2012年02月11日
2月10日、エストニアのタルトでエストニア国際競技会Miss Valentineが行われた。まだシーズンインしたばかりなので強豪は出場していないが、現在ロシアで合宿中の日本チーム(フェアリージャパンPOLA)は、少しでも多くの大会を経験しようと参加した。
出場国は日本を含めて6ヶ国(リトアニア、ノルウェー、スエーデン、グルジア、フィンランド、日本)。日本以外はオリンピックの出場国ではないため、どれだけ自分たちの力を出せるかがポイントであった。
本日の種目ボール5では、投げが小さくなったためにキャッチの移動が見られたが、初戦としてはまずまずの出来で、26.400で1位となった。
年末に創作した作品であるが、1月の中旬にロシア入りしてから、作品を大幅に変更。内容も日々変わり、選手たちはついて行くのに必死であった。
難度も本大会の数日前に変更され、また、エストニアに到着したのが昨日の夜だったために本会場練習もしていないが、どういった状況でもベストを尽くすということができるようになっており、徐々にたくましさが出てきたように思う。
難度のクオリティや、投げ受けの正確性、後半のスタミナなど、課題は多々あるが、初戦を大崩れすることなく乗り切ったことは評価に値する。
リボン+フープは明後日に行われるが、こちらも作品を大幅に変更しており、ひとつリズムを崩すとつながらない内容になっている。ミスをしたときの対処も含めて、大きな経験としていきたい。
posted by 山﨑浩子 |08:45 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2012年01月19日
18日、ロンドン五輪テストイベント(プレオリンピック)新体操最終日は個人総合決勝が行われた。
1位になったのはKONDAKOVA(RUS)。
唯一作品を変更していないフープはピボットの軸の乗りも良く、完璧な出来であった。28.600
ボールは、予選でミスした箇所で、同じく投げをミスしたが、今日の決勝は落下は回避した。28.150
クラブは、途中投げのミスはあったがどうにかしのぎ、迫力のある演技をしていたが、ラストのリスクで2本を落下。手具なしでラストポーズを迎えてしまった。26.100
しかしラストのリスクは考えられないほど難しいリスクで、これが成功したら(予選では成功)、彼女のすばらしさが際立つであろう。
リボンは出だしでリボンの扱いに手間取り、構成が見えなかった。またピボットのコンビネーションでかかとをつき、27.600。(合計110.450)
作品を変更していないフープ以外はまだこなせていないが、この一月という時期を考えると致し方ない。他の選手がまったく作品を変更していない中でチャンピオンの座を獲得できたのはさすがだと言えよう。
2位はRIZATDINOVA(UKR)。
フープはまさに乗っている感じで、動きもはっきりとし、素晴らしい出来であった。27.300
ボールもピボットの軸が良く、最後はバランスになるほど軸に乗っている。繊細な曲で優雅に舞った。27.300
クラブもほぼミスなく27.350。リボンは座でのリボンの引き戻しでキャッチミス。26.800(合計108.750)
3位にはALYABYEVA(KAZ)が入った。
ボールでは投げが思い通りに行かずにD2を抜く場面があり、クラブでは足での操作で落下ミスがあったが、全体的にはのびやかでダイナミックな演技を見せた。
(合計108.075)
4位はRODRIGUEZ(ESP)。
4種目を通じてほぼ完璧な演技で、情感を込めて演技した。(合計107.400)
ほかに目立った選手はBEREZKO-MARGGRANDER(GER)。
まだ若い選手であるため”青さ”はあるが、スピード感や張りのある動きなど、素晴らしい質を持っている。
どの選手もピボットに力を入れており、特にRIZATDINOVAやTRIKOMITIなどは3種類のピボットを組み合わせている。今後日本は、技術面、芸術面、あらゆる面での遅れを取り戻していかなければならない。
団体競技は決勝が行われ、圧倒的な強さを見せたスペインが優勝した。ボール5ではパンシェターンが崩れ、うまくごまかしたが、あとはほぼミスがなく、リボン3+フープ2も完璧な演技であった。勢いがピークの時のイタリアのような強さがあり、強敵出現という感じである。このままの勢いで行けば、メダル争いに絡んでくるかもしれない。
2位はイスラエル。
ボールの交換で落下し、リボン3+フープ2も以前ほどの勢いはない。投げも全般的に低く、スペインと比較するとダイナミックさに欠けると言えよう。
3位はフランスとギリシャ。
フランスは細かなミスがあったが、全体的にはうまくまとめた。ギリシャはボールで素晴らしいエネルギーを見せたが、ラストの交換に落下ミスが出て、ラストに向けて崩れてしまった。リボン3+フープ2はほぼミスのない演技。動きの柔軟性は感じられないが、同時性やエネルギーの強さ、まとまりはある。
