2009年11月06日
ペドロよ、どこへ?
ペドロ・マルティネス、彼の輝かしい現役生活の中で、松井には手痛い思いをすることになりました。2003年のALCS第7戦、ボストン時代にリトル監督を説得し続投した直後の適時2塁打。3点リードを追いつかれたボストンはそのあとブーンの劇的なサヨナラHRでヤンキースに屈しました。あの時はボストンのエースとして、85年ぶりの悲願の優勝を担っていました。夢破れ、リトル監督は解雇された。。。 あの時の松井はメジャー元年。それから6年後、今度はワールドシリーズで再び両者は雌雄を決するべく対峙したんですね。ご存知のとおり、結果は松井が4打数4安打、2HR、5打点、と返り討ちに斬ってとりました。 僕はこれまでペドロの記者会見での発言を訳してこのブログで紹介してきたので、戦い終え、敗れ去る彼がどんなことを言うのか、注目していたのですが、残念ながら、彼は逃げるようにヤンキースタジアムから消えてしまい、記者会見の壇上に上ることも、ロッカールームで記者に囲まれることもありませんでした。 しかし、スタジアムの関係者専用エレベーターに乗ろうとするペドロを捉まえた記者が何人かいました。以下、ボストン・ヘラルド紙のスティーブ・バックリーの記事から要点とペドロの発言を訳してみます。 http://news.bostonherald.com/sports/columnists/view/20091105no_magic_ending_for_valiant_pedro_martinez/srvc=home&position=recent
(ローッカールームで記者を待つこともなくひっそりと去ろうとしたマルティネスだったが、)廊下で彼を見つけ、一緒に歩くことを選んだ記者には紳士的に答えてくれた。
「このチャンスをあたえられて非常にうれしい。」(微笑みながら)「だが私が予想していた結果は得られなかった。」
(まだ現役を続けるか?との問いに)
「家に帰ってリラックスしてゆっくり考えるよ。でも今のところはそうだ。」
この時、ペトロにしかありえないようなことが起こった。エレベーターを待つマルティネスの前に、においからするとおそらく(かなり酔っている)。。。祝勝気分で興奮したヤンキースのファンが迷い込んできたのだ。
そして目の前でこのファンは「WHO’S YOUR DADDY!(おまえのご主人様は誰だ!)」と2回ほど叫んだ。そこにいた守衛はなにもしなかった。
マルティネスは笑って、私たちの質問に答え続けた。
その時そのファンは突如自分の前にいるには球史に残る偉大な投手であることを悟ったようだ。そして叫んだ、「あいつが誰かっていうと、野球殿堂に入るピッチャーだ!ブロンクス生まれの俺が言ってやる!」そして独り言のように、「俺がここにいるなんて信じられないよ。」と言った。
マルティネスは質問に答え続けた。
話は3回、1アウト満塁のシーンでアレックス・ロドリゲスを三振させた場面になった。マルティネスはそこであのピンチを切り抜けられると思ったのだろうか。
「ああ、思ったよ。」
次は松井だったが?
「もう終わってしまった。彼にはやられた。それだけだ。」
その後彼はスペイン語の質問にも少し答え、エレベーターに乗り込んだ。
「WHO’S YOUR DADDY!」例のファンがエレベーターに首を突っ込みもう一度言った。
そして今度は声を低めて言った、「俺たちはまだまだあなたのDADDYだけど、あなたは最高だ。」
困惑したマルティネスは笑うことにしたようだった。そしてエレベーターのドアが閉まった。
posted by justafan |05:37 |
MLB |
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ペドロよ、どこへ?
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ペドロ節ありがとうございます。
松井がNYに最初に行った時、ペドロが言った言葉を思い出す。
それにしても4打数4安打、2HR、5打点は凄すぎる。
こんな形で引導を渡すとは。
posted by phan | 2009-11-06 07:22
ペドロよ、どこへ?
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敵でさえ認めずにいられない。
そんな偉大な投手に対する愛情を感じました。
芯からの野球ファンでなければ出てこない言葉でしょうね。
まさに映画のような一言…すごいなぁ。
いいことよませてもらいました。
ありがとうございます。
posted by ballgame | 2009-11-06 08:38
ペドロよ、どこへ?
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腱板修復術という野球選手として致命的ともいえる手術から
ワールドシリーズ先発まで這い上がってきたペドロに感動しました。
ちょうど同時期に石井弘寿がほぼ同じ手術を受けています。
執刀医に直接聞きましたが損傷程度もほぼ同じだったそうです。
その回復具合と比較してもペドロがあの場面に投げていることは奇跡的であり、
本人は当然満足はしていないでしょうが、自分の歩んできた道のりに、
納得しているに違いありません。
暖かく見守りたいです。
posted by 整形外科医 | 2009-11-06 09:32
ペドロよ、どこへ?
