2007年11月06日
これがプロとの差というものなのか/順天堂大学vsジュビロ磐田
これがプロとの差というものなのか―。その場に居合わせた本学関係者は少なからずそのような感情を抱いたに違いない。J1・ジュビロ磐田を相手に、本学蹴球部は岡本達也(スポ1)が前半23分に得点を挙げて一矢報いたものの1―6で敗れ去った。主力選手半分、若手半分といった印象を受けたジュビロのメンバーではあったが、どんなメンバーであっても同じサッカーができる、統一されたパスサッカーに圧倒された。 前半18分、中央でボールを持った上田康太がやや右寄りにいたファブリシオにパスを繋ぐと、そのファブリシオが鋭いクロスをゴール前にフリーだった前田遼一がそれを落ち着いてコントロールし、左足で流し込んでジュビロ磐田は先制点を奪った。 その5分後、ジュビロの猛攻に耐え続けていた本学はセンターサークル付近の遠い位置でフリーキックのチャンスを得た。キッカー伊藤大介(スポ2)の右足から放たれたボールは勢いよくボール前へ。少し左寄りに飛びすぎたボールであったが、それを岡本がラインぎりぎりのところでヘディングシュート。ボールは右ポストに当たりゴールの中へ吸い込まれ、試合を仕切り直した。 しかし、ここから怒涛のゴールラッシュが訪れる。前半37分、右サイドから太田吉彰がクロスを上げたが島嵜佑(スポ4)がこれをブロック。しかしこれが再び太田の元にこぼれ球がいくと、今度はキックフェイントを交えながら中へ持ち込む。本学の選手が立て直しその対応に行こうとした矢先、左足でそのままシュートを打たれて1―2。再び突き放された。 後半7分、右サイドから加賀健一がゴール前にクロスを上げると、そのボールに対して島嵜とGK渡辺彰宏(スポ4)が被るように反応する。交錯するように崩れ落ちた二人の守備の要(かなめ)と、そのこぼれ球をしたたかに拾ったカレンロバート。カレンロバートはそのまま無人と化したゴール右隅へ流し込んで1―3とした。さらに4分後に茶野隆行が右から上がった加賀のクロスをゴール前フリーで受けて落ち着いてシュートを放ち4点目。後半34分には途中出場の成岡翔が、41分にはカレンロバートが数十メートルの独走ドリブルを見せ、GK渡辺との一対一も落ち着いて流し込んで1―6。本学の多くの選手は肩で息をして足をつる―。それでもボールを追いかけることをやめなかった。しかし、ジュビロからもう1点を奪うには遠く及ばずそのまま試合終了。これがプロとの差であった。 彼らの主戦場、関東リーグも残り3試合。このプロと戦った経験がすぐに力になるとは考えにくいが、生かせる場所を増やすためにもインカレ出場は果たしたいところ。そのためにもこれからの3試合ではしっかり結果も残していきたいところだ。
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2007年10月10日
ドラマが起こる前に―ベガルタ対順大試合詳細レポート―
決戦前の風景 杜の都の聖地、ユアテック仙台スタジアム。本学蹴球部もリーグの際はよく利用するフクダ電子アリーナはこのスタジアムをモデルに作られたというが、観客にやさしいスタジアムであるという印象を受ける。ピッチとの近さ、地下鉄の最寄駅から徒歩4分、全て屋根に覆われたスタンド―。 試合当日の朝にそんな望郷の思いに浸りつつ、時計に目をやると午前9時20分を過ぎようとしていた。会場近くのカフェでのんびりと窓の外に目をやるとベガルタゴールドに身を包んだ親子連れが足早に過ぎ去った。まだ試合開始まで3時間あまりある。胸が高鳴る想いでゲート付近まで歩けば、既にシートを貼り列を形成するベガサポたち。今日の一戦、あつくなるな―。日差しが出てきたからなのか、それをみて何かを感じたからなのか。上着を脱がずにいられない自分がいた。 アウェーの装い ベガルタ仙台のサポーター席は7割が埋まったという印象。対する本学の応援席は、よくここまで来てくれた、というくらいの少数精鋭であったが、本学の選手たちの名を記した横断幕がはためく様子を見ると不思議と心強く思える。