2007年10月17日
それにしても素晴らしいタイミングでした。
何がって、ボビーが抗議に出たタイミングが、です。
両チームともに無得点で迎えた5回裏。
ファイターズの攻撃は、先頭の稲田が出塁。すかさず金子が送り、森本がヒットでつないで1死1、3塁。続く田中はレフトフライを打ち上げ、3塁走者稲田がタッチアップで生還。
待望の先制点がファイターズに-。
そして、次の瞬間
「離塁が早いんじゃないのか」
とばかりにベンチを飛び出すボビー。
いや、もちろん本当に「早い」と感じたからこその抗議だったのかもしれませんが、判定は覆らないと理解した上での確信犯的な行動でもあったのでしょう。
ランナーは出せども、なかなか得点には結び付られなかったマリーンズ。
ともすれば、この場面での失点1には、緊張の糸が切れかねない重さがあったはずです。相手の得意パターンでの得点を許したとなればなおさら。
それほどに大きな意味を持つ1点、となるはずだったのです。ファイターズにとっては…。
しかし、「そうは問屋が卸さねぇ」とばかりに(私にはそう見えました)ボビーが突撃。
直後、マリーンズはサブローが四球を選び、里崎が逆転の2ランホームラン。
得点を挙げたのは選手の技量でしょうが、「緊張感」を結びつけたのは、ボビー・バレンタインの手腕と言ってよいでしょう。
大舞台での冷静(?)な人身掌握、見事でした。伊達にワールドシリーズ進出は果たしていないといったところでしょうか。
私の中で、今日のMVPは、紛れもなくボビー・バレンタイン監督です。
蛇足ですが、8回裏ファイターズの攻撃。
無死1、2塁でセギノールが三振した場面。
状況は少し違いますが、一年前のファイターズ-ホークスの死闘を思い出しました。
posted by AKIRA |01:36 |
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2007年10月15日
10月8日、パ・リーグクライマックスシリーズ第1ステージの初戦が、千葉マリンスタジアムで行われた。対戦カードは福岡ソフトバンクホークス-千葉ロッテマリーンズ。プレーオフでの両チームの激突は05年以来である。
スターティング・メンバー
試合前、当日のスターティングラインナップに注目していた。マリーンズの日替わり打線はもちろん、ホークスが短期決戦に向け、どのようにアプローチをしてくるのか興味があったからだ。
まずは、トップバッター川崎の可能性を考えた。しかし、マリーンズ先発渡辺との対戦打率(本多.417 川崎.357)を考慮してか、いつもの本多-川崎ラインに落ち着く。秋山コーチの「思いきり振れるから」との進言から実現した3番松中も引き続き、4番には小久保が座る。ここまではシーズン通りのベーシックな形となった。
違いを見せたのはその後からである。王監督は、5番以降を柴原-大村-多村とつなぐ。柴原は渡辺に対して今季打率は.308であり、本塁打も放っている。逆に、大村(.200)と多村(.214)は渡辺と相性が悪い。
そして、シリーズ前に発売された週刊ベースボール誌上で、興味深い傾向が掲載されていた。短期決戦では、「得点源は分散させる」ことが勝利の法則であるのだという。このタイムリーな情報を、ホークス首脳も参考にしたのではないかと推測する。短期決戦に向け、データを重視したと言えば聞こえはいい。だが、どちらかと言えば、打線全体の低調から戦術に活路を求めたように映る。チームの苦しさがうかがえる、苦肉の策であると感じた。
風を味方に
試合開始前から降り続く雨は、プレーボール宣告後もやむ気配を見せない。マリン特有の強風もあり、渡辺、斉藤両投手ともに投げづらそうな立ち上がりである。そんな中、光っていたのが里崎の好リード。渡辺の制球がバラつき、失点こそ許したものの、見てくる打者に対しては積極的にストライクを取りにいき、打ち気を感じれば速めの変化球でバットの芯を外させる。特に、緩いカーブの使い方が見事だった。これには、右の強打者小久保が、何度も腰砕けのスイングをさせられてしまうことになる。
「マリンの風を味方に」
試合後、そう語った渡辺は、5回以降全てのイニングを完璧に抑える。
序盤の攻防から