5位はスイス。
ボールは完璧な演技。ボールの種目だけでは2位に入るほど、生き生きとした演技だった。しかしリボン3+フープ2で中盤の交換で落下、場外。1回のミスで5位に沈んだ。
6位はウクライナ。
前日の予選は2位であったが、ボール5の種目で、交換時にボールが弾み、あわてた選手が続くリスクでボール2個を落下させた。1個は遠くまで転んでいってしまい、結局予備のボールに差し替えて演技を続けるという大欠点を犯した。リボン3+フープ2もコラボレーションでリボンを落下し、6位に。
7位はアゼルバイジャン。
リボン3+フープ2の交換でリボンとフープが空中で接触。ボール5もリボン3+フープ2も、構成がいまひとつすっきりしない印象がある。
8位は地元イギリス。
2種目をうまくまとめた。
1位のスペイン以外はミスが出た国が多く、スペインの強さだけが浮き彫りとなった試合だった。しかしイスラエルも今後立て直しを図るであろうし、ギリシャのまとまりも不気味。ウクライナの身体能力の高さはますます生きてくることを考えると、日本は決勝進出も難しくなってくる。
この状況を常に頭に描きながら、日々の練習を重ねていかなければならない。
posted by 山﨑浩子 |19:48 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2012年01月18日
17日、オリンピックのプレ大会(ロンドン五輪テストイベント)が行われ、個人総合の結果からロンドンオリンピックの切符獲得者、獲得国が決定した。
日本から出場した山口留奈。
リボンではスティックの部分がキャッチできずに不正確な受けとなり、体にリボンが触れてしまう箇所があった。またドゥバン+パンシェがはまらず、リボンが真上に上がったためにリスクをやらずに落下を防ぐなど、いくつかミスやプログラム通りではない箇所があったが、昨日よりずっと積極的な演技を行った。消極的な演技だけはしてはいけないという山口の強い意志が現れた演技だった。24.850
クラブでは、難度の精度やリスクのタイミングも良く、今大会自身最高のパフォーマンスを繰り広げた。スピード感や動きのキレも、今大会を目指してやってきたことがすべて出せているという印象で、見ていてもワクワクする演技だった。これまで、一年間見てきた中でも「1番の出来」と言っていいぐらいであったろう。しかし、終盤の投げから、しかそりの回転ジャンプを行おうとして、またもや足を滑らせて転び、クラブを落下。23.950で、結果的には彼女の良さを出し切ることができなかった。
ひとつの大会で2度転倒するということは、ただ単に滑りやすいフロアーであったというだけではない原因があったであろう。それを現段階で考えるに、「パフォーマンス向上のために技術を変えてきたことがまだ身についていなかったのかもしれない(岡コーチ)」。やってきたことは間違いはないのであろうが、試合でそれを出すには、少々時間が足りなかったとも言える。
とにかく昨日より順位をひとつ上げたものの山口は18位で、新体操個人競技としては2大会連続でオリンピックの切符を逃した。ここ数年、団体競技に特化した強化を行ってきたが、そのひずみもあった。応援していただいた皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいである。
1位はKONDAKOVA(RUS)。
リボンの持ち替えで落下し、投げもミスして後半崩れ(26.500)、クラブも一度落下したが(26.900)、4種目中3種目は新しい作品。他の選手がオリンピックの切符を取るために演技を変更していない中で、新作品をここまで踊りこなすのはさすがである。どの種目もパワフルで、完成が楽しみである。
2位はALYABYEVA(KAZ)。
リボンでは、リボンの先がフロアー外に触れ、0.2の減点となってしまったが、4種目を通じて安定感のある演技であった。
3位はGANNA(UKR)。
リボンではピボットが少々崩れる場面もあったが、彼女の世界を見せつけた。
4位はRODRIGUEZ(ESP)。
ていねいかつ情熱的な演技で、4種目を通じてまったくミスがなかった。
5位にはTRIKOMITI(CYP)が入った。
彼女も4種目ともミスがなく、今日もピボットの軸の乗りの良さを見せた(フォームは良くないが)。
6位はBEREZKO-MARGGRANDER(GER)。
パンシェターンやバックルの足持ちターンなどはスピードや精度に申し分はなく、動きにも非常にキレがある。さほど大きな選手ではないが、どこかカナエバ選手にも似たところがあり、今後も上位に位置し続ける選手だろう。
KONDAKOVAを除いて上位5人ということで、ここまでがオリンピックの切符を獲得。