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コメントありがとうございます。
WS直前にたまたまアリ対ホームズのドキュメンタリーを見たんです。もうアリはパンチドランクといえそうな症状が見え見えなのにリングに上がり、惨敗するんですが、そのアリに重ねてペドロを見ていました。
> phan
自分で「Yankees are my daddy.」って言ったんですよね。勝負には勝者がいれば敗者もいるんですよね。ファンの心に残る名勝負だったと思います。
> ballgame
大口はたたきますが、あの小さな体でパワー全盛だったメジャーリーガー達をきりきり舞いさせてきたペドロです。庶民的なブロンクスに愛されないはずがないんですね、ただいつもヤンキースの敵だったということで。それは本人の言うとおりだと思います。
> 整形外科医
わかりやすい説明をどうもありがとうございます。見事な復活劇でした。松井が主役になったシリーズでしたが、これだけの相手がいたから、なんですよね。素晴らしい勝負だったと思います。2回のHRは85マイルしか出ないまっすぐを続けて8球目をついに松井が捕らえました。石井も応援したいと思います。
posted by 管理人 | 2009-11-06 12:56
ペドロよ、どこへ?
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素晴らしい記事をありがとう。
第二戦でヤンキースタシアムに戻ってきたぺドロが受けた降板の際のブーイングが、自分にはヤンキースファンからの最高の賛辞に聞こえましたね。
まだ現役を続けて再びヤンキースタジアムに戻ってきてほしい。そう願うばかりですね。
posted by augusu | 2009-11-06 23:40
ペドロよ、どこへ?
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今回のWシリーズで嬉しかったことが2つある
一つは松井の活躍
もう一つはあのペドロ・マルチネスを見られたこと
若き日の投げる球全てが魔球だったペドロではなかったけど
度胸と経験を武器に投げる姿に、あの頃のようなふてぶてしさを感じ嬉しくなった
その酔っ払いはこれからずっとWシリーズ優勝の夜にペドロに会ったことを自慢するんだろうな
posted by あー | 2009-11-06 23:57
ペドロよ、どこへ?
コメント投稿者ID :
コメントありがとうございます。
整形外科さんのコメント、非常に大事なことですね。
お~い、ペドロ、あれだけしゃべっておいて大事なことは何にも言ってなかったんだなぁ、ちょっとかっこよすぎるんじゃないの~!
> augusu
ありがとうございます。ボストンの記者というのがさすがですよね。ヤンキースタジアムでのブーイングについてはまったく同意見です。あの時は不敵に笑ったペドロ、第6戦は、マニエルにダグアウトで交代を告げられたときの寂しそうな笑顔が印象に残りました。まだまだ見ていたい選手ですし、もし万が一引退しても、忘れられないです。
> あー
本当に凄い投手ですよね。今でも全て魔球ですよ、ホント。あれに97マイルの速球を持っていたんだからいかにとんでもない投手だったか。ああいったファンの話なんかもちゃんと記録してくれた記者がいたことに感謝です。
posted by 管理人 | 2009-11-07 05:43
ペドロよ、どこへ?
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WS第2戦で、自らの運命に抗うが如くポーカーフェイスを貫き通した彼が見せた、第6戦でのあの笑顔を私も忘れられません。
打たれる筈の無いインローの変化球
7回続いた奇跡を信じて投じた8球目のアウトハイの直球
ベースランニングで、ファーストベース上で、松井は決して笑わなかった。喜ばなかった。
憐れみではない。勝負の行方を慮ってのことでもない。
それは一人の偉大な投手に挑み打ち勝った、一人の偉大な打者の矜持の表れのように私には見えました。
神様の代わりに終止符を打ちに来たマニエルに見せた笑顔の裏で、彼は心の中で神様にこうつぶやいたのではないか・・・
「わかったよ。終わりにするよ。」
そんな気がします。
posted by 近鉄ファン | 2009-11-07 12:01
ペドロよ、どこへ?
コメント投稿者ID :
> 近鉄ファン
まったくドラマを感じる選手ですよね。
松井には第2戦でカーブを打たれたことで緩い球を投げにくくなってしまったのか。緩い球も混ぜるべきだったと思うんですが。素晴らしい勝負でした。
「赤鬼」って監督としては本当に自分の選手を信頼して任せる優しい(?)監督ですね。ペドロを気遣いながら胸を何度かたたいて交代を告げた。
なにしろ、怪我からの復活でここまできて周りにそれを忘れさせる言動、ピッチング、しびれました。
posted by 管理人 | 2009-11-08 01:21
ペドロよ、どこへ?
コメント投稿者ID :
考えてみれば、あれだけ「神の祝福」を連発していたことが、彼の復活がいかに奇跡的であったかということを表していたんでしょうね。
マスコミや僕のようなファンが馬鹿でわからないだけで。
僕が仕事としてアスリートの取材をしていたころも、ほとんどの場合、あとから選手が正しくて周りがわかってやれなかっただけだと気付くことが多かったです。
それもステロイドで変わってきたかもしれないですけど。
なにしろ一生懸命に勝負に挑む彼等、彼女等は美しいです。
posted by 管理人 | 2009-11-08 01:29
ペドロよ、どこへ?
コメント投稿者ID :
スタジアムを真っ赤に燃え上がらせたフィリーズファン
冷え込むブロンクスで熱く燃え上がったヤンキースファン
応援する球団を失った後、野茂から始まった「日本人MLBプレーヤーを応援する」というとてもいびつなスタイルの私には、そんな彼等が羨ましく思えました。
遠く離れた日本でペドロと松井の静かなドラマを見せてもらって、
「まっ、いいか・・・」
と思えてきました。
2010年、レフトへ弾き返された打球の先にペドロが見たものは、必死にそれに追いすがる松井だった・・・なんてのはどうですかね~
posted by 近鉄ファン | 2009-11-08 07:34
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