マリーンズにとってのハイライトは、3点を追う3回裏。渡辺が「風」を味方につけたように、マリーンズ打線は「地」を味方につけた。ベニーの内野安打を口火に、福浦がしぶとい当たりでショートの横を抜けば、今江はピッチャー強襲の内野安打で続く。極め付けは次打者の西岡で、今年から成功率をグッと引き上げたセーフティー・バントを成功させる。ここまでは全てがインフィールドでの出来事だ。相手投手にまともなピッチングをさせず、一気に畳み掛ける。これが、マリーンズ打線の真骨頂なのだ。「つなぎ」ではマリーンズに一日の長が有る。
それにしても長い。マリーンズのチャンスはなおも続く。最初のチャンスを迎えてから20分は経っただろうか。その間、マリーンズサポーターはずっと飛び跳ね、歌い続けている。試合は、無死満塁から早川、オーティズが連続三振。2死となりながらも、4番サブローが同点に追いつく2点タイムリーを放つ。無得点では意気消沈となりかねない場面だっただけに、この日一番の歓声がサブローに贈られた。
この時、球場内の風速表示はホームベースに向かって10メートルであることに気付く(最速は12メートル)。まだまだ試合は荒れそうな予感がした。
4回表のホークスの攻撃は、即席打線の拙さを露呈することになった。まず、先頭の柴原がセンター前ヒットで出塁。すかさず6番の大村が送り、1死2塁でバッターボックスに多村を迎える。その場面、マリーンズバッテリーの配球は「歩かせてもいい」というものだった。もちろん、8、9番の打力が極端に落ちることを計算に入れての配球である。1死2塁で多村より、1、2塁でも本間、的場と勝負ということなのだろう。渡辺は、ストライクゾーンの両サイドを厳しく攻めた。この打席で多村に対し7球を投じ、許したスイングは一振りだけである。多村を歩かせた渡辺は、9番的場にタイムリーこそ打たれるが、その表情やしぐさには落ち着きがあった。「楽ができた」とまでは言わなくとも、それに近い感覚だったのではないか。このあたりから制球にも修正が効き始める。ホークス下位打線の淡白さが、その遠因となっているように感じた。
ホークスは、得点源の拡散から得点パターンの拡大を狙うのであれば、5番柴原の後に本間を配置するべきだった。そうすることで4、5番の出塁後、6番の本間が7、8番の多村、大村へつなぐ(送る)という形が作れたのである。本間には、1死からであっても送りバントのサインを出す。2死2塁から多村が凡打に倒れても、次の攻撃は大村からとなる。8番大村の足を絡めつつ、9番の的場がしっかり上位におぜん立てできるのであれば、川崎のバットコントロールと高い得点圏打率(.358)をトップバッターとして生かせたのではないだろうか。
無念のエース
試合前、「この肩くれてやる」と並々ならぬ決意を語ったのは、ホークスのエース斉藤和巳である。この日も、その気迫が伝わってくる場面があった。3回裏、1死満塁での3番オーティズとの対戦である。この日、ここまでの速球は最速で143キロ。ところが、斉藤は絶体絶命の場面で146、147、148キロと、球威を取り戻す。それに伴い、自慢の高速フォークも140に近い数字を次々計測する。マウンド上のエースは「これ以上やれない」の気概に溢れていた。甘い球はあったものの、オーティズはファールにするのが精一杯。最後はフォークでねじ伏せる。
しかし、4回裏には球数が80球を超え、速球の球速表示が140キロを割る。福浦、今江に連続四球を与え、続く西岡に真ん中高めの速球をセンター前に運ばれる。同点に追いつかれた斉藤は、続く早川に犠牲フライを打ち上げられ、勝ち越しを許す。見た目にはっきりと限界が見えていた。結局、斉藤は93球を投げ、この回で降板する。またもやプレーオフでの勝利ならず。ただ、無念ばかりが積み重なる。
和田不在
ホークスはなぜ和田をベンチに置いておかなかったのか。先発の斉藤がマウンドを降りた時点では1点のビハインド。追いつくには現実的な点差である。もちろん、柳瀬らを起用したからといって試合をあきらめたわけではないだろう。だが、変わった柳瀬はいきなりオーティズにソロホームランを打たれた。もし、斉藤の後にマウンドに登ったのが和田で、残りの5イニングを馬原と無失点に抑えていればどうなっていただろうか。チームに与える影響が違っていたはずだ。所詮は結果論である。だが、短期決戦は出し惜しみをしていると、あっという間に終わってしまう。斉藤の状態を考えれば、早いイニングでの継投は必至。もちろん、ホークス首脳陣も考慮したはずである。しかし、和田には第2ステージに向けての調整に専念してもらいたいとの意向が勝ったのだろう。