PISCUPESCU(ROU)は、動きの大きさや伸びやかさはあったが、7位で惜しくも切符獲得はならなかった。
団体競技はリボン3+フープ2が行われた。
この日もエネルギッシュでほぼ完璧な演技を見せ、予選1位になったのがスペイン。モンペリエ世界選手権では後半のリスクでリボンとリボンがからみ、そこから大きな失敗となってしまったが、今回は最後までリズムに乗った演技であった。26.950(合計53.850)
2位はウクライナ。
投げが乱れる箇所や、リボンの軌跡が美しくない箇所があったが、団体としてのまとまりも出てきた。26.400(53.250)
3位はイスラエル。
ほぼミスのない演技であったが、リスキーな構成ではないためか得点はいまひとつ伸びなかった。25.600(51.900)
4位はギリシャ。
世界選手権の時にはあまり良い印象ではなかったが、今回はきっちりと仕上げてきて、構成も面白く、勢いがあった。25.275(51.125)
5位はスイス。
ほぼミスなしの演技であった(25.050)が、前日のミスが響いてしまった。(49.350)
6位はフランス。
出だしは良かったが、キャッチに移動が見られ、不正確な受けが幾度となくあった。全体的にがたがたとした印象で24.200。(48.950)
精神的な弱さが見えるような演技であった。
4位のギリシャまでがオリンピックの切符を獲得したが、ギリシャとフランスはブルガリアのドナフスカ姉妹がそれぞれコーチをしている。姉のカメリアが勝ち、妹のアドリアナが負ける形となり、明暗を分けた。
7位はアゼルバイジャン。
新作品に変更して大きなミスはなかったが、全体的にクオリティが低かった。24.000(47.500)
8位は開催国イギリス。
リボンに結び目ができるミスが出たが、最後までほどかずに続け24.050(44.950)
これでオリンピック出場国が決まったが、団体は強豪揃いとなった。
スペインやウクライナの伸びを見ると、日本の団体も危うい。
危機感を持って邁進していきたい。
明日は個人総合10位までの選手と団体は8チームすべてが決勝に進出し、プレオリンピックでのメダル争いを繰り広げる。
posted by 山﨑浩子 |17:02 |
新体操大会報告 |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2012年01月17日
16日、ロンドン五輪テストイベント(プレオリンピック)の第一日目がロンドンで開催された。日本からは個人競技で山口留奈が出場。
最初の種目ボールでは、出だしは良かったものの、序盤で消極的になり、投げなしのリスクでミス。座での開脚時にボールがこぼれ、その後リズムを崩した。フロアーマットが滑りやすかったこともあり、ジャンプ前に体勢を崩して転び、リズムに乗りきれないまま終わってしまった。23.650
2種目目のフープでは、難度の精度は良かったが、リスクの突き返しの技で落下。スピード感はあったが、緊張からか操作に手間取る場面もいくつか見られた。24.550。
前半一位で折り返したのはKONDAKOVA(RUS)。ボールは作品を変えていたので、まだこなしが悪く落下ミスも出たが、フープでは相変わらずの迫力を見せつけた。ボール27.375,フープ28.700
2位はRIZATDINOVA(UKR)。体勢を変えながらのピボットでもまったく軸がぶれず、しなやかな演技を見せた。ボール27.475,フープ27.100
3位はALYABYEVA(KAZ)。2種目ともほぼミスのない、ダイナミックな演技であった。ボール27.050,フープ27.275。
4位はTRIKOMITI(CYP)。決して恵まれた体型ではなく、姿勢欠点も多いが、ピボットの回転数は多く、自分の持てる力は十分に発揮した。
ボール27.000,フープ26.700。
5位はRODRIGUEZ(ESP)。情感溢れる演技で、ボール26.725,フープ26.850と、2種目を26点台後半に乗せてきた。
6位はBEREZKO-MARGGRANDER(GER)。モンペリエの世界選手権には故障のため出場できなかったが、非常に美しいラインを持っており、今後が楽しみな選手。ボール26.175,フープ25.925。
KONDAKOVAを除いて上位5人がオリンピックへの切符を獲得できるが、BEREZKO-MARGGRANDERのあとに、PISCUPESCU(ROU)、GURBANOVA(AZE)が続いている。本来なら山口もこのあたりにつけていてもおかしくないわけで、明日の巻き返しに期待がかかる。開き直った豪快な演技を見てみたい。
団体競技はオリンピックの残る4枚の切符をめぐって8チームが競い合った。今日はボール×5が行われ、スペインが1位につけている。モンペリエ世界選手権のときより若干勢いは劣るが、それでも迫力のある演技で26.900という高得点をたたきだした。
