2007年02月27日

ヘタフェ対セビリア ~セビリア対策発見~

 今シーズン、躍進を遂げているヘタフェ。特にホームで無類の強さを誇っている。この試合、ヘタフェは先週のアトレチコと同じシステム、つまり中盤を3センターにして試合に臨む←4-4-2のひし形ともいえる。

 先週の記事を読んだ人なら気づくと思うが、そのシステムの場合、ヘタフェはサイドからやられてしまうのではないか、という疑問にぶち当たるだろう。しかし、システムが同じでも、戦術が違えば、そこで繰り広げられるサッカーはまったく別物となる。それがわかる試合であった。

 ■アトレチコとヘタフェの違い

 その大きな違いは前線の選手が守備をするか否か、それだけなので話は単純である。セビリアの攻撃の起点は主に右サイドバック(ダニエルアウベスやヒンケル)の選手が行う。このサイドバックにプレスに行くのは誰の仕事??バルサの場合、するか定かではないが、ロナウジーニョやメッシ。バレンシアの場合、ビセンテやアングロ。アトレチコの場合はアグエロ、ミスタ、トーレスの誰かが行うのが普通である。

 前回も書いたが、アトレチコはこのサイドバックの守備を中盤に任せたため、崩壊した。試合前から前線の選手が守備をどのようにするかくらいわかるものだと思うので、監督の采配ミスである。

 ヘタフェの場合、前線の3人がそのタスクをしっかり行った。この試合ではヒンケルに早くボールを離さないととっちまうぞ!!というようなプレスをみせる。前線からの守備が機能すれば、この3ボランチが生きてくる。この詳しい説明はあとで。

 ■セビリアの攻撃の形

 セビリアは片方のサイドに選手が寄る癖がある。例えば、ヒンケルがボールを持つ。縦にヘススナバス、後ろにアイトールオシオ、横にポウルセン、その少し前にレナト、前線、ゴール前にはカヌーテがいる。

 プレスがなければ、プレーの選択肢はかなり多い。ヘススナバスにボールを預け、そのままを追い越す形。また、サイドをドリブルで疾走。サイドで数的有利を作る形だ。

 また、フリーなので質の高いロングボールを蹴ることが出来る。ターゲットは基本カヌーテ、たまにルイスファビアーノ。ボールがこぼれても、そこにはレナトがいて、彼の役割はボールを拾うことと、相手にボールが拾われたときの起点つぶし。

 仮にプレスが合っても、パスコースが多いのでそんなに困ることはない。あくまで4-4-2のチームの、普通のプレスにはまったく手を焼かないだろう。しかし、そこに人数をかけられ、スペースをなくされると手詰まりになってしまう。その守り方をヘタフェがしたのである。

 ■セビリア対策

 まず、ヘタフェの前線の選手3人のうち、2人がサイドにプレスに行っていた。しかも1人は正面から。もう1人はポウルセンのマークをし、スペースを潰す。そして前のスペースはサイドバック、中央のスペースは3センターのうち2人がスペースを埋め、時間を掛けられるようだったら一気にとり囲んでいた。

 文字にするとわかりにくい。つまり、逆サイドの守備を捨てて、セビリアの右サイドに人を集めたのである。だったらセビリアは逆サイドから攻めれば良いではないか。まっとうな指摘である。自分もそうすべきだと思う。

 しかし、セビリアはなぜかサイドチェンジをまったくしない。よく、右サイド詰まる、DFライン経由して左サイドに行く、また詰まる右サイドにボールを流す、相手が疲れる。このような場面を多くの試合で見ることが出来る。

 しかし、セビリアはサイドチェンジをしない。よって逆サイドを捨ててもあまり問題はないのである。ヒンケルから一発で左サイドにボールを展開するシーンもなかった。そもそも左サイドに選手がいないのである。左サイドハーフの選手は前線にいて、左サイドバックの選手は中に絞っている。カウンターを防ぐためだろうが、もう少しリスクをかけてもいいのではないか。このセビリア対策がさらに洗練されれば、かなりやばい。

 セビリアは攻撃が詰まる、後半になると、個々が独力で状況を打開しようとし、攻撃のバランスが崩れる。今年にはいって0-0が多いのは、このパターンのせいではないだろうか。

