2007年11月30日

リヨン対バルセロナ ~個人技とそれをもたないもの~

 どうも調子の上がらないリヨン、チアゴでも買い戻せばいいのに。ベンアルファとベンゼマに期待か。そういえば、リールの主力がリヨンに加入したような。この試合は絶対に負けられない試合らしい。

 リヨンのスタメンは、ベルクートル、グロッソ、アンデルソン、スキラッチ、レベイェール、ジュニーニョ、トゥララン、ファビオサントス、ベンアルファ、フレッジ、ゴブ。リールコンビでてねええじゃん。ベンゼマは怪我をしたらしい。

 バルセロナは勝てばOK。さっさと勝って、いらぬプレッシャーから開放されたいところである。経験を欲しがっている選手もたくさんいるし、そのころにはリハビリの場を欲している選手もいることだろう。

 バルセロナのスタメンは、バルデス、アビダル、ミリ-ト、プジョル、ザンブロッタ、ヤヤ、グジョンセン、シャビ、イニエスタ、ボージャン、メッシ。ボージャンをスタメンで使うとは、ライカールトもやるじゃないか。そしてアンリ抜きのバルサ。これも楽しみである。

 ■17歳と3ヶ月

 自分の知っている限りではポゼッションサッカーを思考している両チーム同士の戦い。どちらかというと、リヨンのほうが組織的か。単純にバルサの個人技が抜けているだけかもしれないが。

 序盤からリヨンは前線からプレスをかける。最近のバルサはCBが自由になることが多かった。その代わりに中盤はきつきつ。リヨンはバルサのDFライン全体に自由を与えるのが嫌だったのだろう。なぜ嫌だったかはよくわからない。ザンブロッタがボールを持つと、フレッジが中央のパスコースを切った場面から、とにかくボールを奪う意思が垣間見られる。

 今日のバルサのスタメンを見る限り、DFラインからボールをだすリーダーはミリート。ミスパスも多いが、徐々に調子も上がってきている。そのミリートにボールが渡らないようにすべきだが、そういった意図は見えなかった。案の定、ミリートがすぐにフリーになり、結果としてパスはミスになったが妙な試合開始直後の現象だった。高い位置でボールを奪いたければ、もっと前から行かないといけない。

 そんなミリートのパスミスから、リヨンがゆっくりと攻撃を組み立てる。さすがポゼッション主体のチーム。でもマルダの不在は大きいのだろう。だから今シーズンは不調なのかな。

 ゆったりとボールを繋ぐリヨンに対して、アンリもロナウジーニョいないバルサはさすがに守備の戻りが早い。どうせボール奪いに行っても交わされるならさっさと戻る。良い開き直りである。余裕のリヨンに背後からボージャンが迫ってくる。バルサの攻撃の始まり。

 不意のボージャンのプレスによって、リヨンはパスミス。密集地帯にパスをし、自らボールを失う。するとボールはすぐにメッシへ。プレスをかけたボージャンは右サイドを疾走。このボージャンの動きにリヨンはつられて、メッシに飛び込めず。ボールはボージャンへ。そのボージャンは右サイドから逆サイドのイニエスタへインサイドでピンポイント。そしてゴール。まだ開始3分。

 その後バルサに押し込まれるリヨン。ボールをどこで奪うか、プレスをどこから行くかという意思が明確でない。でも、守備にかける人数は正解。ひとまず耐えて、勝負のときを待っているようである。

 前半7分にゴブがヤヤに吹っ飛ばされてリヨンはFKを得る。めちゃくちゃ遠い。キッカーはもちろんジュニーニョ。ジュニーニョはクロス気味にボールをあげる。なぜかフレッジがゴール前でフリーになり、クロスをスルー。ボールはそのままゴールに吸い込まれた。枠に入れるクロスを実現できるジュニーニョはさすが。マーカーのミリートはどうやらオフサイドを狙ったようであった。確かにオフサイドぽかったが、旗は上がらず。早くも同点。

 前半10分からリヨンの守備が明確になる。前線からボールを奪いに行くことをやめ、全体的に引いて中盤のスペースを潰す形。どうやらオールコートプレスは最初だけのようである。しかし、この形でバルサとやりあうにはシャビらに前を向かせない執拗な守備が要求される。しかし、リヨンは結構甘めであった。やさしい。何で前を向かせたら駄目かというと、ボールを前に展開した結果が、相手陣地でのスローインでもOKなわけで。だからボールを前に運ばせたら駄目ってことです。パスを出させるならプジョルにやらせよう。

 と思いきや、前線でボールを失った時の、リヨンの攻守の切り替えは早い。ボールを失った瞬間にボールを奪いに行く。前半14分にはボールを失い→奪い返し決定機を作る。

 バルサは中盤の底で前を向けるものの、前線の選手の攻撃意識が高すぎて距離が遠い。もう少し細かくワンツーを入れて運びたいところだが。左サイドのイニエスタが中盤に降りてくるとボールが回るようになる。前半15分のグジョンセン→ヤヤミドルのきっかけはイニエスタ。

 前半26分ぐらいになると、どうもバルサが手詰まりになっていく。リヨンの守備がいいというよりは、バルサの攻撃に工夫がない。イニエスタは中盤を助けに来ないし、グジョンセンは頑張っているものの中盤でシャビを助けるには経験が足らない。ザンブロッタがフリーでボールを受けてもメッシとうまく絡めない。イニエスタはアビダルを使わない。こんな状態ではボージャンまでボールがこない。

 こんなときはロナウジーニョが真ん中にいると、馬鹿みたいにボールをもらいに中盤に降りてくるので、意外に機能する気がする。アンリは問題外。バルサの攻撃が機能不全を起こしているので、リヨンがボールを奪う場面も増え、攻撃の回数も増えていく。前半27分にはグジョンセンが埋めるスペースの位置を間違ったせいで、リヨンは大チャンスを迎える。その直後にはジュニーニョがゴール前でFKのチャンスを得たりとリヨンも攻勢に出る。

 そして試合はこう着状態。お互いラフプレーも増え、イエローが連発するなか、なぜかライカールトが退席処分。アンリを外して、ロナウジーニョを外してこれだとイラつく気持ちも少しは分かる。

 ■交代の狙いと何が悪いのか

 後半になると、リヨンが左サイドを起点にして攻勢に出る。荒っぽいプレーもかなり減った。ハーフタイムを挟んだことで、冷静さとやるべきことを統一してきたのだろう。逆にバルサはちぐはぐなままだった。前半の30分からずっと、リヨンペースで試合が進む。

 しかし、リヨンには困ったときのセットプレーしか相手の壁を打ち破る方法がない。昨年、リーグアンで神のようなプレを連発したマルダはもういない。その代わりのベンアルファはまだまだその能力には至らない。ゴブも同胞のアビダル相手に個人技計算できるレベルではない。組織で崩そうにも抜群のインテリジェンスを見せていたチアゴもいない。何とかバルサでも守りきれそうな気配である。

 バルサはボージャンがひとり動き回っていた。いいときのバルサはポジションが流動的にかわる。両サイドに流れたり、中盤に降りたり。なかなか結果が出なかったのは周りがちっとも呼応してくれなかったから。特にイニエスタ。ボージャンが左に流れてきたら中央に行こうぜ。

 そんなボージャンの頑張りが得点に繋がる。後半13分に右サイドに流れ、相手を引き寄せてメッシへラストパス。メッシはドリブルで突っかけPKを得る。これをメッシが遠藤のようなPKを見せて2-1。個人技で打開しちゃったバルサ。なぜか得直後にメッシにイエロー。

 後半14分、失点直後にリヨンはフレッジ→ケイタ。でた。でも、センターフォワードいなくなるじゃん。どうするのだろう。ケイタは右サイドから突破を狙うはず。ケイタ対アビダル。

 後半15分にすばやい攻守の切り替えからボールを奪うと、プジョルがきついファウル。イエローですんでよかったね。その後もシュートは許さないものの、ボールは支配されるバルサ。

 後半20分にはイニエスタ→グジョンセン、メッシの中央からの突破と、徐々にボージャンの意図にチームが対応してくる。リヨンは更なる攻勢に出るために、ファビオサントス→シェルストレーム。

 後半25分にとうとうグジョンセン→ロナウジーニョ登場。今日のグジョンセンはやはりまだまだ。中盤の仕事がそもそもできていないし、守備のポジショニングもちょっと高い。頑張りは認めるが、それがチームにとって有益に繋がっているか非常に微妙。もう少し耐える必要がある。ただ、ボージャンをCFで使うならば、今後が化ける可能性もあり。バルサは守備固めでもなく、ちょっとわかりにくい交代のメッセージだな。

 ロナウジーニョを入れたものの、特に攻撃に変化はなく。イニエスタは中盤に入っても、昨年の活躍は期待できず。つまり、状況は変わらない。どちらかというと、前線でボールを持っている選手にプレスを行く人数が足りていないように見えた。中盤のシャビかイニエスタがゾーンを越えてプレスに行っていた。中盤がそんなに前に出たら、いるべき場所にスペースができてしまうよ。メッシやボージャンがお疲れ気味なので、ここをかえたほうが良かったかもしれない。

 その緩慢になった前線の守備で、中盤が不必要なくらい前がかりになったバルセロナは、後半33分に中盤とDFラインの空いたスペースをトゥラランに使われる。ボールは右サイドへ。右サイドでいるのはケイタ。レベイエールはケイタを追い越すことなく中央へ。

 ケイタ対アビダル、、かと思いきや、ロナウジーニョ対ケイタ。もちろんケイタが勝つが、カバーにアビダルが入っているので、ケイタはクロスをあげるだけで精一杯。そのクロスをクリアするが、クリアが中途半端な上、誰もボールに行かず。これをゴール前でつながれ、今度こそアビダル対ケイタ。アビダルはケイタを倒してPK。それをジュニーニョが決めて同点。まさかこの失点をロナウジーニョのせいにする人はいないだろう。多分。残りは10分。