2位はウクライナ。身体能力の高さには定評があったが、団体としてのからみも良くなってきている。26.850とわずかにスペインには及ばなかったが、今後も力をつけていくことだろう。
3位はイスラエル。いつも通りに安定した演技であったが、勢いはなく26.300。
4位はギリシャ。ほぼミスのない演技、しかも勢いがあり25.850。
5位はフランス。交換とリスクで落下し、バラバラとした印象で24.750。
6位はスイス。座での難度中、ボールがこぼれてコロコロと転がってしまい、24.300。
7位にアゼルバイジャン。急にプレオリンピックに出場が決まったチームであるが、唯一世界選手権から作品を変更しており、そのため演技をこなしきれず、大きな落下もあって23.500。
地元イギリスは、ほぼミスはなかったが23.100の8位。
4位のギリシャと5位のフランスとは1点ぐらい差があるが、明日のリボン3+フープ2は、ミスが出始めるとどうにも収拾がつかなくなる種目なので、どのチームがオリンピックに出場できるのか、最後まで目が離せない。
明日は個人競技が後半2種目、団体競技はリボン3+フープ2が行われ、オリンピックの出場選手、出場国が決定する。
posted by 山﨑浩子 |08:07 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年11月22日
<個人種目別決勝>
1種目目フープでは、個人総合優勝を飾った山口留奈選手が、難度、投げ技、動きともに神経まで行き届いた切れのある演技で25.800点をマークし1位。彼女自身も納得したのだろう、演技終了後満面の笑みで会場に大きく手を振る姿が印象的だった。2位は、24.700点を獲得した大貫友梨亜選手。試技順1番だったにも関わらず、昨日までの緊張感から解き放たれた彼女の演技は、競技ということを忘れるほど魅せる演技に仕上がっていた。個人総合2位の中津裕美選手は、不正確な受けや難度の崩れが目立ち24.675点で3位となった。
2種目目ボールでも、ミスなく伸びやかな演技で25.500点を獲得した山口選手が1位。続いて25.025点で2位に入った穴久保璃子選手は、難度のブレも少なくなり、作品として魅せる演技が出来るようになってきた。演技に多少乱れが見えた中津選手、大貫選手は、ともに24.375点を獲得し同点3位で肩を並べる結果となった。
続いてのクラブでも、今大会最高点の25.850点をマークした山口選手が1位を手にした。彼女の演技には、単独で行う投げ技以外にも、徒手難度をしながらの投げが多く含まれている。これは、実施する上で難易度が高くなるだけでなく、落下や不正確に実施された場合、ミスによる減点に加え徒手難度もカウントされなくなるというハイリスクを伴う。だが、それに挑戦していくからこそ演技のクオリティが高くなり、見応えのある作品になるのである。2位には、中津選手がミスなく抑え24.300点。続く3位には、アップテンポの曲に合わせダイナミックに踊り切った三澤樹知選手が24.100点で、今大会初のメダルを手にした。
ラスト種目リボンでは、ミスが相次ぐ中上手くまとめた大貫選手が24.700点で念願の1位を手にした。彼女のスピード感に乗った流れのある演技は、見る者を引きつける力がある。これは難度を確実にこなすこと同様にとても重要であり、機械的に難度をこなすだけにならないためにも、競技者が忘れてはならない。山口選手は、落下ミスに加え徒手難度が安定せず24.425点で2位、完全優勝には一歩及ばなかった。3位には24.325点を獲得した穴久保選手が入った。
種目別リボンにのみ出場した日高舞選手は、惜しくも4位に終わった。しかし、彼女の引退を惜しむ多くのファンや仲間からは心からの拍手が鳴り響き、彼女の渾身の演技を称えていた。彼女のダイナミックな技、パワフルな演技は、沢山の人の心にいつまでも残っているであろう。
近年日本の新体操個人は、世界選手権大会で予選突破することさえ難しくなってきているのが現状であるが、決して入りこむ余地がないわけではない。
今後世界と肩を並べて戦っていくためには、ミスをしないこと、また徒手難度のレベルアップ・正確性、表現力を高めていくことは絶対条件である。その上で望まれることは、徒手難度のフォームにこだわり、大きさ・しなりのある伸びやかな演技を目指すことであろう。また手具に関しては、単独での投げ技に加え、徒手難度と組み合わせて実施するような、よりリスキーでハラハラする投げ技、操作に挑戦していかなくてはならない。その為にも、全国の選手、指導者ともに、日本国内で争う意識から早く抜け出し、世界規準に照準を向けていくことが必要不可欠である。
<団体種目別>
1種目目のボール5では、団体総合上位3チームともに一つのミスもない完璧な演技で仕上げてきたため、どのチームが1位を手にするのか、目が離せないとても面白い展開となった。
