2008年04月09日
「実感した日米の違い」 プレシーズンゲーム ボストンレッドソックス×阪神タイガース&読売ジャイアンツ
生で“idiots”を観てきました。 とはいえ、観戦したのはプレシーズンゲーム。 「開幕戦1試合より、プレ2試合(外野席+内野席)の方が安くつく」とのドケチ根性と、「レッドソックス公式戦初観戦を国内ですませてたまるか」との意地がそうさせたわけです(←後に後悔)。![]()
ここからは、当日の模様と現場で感じたことをお伝えしたいと思います。 3月22日(土) レッドソックスVSタイガース この試合は外野席での観戦となりました。 普段は内野での観戦がもっぱらなのですが、外野でなければわからないことも見えてきます。 まずは打撃練習ですが、飛球のノビがよくわかりました。 「カアアアァァァァァン」という乾いた音とともに、勢いに乗った打球がグングングングン伸びてきます。 中でも印象的だったのがユーキリス。 左右の両主砲マニー&パピーを差し置き、一番鋭い打球を飛ばしていたように感じました。 試合が始まると、観衆は世界一軍団のバッティングに集中します。 シーンと静まり返る中、キャッチャーミットに「パチッ」と収まる硬式球の音。 ん~気持ちがいい。 数年前、日本のプロ野球公式戦でも「球音を楽しむ日」として、鳴り物での応援を禁止する日を設けたことがありました。 今でも、年に数試合はそんな日があればよいのではないかと思うのですが、どうでしょう? 試合が開始すると、我々はいきなり度肝を抜かれることになります。 1回表、二者連続三振後にバッターボックスに立ったのはオルティス。 カウント0-3から合わせた打球は高く舞い上がり、どう考えてもただのレフトフライだろうと思えたアタリは、そのまま吸い込まれるようにしてスタンドへ。 ドームの興奮冷めやらぬ中、ラミレスが四球、ローウェルがヒットで続けば、ドリューがまたもレフトスタンドへスリーラン。 初回で4点の先制です。 レッドソックスは続く2回にも追加点を取り、いきなりメジャー有数の得点力を魅せつけました。 一方、序盤から追う展開となったタイガースですが、すぐさま反撃します。 2回、鳥谷の二塁打で反撃の口火を切ると、絶好調葛城がつないで、赤星、平野の連続安打で一挙4得点。 長短含めたこの攻撃(得点にはつながらずも平野は二盗に成功)は、さすがに国内有数のきめ細かさです。 そして、イニングを重ねるごとに、日米野球の決定的な違いに気付きます。 下の写真をご覧ください。![]()
そう。外野手の守備位置がまるで違うのです。 センターのエルズベリーはともかく、レフトのラミレスですらこの位置なのですから驚きです。 ちなみに、前進時は以下のようでした。![]()
エルズベリーはさらにもう一歩前にでてくることもありました。 このアグレッシブな守備位置に、彼らのプライドが見え隠れします。 「ポテンヒットは許さない」 「間を抜かれてもすぐ処理してやる」 たかが数メートルと言うことなかれ。 野球は1秒1センチで勝負が決まるスポーツです。 このわずか数メートルの違いが、大きく勝敗にかかわってくるのでしょう。 この日の試合中にも、「タイガースの外野手がもうちょっと前なら捕球できたのに」と思えるヒットがいくつかありました。 もちろん、逆のケースもまたあります。 しかし、ピッチャーにとっては、芯でとらえられた打球がヒットになるより、打ち取ったあたりがポテンヒットになるという方が嫌なものではないでしょうか。 外野手にとっては、後退しながらの守備機会が増えることにリスクはあるかもしれませんが、それもまた外野手の見せ場であり、好プレーを増やすことにもつながると個人的には思います。 さて、試合はレッドソックスが6回に点差を2に広げたものの、すぐさま1点を取り返されます。 スコアは6-5と競った場面で、両チームは9回、クローザーを送り出します。パペルボンは「I’m Shipping up to Boston」に乗っての登場。 藤川は、シーズン中めったに見られないビハインド時の登板となりました。 両者ともにスピードはそこそこだったのですが、二者から三振を奪いゲームセット。 この日の試合は、お互いが持ち味を見せた好ゲームだったと思います。 