 リヨンはベンアルファ→レミーで攻撃的な采配、バルサはザンブロッタ→メルケスと謎の采配。ザンブロッタを休ませるためか、守備固めか。守備固めならそこじゃないって。別に右サイドは攻略されていないし。

 試合はそのまま終了。ロスタイムにバルサが簡単なパスミスから危ない場面があった。ちょっと簡単なパスミスが多い。

 ■独り言

 ロナウジーニョはサイドチェンジにキープ力にと、それなりに仕事はしていた。うん、問題はやっぱり采配だろうな。あとイニエスタ。生みの苦しみだろうが、イメチャンのタイミングが悪い。もうすぐデコが戻ってくると思うけれど、いきなりグジョンセンを外したら、また中盤で余裕がなくなる。グジョンセンを計算できる中盤の選手にするためにも、もう少し我慢して欲しい。余裕があるって大切。昨年のロナウジーニョ×ジオみたいな場面はしばらく見れそうにないぞ。

 リヨンはマルダの穴が埋めきれていない印象。国内でどうか知らないが、中盤も人が足らないようで。。ボドメルは計算できないのかな。

posted by josepgualdiola |09:19 | チャンピオンズリーグ/07~08 | コメント(11) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月28日

ムルシア対レアルマドリッド

 開幕戦ですばらしいサッカーを披露したものの、いまいち台風の目と呼ぶにはふさわしくないムルシア。上位相手にはいい試合をするものの、やはり同じくらいの相手には厳しいのだろうか。ひとまずバイアーノを使おう。

 ムルシアのスタメンは、ノタリオ、ペーニャ、オチョア、アルソ、デコス、アベル、モビージャ、リチ、デルカス、バイアーノ、イニコ。レゲイロとパブロガルシアがいない。代表で疲れたか。そしてメヒーアの復讐が見たかったのに。

 レアルマドリッド。一時期ガゴを中心に内容がよくなったものの、今は調子を落としている模様。システム上の欠陥をどのようにして解決するかにかかっている。ドログバとってどうすんの。。。。

 レアルのスタメンは、カシージャス、マルセロ、ペペ、カンナバーロ、セルヒオラモス、ガゴ、ディアラ、ロビーニョ、グティ、ニステル、ラウール。ペぺに注目。

 ■今年のグティは一味違う

 昨年までのグティは守備をしなかったが、今年のグティは守備をする場面が多い。攻守の切り替えの速さ、前線からの追っかけ。今までに比べると、雲泥の差がある。そして攻撃面でも当事者意識が高いのだろう。運動量を増やし、ボールを触る回数が非常に多い。もともと責任感の強いガゴと覚醒気味のグティが同時にピッチにたてば面白いものが見れそうだ。今日のグティは大丈夫。後はキレ癖を直すくらいである。

 ムルシアは試合の入り方を完全に失敗。バレンシアが引きこもって自爆したように、レアル相手に引きこもるのは得策とはいえない。前線からグティやガゴを徹底的に狙うのが最良。しかし、バイアーノとイニコのFWコンビが守備をなぜかしてくれない。実質4-4で守ることになる。

 レアルの攻撃は非常に流動的。特にロビーニョとグティはしょっちゅうポジションを代えて、両SBはその空いたスペースを埋める働きをしている。特にこの両SBの飛び出しが今日は抜群だった。とうとうマルセロが攻撃面でいい働きをしてくれた。後は突破である。つまり、ムルシアからすると、4-4で守るにはラインを下げるしかない。引きこもるしかない。前からプレスに行っても交わされるのがオチである。

 そんなわけで、序盤から徐々にレアルに侵食されるムルシア。チャンスを作ることなく、前半9分に先制点を入れられてしまう。また流れるような凄いゴールだった。是非どっかでみてください。早くもレアルが先制。

 ■守備の欠陥

 先制点を許したことで、ムルシアの選手達の攻撃意識が少し高まる。それまでは、まったく攻撃の気配すら感じ得なかったが、フィニッシュの場面が何度か見ることができた。自分達でボールを組み立てる形でなく、ボールを奪って速攻という形である。

 レアルの守備はどうも中盤が薄い。その原因は多々ある。例えばロビーニョ。ポジション的には左SHだが、実質守備は免除されているように見える。ボールが目の前にあるときの守備意識は高いが、ボールが自分のゾーンを越えると、他の選手を助けようというプレーがたまにしか見られない。もう少しマルセロを助けてやればいいのに。左サイドは誰がカバーするのだろうか。

 次に攻撃の形。グティとロビーニョはポジションを限定せずに動き回る。そして、そのポジショニングが高い。そのため、カウンターをくらったときの守備の枚数がどうしても足らない。しかも、この2人は攻守の切り替えを早くして、相手の攻撃の芽を潰す役割を担っているので、あまり下がってこないし、全速力で下がってこない。

 前半17分にグティが見事にボールを奪われて、最終的に枚数が足らず、ミドルを打たれた場面がまさにそれ。ディアラ、ガゴがサイドにヘルプにいったり、最終ラインに助けに行くと、中盤が空いてしまう。そこからミドルはよくあるパターン。

 つまり、前線で潰せないと結構辛い。ムルシア戦では前から前からプレスに行って潰せる場面が多かったが、相手が強くなると結構怖い。

 最後に守備の役割分担。基本的には4-4-2でスペースを分け合っていると思うのだが、前半14分に中央からDFラインにボールを受けに行ったモビージャに、グティがついていく場面があった。グティは右サイドの守備を担当しているのではないのか。この場面の右サイドはからっぽだった。どこまでもついていくグティ。

 このように何となく守っている状態がレアルには多い。機能しているようで、まったく機能していない。それを解決するための攻守の切り替えを早くして、前線からのプレスだろうが、全体的にラインが低いので機能するには時期尚早。時々4-2-4になっているのには笑った。

 こうしたチーム状態で、しかも代表の試合明け。レアルは徐々に試合を作れなくなっていく。またセルヒオラモス、ディアラにパスミスが多く、攻撃!!!!!と思ったら守備、、、という嫌な攻守の切り替えが多く、ムルシアからすると幸運。レアル陣内で試合を展開し、レアルの両SBも攻撃を忘れてしまったようだった。

 つまり、きっかけは安易なパスミス、組織上の欠陥、過密日程などの要素によって、レアルは試合の流れを持っていかれてしまった。前半25分までの攻撃の内容、前線からの守備はお見事だったけれどね。前半は1-0で折り返す。

 ■とうとう赤

 後半が始まると、CKからムルシアが追いつく。カンナバーロがピッチ外で治療している間の出来事だった。中断明けの良くある気をつけなければならないセットプレー。いきなりの同点ゴールで、ムルシアはさらに調子に乗る。

 レアルは全体的な運動量が復活せず、さらにロビーニョが完全に死んでいた。南米帰りだから疲れていたのかもしれない。そんなロビーニョをいつまでも引っ張るシュスター。ベンチに問題でもあるのだろうか。

 マルセロとセルヒオラモスは少ないチャンスを何とかしようと躍起になっていたが、周りのフォローが得られずに特攻。個人の力で打開するなんてホアキンくらいしかできない。

 レアルは単発な攻撃が多い。ガゴの中央突破からニステル。インターセプトしたグティからニステル。両方オフサイドだが、紙一重。

 後半29分にバイアーノ→ゴイトム。ムルシアはパワープレーか。レアルはラウール→イグアイン、ロビーニョ→ロッベン。こっちはサイド攻撃か。後半35分にイニゴ→イバンアロンソ。ムルシアの英雄の登場にスタンドは沸いた。

 後半38分にグティが一発退場。今季もたびたび危険なプレーをしていたが、とうとう赤紙をもらってしまった。シャビアロンソみたいに干されなければいいね。試合はそのまま終了。

 ■独り言

 審判がまったく試合をコントロールできていない試合だった。それを差し引いてもムルシアDF陣は最強のできだった。特に両SBはSB対決を制したように見える。

 レアルは後半足が止まったわけだけれど、それが代表の試合のせいか、システムのせいか、答えが出ない。今後注目点である。

posted by josepgualdiola |09:20 | レアルマドリッド/07~08 | コメント(9) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月27日

ラシン対バレンシア ~ホルヘロペスの逆襲~

 ようやくラシンの出番である。第2節の対サラゴサ戦以来の放送。その試合でも台風の目になりそうな予感が伝わってきた。特にコルサには注目である。監督は昨年レクレを率いたマルセリーノ。ガライを中心とした堅い守備が持ち味である。

 ラシンのスタメンは、トニョ、ルイスフェルナンデス、ガライ、オリオル、ピニジョス、オスカルセラーノ、ドゥシェル、コルサ、ホルヘロペス、ムニティス、チテ。ホルヘロペスもようやく居場所を見つけたか。

 クーマンが監督になり、選手達は遅刻恐怖症になっている模様。それがチームにいい影響が出ればいい。前節で戦うバレンシアに戻っていた。それが偶然でないことを引き続き証明したい。

 バレンシアのスタメンは、カニサレス、カネイラ、エルゲラ、アルビオル、ミゲル、ビセンテ、マヌエル、アルベルダ、アングロ、シルバ、ビジャ。ビセンテとシルバの併用にチャレンジ。そしてホアキン。。。。

 ■4-4-2対4-4-2

 ラシンはホームである。しかし、このチームの戦い方は奪ってから、FWやSHに当てる形。よって、バレンシアがボールを持つ形となる。レクレと同じで、DFラインまでプレスに行くことはあまりない。たまにびびらせるために行くくらいである。

 バレンシアはDFラインからボールを展開する。しかし、全然ボールが前に行かない。ラシンが集中力を切らさず守っているので、どこも穴が開かないのである。これは困った。しかし、ビセンテがいる。ビセンテと周りの連携で崩せそうな気配もあるが、ラシンが何枚も上手。

