2008年02月20日
「日本で一番ポピュラーなスポーツは何ですか?」
こんな質問をイタリア人のクラスメートから受けた。
今私は千葉の印旛ではなく、アメリカのサンフランシスコからこのブログを書いている。6週間と短い期間ではあるが、感性の高いうちに日本の外の空気に触れてみたい、そしてできることならば日本の外に友人を作りたい、その一心で日本を飛び出してきた。
そして今私が籍を置く語学学校のイタリア人のクラスメートからこのような質問を受けるに至ったのだ。
「私はサッカーだと思います」と間髪入れずに答えた。それはやはりここまで自分が主体となってサッカーをしたり、見たり、感じてきたひとつの結論だった。
しかし、他の日本人は「野球だと思う」と答え、そのイタリア人は「スイミングは違うの?」と尋ねる。
私はどちらもある意味正解だと思ってしまった。
野球はプロ野球、甲子園、大学野球に代表されるように日本を代表するスポーツだ。そしてスイミング、つまり水泳は日本がオリンピックでメダル獲得を常に求められてきたスポーツ。もしかしたらイタリア人にはこの印象がとても強かったのかもしれない。
しかし。
同時に疑問符も残る。
なぜそれらが日本にとって「最も」ポピュラーなスポーツと言えるのだろうか。
野球はメジャーリーグが最高峰だと思い、幾人もの日本人が(時には大変なサラリーを蹴ってまで)そこを目指す。
水泳もアメリカの後塵に拝することが少なくない。ましてや「水泳をやったことがある」という人は多くいるだろうが、「水泳でオリンピックに出たい」という者は「Jリーガーになりたい」という者よりも果たして多いのだろうか。
もちろんサッカーに関しても、最高峰は欧州や南米。そこから客観視すればまだまだ足元にも及ばない。
会話の終わり際に「相撲」というのがでてきたが、「国技」と称されてきたそれも朝青龍、白鵬としばらくモンゴル勢が勢力を握っている始末。
はて。
日本で最もポピュラーなスポーツとはなんなのだ。
posted by juntendo |11:20 |
戯れ言 |
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2007年11月25日
試合終了の笛が鳴り響いた瞬間、異様な光景が目の前に広がった。本学の応援をしていた多くの観客は歓声を上げ、降格が決まった青山学院大の選手はうなだれるように倒れこむ。同時に残留が決まった筑波大のサポーターは抱き合い、松本拓也(スポ1)を始め、多くの本学の選手は勝った喜びとは程遠い悲壮感で泣き崩れた―。
第一試合、フクダ電子アリーナで行なわれた中央大と筑波大の一戦。筑波大が2-1で勝利したことで、青学大も本学に勝たなければ降格するという緊迫した状況の中試合が始まった。
キックオフ早々試合は動いた。3分、中央でボールを奪った村上佑介(スポ4)は一気に前線までロングボールを放り込んだ。そのボールに走りこんだのは伊藤大介(スポ2)。難しい形ではあったが、伊藤は前がかりになっていた青学大GK石川祐の頭上を越す鮮やかな右足のシュートを放ち先制点を決める。
早い段階の先制点に、集中応援のために訪れた1800人が地鳴りのような歓声を上げ、チームも波に乗るかに思われたが青学も1部に残るために必死に食い下がった。13分、武田英二郎が右からのコーナーキックで中央に放り込むと本学のGK松本が飛び出し両手でパンチング。しかしそのボールがこぼれた先には青学・金澤真吾が待ち構え、右足で押し込まれ同点とされた。
前半終了の段階で、本学インカレ出場の鍵を握っていた明治大と東京学芸大の試合。同時刻キックオフでスコアは0-0のまま。もしこのまま東学大が引き分けると本学は青学に3点差以上をつけなければインカレ出場の望みが絶たれてしまう。ハーフタイムショーで和やかな余韻を残したスタジアムに本学の選手が戻ってくると、再び張り詰めた空気が広がった。