それでも、第1ステージは初戦のリリーフ限定で、中4日空けての第2ステージ先発という手段が取れたのではないか。和田は、9月27日に3回3分の2イニングで76球を投げて以来、公式戦のマウンドには立っていない。第2ステージからの登場では、登板間隔が半月空くことになる。疲労もあったのかもしれないが、ここは目先の勝利に執念を見せてほしかった。
川崎の力み
この試合を通して目立ったのが、ホークス川崎の力みである。第二打席での犠打は除くものとして、残る三打席での被投球数はわずかに8球である。積極的に打ってでるのは悪いことではないが、この試合に限っては空回りしていた。マリーンズバッテリーの術中にはまり、考えすぎて「振らされている」ように見えたのである。バッターボックスに入る前の素振りでさえ、悩みを振り払おうとして必死のように映った。
中軸を生かすも殺すも前を打つ打者の出来にかかっている。第2戦以降も、きっとこの男がホークス打線の鍵を握るはずだ。
●参考資料→週刊ベースボール 10.15号「DATAで迫るプロ野球」
posted by AKIRA |01:51 |
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2007年10月08日
「仮想クライマックス・シリーズ」
ということで、10月3日に行われたロッテ×ソフトバンクの最終戦を観戦しました。
ソフトバンクは、シーズン中、二番での起用が多かった川崎宗則を一番に据え、短期での戦いをにらんだ起用を披露。
本番でも、トップバッター川崎はあるのでしょうか?
そして、マリーンズ側にも「おやっ?」と思わせられることががありました。
それは、初回無死一塁の場面での送りバント。
元々、送りバントを多用しないバレンタイン監督ではありますが、今シーズン中、初回無死一塁というケースでの送りバントは、35機会中たったの5度。
クライマックス・シリーズ第一ステージでも、「ホークス先発陣からそうそうチャンスは作れない」と、一点にこだわった攻撃をするのでしょうか?
それとも、プレーオフでは先制点の重要性が薄れてしまうこと、そして、先発に比べ、後ろのリリーフ陣に不安があることから、シーズン同様「点を取りに行く」ことを意識した攻撃を見せるのでしょうか?
今日から始まる第一ステージ。
結果とともに、そのあたりに注目したいと思います。
posted by AKIRA |10:48 |
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2007年10月01日
1、若島津 11、田仲 21、騎馬
2、磯野 12、末次 22、高杉
3、東 13、松下 23、若林
4、槌谷 14、志野
5、寺本 15、恩田
6、加納 16、三杉
7、神谷 17、氷室
8、岬 18、伊東
9、日向 19、平松
10、大空 20、葵
何となくです…。
わかる人にはわかるネタかな、と。
バランスが悪いのはご愛嬌。
皆さんの意見、つっこみお待ちしております。
posted by AKIRA |02:42 |
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2007年09月20日
「成瀬がいなかったらどうなっていたことか」
近頃、チーム関係者やマリーンズファンから、こんな声をよく聞く。
低めに制球されたスライダーとチェンジアップ。何よりも、リリースの位置が見えづらい独特のフォームと、スピンの利いたキレのある速球とのコンビネーションが相手バッターをキリキリ舞いさせる。
今シーズン、ここまでの成績は、防御率1.81で15勝1敗。その勝率たるや.938というから驚異的である。
数字が示すように、成瀬が素晴らしい投手であることに異論はない。だが、出来過ぎの感ある今シーズン、残っている数字だけをうのみにし、その実力を判断するわけにはいかないのである。