試技順1番であった武庫川女子大学は、団体総合の時よりも更に洗練された力強い演技で観客を沸かせ25.000点。続いて2番目に登場したのが、団体総合優勝チームの日本女子体育大学。彼女たちもまた総合の時にも増した流れの良さが際立ち、徒手難度、交換ともにブレがない演技で今大会最高得点の25.600点を叩き出した。この点数に会場中が沸く中登場したのが東京女子体育大学。緊張感がヒシヒシと高まる中、5人の呼吸がピタリと合ったミスのない完璧な演技は、再び会場を沸かせた。だが点数は25.400点にとどまり、惜しくも団体総合のリベンジとはならなかった。点数が伸びなかった要因は、コラボレーションというルール上高さや距離を必要とする投げ技において、規準を満たす高さで実施されず、難度としてカウントされなかった個所が幾つかあったことである。素人目には分らないところ、だが競技である以上ルールは絶対的であり、細部にわたり注意を払わねばならない。
フープ2×リボン5はどのチームもミスが目立つ中、最後まで乱れることなく演技をまとめあげた日本女子体育大学が25.475点で1位となり、完全優勝を果たした。2位は25.200点を獲得した東京女子体育大学。プレッシャーに負けない気迫ある演技を披露したが、交換での移動が重なり点数につなげることが出来なかった。そして3位には、金襴会高等学校が高校生とは思えない迫力のある演技でミスなくまとめ23.400点を獲得した。
今大会において、それぞれの思いの強さが力となって表れた選手、逆にプレッシャーとなり硬さとなって表れた選手・・・。
新体操は他者と張り合い戦う競技ではないだけに、一番の敵である自分自身と常に戦わなければならない。だがその敵(弱さ)との戦い方を知った時、選手はより強く、より華やかに試合で演技出来るのであろう。そう言った意味でも、選手たちの今後の活躍がとても楽しみである。
posted by 村田 由香里 |05:42 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年11月20日
<団体総合 18日19日>
昨年、東京女子体育大学の22連覇をくい止めた日本女子体育大学は、今年8月に開催されたユニバーシアード大会において、団体総合3位を獲得した。
だが、その日本女子体育大学を抑え、全日本学生新体操選手権大会では62連覇を達成した東京女子体育大学…
両大学に注目が集まる中、ボール5、フープ2×リボン3の競技が行われた。
接戦が繰り広げられる中、2種目ともに安定した演技で合計49.825点を獲得した日本女子体育大学が2年連続の優勝を果たした。
ボール5では、熱い視線が注がれる緊迫した空気の中、パンシェターンなど若干難度の甘さが気になったものの、淀みがない力強い演技で24.850点。フープ2×リボン3では、連携箇所でややリボンが乱れたが、次々に展開される技に工夫が見られ、見ている者を飽きさせない演技で24.975点を獲得。
続いて2位を獲得したのは、49.725点を獲得した東京女子体育大学。0.1点が命運をわける結果となった。
ボールの作品において以前は両手受けが多く見られたが、今大会では片手受けに徹底されており、より正確になった交換や投げ技は実施減点箇所を省き、25.275点と今大会最高得点をマークした。力強い難度に加え、緊張感を感じさせない堂々とした演技は、他チームを寄せ付けない気迫をも感じさせたのだが、2日目のフープ2×リボン3では、中盤から結ばれたリボンに動揺したのか、交換で1回の落下に加え、不確実な受けや操作が目立ち精彩さを欠いた。結果24.450点と点数を伸ばすことが出来なかった。
続いて武庫川女子体育大学が合計48.175点を獲得し、昨年に続き3位入賞を果たした。
他チームに比べ、団体ならではの入り組んだ難しい技に挑戦しているボール5の作品では、軽快なアップテンポに合わせ力強く踊り切った(24.775点)。躊躇することなく果敢に攻めたノーミスの演技は、会場中から自然と拍手が沸いた。続くフープ2×リボン3でも数々の面白い連携、技に心躍る箇所が多く見られたものの、交換での落下、投げの準備時にフープが他選手の足にあたり投げ損なうなど、実施減点が響き23.400点にとどまった。
惜しくも4位に終わったのは、合計47.075点を獲得した国士舘大学。ドラマチックな曲調を生かしたボール5の作品は、団体特有の力強さだけではなく、綺麗に舞うしなやかさにも磨きがかかり、まさに2`30のストーリーを見ているようであった(23.375点)。しかしフープ2×リボン3では、交換での落下、中盤からリボンが結ばれた状態で演技を続け23.700点と点数を伸ばせず、表彰台にくい込むことが出来なかった。
しかしながら、メダルを逃したものの国士舘大学の進歩には目を見張るものがあり、今後の活躍に期待が持てる大会となった。