後半開始の笛が鳴った後も拮抗状態からなかなか抜け出せない。個人の技術が高い青学に幾度となくチャンスを作られ、その中で訪れたチャンスにも決め手を欠き時間だけが過ぎていく。
ただでさえ焦る本学に追い討ちをかけたのは後半20分、右サイドからペナルティエリアへ切り込もうと試みた村上の足に青学の選手が出した足が引っかかりその場にうずくまった。主審の判定は村上のラフプレーでイエローカード、本日二枚目の黄色いカードは村上に退場を命じるものだった。青学の選手のシュミレーションじゃないのか―。不明瞭な判定に村上と島嵜佑(スポ4)が主審や副審に猛講義。しかし判定もくつがえることはなく、更なる悪影響を恐れた伊藤と岡本達也(スポ1)が島嵜をなだめにいってその場は落ち着いた。
「四年生にとってこれを最後にしたくない」。そんな想いがチームの背中を押した。島嵜はピッチ上で手を叩きながら吠える。綿引大夢(スポ2)は次々と目の前に押し寄せる青学の選手たちを相手にたぐいまれな技術と気迫で抜き去り、そしてつないだ。三浦旭人(スポ2)や伊藤は退場した村上の分も縦横無尽に走り続けた。チームは再び一つになった。
後半44分、途中出場の増田孝輔(マネ2)が左サイドで粘りに粘ってペナルティエリア内で待ち構える慶田光彦(スポ4)へパスを出す。慶田の振り抜いた足は空をきり、ボールはクリアされるかに見えた。しかし綿引が相手のクリアをカットしそのまま右足を振り向いた。ボールはネットに突き刺さり2-1.再び1800人は沸き返り、本学の選手たちは沸き返るも吉村監督は早く戻りようにジェスチャーで激しく促した。インカレ確定にはまだ点が足りなかったのだ。
しかしロスタイムを含め5分弱、これ以上の好転は訪れることなく試合終了のホイッスルはフクアリにこだました。勝利を称える歓声と、健闘を称える声援がスタンドの挨拶を行った本学の選手たちに惜しみない拍手と共に送られた。
試合終了後吉村監督は「(あと二点決めることができなかったのは)しょうがない。勝つことの方が大事になってしまった。(リーグを通しての収穫は)人間関係の大切さ。1年から4年までちゃんとしゃべれてちゃんと指摘し合える。その部分を選手たちは理解してくれたと思う」と語った。
代表召集のために久々のリーグに出場した松本は「インカレ出場に向けて失点できない、集中応援、そういった色んなプレッシャーが合わさって(泣き崩れてしまった)。(東学大の結果待ちどうこうよりも)自分に対する惨めさ、チームに対する申し訳なさを感じる。(代表での)三週間はなんだったんだ」と言葉の一つ一つを絞り出すように語った。
蹴球部はこれをもって今シーズンの日程を終了し、オフに入る。確かにインカレに出場できないことで得られないものも多くあるだろう。何よりも今の本学蹴球部という形は生涯組まれることはない。また新しい一年生が入ってきて、四年生はそれぞれの選んだ道へと歩んでゆくのだ。
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2007年11月17日
いよいよもってインカレ出場権が与えられる7位に入るのが難しくなった。前半44分、自陣でボールを奪った村上佑介(スポ4)は中央から右へ流れるようにボールを運ぶ。ハーフウェイライン辺りを越えたころに、少しボールコントロールが乱れたところを法大の選手に囲まれボールを失ってしまう。そこから一気にゴール前まで持ち込まれ、法大・市川雅彦が右足でシュートを放つ。祖母井志門(スポ2)が至近距離からのシュートを懸命に弾いたが、弾いた先には法大・菊岡拓朗。菊岡は右足で難無く押し込み先制点を奪った。