 よって、バレンシアはDFラインからのロングパスが増える。しかし、前線の選手のボールの受け方、ボールの精度、相手の集中力などの要因によって、ことごとくインターセプトされてしまう。

 しかし、守備は任せろバレンシア。攻守の切り替えが早くラシンに攻撃を許さない。こちらもフリーな選手を作らせなく、お互い高い組織力でぶつかり合う。

 先にチャンスをつかんだのはラシン。前半8分にはチテがコルサとコンビで裏へ抜け出し、カニサレスと一騎打ち。バレンシアで300試合目を迎えたカニサレスが見事なセーブでチームを救う。

 その後もペースはラシン。ムニティス、チテのポストプレーに絡んでくるコルサとホルヘロペス。3人目の選手も飛び出してきているので、なかなか攻撃が機能している。

 それに比べてバレンシアはシルバ、ビジャまで届かないし、試合を組み立てる選手がいない。ボールを何となくまわす、左SBのカネイラが左SHのビセンテにボールを渡す。工夫なし。これで突破しろといっても無理。それでもビセンテ×シルバでいい形を作ってしまうからやりきれない。

 その後はそのまま前半終了。どちらかというとラシンが有利。バレンシアは攻撃は左サイドに完全に偏ってしまっていて、右サイドが死んでいる。アングロがどうこうではなく、ボールがこない。せめておとりにでも使わないと、ラシンは何とか耐え切ってしまいそうである。

 ■エドゥ

 孤立していても関係ないホアキンはいつ出てくるのだろうか。ラシンは後半になると、少し攻撃のギアを入れてくる。プレスの位置も高くなり攻撃の枚数も増えていく。バレンシアは代表組みのシルバ、ビジャが試合に対して何の影響力も示せず、ビセンテもどんどん疲れていった。

 後半10分にビセンテ→エドゥ。久々のエドゥ。この交代は非常に面白かった。バレンシアの攻撃は左サイドに偏っていて、ビジャとシルバは消えていて
タメは誰も作れず。中盤もアルベルダ、マヌエルが試合を作れず。

 まずはシルバを復帰させるために、本来の左サイドへ。FW気味に使われたシルバは中盤に降りることなくちょっと消化不良。中盤をエドゥ、マヌエル、アルベルダを並べることで数的優位を実現させる。特にエドゥは他の選手に比べるとゲームを作れるので、左サイドに偏った攻撃も解消。あとはモリエンテス待ち。

  また、ラシンの守備が機能していた原因として、バレンシアのシステムとかみ合ったというものがある。双方とも4-4-2。このシステム変更はモウリーニョの得意技だったような。どうするラシン。

 中盤に枚数が増えたことで、ラシンのボールホルダーに対する寄せは少し遅くなった。また、バレンシアにはフリーの選手が生まれるようになる。また、ピッチを幅広く使えるようになり、ボールをラシン陣内まで容易に運べるようになったことで、カウンターをくらう回数も減っていく。いいことだらけ。システム変更の勝ち。そして久々のエドゥ。かなりいい。ボールをもらう動きも、持ってからも。これはスタメンいけるかも。ただし、バレンシアはシュートまではいけない。

 後半19分にラシンもオスカルセラーノ→スモラレクで攻撃に出る。ムニティスを左SHにして打ち合いを望む。そしてスモラレクが早速仕事をしてシュートチャンスを演出。

 後半23分にはマヌエル→ホアキンでバレンシアも攻勢に出る。あれ、システム戻しちゃうのか。このシステム変更で、ボールがもてなくなる。当たり前だ。前半のリピート。バレンシアはクリアが相手へのスルーパスになるなど混乱。その混乱状態の中で、シュート意欲の高いホルヘロペスにミドルを決められてラシンが先制。リベンジを果たしたホルヘロペス。

 システムがかみ合うようになると、人につく意識が異様に高いラシンの独壇場。でも、ホアキンがいる。マイペースのホアキンを中心にバレンシアは攻撃を仕掛ける。今度は右サイドか。なぜかホアキン絶好調。
 
 後半30分にアングロ→モリエンテス。どう考えても、ビジャ→モリエンテスだと思うのだが。ホアキン加入でクロスが増えている。

 後半31分にチテ→アヨセ。ラシンは早くも守備固め。ムニティスをトップに戻してカウンター狙いか。それにしてもチテはいい選手だった。

 ここからはバレンシアタイム。両SBも攻撃的に振舞うが、どうも連携不足。攻めることに慣れていないような。それでもカネイラがシルバとのコンビとドリブルで左サイドを突破し、決定機を作る。

 やばいラシンは後半39分にムニティスを下げてジョルディロペス。完全な守備固め。そして試合はそのまま終了。最後の最後でモリエンテスの頭にクロスがいったがときすでに遅し。その前にホアキンに対して複数で対応することをしたラシンが巧み。

 ■独り言

 あのまま中盤の枚数を増やしたままでやっていれば面白かったのに。そして代表の疲れか、ビジャとシルバがまったく。特にビジャは存在していなかった。あそこまで動けないならいっそのこと召集外でも良かったような。逆にホアキンはスタメンでも良かったような動き。最後に、バレンシアはどのようなサッカーを目指すのだろうか。ちょっとわからない。

 ラシンは要所に実力者がいる。新戦力のコンゴ人のチテも相当良い。アフリカ人にありがちなスピードスターかとおもいきや、ポストプレーがうまく周りを使うのもうまい。さすが、昨年のベルギーリーグのMVP。そしてドゥシェル×コルサのピボーテコンビの能力も高いし、ムニティスは本当に元気。今後も楽しみである。

 

posted by josepgualdiola |09:49 | リーガエスパニョーラ/07~08 | コメント(4) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月26日

バルセロナ対レクレアティーボ ~ボージャンとサビオラ~

 代表weekの間に、エジミウソンの発言などがあり、どうも落ち着かないバルセロナ。しかし、この試合はカンプノウで相手は不調のレクレ。問題は多分ないだろう。

 レクレは徐々に調子が上がってきているらしい。ビジャレアルから移籍してきたマルコスは元気だろうか。そして、ようやく居場所を見つけたシナマボンゴユのためにも、チーム全体で頑張って欲しい。

 バルサのスタメンは、バルデス、アビダル、ミリート、プジョル、ザンブロッタ、ヤヤ、シャビ、グジョンセン、イニエスタ、アンリ、メッシ。ロナウジーニョは召集外。そしてグジョンセンの中盤起用。昨年から慣らしておけば、便利だったのにね。

 レクレのスタメンはソレンティーノ、ボリ、カセレス、ボウソン、カルボ、ヘススバスケス、マルコス、アイトール、カムニャス、マルティンス、シナマボンゴユ。

 ■何を修正してくるのか

 いくら代表の選手が多いからといっても、まさか何も変更しないということはないだろう。この長い休みの間でバルサはちょっと戦い方を代えてきた。今年のバルサはSBの飛び出しを禁止しているように見えた。ロナウジーニョ×ジオのような関係はほとんど見られず。

 しかし、この試合からアビダルの飛び出しが解禁。試合開始から積極的に飛び出していた。今までのアビダルから考えると大きな変化である。また、ザンブロッタも積極果敢に高い位置を取っていた。マンマークされているメッシを何とか自由にしたかったのだろう。2対1と一騎打ちではかなり違う。ただザンブロッタが高い位置をとっても、あまりメッシには影響がなかった。

 相手をマークすること。一番いいのは相手にボールを触らせないこと。だからインターセプトをすること。でも、もっといいのは相手の存在を試合から消すこと。マルクスとボリが絶妙な受け渡しでメッシを試合から消していた。バルサの選手は、メッシにパスをすることさえできていなかった。前半30分くらいからメッシは運動量を増やし果敢にボールを受けることで自力でリズムを作っていったけれど。

 レクレの戦い方は単純明快。シナマボンゴユを前線に残し、残りの選手は引きすぎずに、中盤のスペースを消す。シナマボンゴユも相手をサンドイッチしようと何度か試みていた。献身的ないい選手。なるべく高い位置でボールを奪いたいが、前半は失点しないことを第一に考えているようだった。スペースを消すにしても少しラインが低い。4-1-4-1。

 レクレのプレスを始めるラインがちょっと低いので、ヤヤが何度か簡単に前を向いている場面があった。しかし、周りのサポートが的確でないので、レクレにとって致命傷にはならなかったけれど。ザンブロッタは早く上がりすぎ、アビダルは遅すぎ、グジョンセンは上がりすぎ、アンリは下がってこない。イニエスタもこない、メッシはマークされている、シャビしかいない。そりゃ球離れ遅くなるさ。

 バルサはお世辞にもうまくボールをまわせているわけではなかった。ボールを高い位置で展開できていなかった。序盤はイニエスタがいつものように強引に仕掛けるくらいだった。前半30分過ぎからはそこにメッシが加わった。ちょっと個人技に頼りすぎている。そして、その個人技を生かす術もない。

 心配だったのはイニエスタ。頻繁にポジションを代えたり、周りとの連携に個人技にと、昨年は最高峰の印象だったが、今日は、、、というより全体的に今年はちょっと独りよがり。昨年のイニエスタはもっと中盤を助けたり、左サイドにこだわったりしなかったように思える。心境の変化か、今日は戦術に縛られたか。そのため両SBをあげたものの、リスクにあった効果は見られなかった。

 また、アンリが左サイドに流れ、グジョンセンが中央に流れ、イニエスタが中盤に下がる形が自然に出てくると思ったが、最後まで出てこなかった。このあたりも不思議でならない。グジョンセンは前半10分までは合格。その後はFWのような動きをしていた。ただし、グジョンセンが相方になったことで、シャビが妙に元気だった。

 結局バルサはボールをうまく展開できず、にミリートのロングパスに頼ることになる。シナマボンゴユがミリートのマークにつかなくてよかったね。ミリートもシャビに精度の高いパスを通したり、クサビのボールを通したり活躍していたが、ちょっとミスも多かった。