選手たちにもそう感じさせているのだろうか。 かすかなざわめきを残して静まり返った。「ウォウォウォー、ドン!」。太鼓と地鳴りのような声を背に、両チームの選手が入場する。時計はキックオフの時刻を示そうとしていた。 J2四位の力 本学のKICKOFFで試合が始まった。序盤、意外にも個で負ける本学が押し気味に試合を展開していく。ベガルタは主力が出ていないということもあり、選手間の連携が上手く機能せず、ボールの流れが悪かった。それでも左サイドからの中田洋介のクロス、大久保剛志の前線でのフリーランニングは危険をはらんでいた。8分、本学のコーナーキックを防ぐと高い位置で準備していた大久保を起点にカウンター。応援の声も一気に高まったが、本学も落ち着いて対応して決定的な形まで作らせない。15分過ぎまで、本学は相手の身体能力の高さ、球際の強さに苦しんで自分たちもペースに持ち込めなかった。 しかし、その後は本学もチャンスを演出できるようになる。中盤で上手くインターセプトをした福士徳文(スポ3)がサイドから駆け上がった田中順也(マネ2)にボールを預けると、田中がそのまま深い位置まで突破をはかりクロスを上げる。ゴール前で岡本が走りこんでいたが届かない。 守備からリズムを作る 一方守備の方もくさびのパスを前線に当てさせないように中盤のダイナモ・三浦旭人(スポ2)がコースを上手く限定し、それに伴って両サイドも流動的にスペースを消していく。その緩みのない守備網にベガルタも苦しんでいるのが明らかであった。何とか隙を作ろうと、ボールサイドを変えて攻めにかかるも本学も落ち着いて対応。ベガルタにこの時間帯はクロスすら上げさせなかった。 クロスまでの形が作れないと分かると、ベガルタは浅い位置から本学の裏のスペースを狙うロングボールを放り込む。22分、そのうちの1本に瞬発力のある大久保が反応。村上佑介(スポ4)がマークしていたが一瞬離されピンチになる。村上がすぐさま追いつき体を寄せてピンチを脱したがこのとき足を痛めた様子をみせる。ここで抜けるわけにはいかない―。そんな気持ちが彼の中にあったのだろうか。村上はすぐにまた走り出した。 サイドの攻防も興味深い。25分過ぎ、右サイドでボールを持ったベガルタ・関口訓充が突破をはかるが、対する本学の金子拓也(スポ1)も一対一で相手のミスを誘うクレバーなディフェンス。その3分後、今度は金子が一対一で関口に果敢に勝負を挑む。しかしここはボールコントロールが定まらず簡単に奪われ危ないところでもあった。 両チームがサイドでの攻防を見せるようになると、本学のファンタジスタへのプレッシャーが軽減された。29分、本学が中盤でボールを奪うと伊藤大介(スポ2)に繋ぐ。その伊藤は裏のスペースへ走りこんできた金子を見るなり絶妙なスルーパスを送る。惜しくも金子はオフサイドになるが、つながればキーパーと一対一の決定的チャンスとなったところだ。 プレッシャーの軽減は三浦にも展開する余裕を与える。高い位置でボールを奪うなり右へ左へボールを積極的に放り込む。パスの精度が上がらなかったことは否めないが、そのプレーからは両者同等のポゼッションを保てるようになってきた印象も同時に与える。 なかなか先制点が生まれない試合。ベガルタのこんなプレーからその必死さが窺える。41分、ベガルタの右からのコーナーキックでキッカーの関口が靴紐を結ぶためにかがんだ。少し時間がかかる様子を周囲に感じさせたかと思うと、後ろからするするっと駆け寄る中田を見るなりショートコーナーを敢行。当然本学の選手はその対応に間に合わず、ゴール前で若干慌てた様子を見せたが何とかこれを阻止。すぐさま本学もカウンターを仕掛け福士と田中のワンツーでゴール前のチャンスに持ち込めるかに見えたがカットされた。 大学生相手になかなか前線にボールが運べないベガルタ。それを見て、ベガルタのサポーターも一斉ブーイングをして不満をあらわにした。ハーフタイムを告げる笛が、そのボリュームを一層高めた。 流れが本学にやってきた 午後2時過ぎに後半は始まった。