今シーズンの成瀬は裏ローテで回っていたこともあり、楽な日程での登板が続いている。登板間隔は長く、チームから「大切に扱われている」という感じで、まだ「チームを引っ張る」という選手ではない。裏ローテであるため、対戦する投手は比較的力が落ち、エースクラスの投手となると、涌井、朝倉、三浦、西口、デイビー、ダルビッシュと一度ずつ投げ合ったに過ぎない。成瀬が打線から大量援護を受けることが多いのは、彼自身のリズムの良さはもちろん、このような事実に起因しているのだ。序盤で大量に得点が入れば、相手打線もひっくり返そうと打撃が荒くなり、それが拙攻を生む。つまり、今シーズンの成瀬の驚異的な成績は、成瀬一人の努力や実力だけで成されたのではないということだ。
とはいえ、接戦時においても、きちんと投げ勝つことができているという事実も見逃せない。一試合平均で4.3得点をあげるのがマリーンズ打線。平均7.2イニングを消化する成瀬の登板時平均得点が4.1とあれば、相対的に見ると「やや援護に恵まれている」といったところ。
大量得点か接戦か。両極端な状況が続く中、いつも変わらずマイペースで自分の投球を続けることができる。そこに投手・成瀬の精神力の強さを感じるのだ。登板機会があれば、クライマックス・シリーズという大舞台でも、その精神力の強さは発揮されるのではないだろうか。
今後、成瀬が「エース」と呼ばれる存在となるためには、「実績を残して絶対の信頼を得られてこそ」と本人が語るように、実績を築き続けること。そして、相手エースとぶつかり合い、そこで結果を残すことである。そのためにはまず、実績十分の先輩方を超えなくてはならない。
今年、チームの先輩である小林宏之は、シーズン前に「開幕投手を狙う」と言ってのけた。近い将来、成瀬が開幕投手の権利を奪い、同年代の日本ハム・ダルビッシュや西武・涌井らと開幕投手として投げ合う姿は見られるか。
posted by AKIRA |06:12 |
プロ野球選手 |
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2007年09月17日
現在、国内プロ野球ではセ・パ両リーグとも史上まれに見る混戦が続いています。
そこで、最終的な順位が決まってしまう前に、是非とも論じておきたいことが一つ。
それは「MVPに選出されるのは誰か?」ということです。
さて、そのMVPという栄誉ある賞なのですが、NPBはこれを「最優秀選手賞」と定め、最も活躍した選手を表彰することとしています。
ところが、最近ではシーズン優勝チームから選出する傾向にあり、どうにも「Player of the year」を決めようという雰囲気ではありません。
月間MVPを選出する際には誰も所属チームの成績など考慮しないのに、年間MVPを決める場合には「優勝したチームから」が暗黙の了解になっているようです。
そのため「年間を通してベストの選手」と言うには、個人成績が及ばない選手の選出がしばしば。
個人的には「最も貢献した選手」と「最も活躍した選手」で分けたらどうか?と思います。
分けることで権威を損ねると言うのであれば、せめて見解の統一を…。
どちらにせよ今年も勝率首位のチームから選ばれるのでしょう。
今年は、首位を争うチームに素晴らしい結果を残す選手が顔を揃え、MVPの行方も混沌としています。
これを話のネタにしない手はありません!
以下に、候補者の名前と選考理由などを軽く掲載させていただきました。
読んでくださっている野球好きの皆様へ、一つ参考になれば嬉しく思います。
【セ・リーグ】
<巨人>
阿部慎之助
シーズン序盤こそ好リードを見せ投手陣をうまく引っ張るも、後半になり荒いリードが目立つ。票数を落とす原因になりそうだ。
また、自慢の打撃では打率の低下が気になるが、打点のタイトルに手が届く位置につけている。
同所属チームの二人との比較は避けられない。MVPには、タイトル獲得が必要条件となるのではないだろうか。
小笠原道大
二年連続のMVPということを考えると、昨年の成績との比較が待っている。打点、打率とともに本塁打数も昨年の数字を上回れそうではあるが、二冠獲得の昨年とは意味合いが違ってくる。出塁率を3分以上落としているのも気がかり。
セ・パ二リーグ分裂後、両リーグでのMVP獲得は江夏豊のみ。史上二人目の選出なるか?