後半に入っても個で勝てない本学は奪っても攻撃に繋ぐことが出来ず時間だけが過ぎていく。後半22分に関直也(スポ2)、福士徳文(スポ3)に替え、山本拓実(スポ2)、慶田光彦(スポ4)が入り、徐々に攻撃の活路を見出だしたかに見えたが得点を奪うまでにいかない。逆に両サイドが上がったところで安易に奪われ、島嵜佑(スポ4)や村上が最終ラインでその後処理に回らなければならない場面が目立ち出す。後に吉村監督が「悪あがきをしました」と語ったように、残り9分のところで金子拓也(スポ1)に替え、岩澤大介(スポ1)を投入し、村上を本職の右サイドへ持ってきたが決定打にはならず試合終了。これで本学のインカレ出場は、明日行われる東京学芸大対東海大学で東海大が勝たなければ最終戦を待たずになくなることになる。
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2007年11月11日
試合終了のホイッスルを背に、宙高く上がったボール。後半19分からピッチに立った岡本達也(スポ①)はそれを見たのか、それともこの結果に思わず天を仰いだのか━。今日勝ち点を取れなかったことで、いよいよもってインカレ出場が難しくなってきた。
試合が動いたのは後半残り3分だった。早稲田の左サイドで藤森渉が縦の位置に待ち構えていた山本脩斗へパスを送る。そこに森英次郎(スポ③)が対応にいったが山本の個人技にかわされる。山本はそのままハーフウェイライン辺りから縦に独走し、頃合いを見計らうかのように左足でクロスを上げる。ゴール前では海老茶色の選手が二人跳んだ。そのうちの兵藤慎剛が頭にどんぴしゃりで合わせ、ゴール左上の隅に押し込んだ。祖母井志門が右手で触ったが、枠の外に弾くまでには至らず、早稲田が先制する。
この1点で、プレーに余裕を見せ始めた早稲田は試合終了まで一分を切ったころ、再び早稲田・山本が左サイドでボールを持つなり、縦に抜けた兵藤へ。兵藤はゴールラインと平行するように持つと、対峙した本学の選手に対して、後ろへボールを下げようと振りかぶるフェイントをかけて一人かわすなり、更に中へ切り込む。ペナルティーエリア内に侵入すると中央に待ち構えていた渡邊千真へゴロで落とすと渡邊は左足で再び本学のゴールを割った。
試合終了後、吉村監督は「シナリオは前半0−0、後半0−0で勝ち点1をとることだった。前で溜める時間がないと…。あと二試合のプランは月曜日に考えます」と語った。
この試合、伊藤大介(スポ②)が欠場、岡本も肩の調子が良くない等攻め手に欠ける部分があったことは事実。選手たちの目標を見失わせないためにも、まずは次節法政に楽な試合をさせないこと。少ないチャンスを活かしていけるのかに注目だ。
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2007年11月03日
ときより吹く風の冷たさが冬の到来を感じさせる−。関東リーグもいよいよひとつひとつの試合結果が降格争いやインカレ出場権争いに直接つながってしまう。本学蹴球部は幸いなことに後者の争いの渦中に身を置いているのだが、ここにきて勝ち点3から大きく遠ざかっている。前期浮上のきっかけとなった中大を相手に0−4と完敗。しかし吉村監督は「今日の試合はステップ1」と落胆する様子はない。
前半8分、中大は左からのコーナーキックで本学のオウンゴールにより先制すると、続く14分、左サイドから斎藤広野、大瀧義史と繋ぎ、最後は小池悠貴が冷静に流し込み追加点を決めた。
早い時間の2失点で苦しい状況にたたされた本学は岡本達也(スポ1)、福士徳文(スポ3)、伊藤大介(スポ2)が中心となって攻撃を組み立てにかかる。しかし前半の頭に多く見られていた右SB森英次郎(スポ3)と左SB金子拓也(スポ1)の攻撃参加が減るにしたがって、本学の攻撃も立ち行かなくなる。波に乗る中大の攻撃は本学の攻撃するチャンスを与えさせないほどハマっていた。34分には絶好調の辻尾が左からクロスをあげ、それを小池がドンピシャリで合わせて3点目を決めた。