ファーストシュートは本学の田中が強引に持ち込んで生まれたのだが、それを口火に序盤から本学の攻撃は開始する。後半4分、高い位置でボールを持った伊藤が岡本に落とすと、その岡本が低いクロスを上げる。それが中にいた森英次郎(スポ3)につながると、森が脇から飛び出した田中に繋ぎ、田中がシュート。ボールはバーの上を越えた。 ベガルタもチャンスはあった。カウンターから金子慎二がペナルティエリアで上手い形で受けたが、素早く戻った本学の守備陣のプレッシャーを受けてか、シュートを打てるところで躊躇しチャンスを潰してしまう。またベガルタのサイドチェンジはボールのスピードやタイミングが早く、効果的に思われたがボールを受けてからのリアクションが遅く、上手く足元に納めた頃には本学のディフェンスが整っていた、という様子も多い。 本学の反撃開始! そんなベガルタを横目に、本学は伊藤と岡本を中心に攻撃の形を作る。7分過ぎ、伊藤のスルーパスに絶好のタイミングで飛び出した岡本。もはやベガルタの守護神・荻原と一対一も同然だった。しかしボールを受ける際に胸か頭か一瞬迷い飛び出した荻原と接触。岡本のファールとなったプレーだったが、これに渡辺広大は興奮し、一時騒然となったが審判に諌められると、急にしゅんっとなった渡辺が滑稽に見えてならなかった。 後半12分、本学は守から攻に転じた。これまでディフェンスで奮闘してきた岩澤大介(スポ1)に替え、スピード感のある突破を見せる慶田光彦(スポ4)を投入。島嵜がボランチから最終ラインに下がり三浦のワンボランチへ。ついにこの試合本学は勝ちにきた―。選手にもそれがすぐに伝わり、急に動きが活発になる。ベガルタも油断していたのか、それに呼応するようにプレッシャーが甘くなる。14分には右サイドでフリーになった岡本が中にいた福士にボールを上げると、その福士がシュートするもバーの上。その3分後、伊藤が起点となり、最後はペナルティエリア内から岡本がシュート。荻原が弾くも岡本の前にこぼれる。今度は岡本がキックフェイントを入れて再度シュートを放ち、決定的だったがゴールにはならない。 本気になったベガルタ 試合は時間の進度とともにヒートアップしていく。中盤での伊藤と富田晋伍の激しいマッチアップ、両監督がテクニカルエリアまで飛び出す回数が増加―。そして迎えた後半20分、ベガルタは大久保、金子に替え、梁勇基(リャン・ヨンギ)、中島裕希を投入すると一気に試合の流れを引き寄せようとした。 梁と中原はこれまで出ていた選手よりもパワー、スピード、迫力が明らかに違う。交代してすぐのチャンスに中島が深いところまで突破をはかると、それに森が対応。しかし、森は中島のパワーに吹っ飛ばされた。主審は中島のファールを示したが、ベガルタの応援席の前ということもあり一斉にブーイングが起こる。その後、島嵜、村上が中島の対応を担うが25分、村上もペナルティエリア付近で中原に当たり負けをして本学はピンチに陥る。ここで守護神・松本拓也(スポ1)の好判断で飛び出してセーブ。ピンチは脱したが、ベガルタは本気になっていた。 ピンチが続く本学に、吉村監督もベガルタのサポーターに負けず劣らない激を飛ばす。しかし、一度流れがベガルタに傾くとなかなか立て直せない。サイドからのクロス対応まで手が回せなくなると、本学は両サイドから幾度となく上がってくるクロスの対応に追われた。 それでも徐々に落ち着いてくると今度は逆にチャンスの連続。伊藤、岡本、田中を中心にベガルタのディフェンスを苦しめ、森も積極的にミドルシュートを狙う。39分には、慶田が右サイドでドリブルを仕掛ける。40分には、伊藤が蹴ったコーナーキックに三浦が合わせる。荻原はそれを何とか弾くもゴールの角に当たりゴール前にいた岡本の元へ。触れば入る、そんな絶好の場面だったが岡本はふかしてしまいボールはバーの上を越えていった。 その後も、両チームともに必死にカウンターなどで攻め立てるが、ついに90分では決着がつかず延長戦に突入した。 余力を出し切る延長戦 延長戦前半、先制点を取らなければという思いからか、頭からエンジン全開で両チームとも走る。