2007年11月25日
最終戦勝利するもインカレならず/順天堂大学蹴球部vs青山学院大学
試合終了の笛が鳴り響いた瞬間、異様な光景が目の前に広がった。本学の応援をしていた多くの観客は歓声を上げ、降格が決まった青山学院大の選手はうなだれるように倒れこむ。同時に残留が決まった筑波大のサポーターは抱き合い、松本拓也(スポ1)を始め、多くの本学の選手は勝った喜びとは程遠い悲壮感で泣き崩れた―。 第一試合、フクダ電子アリーナで行なわれた中央大と筑波大の一戦。筑波大が2-1で勝利したことで、青学大も本学に勝たなければ降格するという緊迫した状況の中試合が始まった。 キックオフ早々試合は動いた。3分、中央でボールを奪った村上佑介(スポ4)は一気に前線までロングボールを放り込んだ。そのボールに走りこんだのは伊藤大介(スポ2)。難しい形ではあったが、伊藤は前がかりになっていた青学大GK石川祐の頭上を越す鮮やかな右足のシュートを放ち先制点を決める。 早い段階の先制点に、集中応援のために訪れた1800人が地鳴りのような歓声を上げ、チームも波に乗るかに思われたが青学も1部に残るために必死に食い下がった。13分、武田英二郎が右からのコーナーキックで中央に放り込むと本学のGK松本が飛び出し両手でパンチング。しかしそのボールがこぼれた先には青学・金澤真吾が待ち構え、右足で押し込まれ同点とされた。 前半終了の段階で、本学インカレ出場の鍵を握っていた明治大と東京学芸大の試合。同時刻キックオフでスコアは0-0のまま。もしこのまま東学大が引き分けると本学は青学に3点差以上をつけなければインカレ出場の望みが絶たれてしまう。ハーフタイムショーで和やかな余韻を残したスタジアムに本学の選手が戻ってくると、再び張り詰めた空気が広がった。 後半開始の笛が鳴った後も拮抗状態からなかなか抜け出せない。個人の技術が高い青学に幾度となくチャンスを作られ、その中で訪れたチャンスにも決め手を欠き時間だけが過ぎていく。 ただでさえ焦る本学に追い討ちをかけたのは後半20分、右サイドからペナルティエリアへ切り込もうと試みた村上の足に青学の選手が出した足が引っかかりその場にうずくまった。主審の判定は村上のラフプレーでイエローカード、本日二枚目の黄色いカードは村上に退場を命じるものだった。青学の選手のシュミレーションじゃないのか―。不明瞭な判定に村上と島嵜佑(スポ4)が主審や副審に猛講義。しかし判定もくつがえることはなく、更なる悪影響を恐れた伊藤と岡本達也(スポ1)が島嵜をなだめにいってその場は落ち着いた。 「四年生にとってこれを最後にしたくない」。そんな想いがチームの背中を押した。島嵜はピッチ上で手を叩きながら吠える。綿引大夢(スポ2)は次々と目の前に押し寄せる青学の選手たちを相手にたぐいまれな技術と気迫で抜き去り、そしてつないだ。三浦旭人(スポ2)や伊藤は退場した村上の分も縦横無尽に走り続けた。チームは再び一つになった。 後半44分、途中出場の増田孝輔(マネ2)が左サイドで粘りに粘ってペナルティエリア内で待ち構える慶田光彦(スポ4)へパスを出す。慶田の振り抜いた足は空をきり、ボールはクリアされるかに見えた。しかし綿引が相手のクリアをカットしそのまま右足を振り向いた。ボールはネットに突き刺さり2-1.再び1800人は沸き返り、本学の選手たちは沸き返るも吉村監督は早く戻りようにジェスチャーで激しく促した。インカレ確定にはまだ点が足りなかったのだ。 しかしロスタイムを含め5分弱、これ以上の好転は訪れることなく試合終了のホイッスルはフクアリにこだました。勝利を称える歓声と、健闘を称える声援がスタンドの挨拶を行った本学の選手たちに惜しみない拍手と共に送られた。 試合終了後吉村監督は「(あと二点決めることができなかったのは)しょうがない。勝つことの方が大事になってしまった。(リーグを通しての収穫は)人間関係の大切さ。1年から4年までちゃんとしゃべれてちゃんと指摘し合える。その部分を選手たちは理解してくれたと思う」と語った。 代表召集のために久々のリーグに出場した松本は「インカレ出場に向けて失点できない、集中応援、そういった色んなプレッシャーが合わさって(泣き崩れてしまった)。(東学大の結果待ちどうこうよりも)自分に対する惨めさ、チームに対する申し訳なさを感じる。(代表での)三週間はなんだったんだ」と言葉の一つ一つを絞り出すように語った。 蹴球部はこれをもって今シーズンの日程を終了し、オフに入る。確かにインカレに出場できないことで得られないものも多くあるだろう。何よりも今の本学蹴球部という形は生涯組まれることはない。また新しい一年生が入ってきて、四年生はそれぞれの選んだ道へと歩んでゆくのだ。
posted by juntendo |03:36 |
関東リーグ |
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