 しかし、開幕時に比べるとミスが減ってきたので、これからも期待できそうである。ちなみに、バルサのCBはドフリーだった。もう少しドリブルで攻撃参加してもいいかもね。デサイーみたいに。前半は0-0。両チームとも決定機は特になし。

 ■ボージャンの登場

 後半になると、勝負に出るレクレ。カンプノウで勝つ気満々。プレスをする位置も、攻撃にかける枚数もどんどん積極的になってくる。こうなると、どっちがさきに折れるかの勝負になっていく。前半8分にヤヤの見事なキープからシャビ→メッシと突破でバルサがチャンスを作る。

 後半9分にプジョル→マルケス。この試合でのプジョルはミスパスも多く何かおかしかった。しかも、後半からのレクレはがんがんプレスにきたので、この交代はベスト。怪我とかでなく、試合の流れからの采配だったら凄いぞライカールト。

 後半14分にグジョンセン→ボージャン。ようやくイニエスタを中盤で使うよう。この時間帯ではすでに秩序は崩壊気味。試合はヒートアップ。仕掛けたのはレクレが動いたからだけど。ライカールトも便乗。

 ボージャンはアンリやグジョンセンと違い、中盤に降りてボールを受けてポストプレーをしていた。アンリやグジョンセンはなかなか中盤に降りてこない。サビオラがうまかったプレーである。アンリよりボージャンのほうがバルサに合うかもって下部組織出身だから当たり前か。

 後半18分にそんなボージャンのプレーから、コーナキックをバルサが得る。この試合、12本目のコーナーキックでとうとうバルサが先制。ミリートがバルサで初ゴール。そして同時にザンブロッタ→オレゲール。もう交代枠使い切ったのか。これは怪我だな。

 後半21分にはシャビ→アンリ→ボージャンであっさり2点目。アンリとボージャンは仲が良いそうで、それがプレーに出た場面だった。レクレからすると、あまりに簡単にシャビをフリーにしてしまった。シャビのボールのないところの動きが別段良かったわけではない。レクレは先制されて心が折れたのかも。
 
 後半24分にはさっきのお返しとばかりにボージャン→アンリ。見事なスルーパスだったが微妙な判定でオフサイド。ボージャンにバシッとパスを通したヤヤも見事。

 その後のレクレは意思統一ができず。全体的にファウルも増え、審判も困惑気味。よくわからない雰囲気になっていく。ちょっとした小競り合いも起きた。後半35分にはメッシがPKを奪い自分で決めて3-0。これもちょっと微妙な判定だった。そのまま試合終了。

 ■独り言

 マルケスが入って地味に落ち着いた。それくらいプジョルがバタバタしていた。イニエスタが中盤に入ったことで、少しは良くなったが、レクレが攻撃的にいってスペースができたのがすべてかな。あのまま0-0で試合を終わらせようと思えば、どうなっただろうか。

 それにしてもボージャンの中央は良かった。高い位置でボールがおさまるし、ボールをもらう動きやタイミングが、バルサのサッカーにあっている。今まではそんな印象なかったけれど。サビオラを彷彿とさせる。あとセットプレーを蹴る選手ぐらい決めようぜ。次節はアウェーでエスパニョール。エトーやデコはいつ帰ってくるのだろうか。

posted by josepgualdiola |09:59 | バルセロナ/07~08 | コメント(7) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月18日

スペイン対スウェーデン

 予選敗退が現実的になっていたはずだが、いつのまにやらほぼ予選突破確定のスペイン。非常に複雑な突破条件になっていて、説明する気にもならない。ようするに、勝てば決定。引き分ければ決定的。そんな感じ。

 ちなみにスウェ-デンもほぼ確定的。こちらは引き分ければ決定。ひさしぶりにイブラヒモビッチを見る。キャプテンはリュングベリ。セスクとは抱き合って握手していた。

 スペインのスタメンは、カシージャス、カプテビラ、マルチェナ、プジョル、セルヒオラモス、アルベルダ、シャビ、セスク、シルバ、イニエスタ、ビジャ。このメンバーだとバルサスタイルっぽい。セナがさりげなく代表に復帰。

 スウェーデンのスタメンは、イサクション、エドマン、ハンソン、メルベリ、ニルソン、リュングベリ、スベンソン、アンデション、ヴィムヘルムション、ローセンベリ、イブラヒモビッチ。

 ■空気を読むということ

 本来はそこにホアキンがいるはずだった。しかし、そこにはイニエスタがいた。守備を意識したのか、ポゼッションを意識したのか。そこにはイニエスタがいた。

 4-3-3ではなく4-1-4-1で試合を進めるスペイン。ホームということもあり、序盤はボールを支配していた。いや、支配させられていた。表面上、うまくボールが回っているので、選手も気持ち悪くなかっただろう。このままボールを保持していれば、いつかどこかで突破できるはず。だからボールをまわそう。みんな空気を読んでいた。悪い意味で。

 スウェーデンはオーソドックスな4-4-2。DFライン、中盤のラインを下げないように気を使っているように見えた。できるだけ中盤をコンパクトにする。そして、ゴール前まで進入させないようにする。モラル良し、組織良し、フィジカル良し。の守備の前にスペインはなかなかフィニッシュまで持っていけない。

 そして一番興味深かったのはイブラヒモビッチとローゼンベリ。2人ともいやらしくスペースを埋めていた。ボールに寄せることは非常にまれなので、守備をしていないに見えるが、抜群のスペースを埋める働きをしていた。マケレレばりの能力である。

 2人の位置は少し低かった。センターサークルよりも自陣より。ふつうの4-4-2ではここまで下がることはあまりない。下がる場合は熱心に相手を追い掛け回す場合が多い。でも、2人はいざというときしか中盤を助けることはなかった。もう少しイザって思ってくれたら、スペインの中盤を破壊できたかもしれない。それにスウェーデンももっと乱暴だったらな。いまいち必死さがない。

 スペインがボールを保持する→サイドが詰まる→逆サイドに展開。良くあるパターンである。しかし、ロナウジーニョもベッカムもロベカルもスペインにはいない。ちなみに、シャビアロンソは干され気味。つまり、長いサイドチェンジを好き好んでする選手がいないのである。そういう場合、シルバ→アルベルダ→セルヒオラモス、みたいな具合でボールが逆サイドに展開される。
 
 しかし、アルベルダの周りにはイブラヒモビッチ、ローゼンベリがうろちょろしている。だからCB経由でサイドチェンジする。すると、サイドをチェンジする意味がなくなる。そのタイムロスがスウェーデンに守備を立て直す時間を与えてしまうからだ。

 そんなわけで困ったスペイン。空気を読まない選手大募集。アルベルダの横に行って仕事を横取りする選手や、引き分けでいいのにがんがん攻めあがるSB、ボールを持ったらとにかくフリーランニングする選手、自分のゾーンを捨ててビジャの孤立を助ける選手などなど。

 カプテビラがその候補に名乗りをあげたころに、スペインがコーナキックから先制。しかも決めたのはカプテビラ。何たる偶然。ただこれで空気を読まない選手問題は本大会に持ち越し決定、、かな。そして高さには定評のあるスウェーデン。まさかセットプレーでやられるとは思わなかっただろうな。

 ■先制点後

 イニエスタようやく始動。先制点前からも少しは兆候が見られたが、ようやくポジションをサイドに限定することなく動き始めた。イニエスタの持ち味はチームに必要なポジションを瞬時に判断できるところにある自分のゾーンが右サイドだとしても、躊躇なく左サイドへ行くことができる。

 なぜかこの試合でのスペインは左サイドからの攻撃が多かった。しょっぱなにリュングベリにボールを奪われてカウンターくらったことの後遺症だろうか。カプテビラも絶好調。そこへイニエスタも駆けつける。これが0-0の状態でできたら最高なんだけれど。

 なぜお前がそこに、、そんなわけで左サイドからイニエスタ、シャビ、カプテビラの見事な連携によってスペインが2点目。シルバはどこに行った。前半38分のこと。そして前半はそのまま終了。ただボール支配率が半々だったのには驚き。

 ■シェルストレームを投入したけれど

 流れが変わらないスウェーデン。変える気がないようにも見える。それぐらい消極的。例えば、前線の2人。やっぱりもう少し守備してもいいんじゃないかな。特にシャビがアルベルダ方面に流れてからは悪くなる一方。

 会場ではラウールコールが起きる。サンチャゴなんで仕方ない。アラダイスはその声援に答えるべくラウールタウードを投入。ついでにホアキンも投入。51分と早い交代だった。イニエスタとビジャはお休み。

 64分にはまたしてもCKからセルヒオラモス。3-0。後は特に見るべきものはなし。

 ■独り言

 スウェーデンはゾーンの意識が強すぎたか、プレッシャーが中途半端で最後まで機能しなかった。最初の攻めさせない守り方は興味深かったけれど、ボールを高い位置で奪うメカニズムはまったく駄目だった。うん、本大会ではもっと必死に戦ってくれることを願う。

 スペインはアルベルダがMVP。CBの前でうまく守っていた。でもビジャはワントップだと寂しそうなので、その調整が厳しい。シャビは大活躍。あれだけフリーだったら当たり前だろうが。リーガだったら前も向かせてもらえない。

 スペインは3-0だし、内容も悪くないんだけど、何か引っかかる。それが何か分からないんだけど。ひとまず、本大会出場おめでとう。

posted by josepgualdiola |20:57 | EURO2008の予選 | コメント(13) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月16日

おめでとう浦和レッズ

 浦和のサッカーを数字で語ってみようという趣旨です。慣れない事はするもんじゃないですね。自分のいいたいことを数字で証明できずに、悶々とする結果になりました。それはそれでおもしろいんですけど。データはJの公式ページを参考にしました。

