2007年09月16日
INVISIBLE
地上波のスポーツ中継に依存した日々が続く。 プロ野球中継は、試合終了まで放映せずに終えることが多い。 それが、実にもどかしい思いをさせるのである。 その気になればラジオという手段がある。 それでも、音声だけでは映像ほどの臨場感を得られないということで敬遠していた。 だが、そうも言っていられない状況に陥る。 試合速報を確認していると、序盤で試合の大勢は決したかに見えた巨人―広島21回戦が、えらいことになっているのだ。 最終回、巨人が猛追を見せ、二点差にまで詰め寄る。 なおも一死一、三塁でクリーンナップへと続く場面。 こうなっては、いてもたってもいられない。 すぐさまラジオのチャンネルを合わせると、このイニング同点に追いつき、延長戦にもつれ込んだ様子が伝わってきた。 ベッドで横になり、ゆっくりと中継に耳を傾ける予定だったが、勝ち越しを待たずして抑えの上原が登板。 ますます落ち着かず、ネットで配球を確認する。 試合途中、もう一つの接戦、阪神―中日20回戦に動きがあったことを知らされる。 しまった。 すっかり忘れていたが、地元ローカル局では、阪神の試合を終了まで放送する。 あわててテレビをつけると、中日が阪神の勝ちパターンを崩すことに成功している。 結局、どちらの試合展開も気になり、ノイズまじりのラジオを聴きながら、テレビとパソコンの画面を交互に眺めることになった。 ラジオからは、打球が前に飛ぶだけで観声が聴こえてくる。 歓声が大歓声に、あるいは落胆のため息へと変わる時、ようやく実況に結果を知らされる。 映像では瞬時に確認できるものが、音声のみではそうもいかない。 『人は、目に映る恐怖に慣れることはできても、見えない恐怖に慣れることはできない』 この日、私は逃げた。 観客の歓声と実況の声。 そこに、恐怖にも似た感情を覚えたからだ。 故にパソコンを起動させ、テレビをつけた。 見えないことからくる高揚感は、いつの間にやら恐怖へと変わる。 このスリル。 今後、できることなら避けたいものである。
posted by AKIRA |17:50 |
観戦記 |
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