高橋由伸
本塁打のタイトルがあればほぼ確定だろうが、残り試合数とライバルの存在を考えると難しそうである。しかし、リーグでトップの得点圏打率と三位の出塁率を誇り、核弾頭としてチームを牽引。先頭打者本塁打の記録を樹立するなど、とにかく爆発した印象。インパクトには事欠かない。
数試合の欠場も、昨年MVPの福留(16試合欠場)を通して見る限り大した問題ではないだろう。
高橋尚成
序盤こそ快調にとばすも後半息切れ。そのため印象が悪く、投票では不利。リーグトップの勝率、防御率は立派も勝ち星は伸びず。MVPのみならず、沢村賞にも届きそうにない。
<中日>
岩瀬仁紀
シーズン序盤こそセーブ失敗が目立ったが、ここまでの自責点は13。残りの登板次第では一点台の防御率も可能で、その他の数字に目を転じても例年と何ら変わりのない好成績であることがうかがえる。
しかし、周りが求めるものが高すぎるため、今年の成績と印象では選出の目はなさそうだ。
タイロンウッズ
監督自ら「高校野球」というチームにあって、不可欠な存在。
本塁打レースバリバリの大本命。昨年ほど突出した数字ではないものの、二年連続打点との二冠を視野に入れる。相棒福留の離脱後、四球の数が驚異的なペースで増えている。01年に金本が記録した年間128四球に届きそうだ(この数字は歴代五位となる記録であるが、上にあるのは全てが王貞治の記録である)。
今シーズンは、チームの柱でもある福留、川上、岩瀬が揃って満足のいく成績を残せず。チーム内の貢献度では一人郡を抜く。中日優勝時、この男以外の選手が選出されることは考えられない。
<阪神>
藤川球児
名実ともに、日本を代表するピッチャーに。評価されにくいポジションではあるが、二年前とは違う。それは、ここ数年で確固たる実績を築いたことと、「セーブ数」という分かりやすい数字が残っていることである。日本記録の樹立も可能なペースで、阪神優勝の際にはほぼ満場一致で一位票を獲得するのではないか。
久保田智之
日本記録となるシーズン81試合登板を達成するなど素晴らしいシーズンを送っているが、藤川との比較にはならないだろう。
「もし藤川がいなければ」という仮定の話で、チームの抑えとして君臨していたならば、同僚ウィリアムスとどちらが多くの票を獲得していただろうか。数字、実績ともに及ばないかもしれないが、セーブ数次第ではわからない。それだけの活躍を見せる充実のシーズンである。
ジェフウィリアムス
意外性という意味では、この男が票を集めるかもしれない。何せ数字が驚異的である。自責点はわずかに1。登板するたび、防御率が限りなくゼロへと近づいていく。
二位票を多く集めると予想する。
金本知憲
野手に怪我人が続出する中、今日も連続フルイニング出場の記録を更新中。「今日も元気に」と表現できないのがさびしいところではあるが、不振が長引いても最低限の数字は残すのが金本の鉄人たる所以である。
仮に打点王のタイトルを獲得し、ここ数年の実績や存在感、チームに与える影響を加味しても…MVPの線はないだろう。
【パ・リーグ】
<日本ハム>
ダルビッシュ有
難攻不落。今、日本で最も攻略するのが難しい投手である。
「圧巻」というに相応しい投球を毎試合のように披露し、防御率一点台が現実的なものとなっている。しかし、その価値をより高いものとしているのは、リーグトップとなる12の完投と3つの完封。そして、200にも届きそうな投球回数なのだ。
決して充実しているとは言えない日本ハム先発陣。勝つためには、磐石のリリーフ陣に力を借りなくてはならない。そのリリーフ陣が危なげない投球を続けることができるのは、このタフなエースが長いイニングを消化するためである。リリーフ陣の登板試合数とともに、負担をも大きく軽減。
実力、成績、貢献度。これだけ高いレベルで三つの条件を満たしている選手が他にいるだろうか?若くして、個人としては最高の栄誉となる賞の獲得となるのか。注目である。
稲葉篤紀
自身初のバッティングタイトルとなる首位打者は難しいだろうか。
MVPとなればハードルはそれ以上。
本塁打王争いを繰り広げる楽天山崎、オリックスローズに次ぐリーグ三位の打点を叩き出し、ほとんどの部門で昨年以上の数字を残している。
チームに欠かせない存在ではあるが、主役はやはり投手陣か。