 ■数字で語る

 浦和の試合を見ていると、後半は引きこもっている場合が多い。ボランチは最終ラインに吸収され、両ウイングバックもSB状態になっている。そのため、中盤にはスペースができ、相手にポゼッションされ放題。相手が4バックでSBをあげてくる場合は、サイドで数的不利に陥ることも日常的なことである。本来は非日常的なはずなんだけれども。このように、浦和にはイレギュラーな事態がレギュラーに起きている。

 たいていの場合、後半に引きこもることを選択すると、終了間際に失点することが多い。守りに入ったらダメよ、とはよく言ったもんだ。でも、浦和はなぜか守りきってしまう。っていうことは、後半の失点が少ないんだろうなと仮定を立ててみた。では、前半と後半の失点を調べてみよう。今シーズンのものを参考にしてます。

 浦和の前半の失点数は9点、後半の失点数は17点。後半の失点がかなり多いじゃないか。あわてて他のチームを調べてみる。

 条件は失点が30点台のチーム。大宮は前半14、後半24。柏は前半12、後半18。鹿島は前半18、後半18。マリノスは前半11、後半22。清水は前半12、後半19。ガンバは前半13、後半20。鹿島以外は後半のほうが多い。当たり前のことなんだろうけど。

 上記のものを参考にすると、決して、レッズの後半の失点数が多いわけではないことがわかる。でも、特筆するほど少ないわけでもない。そういえば、レッズは前半に限定すると、前線からの守備も機能している場合が多いし、何よりボールを保持している場合が多い。だから、失点が少ないのかもしれないし、そうでないのかもしれない。単純に疲労の問題かもしれないし。曖昧な文章。

 問題は失点の内容。例えば、前半に3点取りました。2点は取られてもセーフです。そんなわけで、後半に失点したことが原因で、勝ち点を失った試合をピックアップ。ようするにリードしていたけれど、引き分けになった試合、または逆転された試合。 

 2節の新潟戦、4節の大分戦、9節の千葉戦、19節の柏戦。この4試合が上記のケースに当たる。リードしていたけれど、引き分けに持ち込まれてしまった試合。つまり、後半の17点のうち、勝ち点を失ったケースの悪い失点は5点である。ちなみに新潟戦は河原、アトムの若手コンビにそれぞれ失点した試合である。だから5点。

 ちなみに、負けた2試合についても触れておく。両方とも、後半に先制され、追いつけなかった試合である。川崎戦に2失点、大宮戦の1失点。つまり、悪い失点は8。強引な考え方だが、こう考えると少ない。

 ただ、ここまで書いていて気づいたことがある。前半リードしていて、また先制した試合で引き分けに持ち込まれる、または逆転されることが何度も多いチームってそんなにあるのだろうか。

 例えば、前半終了時リードの場合の成績をみてみる。鹿島の成績は10勝1引き分け。やはり勝負強いのかな。ガンバは8勝1引き分け。攻撃的なイメージのあるガンバだが、対象の試合が意外と少ない。清水は10勝1引き分け1敗。浦和は10勝3引き分け。勝率にすると、上位4チームの中で浦和が一番悪い。あれあれあれ。ちなみに大分はやばい。対象の試合が7試合あって全勝。勝率にして10割。大分のサッカーの中に、日本の解決策があるのかも。

 前半後半の区別を取っ払って、先制した場合の状況をみてみる。浦和は17勝3引き分け。ガンバは14勝4引き分け1敗。清水は16勝2引き分け2敗。鹿島は13勝3引き分け1敗。上位以外で成績のいいチームは、千葉の11勝3敗。新潟の10勝1引き分け2敗。浦和の逆転されたことないっていうのはやはり凄い。

 先制した試合数は浦和が20、ガンバが19、清水が20、鹿島が18、千葉が14、新潟が13。こうしてみると、上位チームは取りこぼしが多いような。悪い失点が多いのだろうか。ただ、浦和以外のチームはハーフタイムをはさむと、その成績がいいことが分かる。

 ハーフタイムはチーム全体の意思統一を図る場である。いまリードしていて、この後どのようなサッカーを展開するか、ということをハーフタイムで統一することができる。今までどおりやるのか、少し引いてカウンターの備えるのか、ドン引きか。

 チームで同じ絵が描けるかどうか、この点において浦和は他のチームから抜きんでた存在になっているのだろう。前半の早い時間帯に先制しようが、後半15分に先制しようが浦和は多分、迷わない。これは新発見。

 浦和は守備的なイメージがある。守備がしっかりしているから先制するのか、それとも攻撃力が意外にあるのか。また、後半はひきこもるが、前半は前から攻めることが多い。そんなわけで、前半と後半の得点数を見てみる。

 浦和は前半27、後半28。ほぼ一緒やん。ガンバは前半22、後半45。清水は前半26、後半25。鹿島は前半23、後半32。川崎は前半26、後半33。神戸は前半22、後半34。

 基本的には後半のほうが多くなっている。でも、清水、浦和はあんまり変わらない。この2チームは先制点を取ることが多いチームだったので、後半はあまり無理して攻める必要がなかったのかもしれない。ガンバの後半の強さはすさまじいものがあるが、前半の得点の少なさやいかに。

 ここまで慣れない事をした結果、わかったことを整理。レッズは逆転されたことがなく、勝ち点の取りこぼしが非常に少ない。ハーフタイムをはさまなくても、チーム全体の意思統一ができてしまうことは、他のチームにない特別な能力である。攻撃するときは攻撃、守備するときは守備。これをチーム一丸となって遂行できるので、結果がついてくるのだろう。この能力が勝負強さに繋がるのだろうな。

 ■独り言

 最後に印象で語ってみる。浦和の守備は決して賢い形ではない。だから色々な厳しい意見もあるのだろう。双方の気持ちがよくわかる。ただ、あの浦和の守備を崩せないのは、やはり日本の問題なのだろうなと思う。

 いくらヘディングが強い選手がいるっていっても、ピンポイントのクロスを上げれば問題ない。中盤がすかすかならば、オリセー張りのミドルシュートを連発すればいい。人海戦術でくるならば、バルサのように即興性で壁を破壊すればいい。他のJのチームにそのような質がないから、浦和が勝ってしまうのだろう。

 そういったものの質を高めていけば、浦和の守備はいつか崩壊するのだろうなと。そのときには日本のサッカーのレベルが一段上がってことを意味するのかもしれない。よって、ミランと試合が実現できれば、本当に面白いと考えている。あの守備が世界に通用するか、それともあっさり崩壊するか。そのためにはワイタケレか、セパハンとの試合が待っている。どのみち楽しみである。

posted by josepgualdiola |10:19 | | コメント(29) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月14日

レディング対アーセナル ~守備もいい~

 未だ無敗。アンリがいなくなったことで、チーム全員に当事者意識でも出てきたのだろうか。特にファブレガスは完全にブレイク。昨年は終盤になるまで得点を取ろうという意識があまり見られなかったが、今年はその意識が異様に高い。レディングはどのようにアーセナル対策をするのか、そこに注目。

 レディングのスタメンは、ハーネマン、マーティ、ソンコ、インギマルソン、ショーリー、ハーパー、グンナルソン、ハント、コンペイ、キットソン、ケビンドイル。リタを見てみたかったぞ。でも、ケビンドイルがいるから我慢。

 アーセナルのスタメンは、アルムニア、サニャ、コロ、ギャラス。クリシー、エブエ、ファブレガス、フラミニ、ロシツキー、フレブ、アデベヨール。

 ユナイテッド戦は、見たけれどレポは書いていない。アーセナルについての感想を少しだけ。まずこのシステムは機能していなかった。アデバヨール、フレブは、共にサイドに流れる傾向がある。それでロシツキーは中央に来る。でも、エブエはポジションを代える傾向がない。そのせいか、前線の選手のポジションが固定化されてしまい、ロシツキーもサイドに張っている時間が長かった。つまり、どうも攻撃の流れが悪い。それがユナイテッド戦の感想。個人的には、エブエとサニャの共存をあきらめることと、アデバとベントナーでFWを組ませたほうが面白そうだなと。

 ■レディングの意地

 試合開始からレディングはホームの勢いそのままに奇襲。試合の入り方としては問題なし。守り方もDFラインが結構高い。恐らく4-1-4-1で守っている模様。中盤のラインとDFラインの距離が絶妙にコントロールされていて、スペースをうまく潰している。ボールの奪いどころは、セスクやフラミニがだした縦パスを狙う形。

 注意点はボールを奪った後の攻守の切り替えを早くすること。さあ、攻撃だ!という場面でボールを奪われると、かなりきつい。DFラインも高いし。前半3分にはまさにそんな場面が訪れる。ボールを奪う→フレブに奪い返される→セスクのスルーパス→アデバヨールが抜け出してアンリを髣髴とさせるシュート→ポスト。危ない危ない。アンリだったらもっとボールに回転をかけて枠に入れてるぜ。最近のアンリはどうか知らないが。

 すべてがうまく機能していると言っても過言ではないアーセナル。ボールを失ったときの切り替えが早い。その切り替えの早さも選手間によってばらつきがあるものではなく、チーム全体で統一されいる感がある。レディングはせっかくボールを奪っても、すぐに奪い返され押し込まれる場面が目立つ。どうにかせんと。

 前半10分くらいから、レディングは全体的に引いて試合を展開するようになる。この試合でのロシツキーは下がったり、中に入っていったりとユナイテッド戦よりも活発にポジションを代えていて、空けたスペースにファブレガスが入ってきたり、中央でワンツーを試みたりと良い感じであった。これは前から守るのは厳しいとレディングは判断したのだろう。4-5でゴール前に高い壁を築く。DFラインは下げすぎないように、ペナルティエリアの少し前。頑張ればいけるかも。