3月23日(日) レッドソックスVSジャイアンツ 前日とは違い、内野で観戦のこの日は、グラウンドに近いレベルでの練習見学が可能でした。 それにしても、打撃練習では昨日同様飛ばします。 ラミレスはまだしんどそうでしたが、オルティスやローウェルはガンガンスタンドに打ち込んでいました。 そして、この日一番の発見が背番号44のモス。 その飛距離に、「まだこんな選手がいたのか」と思わされました。 調べてみると、昨シーズンは15試合に出場し、メジャー定着にあと一歩という選手のようです。 先に言ってしまえば、この日は途中出場で二塁打と単打を記録。 後日のメジャー開幕戦では、6回に逆転のタイムリー、9回に同点弾を放つ活躍を見せてくれました。 打球が早く、おまけに俊足なので、使い勝手はよさそう。 今後の出番に注目の選手です。 この日の先発はウェイクフィールド。 いったい、いつまで投げ続けるのでしょうか? この日は、普段より多めに4シームを投げていましたが、それでも120キロ前後。 自慢のナックルは100キロを割ることもしばしば。ジャイアンツの強力打線が腰砕けになっていて面白かったです。 1回と4回にそれぞれ1点ずつ得点したジャイアンツは逃げ切りを計りますが、バーンサイドが登板した時点で試合が動きそうな予感がしました。 オープン戦で一度見たのですが、何しろストライクが入らない。 ユーキリス、ラミレスに安打を許すと、ローウェルには四球を与えて一死満塁。 すっかり6番の打順が板についてきたドリューに逆転満塁弾を浴びます。 代わった山口もストライクが入らず、豊田は2つの長打で加点を許し、9-2とグダグダな展開に。 今シーズンもリリーフで苦労しそうなジャイアンツでありました。 試合開始が19時からと遅かったこともあるのでしょうが、ジャイアンツが突き放された時点で席を立つお客さんが目立ちました。 それというのも、この日一番心待ちにしていたものを見ることができたからでしょう。 そう、7回裏、例の曲とともに岡島がレッドソックスのマウンドに上がったのです。 レッドソックスが2点を勝ち越したあたりから周りがざわつき始めたのですが、実際に登板してからというものの、ものすごい歓声が沸き、フラッシュがたかれました。 対戦した打者は谷、坂本、大道。 本人も高橋由と対戦したかったと語っていますし、かつての同僚との対決が見たかったです。 総括 今回の日米オープン戦で飛び出した本塁打は9本。そのすべてがメジャーリーガーによって生み出されたものです。 調べてみると、2004年開催の前回は、同じく4試合で14本塁打中11本塁打をメジャーリーガーが記録していました。日本側の本塁打はアリアスの2本と矢野のランニングホームランだけです。 試合を観ていても練習を見ていても、本塁打の数や打球の飛距離はもちろん、外野フライの滞空時間でさえ明らかに違いが見られました。 その理由として、元々のパワーの差はもちろん、使用球の違いが挙げられると思います。 投手が普段から使っているボールで投げられるようにとの配慮から、このオープン戦では、打者はいつもと違うボールを打つことになりました。 オルティスもタイガース戦での本塁打を「スタンドに入るとは思わなかった」と振り返りましたが、やはりこれは問題でしょう。 野球世界一を決める国際大会も第二回が近づいていることですし、忘れられかけている重要な問題をこの場で再び喚起したいと思います。 統一しよう。試合球。 蛇足ですが、「Sweet Caroline」の認知度が低いように感じたことが残念でした。 素晴らしい歌なのに、サビ部分の「ウォッウォッウォー」の合唱の声は小さく、席を立つ人が多かったことにもったいなさを感じました。 このあたり、試合前にビラを配ったり、練習中にビジョンを使って宣伝するなどの工夫はできなかったのかと思います。 また、エプスタインが冗談めかして言ったように、フェンウェイ・フランクが味わえなかったことも残念。 プレーだけでなく、本場の文化も広く楽しみたいものです。 「ユーイング」はしっかり浸透していましたが……。
posted by AKIRA |20:09 |
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