 ■試合レポ。

 セビリアは攻撃に手詰まり、セットプレイでチャンスを得るが相手GKの好セーブに阻まれる。ヘタフェはしっかり守ってサイドを広く使い攻めていたが、いつもに比べると全体的な運動量は少なかった。

 また、UEFAカップの疲れのためか、セビリアのプレスもいつもの凶暴性はなくかなりゆるかった。ボールの回復点が後ろになり、カヌーテまでボールが届かない、そんな前半戦であった。ボール支配率は6:4でヘタフェの勝ち。

 後半になると、セビリアはいつものように個人技ごり押しのサッカーになり、ヘタフェに巧く守られてしまう。ヘタフェも前半に比べると運動量が増し、サイドバックのオーバーラップはかなりさえていた。しかし、悲しいかなストライカーがいないので、最後まで点をきめることは出来なかった。

 0-0で引き分け。

 ■独り言

 独り言というか予想。ヘタフェは来週レアルと当たる。前回の対戦でレアルを粉々にしたヘタフェは恐らく今回もレアルを粉々にすると思う。やっているサッカーのレベルが違いすぎる。レアルのキーマンはカシージャスだろうな。でも0-0とかありそうだ。

 セビリアはホームでバルセロナ。大一番。バルサがセビリア対策をしてくるわけがないので、かなりの名勝負になると思う、サラゴサ対セビリアぐらい気合の入った試合になれば嬉しい。案外、セビリアが勝ちそうだと思う。

 

posted by josepgualdiola |09:46 | リーガエスパニョーラ/06~07 | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007年02月26日

バルサ対ビルバオ ~エトーの復活~

 基本的に見た試合のほとんどはここに書くようにしている。ただ例外もある。試合がつまらなかったり、壊れたり、そこに何も感じなければ、ここに書くこともないので、そういった試合はレポを書かない。先週はチャンピオンズリーグがミッドウィークにあったため、どのチームもコンディションが悪かった。試合に出ない選手もいれば、試合に出ても、いつものプレーを出来ない選手が多発し、チームとして機能していないチームが多かった。そのため、必然的にここに書く量も減った。今週書く予定なのは、このバルサ対ビルバオ、セビリア対ヘタフェくらいである。

 リバプールをカンプノウで迎え撃てなかったバルセロナ。もちろんこの試合を落とすわけにはいかない。カンプノウで二連敗はどうしても避けなければチーム崩壊の危機だ。少し大袈裟。この試合でバルセロナはエトーとテュラムをスタメン起用。またデコが累積のため、イニエスタ、シャビが中盤で組む。このコンビはあまり見た記憶がないので注目。

 ■エトー対グジョンセン対サビオラ

 バルセロナ対策というより、基本的な守り方は2つに分けられる。前線から積極的にプレスに行く守り方と、引きこもってスペースをなくす守り方だ。前者は体力の消耗が激しい代わりに、敵のゴールに近い位置でボールを奪うことを目的にしているので、攻撃が仕掛けやすい。後者は前者に比べれば体力の消耗は少ないが、ボールの回復点が相手ゴールから遠いので、攻撃が難しい。ただし、決定力のあるストライカーがいればあまり問題にならない。

 アトレチコは前線からプレスに行くやり方を選んできた。プジョル、テュラムにはプレスに行かず、エジミウソン、シャビ、イニエスタに前を向かせないハードな守備を見せた。マルケスに比べると、プジョル、テュラムはあまりフィードが巧くない。アトレチコはそれを計算して、ここにはあまりプレスに行かなかったのだろう。実際に、この2人から効果的なボールは供給されなかった。

 このような守備で相手が来ると、バルセロナは前線にボールを運べなくなり、ボールを回す位置が低くなってしまう。原因はいつもの通りエジミウソン。彼がもう少しパスコースを作る動きをしてくれば、状況は改善されるのに。このどん詰まりの状況を脱したのはジュリの手柄であった。

 ロナウジーニョにはマークがついていて、なかなか自由にプレーできる状態でなかった。エトーはイニエスタ、シャビからボールをもらうには距離がありすぎた。そんな中積極的にジュリがシャビ、イニエスタからのボールを受けバルセロナのボールが回り始める。本日の影のMVPジュリ。メッシの復帰によって、刺激を受けたのだろうか。いつも以上に体がキレキレで、献身的な守備は相変わらず効いていた。