 アーセナルは引いたレデングを倒すために様々な策を講じる。アデバヨールがサイドに流れたり、選手間の距離を近くして高速ワンツーをしたり、コロが上がってきたり。それでも決定機は作れず。よくアーセナルに見られたそこでシュート打たないのかよ、という場面もなく。うまくレディングが集中して守っている。チャレンジする選手、カバーする選手、マークの受け渡し、ずれなく高い集中力で行っていた。観客もボールを奪った場面でオーレの合唱。

 またケビンドイルがコロとの競り合いに勝って、ボールをキープする場面も何度か見られた。守りの時間だけでないというのは、精神的に楽である。それにしても、アーセナルの右サイドは死んでいる。

 アーセナルはシュートまでいけず、逆にレディングには前半31分にスーパーミドルを放たれて、アルムニアが何とか防ぐ場面が見られた。守備の準備ができていないアーセナルに、レディングは一か八かのプレーで勝機を試みる。アーセナルは守備のことをそこまで考えていないので数的優位でなく、一対一の場面が多かった。それでも個の能力で上回るアーセナルは、なんてこなく防いでいた。そのためレディングはチャレンジ。ミドルシュートはクロスのこぼれだまを打ったものだが、そのきっかけとなるクロスは難しいダイレクトのクロスだった。

 レディングがいい形で試合を進めるが、最後の最後でやってしまう。アルムニアのキックをマイボールにするが、保持できずに奪われると速攻。アデバヨールからフレブにスルーパスを通されると、後は上がってきたフラミニにあわせるだけ。フラミニもゴール前で相手がボールを見ているのを確認して、視野の外から入ってきた。前半43分、アーセナルが先制。

 ■二刀流への道

 後半が始まると、徐々にレディングが攻撃意識を高めていく。細かいパスをつないで人数をかける攻撃。フィニッシュまでいけなければ、カウンターをくらう。結果としてカウンターをくらっていた。後半7分には見事にカウンターをくらい、ロシツキーのクロス→ファブレガスの落とし→アデバヨールの狙いすましたインサイドキックで2失点。ちなみに、カウンターの起点となるアデバヨールへ鬼パスを通したのはフレブ。

 そのフレブは、デジャブのようにまたもカウンターの起点となる。ロシツキーにスルーパス。ロシツキーも中央のアデバヨールにスルーパスを通しあっさり3点目かと思いきや、オフサイド。厳しい判定。

 その後のレディングは守備がおろそかになっていった。2点差つけられてしかもホーム。この状況で引きこもるわけには行かないけれど、引かないとアーセナルにチャンスを作られてしまう。負けているんだから、守備をしている場合じゃない。リスクを犯してでも、攻撃の選手は高いポジショニングを取るべきだ、っていうのは理解できる。でも、ボールを奪わないと攻撃できないんだよね。しかも3点目取られたら完全に終了。

 そこで、レディングは後半13分にハーパーを下げて、コートジポアール代表のファエを投入。これで、チームの意識が統一されればいいが。結果、あまり変わらなかった。

 アーセナルは仕掛けられるときは仕掛ける。無理なときはボールをまわして、時間を潰す。理想的な展開。ボールを失った時の切り替えは後半になっても早く、攻守に安定感が出てきた。エブエはちょっと空回り気味。簡単にボールを失う場面があり、アデベヨールが何か話しにいっていた。

 後半32分にはまたも中盤の早いプレッシャーで相手のミスを誘発。ボールを奪い、相手のパスカットがちょうどフレブの下へこぼれ、キーパーを交わして
ゴール。このとき、エブエが中に走りこんでいて、そのためフレブが一瞬フリーになった。エブエ、ナイスラン。得点直後にフレブ→ディアラ登場。

 残り時間が8分になったらアデバヨール、ロシツキーが、ベントナー、ウォルコットに交代。できれば、アデバヨールとベントナーを同時に見たかった。

 レディングも最後に意地を見せて1点返して試合終了。こぼれにこぼれて最後に押し込む形。これがレディングの先制点だったら試合が面白くなったのになと、無駄な仮定。

 ■独り言

 アーセナルは前線からの守備がすこぶる良かった。攻撃面ばかりが目立っているようだが、守備がうまく機能していることを再確認。自分の型にこだわらず、相手にボールを持たせて速攻なんて形と、自分達でボールを展開し、相手を破壊する形を両立できれば相当いいぞ。この試合ではロシツキー、アデバヨールが流動的に動き回れていたので吉。

 問題は右サイド、エブエは後ろからスピードに乗って仕掛けるほうが得意そうである。リバプールのアウレリオ×リーセみたいに、ポジションが変わるならば、ちょっとは面白そうだ。でも、サニャとエブエは位置関係を代えていなかった。両方ともいい選手なので使いたい気持ちは分かるが、微妙だと思う。

posted by josepgualdiola |08:50 | プレミアリーグ/07~08 | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月13日

バレンシア対ムルシア ~らしさを取り戻せ~

 キケが去り、クーマンが来たバレンシア。昨年はPSVにいたクーマン。そのPSVで、クーマンはバレンシアとはそう遠くないサッカーをしていた。バレンシアの哲学を告ぐには、実はうってつけの人材だったりするわけで。

 どんなサッカーかというと、中盤含めた強固な守備とコネ、ファルファンの個に依存した攻撃。まったくオランダらしくない。でも、異様に勝負強い。そして、攻めるときはチーム全員で攻められる器用なチームだった。ひとまず、どんな人にもお勧めできるサッカーではない。つまり、バルセロナやアーセナルのようではない。バレンシアらしさは良い意味でも悪い意味でも守られそうである。

 対するはムルシア。開幕した時は台風の目間違いなしとか思っていたが、どうやらそうではなかったようで。いったいどうしちゃったのだろうか。

 バレンシアのスタメンは、ヒルデブランド、カネイラ、エルゲラ、マルチェナ、ミゲル、シルバ、バラハ、アルベルダ、アングロ、ビジャ、モリエンテス。ビジャがようやく復帰。EURO予選に照準を合わせたのか。そしてホアキンとマヌエルフェルナンデスが召集外。理由はチームの規律を破ったとか何とか。どうやら鬼軍曹タイプか。
 
 ムルシアのスタメンは、ノタリオ、ペーニャ、オチョア、アルソ、メヒーア、レゲイロ、パブロガルシア、モビージャ、デルカス、アロンソ、ゴイトム。バイアーノが控えなのか。怪我でもしたのだろうか。

 ■困ったときの

 ぜんぜんムルシア悪くないじゃん。そんな立ち上がりだった。前線からハイプレッシャー。後ろも連動してついてくる。追い込むのが明らかに無理そうな場合は、ボールホルダーに寄せる人以外、素直に退却。この前からボールを奪いに行くときと、自陣に退却する、という判断の精度がかなり高かった。

 バラハ、アルベルダにパス回しでこのプレスの突破を期待するのはちょっと困難である。しかもホアキンいないし。シルバが左サイドを猪突猛進するもファウルで止められていた。こうなったら困った時のモリエンテスである。

 中盤でパスが繋がらない。それでもDFラインから相手のDFラインの裏へボールを蹴ることはできる。ムルシアはコンパクトサッカーを信条としているようなので、DFラインは決して低くない。

 マルチェナ、エルゲラ。決してロングボールの精度が悪い選手ではない。特にマルチェナはなかなか良かった。アングロやビジャが裏へ飛び出してチャンスを作ろうと必死になっていた。モリエンテスに当てるよりは、モリエンテスをおとりにしているようだった。アングロは自分のできることをしっかりとこなしていた。とにかく裏へ。

 そんなアングロの努力が通じたのか。DFラインに出たボールを、アングロが相手を追い掛け回しマイボールにする。そして、それがレゲイロのハンドにつながり、セットプレーを得る。シルバの正確なキック→エルゲラのヘッドでバレンシアが先制。前半11分のありがたい先制点である。

 先制点で精神的に楽になったバレンシア。しかもメスタージャでは一ヶ月以上も勝っていないらしい。そして、攻めないといけないムルシア。この先制点後、ボールをムルシアも持つようになっていく。攻撃にギアを入れたのだろう。

 ムルシアの試合を組み立てる選手はパブロガルシア。無駄にうまい。浮きだまを見事に処理したり、相手のタイミングを外すヘディングでチャンスを演出したり。コパでも良かったが、リーガでも好調を維持していそうである。

 もう1人の攻撃のキーマン。サイドアタッカーのレゲイロ。元バレンシア。ミゲルとやりあう場面が非常に多かった。2人で笑いあっている場面は心が和んだ。バレンシアからすると、超要注意人物である。アルベルダ、アングロがミゲルと挟み込む形でレゲイロは完全に封じ込められていた。笑っている場合ではない。

 他にもバレンシアの守備は色々な点で改善されていた。まずは攻守の切り替えの早さ。特にボールを奪われた後の、最初の寄せがうまくできていた。これで相手の攻撃を遅らせることができるし、ボールを奪えたら一気にチャンスである。

 次にDFライン。相手がボールを持っていても、ズルズル下げずに我慢していたと思う。なるべく高い位置で勝負した買ったのだろう。高い位置でボールを奪えれば、速攻のチャンスである。マルチェナとエルゲラは勇気を持って高いDFラインを維持していた。

 最後に球際の強さ。前が悪かったわけではないが、後ろに選手がいるおかげで、思い切ってボールを奪いにいけていたと思う。チーム全体がコンパクトになっているおかげで、アルベルダ、バラハも先手にたって守備ができていた。

 前半25分にアルベルダがムルシアの一瞬の隙を見逃さずにインターセプト&スルーパス。再三、DFラインの裏へ飛び出しを見せていたビジャ。今回は完璧に抜け出し、2点目を決める。

 2点決めてからのバレンシアは、守りに力を入れているように見えた。モリエンテスも懸命に相手を追いかける。ボールを相手にもたせて速攻。やはり、シルバが中心の攻撃。シルバがボールを持つことができるので、カネイラはたびたび攻撃参加していた。逆サイドのミゲルは沈黙。上がる場面がほとんどなかった。