<ソフトバンク>
杉内俊哉
MVPを与えられるに相応しい今シーズンの働きである。キャンプで「斉藤和巳越え」を高らかに宣言した左腕の実力は伊達ではなかった。しかし、一昨年の同賞受賞時の成績に比べると物足りなさは否めない。
二度目の受賞にチームの優勝は必要条件である。
馬原孝浩
抑え受難の今シーズン、昨年に続いて格別の数字を残している。
抑え転向から三年目。最終回のマウンドに登る姿が板についてきた。
パ・リーグのセーブ記録更新も可能だが、ポジション柄、票を集めるのは難しいところか。
<ロッテ>
成瀬善久
ロッテが優勝を決めれば、消去法的な選出があるかもしれない。
(成瀬については、近々別項で取り上げる予定です)
まだまだ予断を許さぬペナントレース。その行く先は、とりもなおさずMVPの行方に直結します。
チームの勝利に優先するものはありませんが、MVPが個人として最も価値ある賞であることも事実。
果たして、その栄誉を手にしているのは誰なのでしょうか。興味は尽きません。
posted by AKIRA |12:26 |
プロ野球 |
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2007年09月16日
地上波のスポーツ中継に依存した日々が続く。
プロ野球中継は、試合終了まで放映せずに終えることが多い。
それが、実にもどかしい思いをさせるのである。
その気になればラジオという手段がある。
それでも、音声だけでは映像ほどの臨場感を得られないということで敬遠していた。
だが、そうも言っていられない状況に陥る。
試合速報を確認していると、序盤で試合の大勢は決したかに見えた巨人―広島21回戦が、えらいことになっているのだ。
最終回、巨人が猛追を見せ、二点差にまで詰め寄る。
なおも一死一、三塁でクリーンナップへと続く場面。
こうなっては、いてもたってもいられない。
すぐさまラジオのチャンネルを合わせると、このイニング同点に追いつき、延長戦にもつれ込んだ様子が伝わってきた。
ベッドで横になり、ゆっくりと中継に耳を傾ける予定だったが、勝ち越しを待たずして抑えの上原が登板。
ますます落ち着かず、ネットで配球を確認する。
試合途中、もう一つの接戦、阪神―中日20回戦に動きがあったことを知らされる。
しまった。
すっかり忘れていたが、地元ローカル局では、阪神の試合を終了まで放送する。
あわててテレビをつけると、中日が阪神の勝ちパターンを崩すことに成功している。
結局、どちらの試合展開も気になり、ノイズまじりのラジオを聴きながら、テレビとパソコンの画面を交互に眺めることになった。
ラジオからは、打球が前に飛ぶだけで観声が聴こえてくる。
歓声が大歓声に、あるいは落胆のため息へと変わる時、ようやく実況に結果を知らされる。
映像では瞬時に確認できるものが、音声のみではそうもいかない。
『人は、目に映る恐怖に慣れることはできても、見えない恐怖に慣れることはできない』
この日、私は逃げた。
観客の歓声と実況の声。
そこに、恐怖にも似た感情を覚えたからだ。
故にパソコンを起動させ、テレビをつけた。
見えないことからくる高揚感は、いつの間にやら恐怖へと変わる。
このスリル。
今後、できることなら避けたいものである。
posted by AKIRA |17:50 |
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2007年09月14日
春先こそ好調な滑り出しを見せた今シーズンの巨人ではあったが、その後他球団の追い上げもあり苦戦を強いられている。理由は様々だろうが、目に付いたのは他球団を意識し過ぎた消極的な采配が目立ったことだ。
今シーズンからトップバッターとしてチームを牽引していた高橋由の怪我の影響で、シーズン途中から一番谷、二番木村拓の形を採ることになった。一時的な策かと思いきや、高橋由の復帰後もこの形を崩さなかったのである。二番に小技のうまい木村拓を置き、高い得点圏打率を誇る高橋由を中軸に据えることで、「一点を大切にする野球」を標榜したのだろう。だが、その目論見は見事に外れることとなる。