特に本学の金子は左サイドのDFでありながらも積極的な攻撃参加を見せ、ペナルティエリア付近で急にスピードを上げると、前線にいた選手と短いパス交換をしてエリア内に侵入。ここでカットされたが、気迫溢れるプレーだった。 ベガルタもまだ余力のある中島が起点となって高い位置でボールを回し、機を見てチャンスを作る。しかし、肝心のパスが精度を欠き十分な形を作るまでには至らない。激しいボールの奪い合い、両チームに訪れる決定機に、観客全員が思わず見入ってしまったのか、スタジアムは静かになってしまった。延長戦前半が終わると、すぐにエンドを交換。あと15分で勝者が決まる―。また自然と応援が沸いてきた。 午後3時10分、最後のKICKOFFの笛が鳴った。ここまでくると気迫の勝負。走ることには慣れている本学は岡本、田中、伊藤が疲れの見えるベガルタのディフェンスをさらに苦しめ、金子の長いドリブル突破は攻撃のアクセントになった。もはや足が止まっていたのはベガルタのほうであった。大学生相手にここまでやられたという焦燥感は彼らの体を一層重くする。 ドラマは終了3分前から始まった そして迎えた延長後半残り3分、ドラマが生まれた。ピッチ中央左サイドでボールを受けた駒ヶ嶺克好(スポ2)が中央にいた伊藤にパスを送ると、その伊藤がすかさずペナルティーエリア付近で待ち構えていた岡本にはたく。岡本はそれを受けるなり、身をひるがえして右足を振り抜いた。ボールは力強くゴールネットを揺らし、本学は先制した。ベガルタの選手たちもやられたという表情は見せたが諦める様子はない。吉村監督も喜ぶ選手たちに早く戻れというジェスチャーをする。危ない予感は確かにあった。 残り2分、キックオフ直後から梁から中島、田ノ上信也と簡単に繋がれ一気にピンチに陥る。ペナルティーエリア手前中央付近でボールを持った田ノ上はそのままエリア内へ侵入。松本との一対一も落ち着いてゴール右隅にボールを流し込んであっという間に同点とされた。 突然訪れた得点の応酬にスタンドのボルテージは上がる一方。はやる本学、追加点の欲しいベガルタ。時計の針が残り1分に差し掛かろうとした頃、右サイドでボールを持った森が中央にいた田中へボールを預けると、エリア内のスペースをめがけ走る13番・岡本がいた。田中はその岡本へ絶妙なスルーパスを送ると、そのまま岡本へ綺麗につながり仙台GK荻原と一対一になる。岡本がそっとボールに触り自らタイミングをはかり再び右足を振った。そのボールがゴールになった瞬間、本学の選手は歓喜のあまり岡本に走り寄り抱き着くと、ベガルタの選手は崩れるように倒れ込む。スタンドからは歓喜の悲鳴が鳴り響いた―。 試合を振り返って 試合終了後吉村監督は記者会見の場で「大学生でどれくらいできるのか。それを楽しみにしていた。ディフェンスの戦術が上手く機能し、90分で1点も取られなかったことが、選手たちにとんでもない自信を与えた。プロを目指すためには良い経験になった」と、疲れを見せてはいたが充実感に溢れた表情で語った。 またJ1と11月4日に戦うことに関してでた質問には、「できる分析をしようと思う。個のレベルが(本学よりも)はるかに上。だからこそ、個vs個よりもディフェンスの時の戦術。頭を使ってストロークポイントの前でボールを回すというところを生かす。ボールの速度だけが勝てると思っていますから」と語った。 敗れたベガルタの望月達也監督は、「結果に関しては非常に残念。順大さんの最後まで粘り強かったサッカーに敬意を表したい。ゲームに関しては、失点の隙を突かれて負けたというのが強い。勝つというための切り替え、(サッカーの)きれいさだけでは勝てない。(試合に対する)タフさが欠けていた」と悔しさを滲ませた表情で振り返った。 118分ゼロで抑えた守護神 この日、最もミスのない安定したプレーをしていたのは松本だった。この試合を振り返って松本は「(J2との試合ということもあって)厳しい試合になることは分かっていた。だからと言って最初からひいてもしょうがない(という思いだった)。