20日は、団体総合での上位8チームによる種目別決勝が行われる。
posted by 村田 由香里 |13:00 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年11月19日
日本国内で最も大きく、そして一年の締めくくりでもある全日本新体操選手権大会が、ここ幕張メッセにおいて11月18日~20日までの3日間行われる。
様々な思いを胸に終結した個人36名、団体14チームの選手たちによる華やかで、そして熾烈な戦いの幕が切って下ろされた。
<個人総合 18日、19日>
9月に開催された世界新体操選手権大会の日本代表メンバーであった、山口留奈選手、中津裕美選手、大貫友梨亜選手、また惜しくも世界選手権の代表には選ばれなかったものの、8月に開催されたユニバーシアード大会に出場した穴久保璃子選手の戦いに注目が集められた。
そんな中、世界選手権において唯一個人総合決勝に進出した山口選手が、ひと際強さを増した演技で4種目ともに最高得点をマークし、合計101.150点を獲得。初の全日本新体操選手権個人総合優勝を手にした。
ボールではやや両手受けが見られたこと、また中盤でのポロミスが響き25.175点。続くフープでは、難度の終盤まで見せ切るといった彼女の意地・プライドが光り、今まで以上に覇気を感じる演技で25.500。そして、リボンではドゥバンパンシェ(ピポット)で多少ぐらつきが見え25.100点にとどまったが、全ての大きな投げ技においてピタリと手に吸い付くようなキャッチは、見る者を圧倒した。クラブでは一カ所胸でキャッチしてしまう場面もあったが、物怖じしない高い投げ技や軸がぶれない難度は、チャンピオンの名にふさわしい演技であった。(25.375点)
続いて、今年初めて日本代表として大会に出場し、大きな経験を経て成長を遂げた中津裕美が合計97.475点を獲得し2位に入賞。全日本新体操選手権において初の表彰台となった。
フープでは硬さが見られ大きなミスはなかったものの、D1(徒手難度)の不確実さが目立ち24.700点。ボールでは、投げ技で若干の移動が見られたものの力強い演技で観客を魅了し24.675点。クラブでは投げ技に狂いが見られ、普段の勢いが出せないまま終わり23.700点。彼女自身以前は苦手と言っていたリボンだが、フェッテピポットで多少の移動が見られたものの最後までミスなく踊り切り24.400点。
日本では表現力に定評のある中津選手だが、今後プレパレーション(難度の準備)の時間を省いていくことで、曲調を生かした、より流れのある作品になるはずである。
様々な大会での経験や思いを糧に成長した穴久保選手は、総合95.875点を獲得し3位入賞。彼女もまた初の表彰台に笑顔がこぼれた。
大人の女性を演じたいと語っていたボールでは、その言葉通り一つ一つの動きや難度からにじみ出る表現力に、今までにない彼女の魅力を感じた。若干移動しての受けはあったものの上手くまとめて24.675点。フープでは、動きだけではなく難度においても確実性を見せていたのだが、終盤フープを転がそうと回した瞬間手からこぼれ落ちたフープが場外。23.300点と伸びなかった。リボンでは、中盤に結ばったリボンが上手く処理できずドゥバンパンシェでぐらつく場面もあったが、ラストまで何とか持ちこたえ23.500点。クラブではD1で多少ふらつきが見られたものの、しっとりとした曲に合わせミスすることなく綺麗にまとめあげ24.400点。
年々進化が見られる大貫選手だが、今大会においては「やり遂げたい」という彼女の強い思いと、体、手具とが噛み合わなかったように見受けられた。その為、大貫選手には珍しく大きなミスが連発し、合計95.825点で4位に泣く結果となった。
世界選手権後にプログラムを変更したフープでは、優雅な曲と以前にも増した美しい動きとが融合され、大貫選手の新たな魅力も垣間見られたが、投げ技でのキャッチミスから場外→予備手具を使用するという大きな減点があり23.725点。続いて落下ミスは防いだボールだが、終盤、手具を伴わずに実施した柔軟難度がカウントされず24.475点。クラブでは前半とても歯切れのよい難度、動きを見せていたのだが、中盤の投げ技とラストで落下し23.075点と大きく後退する結果となった。続くリボンでは大貫選手のピポットが光る演技で会場が湧く場面もあったが、まさかのポロミスから動揺が見られ、後半勢いを欠く演技に終わり24.550点。
個人競技終了後、プレナショナルのジュニア選手(国井麻緒(山形RG)、熨斗谷さくら(コナミスポーツクラブ本店)、宮本望来(イオン)、皆川夏穂(イオン))によるエキシビションが披露された。