木村拓は小回りの利く便利な選手だが、タレント揃いの巨人打線で上位を打つとなっては役不足の感は否めない。また、一番を打つ谷は積極的に盗塁を仕掛けるタイプではなく、相乗効果も生まれなかった。二番木村拓は、事実上の穴となってしまったのである。
打順を構成する際にも問題が生まれた。巨人打線には左打者が多い。右打者の谷を一番に固定することで、中軸に左打者がズラリと並ぶ羽目になり、攻撃のリズムが単調になってしまった。相手バッテリーは随分と楽ができたのではないか。
セーフティーリードが奪えず、接戦が増えれば、好投の先発投手に代打を送るケースが増える。そして、後を受けてマウンドに立った中継ぎ陣が試合を壊す悪循環が続いた。巨人が小手先の小細工を弄してみたところで、近道にはならないという証明である。
上原の起用法についても疑問が残る。春先は先発ローテーションがうまく回転していたこともあり、怪我で出遅れの上原をリリーフとしてスタートさせることに何ら疑問はなかった。チーム内に確たる信頼の置けるリリーフ投手がいなかったからだ。実際、チームはそれでうまく機能した。
しかし、「今年は抑え一本で」と固定したのが良くなかった。先発の木佐貫は怪我明けの選手であったし、金刃はあくまで新人選手。いずれ先発としての上原の力が必要になることは容易に想定できたはずである。もちろん、首脳陣もその可能性については危惧していたに違いない。だが、首脳陣は、「上原につなげ」の意識が投手陣全体に生み出す連帯感に賭けたのだ。
それでも、事態はもはや深刻なものとなっていた。先発に疲れが見え始めた後半戦、チームは上原を先発に戻すという決断に踏み切るべきだったのだ。巨人の勝ちには大量得点差のものが多い。それゆえ、抑え上原の登板間隔がまちまちになることがあった。セーブのつく場面であっても、切羽詰った場面は数限られ、本当にチームのナンバーワンピッチャーでなければ抑えられなかった場面はとりたてて多くはなかった。そして、上原には抑え投手としてのメンタリティが欠如しているという事実。抑えに強い気持ちが必要なことは言うまでもないが、それはマウンドの上でのこと。たとえ、失敗に終わっても、そこに気持ちを向けてはならない。失敗とはその日のうちに決別できるのが、一流の抑えである。今年から本格的にこのポジションに取り組む上原には、まだそれだけの割り切りがない。ここにきて、そのあたりの経験不足が顔を出している。
では、上原が先発に回っていたらどうなっていただろうか。確かに、代わりの抑え投手に上原ほどの信頼は置けないだろう。しかし、上原を先発に戻すことは、マイナスの要素を補って余りあるほどの利点に溢れているのである。
まずは、先発ローテーションにゆとりができること。人数的なことはもちろん、どうしても必要な中五日や四日での登板は上原に任せることができる。シーズンの序盤は離脱していただけに、この時期であっても無理は利いたはずだ。そして、エース上原が相手エースと投げ合う機会を増やすことによって、二番手以降の先発投手はマッチアップがだいぶ楽になる。完投能力に長けた上原と、マイペースで投げることのできる二番手以降の先発投手。これらのピッチャーが長いイニングを食いつぶすことにより、むしろ体力面に関してはリリーフの負担を軽減することができるのである。
「普通にやれば巨人が勝つ」とよく言われるように、巨人はリーグで最も多くの才能を抱えている。一点に重きを置く野球はよそ行きであり、そこで勝負をしたところで、本家本元中日ドラゴンズのそつのなさや、JFK擁する阪神タイガースには到底かなわない。守りに入っては、両チームの思う壺である。
巨人が巨人であるためには、ライバルチームの土俵で戦ってはいけなかった。「all or nothing」極端に言えば、このスタイルこそがあるべき巨人の本来の姿なのだ。攻撃は最大の防御なり。積極的な姿勢が、今、巨人に求められている。
posted by AKIRA |11:18 |
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2007年09月11日
東京ドームでの巨人対阪神21回戦。テーブルスコアやニュースで確認するだけであれば、この試合をただ単に「首位攻防にふさわしい試合」と認識するにとどまったに違いない。だが、この一戦は両チームの今後の可能性と不安要素に溢れ、残り少ないペナントレースの行方を占う上で重要な試合だったのである。