試合中はとにかく簡単なミスをしないように心がけた。怖いと思ったのは後半30分過ぎから。中原さんの高さや、セットプレーで上がってきた渡辺さんとか。ベンチのトップの選手も入ってきたらリズムが変わるんじゃないかと多少の不安はあった。村上さんが積極的にリーダーシップをとってくれていたが、(後半39分に交代して)抜けてしまってからは、佑さん(島嵜)が中心になってまとめてくれた。自分はとにかくボールをサイドに散らそうと心がけた」とこの試合を振り返った。 終わりに― 「本当は来るつもりなかったんだけど…」。そんなことを試合前こぼしていたベガサポがいた。もし、そのベガサポにこの120分が終わったあとに話をきくことができたのなら、なんと応えてくれるのだろうか。本学の試合ぶりを称えてくれるのか。それとも、本学のあとにサポーターに挨拶に行ったベガルタの選手たちにブーイングを浴びせたように、ひいきのチームの批判を爆発させるのか―。どちらにしても、彼にとっても熱い試合はこうして終焉を迎えた。
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2007年10月07日
みちのくの地で戦いきった120分!/順天堂大学蹴球部対ベガルタ仙台
白い生地に13と書かれたユニホーム、それを身にまとった男が歓喜の渦が二度もスタジアムに生み出した。本学蹴球部は天皇杯3回戦でJ2ベガルタ仙台を相手に延長戦を含めた120分の戦いの末に2―1と劇的な勝利を飾った。 前半から互角の戦いを見せ、後半20分にリャン・ヨンギ、中島裕希が投入されると試合の流れが一時はベガルタに傾いた。しかし本学の守護神松本拓也(スポ1)の好セーブや村上佑介、島嵜佑(ともにスポ4)、を中心としたディフェンスで得点までには至らない。 90分で決着が着かず、このままPK戦までもつれこむのか―。そんな雰囲気が漂い出した延長後半12分、ピッチ中央左サイドでボールを受けた駒ヶ嶺克好(スポ2)が中央にいた伊藤大介(スポ2)にパスを送ると、その伊藤がすかさずペナルティーエリア付近で待ち構えていた岡本達也(スポ3)にはたく。岡本はそれを受けるなり、身をひるがえして右足を振り抜いた。ボールは力強くゴールネットを揺らし、本学は先制した。 しかしその直後、一瞬気の緩みが出たのか。リャンから中島、田ノ上信也と簡単に繋がれ一気にピンチに陥る。ペナルティーエリア手前中央付近でボールを持った田ノ上はそのままエリア内へ侵入。松本との一対一も落ち着いてゴール右隅にボールを流し込んであっという間に同点とされた。 突然訪れた得点の応酬にスタンドのボルテージは上がる一方。時計の針が残り1分に差し掛かろうとした頃、右サイドでボールを持った森英次郎(スポ3)が中央にいた田中順也(マネ2)へボールを預けると、エリア内のスペースをめがけ走る13番・岡本がいた。田中はその岡本へ絶妙なスルーパスを送ると、そのまま岡本へ綺麗につながり仙台GK荻原達郎と一対一になる。岡本がそっとボールに触り自らタイミングをはかり再び右足を振った。そのボールがゴールになった瞬間、本学の選手は歓喜のあまり岡本に走り寄り抱き着くと、ベガルタの選手は崩れるように倒れ込む。スタンドからは歓喜の悲鳴が鳴り響いた―。 試合終了後吉村監督は記者会見の場で「大学生でどれくらいできるのか。それを楽しみにしていた。ディフェンスの戦術が上手く機能し、90分で1点も取られなかったことが、選手たちにとんでもない自信を与えた。プロを目指すためには良い経験になった」と、疲れを見せてはいたが充実感に溢れた表情で語った。 試合終了のあと、ベガルタのサポーター席から自然と順大コールが沸き起こった。今日のような若さ溢れるゲームをしていけば、J1を相手にする四回戦でも同じ光景を見ることが出来るかもしれない。
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2007年09月24日
強いチームに勝つために/順天堂大学蹴球部三回戦ベガルタ戦へ進出!