 このジュリの手柄によって、アトレチコの守備は徐々にほころんでくる。ロナウジーニョのマークも心なしか甘くなり、お得意のノールックパスを何度もエトーに通していた、この2人、やはり相性が良い。多分スポルトで誇張して伝えられるだろう。

 そして先制点が生まれる。イニエスタが自陣から強引なドリブルでボールを前線に運ぶ→そのこぼれだまをエジミウソンがジュリへロングパス。そしてジュリが右サイドを突破してグランダーの速いクロス。そこにエトーが飛び込んできて、焦ったDFがオウンゴール。

 2点目はジオのオーバーラップに敵が気を取られた瞬間にロナウジーニョがエトーへパス。エトーは敵を2人引き連れたまま、絶妙のポストプレイをみせ、シャビが華麗なボレー。

 3点目はロナウジーニョがエトーとポジションチェンジし中央へ。そこへイニエスタがクサビのボールをいれ、ロナウジーニョは振り向きざまにスルーパス→エトーが独走でゴール。

 前半で勝負がついてしまった。ビルバオは打つ手がない。先制点を許したあと、中途半端に攻撃に出た結果、守りも攻撃も機能しなくなってしまった。チームの中で攻めるのか、まだ守るのかという意思統一が出来ていなかったのだろう。

 ■久々のロナウジーニョのショー

 後半になると、ビルバオはのプレスは更に弱まり、バルサは好きなようにプレーしていた。しかし、イニエスタのシュートはポスト、ロナウジーニョのループはバーに当たる。後半20分ごろに運動量の落ちたエトー→メッシに交代。その後、ロナウジーニョの個人技を軸にアトレチコゴールに攻め入るものの、スコアはこのまま3-0で終了。

 つまり、後半はロナウジーニョ以外なにも前半と変わったところはなかった。

 ■独り言

 イニエスタは本当に巧くなったと思う。デコよりは間違いなく良い。チームのために守備もできるし、中盤での味方を助けるキープ力は尋常じゃない。ボールを失うことも少なく、さらに個人でも仕掛けられる。また、シャビとのコンビは非常にバランスがよかった。デコが最近良く行うトリッキーなプレーもなく、堅実にプレーしていた。

 また、長い間課題だった前線からのプレスも、エトーいるいないにかかわらず、ロナウジーニョも含めて守備をするようになっている。
 
 メッシ加入後、攻撃が中央よりになり自滅したのは相変わらずだったが、これでリバプールに負けるなんて正直信じられん。リバプールそんなに良かったのか。

 復帰したエトーについて。お得意の鬼プレスもたまにみせていたが、体のキレはまだまだ。しかし、周りの選手との波長があるのだろう。動いたところにボールがきていた。サビオラのほうがグジョンセンよりもバルサのサッカーにマッチしていると今まで書いてきたが、エトーのほうが次元の違うくらい噛み合っていた。さらに、ジュリ、ロナウジーニョとのポジションチェンジ頻繁に行っていて、これはバルセロナ復活するかもしれないぞ。そんな期待を抱かせる試合であった。

posted by josepgualdiola |16:20 | バルセロナ/06~07 | コメント(7) | トラックバック(0)
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2007年02月25日

マドリードダービー ~カッサーノの出番~

 ホームのアトレチコは前節の3センターをやめ、サイドに起点を作る4-4-2で試合に臨む。コスチーニャが累積で出られないから4-4-2にした、ということは前節のできから考えるとないだろう。スタメンはフランコ、アントニオロペス、ゼ・カストロ、ペレア、セイタリディス、フラド、リュクサン、マニシェ、ガジェッティ、トーレス、アグエロ。注目はフラード。レアル下部組織出身の彼は気合十分に違いない。

 チャンピオンズリーグでまさかの勝利を得たレアル。その疲れによって、本日はコンディション面に問題を抱えている可能性が高い。スタメンはカシージャス、トーレス、カンナバーロ、エルゲラ、サルガド、レジェス、エメルソン、ガゴ、ラウール、グティ、イグアイン。中盤の真ん中は前節と同じ組み合わせで来た。グティトップ下のデメリット、ワントップの孤立をどのようにして防ぐのか。ラモスは怪我、ニステルはコンディションが悪いらしくベンチ外。その代わりに、カッサーノがベンチに復帰した。