 ムルシアは攻め手がなく、イバンアロンソが何とかしようと盛んにポジションを代えていたが、実力が足らない。レゲイロがミゲルとアルベルダに囲まれてどうしようもない。ゴイトムもまだまだ。もう少し無茶な縦パスを使ってもいいような。前半は2-0で終わる。出て来い、バイアーノ。

 ■出てこないバイアーノ

 流れはまったくかわらず。むしろバレンシアがさらに前からたたみかけるようにプレス。ムルシアはもっと何もできなくなる。ボランチのモビージャ、パブロガルシアでボールを落ち着けたくても、目の前にはビシッと中盤が四枚並んでいる。それだけでなく、ボールを持っていれば、後ろからモリエンテスが追ってくる。

 それにしてもよく走るバレンシア。全体的にポジショニングが高く相手を追い込んでいるので、セカンドボールを面白いように拾う。後半5分に前線からのプレス→ムルシアが無闇にクリアー→アルベルダ→シルバ→ビジャと見事なダイレクトプレーで3点目。完全に勝負ありである。

 ここでムルシアは当然動く。レゲイロ、アロンソ→ジョフレ、イニゴ。そしてメヒーア→アベル。ここでムルシアの10番が登場。バイアーノはどうしたのだろうか。後半15分までに一気に勝負に出る。同じ時間に、バレンシアもモリエンテス→ビセンテ。モリエンテスは攻守に大忙しだったので、予定通りの交代だろう。ビセンテが控えとは豪華である。

 まずレゲイロがいなくなったことで、バレンシアは左サイドをどうするか少し迷っていたように思える。レゲイロほどマークする必要はあるのかと。そして、10番のアベルはテクニシャンの模様。面白いボールタッチで攻撃に変化を与えていた。それでも脅威にはならず。

 その後は試合終了カ際にばてたかバレンシアがファウルを連発。それ以外は特になし。3-0でバレンシアの勝利。

 ■独り言

 久々に良い守備のバレンシアを見ることができた。しかし、アングロやモリエンテスに対する負担が結構大きい。アングロは交代しなかったが、モリエンテスと両SHは交代する場面が増えそうである。そして守備の時間が長い。悪い意味ではないけれど。つまり、ホアキンは大丈夫なのか。守備意識は高まってきているけれど、シルバほど、もちろんアングロほど守備がうまいし積極的なわけでもない。心配なのはビセンテも。まったく目立っていなかった。大丈夫か、両翼。

posted by josepgualdiola |22:34 | リーガエスパニョーラ/07~08 | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月12日

チェルシー対エバートン ~内容は良かったけれど~

 シティに大勝して以来のチェルシーを観戦。でも、本当の目当てはエバートンだったりする。

 チェルシーのスタメンは、クディッチーニ、ベレッチ、アレックス、カルバーリョ、ブリッジ、ミケル、エッシェン、ランパード、SWP、ジョーコール、ドログバ。おなじみの4-3-3で安心。

 エバートンのスタメンは、ハワード、ヒバート、ヨボ、レスコット、バレンチ、ピナール、カーズリー、ネビル、オスマン、ケイヒル、ヤクブ。グラベセンがベンチにいる。アルテタが楽しみだったのに。。。

 ■ファンタスティックストップ

 どうやら完全にモウリーニョ路線を継続、それに積極的なSBの攻撃参加ということが、チェルシーの方針で間違いなさそうである。ジョーコールやSWPが相手のSBの守備を担当することも同じ。ドログバに放り込むのはなく、中盤での細かいパス回しと、サイド攻撃も初期から中期のモウリーニョに似ている。ちなみに、終盤のモウリーニョはドログバへの放り込みが主であった。本当はポゼッションもカウンターもいける、それがチェルシーであった。

 チェルシーの泣き所であった右SBにはバルサから来たベレッチが定着したようである。積極的な攻撃参加が認められていること、コーチにテンカーテが就任したこともあり、楽しくて仕方がないだろう。前節は奇跡的なシュートを決めたらしい。今節でもタイミングの良い飛び出しで、何度も相手DFラインの裏へ飛び出していた。

 ボールを細かく繋ぐチェルシーに対して、エバートンはヤクブ以外を自陣に下げて守りを固める。チームカラーかもしれないが、エバートンは球際でのファウルが少ない。それは寄せが甘いとも言える。相手に寄せに行くには、相手にプレッシャーを与えないといけない。このままボールを持っていたら危ないな、という危機感を与えないといけない。エバートンのプレスではそれが感じられなかった。

 よって、チェルシーのDFライン、中盤は比較的自由にボールを持つことができた。ボールを持つことができれば、精神的に疲れない。チェルシーにとって有利な状況である。しかし、チェルシーはなかなかフィニッシュまで行くことができなかった。その原因は両ウイングにある。モウリーニョ時代の両ウイングは独力で相手の守備ブロックを破壊しなければならなかった。左のロッベン、右のジョーコールにはそれができていた。しかし、今節でも左のジョコール、右のSWPにそれができていなかった。

 チェルシーは今までSBをあまり攻撃参加させてこなかった。そのためか、ウイングとSBが連携して崩す場面があまり見られなかった。例えば、ウイングがボールをキープ→SBが追い越す→相手がオーバーラップに気を取られた瞬間にパス、またはドリブル突破。見られたのはウイングが下がって空けたスペースにSBが飛び出すくらいであった。このあたりは改善が必要である。

 また、SWPについては相手を背負う場面が多かった。SWPは前を向いて何ぼである。1度、エッシェンとポジションチェンジして、ハーフラインでボールを受けて、そのまま仕掛ける場面があった。4-4-2のSHならば活きそうだが、4-3-3のウイングだと苦しそうである。周りの助けがあれば、もっと羽ばたけると思う。ちなみに、レッズの永井もSWPと同じ印象を受けている。

 ジョーコールに関しては、ボールがこなかったので、中央に流れたりドログバとポジションチェンジしたりしていた。サイドにボールが来たときは、らしさを見せていた。しかし、右サイドと同じように、ブリッジと効果的に絡めていたかというと微妙。

 ウイングから崩せなくてもSBが飛び出したり、ポゼッションでチェルシーはチャンスを作っていた。ベレッチが裏へ飛び出だして、ランパードにマイナスのクロスを上げた場面や、カウンターからSWP→ドログバの空振りの場面、ブリッジのクロスからこぼれだまをランパード。ドログバが左サイドから崩してクロス→ファーサイドにいたランパードが折り返してSWP。

 このようにチェルシーは決定機をたくさん作っていた。良い流れである。しかし、ハワードのファンタスティックストップや、ヨボとレスコットの壁を崩せないまま前半が終わる。特にドログバの空振りと、ドログバの直接FKは本当に悔やまれる。ちなみに、前半20分にカルバーリョが負傷、ベンハイムに交代している。

 エバートンはただロングボールを蹴るだけで悲しいできだった。唯一のチャンスもピナールが空振り。おあいこである。

 ■ブリリアント

 エバートンはやはりチームが機能していなかったようである。後半頭から二人交代。マクファデンとジャギエルカを投入。4-4-1-1を4-4-2に代えてきた。ヤクブを活かすための交代策か。

 クラシカルな4-4-2にかえたことによってゴール前に人数の増えたエバートン。単なる放り込みにも前半と比べると迫力が出る。それでもフィニッシュまでたどり着くのは困難。アレックスは本当に高い。

 後半のSWPはボールのもらい方を修正していた。相手を背負わないようにボールをもらう前に動いていた。すばらしい。相手を背負った場合は味方にはたいて、パス&ゴーで裏へ飛び出す。崩しまではすばらしかったが、なぜかクロスの質が恐ろしくひどかった。そんな印象なかったけれど。精度の低いクロスを連発したSWPはカルーと交代。エバートンが攻撃に枚数をかけてきていたので、カウンターで点を取りに行くのだろう。カルーが左サイド、ジョーコールが右サイドへ。ボールのこない左サイドに行ったカルーの命運やいかに。

 後半もチェルシーは右サイドから攻撃。ブリッジは少し攻撃参加を抑えているようだった。もしかしてセビリア方式??自分の勘では、ベンハイムに気を使ってブリッジが攻撃参加を自重したのだと思う。

 交代直後にランパードがループでエバートンゴールを脅かす。またしもハワードが好セーブ。4-4-2の時のランパードは、こんなにフィニッシュに絡むことはできなかった。見ていてすがすがしい。そのループで得たコーナキックのこぼれだまをアレックスがシュート。これはラインぎりぎりでエバートンのDFがクリア。本当に点が入らない。

 69分にカルーが久しぶりにボールを触る。二人に囲まれても物ともしないカルー。2人の間をパスで通し、ドログバとワンツーを試みるがコーナーキックとなる。そのままカルーがコーナーを蹴る。ニアに早いボール→ドログバが飛び込む→ゴール。ようやくチェルシーが先制。困ったときのセットプレー。レスコットは簡単なドログバの動きにマークを離してしまった。ニアにいた選手はドログバの動きが見えていなかった。それにしてもナイスボール。

 この得点でチェルシーは守るのか、エバートンは攻めまくるのか、監督の指示が待たれる。この時点でチェルシーのボール支配率は74%。しかもボールポゼッションにネガティブな要素がない。2点目を狙いに行ったほうがいいなこれは。エバートンはグラベセンを入れて、チーム全体の意思統一を図る。チェルシーは今のところ交代なし。

 エバートンが攻勢に出るはずが、チェルシーがそれを押し切る。積極的に2点目をチーム全体で取りに行く。ドログバの強引な中央突破がそれに象徴される。。後はいつから守りに入るかである。80分の時点、チェルシーので枠内シュート10本、エバートンは0本。

