う好例と思います。
攻撃の核はCロナウド。彼の特性を最大限活かすため、前にスペースを作ることが最優先となっています。前さえ向ければ個人でゴールを取れる可能性のある、スペシャルな選手です。視野の狭さも年々解消され、攻撃面では前を向く技術以外全て高い次元で兼ね備えており、代名詞のドリブルの突破力は脅威です。苦手なプレーは守備と前を向くプレー。嫌いなプレーはゴールに直結しない場面での接触プレー全般で、ダイブも多いですがおかげでけがが少ないという面もあります。FKの精度も上がったためファウルで止めにくくなった点も含め、得意なドリブルを活かす、という明確な意図が見えます。
ルーニーは視野が広く他人を活かすプレーに長け、フィジカルも強く、運動量豊富で、守備も嫌わないという利他的なメンタリティを持っています。停止時の技術はほどほどですが、スピードに乗っても精度落ちにくい。プレーのタイミングが素直なので、読み切られると攻撃の脅威が大きく下がりますので、課題といえると思います。ただ今シーズンは意識しているようにも見えるので、すぐに改善するかもしれません。
テベスはルーニーより狭いエリアでの技術があり、前を向く技術も持っています。フィジカルも強いですし、シュート精度やプレーのタイミングをずらす技術やフェイクも高いレベルにあります。利他的なメンタリティも持ち合わせており、上2名と同じくスピードに乗っても精度が落ちにくいため3人揃ったときのカウンターは極上の美しさと破壊力を発揮します。身長が低いことと、ルーニーよりは視野が狭いのが弱い点です。
ベルバトフは生で観戦したときには足もとの柔らかさとフィジカルの強さが目に付きました。行動範囲はそれほどなく、中央を基準点にポストワークをメインに行うと思います。最初は上3人の行動範囲とかぶらないプレーができるようすり合わせるのが課題で、もし4人とも使うならルーニーがMFに下がっての4ー3ー3になる気がします。
前線はCロナウドの個性を最大限活かすことが目的のシステムでしたが、それぞれの負担減とバリエーションの増加及び質の変化を狙った補強と思います。3人とは全く別のタイプなので、3人がベルバトフをどう活かすかといった課題をファーガソンが与えた気もします。
中盤は一定の守備力と視野の広さ、ミドルレンジ以上のパスのうまさがある選手が多いです。ただ基本的に足元の技術は高くないので、質の高いプレスとポゼッションを展開されるCLは基本的に苦手で、中盤を制圧することは期待できません。スコールズ、キャリック、フレッチャー、ハーグリーブスはそれぞれ特徴に違いはありますが、傾向は当てはまります。足元の技術が高い選手としてナニ、アンデルソンがいますが、まだ成長待ちの部分があります。かれらの成長と、苦しいときの朴の運動量や献身的なプレーが、ユーロから続きクラブW杯を加えたハードスケジュールにおいてキーになると思います。ギグスとスコールズはフル稼働は見込めませんが、ユナイテッドのレジェンドといえる選手ですし、経験は若い選手の成長や、苦しいときの打開が期待されます。
前線にスペースを与えるためと、ミドルレンジのプレーが強いこと、足元がうまくないことから守備時はラインは基本低めにとります。ただ状況判断に優れ、攻守の切り替えが速いため、状況が揃えば高い位置から取りに行くこともあります。
最終ラインは世界屈指のCB、GKがいることもあり、前線と中盤との兼ね合いもあって守備時のラインは低めです。組み立てての攻撃時はラインを押し上げますが、GKが足元に優れていて強いバックパスを受けられることが大きく、ファンデルサールはこのチームのポゼッションの軸の一つです。ビディッチとリオは対人守備、カバーリングの関係なども含めて非常に高いレベルの守備力を誇り、リオは組立にも参加できる攻撃能力もあります。SBは復帰したネビル、昨シーズン攻撃面で成長があったブラウン、攻撃力が高く、守備面も軽さが改善されつつあるエブラ、ユーティリティなオシェイと連携面には不安のない、長くチームにいる選手たちにエヴァンスらを加えた構成です。大きな問題はないと思います。
顕在化しつつある不安はGKです。ファンデルサールは、特に速いミドルシュートやクロスへの反応に衰えが出てきています。フル稼働も厳しくなってきていますし、クスチャクやフォスターがどれだけ攻守で成長できるか。近年GKを育てるのがうまくない印象がありますし、ファンデルサールへの組立の依存が大きいので、ここからシステム全体が崩れる可能性は十分あります。
posted by juventus1buffon |03:43 |
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