後半にはいると、本学のイライラはパワーに変わっていた。特に主将・島嵜佑(スポ4)のアグレッシブなディフェンスは鬼神のごとく中大のボールを追い回し、体を張って止める。それに続けとばかりに三浦旭人(スポ2)、伊藤が死に物狂いで走る。岡本や福士までもが前線から中盤までの広域に渡ってプレッシャーをかけ続ける−。その様子はただただ悔しい、不甲斐ないといった意識だけで中大を追い詰めているようであり、自分たちを追い詰めているようにも映る。彼らは決して諦めなかった。しかし後半40分、左サイドから上がったライナー性のクロスを小池のダイビングヘッドが中大に4点目をもたらした。この試合小池はハットトリック。調子が良すぎたといっても過言ではない中大に本学はなす術がなかった。
試合後吉村監督はあっけらかんとした表情で「筑波に負けた時よりも中身はあった。チームコンセプトとしてボールを奪うこと。(今日の出来は)この部分に関して悲観していない。ある意味こうなるのは分かっていた」と語った。
インカレ出場には残り三試合ある関東リーグにおいて二回は勝たなければならない。早稲田・法政と上位チームが残っているだけに勝ちに行くこと自体難しい。しかし逆に上位陣から離されないためには下位に位置する中大に勝つよりもこの先を勝ちにいくことが大切だ。「天皇杯は三回戦が勝った時点で棄権したかった。(試合を放映する)NHKさんに迷惑がかからないような試合にしたい」と冗談を交えながら語る監督と、危機感を滲み出すような表情で帰路に着く選手たち。その根底にあるのはおそらく同じものがあるはず。何にせよ、「何が起こるかわからない」−それがサッカーだ。
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2007年10月29日
本学蹴球部が前期の中央大学戦で弾みをつけたように、今節の対戦相手・筑波大学は集中応援の力を借りて勝ち点3をさらりと奪い去った。最下位に位置する筑波は意地とプライドを賭けて立ち向かってきた。それを本学は善くも悪くも素直に受け止めてしまった。そして完封負けを喫した本学。選手たち言い知れぬ悔しさや屈辱感を噛み締めるしかなかった。
度重なる主力選手の負傷や不調が続く中で、福士徳文(スポ3)がフェイスガードを装着して先発出場をし、村上佑介(スポ4)も左足をガチガチに固めた状態で頭から最終ラインに入り牽引した。
前半は福士、岡本達也(スポ1)の両翼と伊藤大介(スポ2)が高い位置でテンポ良くつなぎ決定的なチャンスを生んだが、肝心のフィニッシュが筑波のゴールを割るまでに至らない。
後半に入ると、故障明けの筑波のエース三澤純一が得意のドリブルで筑波にリズムをもたらし、本学の守備陣に暇(いとま)を与えない。
後半5分、その三澤が本学のクリアボールを高い位置で拾うとそのまま強引に中央突破をはかる。二人の選手が三澤の前に立ちはだかるもトップスピードになった勢いを止めるまでには至らず、そのままシュートまで持ち込まれ、ついに筑波に先制を許した。
失点の直後、本学はうまく機能しなくなった駒ヶ嶺克好(スポ2)、竹岡雅師(スポ3)を綿引大夢(スポ2)、岩澤大介(スポ1)に替え打開策を講じた。しかし苦しい状況を打開するまでには至らず。迎えた後半25分、右寄りの高い位置で筑波がFKを得ると、キッカー野本泰祟の鋭いボールにニアへ走り込んだ小澤司がピタリと合わせ追加点を奪った。
2失点で追い込まれた本学は持ち前の早いパス回しで再三に渡りゴールを目指すが、良い形でシュートまで持ち込むことができない。試合もそのまま動かず試合終了のホイッスルが無常にも響き渡った。