 そして88分、徐々にロングボールの多くなったチェルシー。相手のGKをなぜかフリーでヤクブがトラップ。そこからは後手後手。クロスを上げた選手に対して、何人がそれを眺めていたか。そしてケイヒルの対応をしたベレッチ。DFラインそろえろって。なんとエバートンが同点。試合はそのまま終了。

 ■独り言

 数字にも表れている通り、チェルシーが内容は圧勝。でも引き分け。あれだけチャンスを外せば、こうなることもある。それにしてもハワード、レスコット、ヨボの3人はすさまじかった。右SBのヒバートもジョーコール相手に奮闘したと思う。

 交代枠を残して、チェルシーは試合終了を迎えた。モウリーニョだったら交代枠を使い切りそうな気がする。しかし、試合内容が良かったのでグラントは動きにくかったのだろう。気持ちは分かる。それでも、集中を取り戻すために誰でもいいから85分くらいに空白の時間を作っても良かったような。だた、その空白の時間でチェルシーの集中力が切れることもあるわけで、難しいところです。

posted by josepgualdiola |20:32 | プレミアリーグ/07~08 | コメント(4) | トラックバック(3)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年11月12日

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

 メタメタな試合だったので書き方をかえます。

 ■マジョルカの説明

 基本的には昨年とあまり形はかわらない。堅守速攻。その中にアランゴ、イバガサといった違いを生み出せる選手がいる。FWには、ヘタフェから移籍してきたグイサが絶対的な存在として君臨している。しかも絶好調。代表にも選ばれてしまった。ちなみにヤンコビッチはイタリアに移籍している。

 この試合ではグティエレスが欠場。契約問題でもめているらしい。WOWOW曰く、保有権がアルゼンチンのベレスと半々になっているようで、買い取るかどうかでもめているよう。グティエレスは確かに主力だが、意外とマジョルカには攻撃センスのある選手が多い。代役はフェルナンドバレーラ。まったく問題なし。

 基本的に高い運動量をベースとしたサッカーを得意としている。それは昨年の中ごろから志向している。それまでは攻撃大好きな選手を多く起用していて破れかぶれのサッカーを行っていた。そのサッカーを安定型に代えてから成績がかなり良くなった。

 今年もその流れを継承しているのだが、昨年に比べると運動量が少ない。悪くないサッカーなのだが、迫力が足らない。バジャドリッドやヘタフェやエスパニョールのほうがよく走っている。この試合でも時間がたつにつれて、足が止まり、レアルに支配されていった。

 ■ヘタフェと同じ守り方

 ゆっくりと新しい形を試し始めたレアル。バレンシア戦で4-3-3を試したのがその例である。この試合でも守備をしているときは4-3-3で守っていた。これは昨日のバルサ対ヘタフェでヘタフェが見せた守備の形と似ている。完成度はえらい違いだが。

 ロビーニョが左サイド、ニステルとラウールは状況に応じて右、と中央のプレスを行っていた。3人とも自分の目の前にボールがあるときは懸命に守備を行っていたと思う。非常に珍しい。残念ながら、自分の後ろの守備については無頓着である。時々、思い出したかのように守備はしていたけれど。

 マジョルカのSBがDFラインにいれば問題ない。DFラインから飛び出してボールを受けようとした時に問題が生じる。だって、ウイングの選手が守備をしないからだ。そうなるとディアラやスナイデルが中から外へポジションを代えないといけないし、数的不利になってしまう。前半20分くらいから、マジョルカはこのレアルの守り方に対応してSBを上げてきた。レアルはウイングを下げれば問題ない。下げなかったけれど。

 また中盤もスナイデルが中央にいるのか、右サイドにいるのか中途半端で本人も迷いがあるようだった。この当たりの守備の役割分担をはっきりさせれば、もっとうまく守れるようになると思う。結果としてスナイデルが見るのか、それともミゲルトーレスが見るのか、左サイドのイバガサはたびたびフリーになっていた。

 そんなわけで、前半に2失点。その原因はイバガサへの対応とエクトルの飛び出しに誰もついてこなかったことが上げられる。2点目のバレーラのシュートはやばかったが、エクトルの飛び出しさえなければもう少しエインセが寄せられたと思う。守備の穴がそのまま失点に結びつく分かりやすい形である。修正がしやすい。ただし、機能していたバルサほどではないが、ボールを奪われたときの守備はなかなか機能していたと思う。

 ■ロビーニョの覚醒とラウールの復活

 ウイングがあまり守備をしないということは、それだけ攻撃に専念できるということである。まさにロビーニョのための試合であった。この試合でも3得点に絡む大活躍である。1点目はマルセロとのコンビプレー、2点目はこぼれだまが足元に、3点目は自分で仕掛けてラウールへのクロス。他にも自分で仕掛けて、エクトルを転ばし、左足を振りぬいた場面があった。やりたい放題。

 1点目と3点目は高い位置でパスを受けて仕掛ける形であった。ロビーニョがボールを運んだわけではない。ちなみに、1点目のガゴのパスは美しかった。ロビーニョが低い位置でボール運びを手伝わなければいけない状態の時もある。

 ロビーニョにそのような役割をさせないで、前線にボールを届けることができれば、今後も面白そうである。ロッベンの処遇がものすごく気になる。

 そしてラウール。3点目はほとんどアシストしたロビーニョのゴールといっても良い。だが、フリーでボールを受ける技術が復活してきている。ボールのないところの動きで一瞬でフリーになるのはラウールの持ち味である。周りのために走ることでなく、ようやくラウールも自分のために走るようになってきた。

 得点は1点だけだったが、スナイデルのパスをバックヘッドでゴールを狙った場面は非常に印象に残った。他にもクロスへの飛び出しでは随所にらしさをみせ、最後にはニステルにアシストをするなど幅広いプレーを見せた。なぜかチャンスメイクがうまくなっているニステルともに、ラウールも献身的な時代を経たことによって、多くのものを手に入れたかもしれない。だけれど、代表復帰は遠い。

 ■ばてたマジョルカとペペ

 前半は2-2で折り返したものの、マジョルカは後半になると防戦一方と言ってもいいくらいに押し込まれる。前半は前線からプレスに行くことで、レアルの選手のミスを誘発していたが、後半はそれがかなわなかった。

 その原因はペペ。後半の頭からシュスターはカンナバーロに代えてペペを投入。お世辞にもカンナバーロは足元がうまいとはいえない。レアルの最初の失点のきっかけは、カンナバーロが安易にボールを失ってしまったことから始まっている。

 初めて見るペペはいきなりラウールにフィードを通すなどセンスを感じさせた。それだけでなく、高さ、フィジカルも強い。相方のエインセも足元がうまいので、これにガゴが加わるとプレスに行ってもボールが奪えない。ボールが奪えないのにプレスに行き続けるのは精神的にきつい

 それでもマジョルカはあきらめない。昨年レアルのカステージョに在籍していたマジョルカのボルハ。この試合でサンチャゴベルナベウのデビュー戦を迎える。後半5分ごろに登場。彼は精神的に折れていない。気合十分。それにアランゴ、グイサ、イバガサは守備をしなくなっても、攻撃の時は目を覚ます。

 アランゴ、ボルハの特攻でディアラはあせったか、グイサにスルーパスを通してマジョルカが逆転する。これで、マジョルカが復活すればいいが、流れは変わらない。それだけペペの存在は大きかった。すばらしい采配である。

 ■責任を引き受けるガゴ

 自分のゾーンを越えてプレスに行く決断ができる選手は少ない。自分のゾーンからやられてしまう可能性ができるからだ。ダイナマイトなミドルを決めたバレーラにエインセは寄せ切れなかった。エインセの気持ちは分かる。でも、カンナバーロならあそこは寄せていたと思う。そういう決断をカンナバーロはできる選手である。

 ガゴもカンバーロに似ている。とにかくボールホルダーに寄せに行く。その結果、抜かれることも多いがチームを救うファインプレーもある。ディアラが慎重なのに対して、ガゴは大胆。ディアラが悪いとは言わないが、ガゴのそういう姿勢は評価に値する。

 攻撃面でも同じである。チャンレンジパスが多い。他の選手が横パスを多いのに対してガゴは縦パスが多いはずである。ミスも多いが。それでもめげずに縦パスを続け、ボールを欲しがる姿勢は高い当事者意識によるものだろう。

 その結果、1点目のロビーニョへの見事なパス、4点目のラウールへの楔のパスへと繋がる。使い続ければ、大化けする可能性が高い。

 ■できることだけ行うミゲルトーレスとチャレンジャーのマルセロ

 マルセロは攻撃参加が持ち味である。この試合でも再三にわたってロビーニョを追い越し、結果も出した。1点目のアシストである。ただし、ロビーニョがあまりにもキレキレなので、マルセロにボールが渡っても微妙であった。彼は仕掛けに仕掛けるがそれが効果的でなく、姿勢は評価するが先は長そうである。

 守備面でも1発でボールを奪いに行く勝負を見せ、それであっさり交わされる。1点目の裏をとられたのは仕方ないが、2点目のバレーラにあっさり交わされたのはいただけない。粘り強い守備を求む。

 逆にミゲルトーレスはまったく仕掛けない。自分の能力をわかっているのだろう。フリーで抜け出してのクロスには定評あるが、ドリブルで仕掛けてのクロスは困難である。それでも彼は飛び出し続ける。攻撃を幅広くするために、味方の選択肢を増やすために。スナイデルと連携すれば攻撃面で良い形が見られたと思う。レアルの右サイドはしばらく独力で突破されることが求められそうだ。

 ■独り言

 試合は4-3でレアルの勝利。マジョルカが一度は逆転するという凄い試合展開であった。そのなかでもマジョルカは限界を露呈し、レアルは新たな可能性を提示した試合になったと思う。レアルはまだまだチームにも個人にも伸びしろがあるので、今後が楽しみである。

posted by josepgualdiola |12:35 | レアルマドリッド/07~08 | コメント(8) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加