9月23日、神奈川県・大和市営大和スポーツセンター競技場にて第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会の2回戦が行われた。千葉県代表の本学蹴球部は、神奈川県代表の東邦チタニウムと対戦し、2対0で勝利し、10月7日に宮城県・ユアテックスタジアム仙台でJ2・ベガルタ仙台と対戦する。 天気は下り坂 会場につくと、このときを待ってましたとばかりに集まった観客たち。連日の晴天とは打って変わって鈍色の空模様。先日の明大戦が快晴のような試合内容だっただけに少しの不安を抱えたまま試合開始を待つこととなった。 落ち着かない前半 前半4分、いきなり右サイドを東邦チタニウムの土方康平に突破されクロスを許すと、本学のDFをものともせず中へ侵入してきた大槻亮輔に押し込まれる。ゴールかに見えたが、主審は大槻にファウルを下し、本学はほっと胸を撫で下ろす。 しかし、足の速い大槻や技術のある大塚真澄にうまく対応しきれない。17分には右サイドを杉山拓也と大塚の連携で崩させる。その後も相手のペースに飲まれ自分たちのリズムを作れずにいた。 前半終盤、伊藤大介(スポ2)が国体に引き抜かれるに替わり先発した山本拓実(スポ2)の足にようやくボールが収まり出す。42分、竹岡雅師(スポ3)、福士徳文(スポ3)とダイレクトでパスを回すと最後がミドルシュート。惜しくもキーパーに弾かれるも本学の攻撃が形になってくる。 流れを引き寄せた後半 後半6分、右サイドから村上佑介(スポ4)が長いボールをゴール前に蹴りこむと、フリーになっていた田中順也(マネ2)がゴールに背を向けバックヘッド。ボールの軌道は弧を描き東邦のゴールを奪った。ようやく本学は1対0で試合を動かす。 失点した東邦も負けじと攻めるが徐々に足が止まっている様子を見せる。15分過ぎには本学が立て続けに東邦ゴールをめがけシュートを打つ。森英次郎(スポ3)が右サイドで飛び出しミドルシュートを狙ったかと思えば、左サイドから金子拓也(スポ1)がスペースへ走りこみチャンスを作る。いつの間にか形勢は本学に傾いていた。 後半28分に岡本達也(スポ1)、伊藤大介(スポ2)が投入されると更に攻撃にエンジンがかかる。しかしまだ1点差だとばかりにホームの東邦も個人技やセットプレーでチャンスを作る。両チームにとってのピンチとチャンスが押し寄せるたびに、会場のボルテージは高まった。そして迎えた38分伊藤の絶妙のクロスに反応した岡本が、明大戦と同じようにエリア内で倒されPKを獲得。前回外した岡本は蹴らずに、田中が豪快に左足を振りぬき追加点を奪う。 あとは決して諦めない東邦の選手たちとそれを受ける本学の格闘を演じる時間となった。 強いチームに勝つために 今日の試合、勝ったがたまたま勝てたという印象が強い。「毎度同じことをいうがくそゲームです」と吉村監督はため息混じりに語る。 先日の明大との一戦で格上相手に最小限の仕事しかさせない好ゲームを演じただけに落胆の度合いも大きい。監督は「相手コートでボール動かさないと。判断ができなかったからなのかどうか分からないが、ボールが走らないと勝てない(チーム)なのに。このままでは強いチームに勝てない」と淡々と語る。 ただ裏を返せば、監督自身本学の選手たちの力を認め信頼しているということだ。「6(竹岡)・7(山本)・8(綿引大夢/スポ2)は(頭を触ったら)刺さるくらいのボーズにしないと。互角に戦える相手に対してこれが機能しないことがよく分かった」と冗談交じりに語ることからも伺える。 次はいよいよJのクラブということもあり「今から(仙台を)分析します」と語る監督は期待と不安に胸を膨らませる少年のような目をしていた。強いチームに勝つためにも、今一度相手を知り己を知ってほしいところだ。