試合は序盤から荒れた。登板する投手が一様に浮き足立ち、地に足のつかない投球を続ける。これが大一番のプレッシャーというものなのだろう。独特の緊張感は、普段プレッシャーなどというものとはまるで縁のなさそうな阪神先発下柳をも飲み込んでいるように見えた。ボールになる球がはっきりしており4つの四球を与え、3回3失点での降板である。
一方で、プレッシャーなど感じる余裕すらなさそうだったのが巨人先発の高橋尚だ。中四日の影響だろう。投球フォームは乱れ、力ない球が高めに浮いては痛打される。こちらも先発の責任を果たせず、4回を投げて5失点での降板となった。
この試合、目に見えて疲れを感じさせた投手がもう一人。阪神藤川である。ここまで阪神の9連勝とともに9連続で登板を続け、この日の登板で10試合連続となるのだから無理もない。疲労のせいか、この日の藤川は背筋が曲がっており、ボールにうまく力が伝わっていないようだった。自慢の速球にはキレがなく、打者の手元で伸びるような感じもない。キャッチャーの矢野もそのことに気がついたのだろう。途中からフォーク主体の攻めに転じ、巨人打線をかわしにきたのだ。1点を失い、1点差にまで追い上げられたものの、逃げ切りに成功し、事なきを得た。
10回裏、藤川の苦しさが如実に現れたシーンがあった。バッターボックスの李がタイムを要求。藤川はそれに気づかず、審判の「タイム」の声によって打者との真剣勝負に水を差されたと勘違いをする。そして、審判に対しての抗議の意味を込めてか、藤川はそのままボールを三塁線方向に投げつけたのだ。その行為はチームを鼓舞するという類のものではなく、チームに焦りをもたらすものである。藤川自身、審判への理不尽な思いだけでは、あのような行動には及ばなかったのではないか。人一倍、チームに対しての責任感が強い藤川のこと。思うようなパフォーマンスを披露することができず、自分への強い苛立ちが多分に影響してのことだったのだろう。
藤川の疲労と苛立ちに一抹の不安を覚える。11日からは9連戦がスタート。そのうちの後半6試合には、首位争いを繰り広げる中日、巨人との6連戦が予定されている。激戦が予想される首位攻防において、藤川の登板数増は必至。また、阪神は全日程を終えるまでに二日しか休みがないという事実も不安に拍車を掛ける要因である。
加えて、主砲金本の調子が上がらず、あたっているとはいえ下位打線の実力は見た目に劣る。大量援護はそうそう期待できないのではないか。
そして、正念場では経験がものを言う。進心境著しい阪神の若手選手ではあるが、若さとは勢いであると同時に脆さでもある。最後まで脆さを露呈せず、チームに勢いを与え続けることができるのか。ここまで来たなら内容云々ではなく結果が大事ではあるが、その結果に対して影響を及ぼすプロセスに不安を感じるのだ。
今後、流れを作り出せそうなのは、むしろ首位決戦三連敗を喫した巨人ではないだろうか。9日の試合に高橋由を一番に戻したことによって、本来の戦い方を取り戻したように思えるのだ。李の復調もあり、残りの試合をこの日のようなオーダーでまわせるようなら、巨人に有利な状況だと言える。打線が機能し、試合終盤までに点差をつけてしまえば、JFKや岩瀬らの顔を見なくてすむのである。
加えて、日程も巨人に味方をしている。残り17試合のうち、実に14試合までもが東京での試合なのである。今年の巨人は特別東京での試合に勝っているというわけではない。だが、それ以上に、この時期移動に労力を費やす必要がないというのは大きなアドバンテージである。しかも、巨人だけ試合の消化が早いため、今月の27日から翌月1日の間がまるまる休みとなるのだ。クライマックス・シリーズも含めた長丁場を考えるなら、この休養は巨人にとっては大きな恩恵となるはずである。
中日が、勝率六割以上と、今年も得意にしている本拠地名古屋ドームでの試合数をあと7としているのも巨人にとっては追い風だろうか。
posted by AKIRA |07:40 |
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