2007年09月17日
プロ野球2007年MVPを占う
現在、国内プロ野球ではセ・パ両リーグとも史上まれに見る混戦が続いています。 そこで、最終的な順位が決まってしまう前に、是非とも論じておきたいことが一つ。 それは「MVPに選出されるのは誰か?」ということです。 さて、そのMVPという栄誉ある賞なのですが、NPBはこれを「最優秀選手賞」と定め、最も活躍した選手を表彰することとしています。 ところが、最近ではシーズン優勝チームから選出する傾向にあり、どうにも「Player of the year」を決めようという雰囲気ではありません。 月間MVPを選出する際には誰も所属チームの成績など考慮しないのに、年間MVPを決める場合には「優勝したチームから」が暗黙の了解になっているようです。 そのため「年間を通してベストの選手」と言うには、個人成績が及ばない選手の選出がしばしば。 個人的には「最も貢献した選手」と「最も活躍した選手」で分けたらどうか?と思います。 分けることで権威を損ねると言うのであれば、せめて見解の統一を…。 どちらにせよ今年も勝率首位のチームから選ばれるのでしょう。 今年は、首位を争うチームに素晴らしい結果を残す選手が顔を揃え、MVPの行方も混沌としています。 これを話のネタにしない手はありません! 以下に、候補者の名前と選考理由などを軽く掲載させていただきました。 読んでくださっている野球好きの皆様へ、一つ参考になれば嬉しく思います。 【セ・リーグ】 <巨人> 阿部慎之助 シーズン序盤こそ好リードを見せ投手陣をうまく引っ張るも、後半になり荒いリードが目立つ。票数を落とす原因になりそうだ。 また、自慢の打撃では打率の低下が気になるが、打点のタイトルに手が届く位置につけている。 同所属チームの二人との比較は避けられない。MVPには、タイトル獲得が必要条件となるのではないだろうか。 小笠原道大 二年連続のMVPということを考えると、昨年の成績との比較が待っている。打点、打率とともに本塁打数も昨年の数字を上回れそうではあるが、二冠獲得の昨年とは意味合いが違ってくる。出塁率を3分以上落としているのも気がかり。 セ・パ二リーグ分裂後、両リーグでのMVP獲得は江夏豊のみ。史上二人目の選出なるか? 高橋由伸 本塁打のタイトルがあればほぼ確定だろうが、残り試合数とライバルの存在を考えると難しそうである。しかし、リーグでトップの得点圏打率と三位の出塁率を誇り、核弾頭としてチームを牽引。先頭打者本塁打の記録を樹立するなど、とにかく爆発した印象。インパクトには事欠かない。 数試合の欠場も、昨年MVPの福留(16試合欠場)を通して見る限り大した問題ではないだろう。 高橋尚成 序盤こそ快調にとばすも後半息切れ。そのため印象が悪く、投票では不利。リーグトップの勝率、防御率は立派も勝ち星は伸びず。MVPのみならず、沢村賞にも届きそうにない。 <中日> 岩瀬仁紀 シーズン序盤こそセーブ失敗が目立ったが、ここまでの自責点は13。残りの登板次第では一点台の防御率も可能で、その他の数字に目を転じても例年と何ら変わりのない好成績であることがうかがえる。 しかし、周りが求めるものが高すぎるため、今年の成績と印象では選出の目はなさそうだ。 タイロンウッズ 監督自ら「高校野球」というチームにあって、不可欠な存在。 本塁打レースバリバリの大本命。昨年ほど突出した数字ではないものの、二年連続打点との二冠を視野に入れる。相棒福留の離脱後、四球の数が驚異的なペースで増えている。01年に金本が記録した年間128四球に届きそうだ(この数字は歴代五位となる記録であるが、上にあるのは全てが王貞治の記録である)。 今シーズンは、チームの柱でもある福留、川上、岩瀬が揃って満足のいく成績を残せず。チーム内の貢献度では一人郡を抜く。中日優勝時、この男以外の選手が選出されることは考えられない。 <阪神> 藤川球児 名実ともに、日本を代表するピッチャーに。評価されにくいポジションではあるが、二年前とは違う。それは、ここ数年で確固たる実績を築いたことと、「セーブ数」という分かりやすい数字が残っていることである。日本記録の樹立も可能なペースで、阪神優勝の際にはほぼ満場一致で一位票を獲得するのではないか。 久保田智之 日本記録となるシーズン81試合登板を達成するなど素晴らしいシーズンを送っているが、藤川との比較にはならないだろう。 「もし藤川がいなければ」という仮定の話で、チームの抑えとして君臨していたならば、同僚ウィリアムスとどちらが多くの票を獲得していただろうか。数字、実績ともに及ばないかもしれないが、セーブ数次第ではわからない。それだけの活躍を見せる充実のシーズンである。 ジェフウィリアムス 意外性という意味では、この男が票を集めるかもしれない。何せ数字が驚異的である。自責点はわずかに1。登板するたび、防御率が限りなくゼロへと近づいていく。 二位票を多く集めると予想する。 金本知憲 野手に怪我人が続出する中、今日も連続フルイニング出場の記録を更新中。「今日も元気に」と表現できないのがさびしいところではあるが、不振が長引いても最低限の数字は残すのが金本の鉄人たる所以である。 仮に打点王のタイトルを獲得し、ここ数年の実績や存在感、チームに与える影響を加味しても…MVPの線はないだろう。 【パ・リーグ】 <日本ハム> ダルビッシュ有 難攻不落。今、日本で最も攻略するのが難しい投手である。 「圧巻」というに相応しい投球を毎試合のように披露し、防御率一点台が現実的なものとなっている。しかし、その価値をより高いものとしているのは、リーグトップとなる12の完投と3つの完封。そして、200にも届きそうな投球回数なのだ。 決して充実しているとは言えない日本ハム先発陣。勝つためには、磐石のリリーフ陣に力を借りなくてはならない。そのリリーフ陣が危なげない投球を続けることができるのは、このタフなエースが長いイニングを消化するためである。リリーフ陣の登板試合数とともに、負担をも大きく軽減。 実力、成績、貢献度。これだけ高いレベルで三つの条件を満たしている選手が他にいるだろうか?若くして、個人としては最高の栄誉となる賞の獲得となるのか。注目である。 稲葉篤紀 自身初のバッティングタイトルとなる首位打者は難しいだろうか。 MVPとなればハードルはそれ以上。 本塁打王争いを繰り広げる楽天山崎、オリックスローズに次ぐリーグ三位の打点を叩き出し、ほとんどの部門で昨年以上の数字を残している。 チームに欠かせない存在ではあるが、主役はやはり投手陣か。 <ソフトバンク> 杉内俊哉 MVPを与えられるに相応しい今シーズンの働きである。キャンプで「斉藤和巳越え」を高らかに宣言した左腕の実力は伊達ではなかった。しかし、一昨年の同賞受賞時の成績に比べると物足りなさは否めない。 二度目の受賞にチームの優勝は必要条件である。 馬原孝浩 抑え受難の今シーズン、昨年に続いて格別の数字を残している。 抑え転向から三年目。最終回のマウンドに登る姿が板についてきた。 パ・リーグのセーブ記録更新も可能だが、ポジション柄、票を集めるのは難しいところか。 <ロッテ> 成瀬善久 ロッテが優勝を決めれば、消去法的な選出があるかもしれない。 (成瀬については、近々別項で取り上げる予定です) まだまだ予断を許さぬペナントレース。その行く先は、とりもなおさずMVPの行方に直結します。 チームの勝利に優先するものはありませんが、MVPが個人として最も価値ある賞であることも事実。 果たして、その栄誉を手にしているのは誰なのでしょうか。興味は尽きません。
posted by AKIRA |12:26 |
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