posted by juntendo |02:54 |
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2007年09月19日
天皇杯初戦突破!順天堂大学蹴球部
9月17日、高知県立春野総合運動公園陸上補助競技場で第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会1回戦が行われ、千葉県代表の本学蹴球部は高知県代表・高知大学と対戦し3対1で勝利を収め2回戦に進出した。2回戦は9月23日神奈川県・大和市営大和スポーツセンター競技場で神奈川県代表・東邦チタニウムと対戦する。 四国での天皇杯 四国の山を背に、春野総合運動公園は鎮座する。「高地では相撲が主だったスポーツでね。あと今日は競輪のオールスターが高地競輪場で最終日だって聞きましたよ。で、お客さん、今日は運動公園に何しに行くんですか」と高知駅前のタクシーで機関銃のように話すタクシーのおじさん。ここで本当に天皇杯があるのか、という不安に駆られた。 しかし会場に着けば、要らぬ不安だった。公式記録1344人の人々が緑の芝の上の22人の球宴に足を運んでいたのだ。大学サッカーは関東でも大抵300人しか集まらないことを考えれば、ましてや今日のスポーツの話題が競輪に話題を持っていかれるのであれば1344人は十分な数だった。 四国の雄・高知大 今日の対戦相手は高知大学。天皇杯出場回数12回、インカレ13回連続四国代表など四国では有数の強豪校である。昨年の天皇杯でも高知県代表として3回戦まで勝ち進んだ(3回戦でFCHondaに敗れている)。片や本学蹴球部は4年ぶりの天皇杯出場。久々の天皇杯とあって試合前に吉村監督に意気込みを伺ったところ意外な返答があった。 「淡々とやるだけ」。 極めて冷静な表情と口調からここで負けるようなチームではない、という自信すらうかがえる。ひとつ心配なことがあるとすれば、ハードな日程のなかで天皇杯を勝ち進まなければならないということだ。高知大学が所属する四国大学1部リーグは4チームしかない。そのため軸となる試合は年間6試合しかなく、関東1部リーグで22試合戦い抜く本学よりも天皇杯に注げる力は高知大に分があるといっても過言ではない。 気温30度、湿度80パーセントの蒸し暑い中試合は始まった。 後手に回った前半 前半、高知大は足の速いFW出井正太郎、粘り強い突破を見せるMF米田徹が本学の高く保ったディフェンスとキーパーの間をかき回す。本学の選手たちも冷静な対応をして危なげなく試合を進めていたが、どこか守備が後手にまわることが多かった。4分、出井がゴール前で裏に抜け出し左足を振りぬくなど決定的な場面も見せてしまう。 そんななか本学は、序々にではあるが相手陣内での早いパス回しを披露し14分、伊藤大介(スポ2)がゴール前で福士徳文(スポ3)に絶妙なスルーパスを出しチャンスが生まれた。得点には至らなかったが相手に冷や汗を掻かせるには十分だった。 しかし、その早いパス回しがうまく機能しなくなった。高知大はパスを回させるスペースを消すように10人で引いて守り、パスをカットするやいなや素早いカウンターで本学のゴールを脅かすようになる。本学も自分たちのサッカーをやろうとパスを回し続けていたが、度重なるパスカットからのカウンターを脅威に感じたのか、パスを回させられている様子を見せ始めた。 何とか状況を打開しようと出した縦パス。