今年の春先より、世界選手権日本代表枠をかけたシニア選手の熾烈な戦いの場であったCS(コントロールシリーズ)において、彼女たちもまたエキシビションとして参加し数多くの舞台を経験することで、大きな成長を遂げてきた。何故ならば、緊張感の中でパーフェクトに演技することの難しさ、日本国内の上位選手であっても26点を越えなければ代表にさえなれないという厳しさを、彼女たち自身が肌で痛感してきたからである。そして、そのプレッシャーに負けないよう、日々練習に励んできた成果であろう。
それ故今回は、4人ともにミスのない、全日本選手権に出場していたどの選手にも負けない力強さ、伸びやかさのある演技で会場を魅了し、未来の日本新体操界に明るい兆しを見せてくれた。
20日は、個人総合において上位8位までに入った、各種目のファイナリストによる種目別決勝が行われる。
posted by 村田 由香里 |18:14 |
新体操大会報告 |
トラックバック(0)
2011年10月24日
10/22(土)の初日は、まず団体からスタートした今年の全日本ジュニア。
団体は全国各地から19のチームが、個人は41名がエントリーして行われた。
<団体>
ジュニアならではの体格差があるチームが多かったが、それでも飛ばし系の
組み技を取り入れた構成が目立ったのが今大会の特徴といえるだろう。
全日本への出場権を獲得できるのは上位3チームまでだ。
優勝したのは井原新体操クラブ。井原はこれで3連覇となった。
伝統的に美しい徒手が最大の持ち味のチームだ。
もちろん組み技も入れているが、彼らの演技を観ていると徒手の重要性を再認識できる。
6人の同調性にも並の練習量ではないのだろうという説得力がある。それらが総合して美しい演技を形作っているのだ。
最近充実著しいと評判の恵庭RGクラブが2位に入った。
朴訥で男らしい雰囲気とタンブリングの強さに定評があるチームだが、今年はより立体感のある構成で攻めてきた印象あり。個人にも5名が出場し、勢いのあるところを見せた。
3位の華舞翔新体操倶楽部は福島で活動しているクラブで、絵画のような繊細かつ独創性のある構成(ブリッジからの鹿倒立等)で目を引いた。個人総合でも加藤大地が6位入賞と健闘している。
なお、予選を通過して全日本へ出場できるのは井原と恵庭の2チームである。
<個人>
NPOぎふ新体操クラブの安藤梨友が完全優勝を果たした。
昨年、腕を負傷して一時離脱していたとは全く思えない盤石の演技で大会をリード。安藤は小柄な選手だが、その演技にはもはやジュニアだの子供扱いしてはいけない雰囲気すら漂い、タンブリングの難度からして超ジュニア級であることは誰の目にも明らか。繊細な表現力では他に勝る選手もいたが、演技の完成度と安定感で他を圧倒、逃げ切ったかたちだ。
この安藤に、2位の山本悠平(NPOぎふ新体操クラブ)と3位の佐久本歩夢(君津新体操クラブ)を加えた3名が11月に行われる全日本選手権へ出場する。
posted by 総務広報 二見 |03:27 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年10月24日
昨日に引き続き、今大会の個人競技は男女同時進行で行われた。自分の曲以外の音が耳に入ってくる環境の中で演技しなければならない選手は、いつも以上に集中力が必要とされただろう。その為、4種目最後まで集中力を欠くことなく、ミスを最小限に抑えた選手が勝利を手にする形となった。
1日目を1位で折り返した皆川選手は、1種目目リボンの投げ技で多少乱れる箇所が見受けられたが、持ち前の伸びやかな動きで観客を引きつけ23.050点を獲得。またクラブにおいては、ラストの投げ技でキャッチミスがあったものの、躊躇がない高い投げにより、演技自体のスケールも大きく感じられ、クラブの特徴を存分に生かされた演技で22.800点。結果、2種目共に2日目の最高得点をマークし、合計92.150点を獲得した皆川選手が、初の個人総合優勝を手にした。
2位で折り返した池ヶ谷選手は、クラブでの落下ミスに加え、リボンでも2度結び目をつくってしまうという彼女にとっては珍しいミスが続き、クラブ22.400点、リボン22.150点と点を伸ばすことが出来ず、合計90.750点で2位にとどまる結果となった。
そして3位の座をものにしたのは、1日目を4位で折り返した桑村美里選手(町田RG)。昨日はミスもあり4位に甘んじる結果となったが、クラブ、リボンにおいては曲のイメージに合った彼女独特の力強い動きが光り、2種目共にノーミスでまとめあげ、クラブ22.625点、リボン22.300点、合計89.325点を獲得した。
また、昨日3位であった猪又選手、また昨年に比べ、動きの力強さ、難度の精度に磨きがかかった宮本望来選手(イオン)、熨斗谷さくら選手(コナミスポーツクラブ本店)など、日本にはまだまだ沢山の逸材がいることを感じられる大会となった。