「一番悔しいのは選手たちだろうねぇ」。鈴木茂雄コーチが試合後にそうこぼしたように多くの選手は苦渋の表情を見せ、やり切れなさを残した試合となった。次節は11月2日、今節の会場と同じ西が丘で中央大学と対戦する。前期の連勝のきっかけとなった相手であるだけに、ここで再び良いリズムを取り戻し、天皇杯、そしてインカレ出場につなげられるのか。注目していきたいところだ。
posted by juntendo |17:18 |
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2007年09月22日
9月20日、龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールドで第81回関東大学サッカー1部リーグ第13節が行われ、現在6位の本学蹴球部は同じく4位の明治大学と対戦し2対1で勝利した。次節は9月30日、足利総合運動公園陸上競技場で東海大学と対戦する。尚、9月23日には天皇杯の2回戦が神奈川県・大和市営大和スポーツセンター競技場で東邦チタニウムと対戦する。
絶対に負けられない。
残暑が厳しい今日もサッカーが行われた。本学蹴球部にとって昨年の二の舞にならないためにも、是が非でも勝ちたい試合、そう……「絶対に負けられない戦い」がこの明治大学戦だった。「今日はわしも動くからジーパンじゃなくてハーパンをはいてきた」と語る吉村監督。この試合への並々ならぬ強い思いが伝わってくる。
斬新な布陣
今日のシステムは「4-2-3-1」。ワントップの福士徳文(スポ3)の下に右から駒ヶ嶺克好(スポ2)、伊藤大介(スポ2)、田中順也(スポ2)を置きスリーシャドーのようなイメージだ。
そして特筆すべきは、前期から前の試合までボランチでプレーしていた島嵜佑(スポ4)と一年生CB(岩澤大介/スポ1・日下部諒/スポ1)のプレーに安定感が生まれてからはずっと本職の右サイドバックに専念していた村上佑介(スポ4)が、今日の一戦でCBに抜擢されたことだ。「あくまでも流動的にポジションは変わるが……。これが奇策に終わらないようにしたい」と普段はシステムについて語ることがないだけに、興味深いゲームに予感を漂わせていた。
意外な展開
試合が始まった。前半5分、相手陣内の深い位置で本学はスローインを得た。そこですかさず中央へロングスローを放り込んだのは駒ヶ嶺。相手DFはそのボールに反応し難なくクリアする場面のはずだった。しかし、サッカーにおいて開始5分は魔の時間帯。不完全なクリアボールはペナルティエリア付近にいた本学の10番・伊藤の元へ。浮き球を叩きこむようなボレーがあっさりと先制点を本学にもたらした。
早い時間に失点を喫した明大。しかし焦る様子はまだ見えてこない。そんな明大をよそに、本学は前節の東京学芸大、高知大学との天皇杯1回戦で見せた気の緩みを感じさせない良い雰囲気が保たれていた。相手がボールを保持した瞬間、本学のDF陣は中を意識的に閉め、危険な縦へのパスを通させない。明大は仕方なくボールサイドを変えるサイドチェンジを繰り返す。それでも本学の走り慣れた選手たちは容易にはマークを外さなかった。明大の最終ラインにいた選手でさえ、ボールの出しどころに困り躊躇する場面が本学ディフェンスの強固さを物語っている。
個の強さVS統一された意識
それでも個の強さは本学よりもある明大。14分に左からのクロスに反応した長身FW林陵平が頭で後ろに落としチャンスを演出。続く16分、今度は右サイドから切り込んだ田中政勝がゴールライン付近からやや後方で待ち受ける選手にクロスを上げる。どちらも得点には至らなかったが、徐々に得点の形を作り始めていた。