それをカットされカウンター。この悪循環にフラストレーションを溜めている本学の選手たち……。前半終了間際、高知大・米田がオーバーヘッドで無理にクリアしようとしたところ本学の伊藤と交錯。そのとき伊藤が怒りを表に出し米田に詰め寄ったことからもそのストレスの大きさは想像に難くない。前半はスコアレスドローのまま終了した。 大きく動いた後半 上空の雲が激しく流れ、その雲が時より日陰となりピッチに涼しさを与えてくれた。その天の恵みを受けたように後半開始5分、ピッチ中央から左サイドの高い位置に構えていた森英次郎(スポ3)へクロスがあがると、森はそれを胸でトラップし強引にサイドを突破した。目の前には高知大・キーパー松尾尊司のみ。森は少し前に出たボールに足を出した。ボールは松尾に当たって枠に吸い込まれた。1300人がいたにもかかわらず歓声も起きずただただ騒然となったスタンド席。少ししてからアナウンスでこの点がキーパー松尾のオウンゴールだと発表された。 点を取りにいかなければならなくなった高知大に対し、本学は崩しにかかった。1対0で先制した本学はその直後、右サイドを突破した村上祐介(スポ4)が浅い位置から真横に出すようにクロスを上げ中央にいた伊藤がそのまま打ったが、飛び出していた松尾にセーブされる。続く17分には松尾のクリアミスを伊藤が拾い前にいた福士へスルーパスを出し、またもや決定打を作ったが、松尾の好セーブに阻まれた。 後半20分、高知大が動いた。DFの中野圭に替わってFWの石川雄太を投入。その直後だった。左サイドを深い位置まで突破した高知大・出井が、中にいた石川に低いクロスを上げると石川はそのままシュート。本学のキーパー松本拓也(スポ1)も懸命にはじいたが再び石川の元へボールは転がった。石川がそれを難なくゴールに押し込んだとき、場内は大きな拍手に包まれた。まさにアウェーである。 このあと試合は交互に両者にチャンスがめぐり試合に熱を与えた。しかし、追いついた高知大のほうに勢いがあり、本学は試合の流れをつかみきれない。スコアが振り出しに戻った途端、前半のようなカウンターに苦しむ時間帯が続いた。 最後に動いた このまま延長までもつれ込むのか。そんな空気が漂ってきた後半42分、右サイドでフリーになった村上がサイドに深く侵入し、エリア内で待ち構えていた田中順也(マネ2)がそれをうまくコントロールし得意の左足でゴール左隅に流し込んだ。 一度は追いつきながらも再び突き放された高知大。目に見えて焦っていた。ロスタイムは4分。早く追いつこうと本学から必死にボールを奪おうとしていた矢先だった。ロスタイムも残り1分を切ったころ、再三相手のオフサイドラインに引っかかっていた福士が田中からのパスにうまく反応しキーパーと1対1。福士は落ち着いてこれをかわしダメ押しの3点目を決めた。試合はそのまま終了。本学は2回戦への切符を手にした。 練習ゲーム 試合後、吉村監督は「くそゲーム。(20日の関東リーグで戦う)明治の前に体力消耗しただけ」と厳しい表情で語った。「自分たちがやらなきゃいけないのに…。ペナルティエリアの中で作ろうとしたのが2点目の形しかない。島嵜もだめ村上もだめ。(三浦/スポ2)旭人もあんまりよくなかった。こぼれ球、セカンドボール反応できていない。チームの柱がだめだとこんなゲームしかできない」と監督は嘆くように語った。「これは練習ゲーム」と最後に語った監督。それだけに、20日の明治戦は絶対に落とせない戦いになりそうだ。
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