2008年02月02日

プロ野球に見る格差

格差社会。こんな言葉が、新語・流行語大賞にノミネートされたのは06年のことだ。近年、格差の拡大はあらゆる場所で姿を見せた。この社会問題は、一向に改善の気配を見せず、現在も深刻な問題であり続けている。

プロ野球の世界も例外ではない。球団間の経済格差は広がりを見せる一方である。球団別の選手総年棒を見ると、トップは巨人の53億915万円。内訳を見ると、投手だけで20億6865万円を稼いでいる。巨人の捕手は全体で3億1030万円であるから、投手と合わせたバッテリー年棒の総額は23億7895万円だ。これは、プロ野球12球団の内、7球団の年棒総額を上回る数字である。中には、昨年、連覇を果たした日本ハムのような球団もあるが、ほか6球団はBクラスだ。球団間の資金格差は、球団間の戦力格差に強く結びついていると言っていい。
当然、裕福な球団に所属する選手は、大金を手にしている。巨人の年棒上位選手12人の総額は38億5600万円で、年棒総額2位の中日38億2610万円を超えている。また、巨人は、年棒上位の3選手に15億2000万円を支払う。年棒総額最下位の広島は、15億490万円だ。巨人の選手3人分の年棒で1球団が買えてしまう計算なのだから、あまりにも顕著な選手の所得格差である。
このような球界の格差は、もちろん親会社の資金力に起因している。そして、それが国内移籍市場での獲得機会不均衡を招く。フリーエージェントの権利を宣言した選手の獲得に手を挙げるのは、いつも決まった球団である。最近では、実績を残した外国人選手が契約満了と同時に、より良い条件を提示する球団と契約するケースが目立つ。そのような状況を、資金力に乏しい球団はただ見ているしかない。

格差を是正するためには、全ての球団が「共存共栄」の精神を持ち、そこからリーグの底上げを図る以外に道はない。具体策として、フリーエージェント権の短縮が挙げられるだろう。現行の制度では、権利取得までに9年と、あまりにも長い時間がかかるため、フリーエージェント市場の動脈硬化を引き起こしてしまっている。そのため、市場に出た数少ない選手に人気が集中し、必要以上に年棒が高騰するのだ。市場に多くの選手が出てきたなら、人気は分散し、球団間での競り合いは激しくならず、その選手とは適正な価格で契約することができる。外国人選手の問題に関しては、契約満了後のオプションを、球団側に持たせる条約を盛り込んでおくのが一つの手段だろう。
しかし、現状を見ている限り、これらは夢物語に終わりそうだ。自球団の利益を犠牲にしてまで、球界全体の利益を優先する余裕はどの球団にもない。現状維持が精一杯な今だからこそ、「損して得とれ」の精神が必要となるのだが、ドラスティックな改革に乗り出そうという姿勢はまったく見えない。

※金額は全て推定で、08年1月17日現在のもの

●参考資料→週刊ベースボール 2.4号

posted by AKIRA |06:56 | プロ野球 | コメント(24) | トラックバック(0)
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