今大会入賞を果たせた選手も悔しい思いをした選手も、皆フロアーの上で輝きを放っていたことは、会場の誰もが感じていたことであろう。それは、選手それぞれに色々な思いがあり、その感情を身体で表現出来るように、また緊張する試合でノーミスの演技が出来るようにと、日々練習に励んできた努力があることに他ならない。
今回出場した全ての選手がここで踏みとどまることなく、次の目標に向け更に飛躍してくれることを願う気持ちでいっぱいである。
posted by 村田由香里 |01:20 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年10月23日
2011年10月22日、23日の2日間、ここ国立代々木第一体育館において、第29回全日本ジュニア新体操選手権大会が開催され、全国各ブロックの厳しい予選を勝ち抜いてきた、個人46名、団体19チームの選手によって、熱い戦いが繰り広げられている。
先月フランス(モンペリエ)で開催された世界新体操選手権大会において、見事ロンドンオリンピック出場権を獲得したフェアリージャパンPOLAの団体選手も、ジュニア時代にこの舞台を通過し、現在世界の舞台で活躍していることを考えると、この大会はこれから世界へと羽ばたいてくれる日本の若きエース達が輩出される場所と言っても過言ではない。
第一日目、団体競技(ロープ×5)、個人競技前半(フープ、ロープ)が行われた。
団体は2年ごとに種目が変更される為、本年度からロープ5人での競技となったが、どのチームも予選を勝ち抜いてきただけの実力があり、上位にくい込む為には小さな落下ミスも許されず、いかに移動せずに手具をキャッチするか、D1(徒手難度)を正確にやり切れるかが勝敗の鍵となった。
そのような混戦状態の中、軽快な曲に合わせ手具操作、難度共にまとまりを見せたすみれRGが、23.050点をマークし1位を獲得した。2位と0.65点差をつけた要因は、ジュニア選手である彼女達の雰囲気と曲の明るさが上手く生かされた構成により、団体に重要である連帯感やまとまりが感じられたこと、また全体の投げ受けに関してロープに乱れがなかったことである。今後、このまとまりの中で複雑な連携、投げ技が備わってくれば更に大きさ、迫力の感じられる演技が出来るようになるだろう。
2位は22.300点を獲得したサンシャインR.G。このチームの手具操作、投げ受けは1位に引けを取らない確実性があり、演技全体を通しても力強さを感じた。また、選手一人一人の表情もよく、前年度3位から一つ順位を上げる結果となった。
2008年度から3連覇を果たしている安達新体操クラブは、交換で多少の乱れが見られ、いつものような力強さ、精細さを欠いた結果、22.025点と点数を伸ばすことが出来ず3位に終わった。しかし、上位を獲ることが当たり前とされるプレッシャーの中最後まで踏ん張り、最小限にミスを抑えた気持ちの強さがメダル獲得につながったように思う。
同じく3位のCACRGは、多少ロープのひっかかりが見られたものの、D2(手具難度、連携要素)が見やすく点数を伸ばす結果となった。
乱れない手具さばき、投げ受けの正確性がメダル獲得につながった今大会を振り返ると、徒手難度は勿論のこと、手具操作においても基礎を重要視し、地道なトレーニングを続けていくことがレベルアップへの近道だと改めて感じる大会となった。
個人
6月に開催されたアジアジュニア大会において、国別対抗銅メダルを獲得した、池ヶ谷晴香選手(アンジュ)、皆川夏穂選手(イオン)が参加する今大会は、その両選手に注目が寄せられた。(早川さくら選手 イオン は怪我の為棄権)
1日目が終わり、一歩リードしているのは皆川選手(合計46.300点、フープ23.775、ボール22.525)。一種目目のボールはやる気が硬さとなって表れてしまい、リスクが切れてしまう箇所があったものの、落下ミスもなくまとめあげた。二種目目のフープは緊張がほぐれてきたのか、良い開放感の中伸び伸びと演技することができ、見ている側もとても気持ちのよい演技であった。
2位は池ヶ谷選手(46.200点、フープ23.250、ボール22.950)。いつもの様なD2の正確さは欠けたものの落下ミスもなく、徒手難度においては確実にやり切るなど、前年度優勝者としての強さを見せた。
続いて、猪又涼子選手(WingまつもとR.G)が、合計44.850点(フープ22.325、ボール22.525)を獲得し3位に入る結果となった。まだ手具操作にもたつきが見られるが、体の線が美しくとても丁寧に基礎を行っていることが感じられた。
前半競技を終えた現段階で、皆川選手、池ヶ谷選手との差はわずか0.1である。また、残りの選手においても、クラブ、リボンの出来次第で大きく順位が入れ替わることが予想される。その為、2日目もまた目が離せない1日になるだろう。
Photo by 榊原嘉徳
posted by 村田由香里 |02:25 |
新体操大会報告 |
コメント(0) |
トラックバック(0)