しかし、このときの本学は冷静だった。肝心なところでは何人もの選手が体を張って防ぎ、自陣から遠い位置であればファウルも辞さない。そして明大から上手くボールを奪うとすかさずカウンター。前半のシュート数は5本と多くはなかったが、それ以上に明大のシュート1本という少なさがこの試合の「統一された守備意識」を見ている者に印象付けた。明大の選手たちに焦燥感やフラストレーションを与えるにはそれで十分だった。
気候と疲れとの戦い
この日の日差しは強かった。風も弱く、スタンド席で座っているだけの者にも汗をかかせる。守備に奔走する本学の選手たちは遠いサイドにボールが行くと、ぼうっと立ち止まる。その刹那、吉村監督が立ち上がりその選手に激を飛ばす。そんな光景が幾度も見られるようになってきた。明大もそれに乗じるように、本学のゴールに近いエリアで早いパスを回し、攻撃のリズムを作ろうとしていた。
そんな中迎えた前半36分、ピッチ中央でボールを持った駒ヶ嶺が右サイドから走りこんできた森英次郎(スポ3)にパスを送ると、森がそのまま縦に突破。相手DFを振り切るとそのままシュート。ボールは明大ゴールのバーを勢いよく叩く。その瞬間、明大の神川監督は思わず頭を抱え立ち上がった。どちらのチームにも気を抜いた瞬間点が入る雰囲気だけが不気味に広がっていた。
硬直状態、ついに…
後半に入ると足が止まる選手が目立ち始める。後半13分、本学のゴール正面の位置で明大の橋本と林に崩され決定的なチャンスを与える。橋本の放ったシュートがゴール右横に外れた瞬間、本学のベンチからは安堵のため息と声をあげ選手たちを盛り立てる姿があった。刻々と試合が進むにつれ両チームともラフプレーが目立つようになるも、試合は硬直状態が続く。
しかし、後半28分だった。ピッチ中央でボールを受けた明大・林の意表をつくミドルシュート。本学の守護神・松本は懸命にはじくもボールはネットを揺らす。神川監督も思わずガッツポーズをするほど。1対1、ついに試合が動いた。
ドラマがドラマを生む
その直後だった。迷うことなく本学は福士に替え、背番号13・岡本達也(スポ3)を投入した。前節の東学大戦で負傷し天皇杯はベンチ入りさえしていなかった岡本であったが、「出して後半残り20分過ぎ」と試合前、監督が語った通りの展開となった。
そしてその1分後、中盤でボールを持った伊藤が前を向くとすかさず右足を振りぬいた。ボールは重力に逆らいつつゴール前へ。そこにすかさず反応した岡本。これ以上ない決定機に明大・藤田優人はたまらず岡本を倒した。一発レッドカードの退場に対する動揺とPK獲得に対する歓喜が生まれた。
絶好の追加点のチャンスに蹴るのは岡本。ゆっくりとした助走で、岡本は冷静にゴール右隅を狙った。しかし明大・関憲太郎も同じ方向に反応。再び会場が興奮の渦に飲まれた。
残り時間も僅かになり選手たちの疲労度が増す。このまま痛み分けか……そんな雰囲気が流れ出した後半44分、ペナルティエリア内でボールを受けた岡本が慶田へはたくと、更に横に飛び出した伊藤へ。伊藤は回ってきたボールをそのままシュート。それが明大のゴールを再びこじ開けたとき、今度は吉村監督がガッツポーズ。ロスタイム3分はただただ過ぎていっただけだった。
プラン通り
試合後、吉村監督は穏やかな表情で「前半の入り方はプラン通りだった。(プランというのは?の質問に対し)力は明治の方が上。だから前半は0対0以上で乗り切るつもりだった。勝負は後半。どっちもへばってくるところでどれだけできるか。分析してきた通りビックリすることなく(試合を展開)できた」と語った。
してやったり、とはこのようなときに使う言葉なのだろう。次節は東海大学戦。「学芸・明治・東海の最初の3つは(インカレ出場のためにも)絶対に落とせない」と力強く語る吉村監督。チーム一丸となって勝ち点3を狙いに行くしかない。
posted by juntendo |11:06 |
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