 ■レアルの誤算

 サイドから攻めてくるだろうアトレチコに対して、レアルはサイドバック、サイドハーフが連携して守らなければいけない。フラドやガジェッティにボールが入ったら、2人でサンドイッチする。それが当たり前の守り方である。

 珍しくレジェスは自分に課された守備のタスクをこなしていた。特に対面のセイタリディスにボールが入ると、すぐにプレスに行き、ボールを離させていた。つまり、アトレチコの右サイドはボールが詰まることがあり、効果的に攻めることは出来ていなかった。レジェスの早いプレスのおかげである。

 レアルの右サイドコンビはサルガド、ラウールである。ラウールは最終ラインまで戻り、守備を助けられる選手である。よって、レアルの右サイドはとくに心配がないと思われていた。

 しかし、この試合でのラウールは、いつもの献身的なラウールでなかった。誤算である。守備の面でまったくサルガドを助けようとしなかったので、仕方なくエメルソンやガゴがヘルプに行っていた。とはいっても、ガゴやエメルソンは基本真ん中にポジションを取っている。つまり、サイドのヘルプに行くといっても、多少遅れ気味になってしまうし、しかも自分のポジションのスペースは空いてしまう。悪循環。

 結果として、アトレチコは左サイドから攻撃を仕掛けていく場面が非常に目立った。フラドが余裕を持った状態でボールを持てていたからである。フラドが個人技で仕掛ける、フラドをアントニオロペスが追い越す、左サイドの縦にトーレス、アグエロが流れてきて数的優位を作る。このような形を主にして、アトレチコは徹底的にレアル陣内に攻め込んだ。

 そんなアトレチコの得点シーンはクリアボールを巧くトーレスが捌き→ガジェッティが縦に抜け出す。マイナスのクロスをトーレスが決めて先制。その得点後すぐにセットプレイのこぼれだまをペレアが押し込んで追加点、、、と思いきや謎のジャッジによって取消。これが本当に疑惑の判定であった。

 レアルの誤算はもう1つある。グティの不調だ。前節ではエメルソン、ガゴ、グティが3人ともボールもらいたい病であったため、ボールが回ったと書いた。元々グティのいい面にボールもらいたい病というものがある。しかし、今日のグティはなぜかボールもらいたくない病であった。そして、エメルソンもじっとしていた。こうなると、パスが回るわけもなく、アトレチコの早いプレスの前にボールを失う場面が非常に多かった。レアルはいいところなく前半を終える。得点の気配はセットプレイがらみのものだけであった。ラウールとグティの運動量のなさはチャンピオンズリーグの疲れなのかもしれない。そして、イグアインは孤立していた。

 ■レジェスに代えてカッサーノ

 アトレチコは気合十分でこの試合に臨んだ。気合十分で試合に臨むとこんないいことがある。こぼれだまへの反応が上がる、ハイボールの競り合いで勝てる、球際で強くなる、よく走るなどなど。この気合十分によって、アトレチコは曲面曲面で試合を有利に進めた。

 レアルは後半頭からカッサーノを投入。なぜ守備で効いていたレジェスを下げたのかさっぱり理由はわからない。カッサーノ投入の意図はわかる。イグアインの孤立を防ぐためだ。今日の状態ならば、グティやラウールを下げるべきだと思ったが。

 この交代によって、レアルのシステムは中盤をボックスにした4-4-2のような形になる。もちろん前はグティとラウール。こうなれば余計に守備がガタガタになるのは明らかである。

 予想通り、レアルはアトレチコに攻め込まれてしまう。前半は抑えていたガジェッティ、セイタリディス側からも攻め込まれる回数が増え、。久々にDFが無防備にさらされる試合となった。レアルDFに一対一でアトレチコ攻撃陣を止められるわけはなく、ファウルでとめる回数が前半よりも増え、いつレアルの選手が退場になるかハラハラするような展開であった。

 そんな中、1人置き去りにされているガゴをディアラに代える。どうせ中盤が機能しないなら、守備を重視する方がましである。この交代は論理的であったと思う。

 そんなディアラの投入によって、レアルは中盤の競り合いや球際の強さが増した。中盤でボールを奪う返すシーンが前半より増え、多少攻撃も形が出来始めたのである。

 そして、カッサーノがレアルを救う。中盤でファウルをうけたカッサーノはさっさと前線へ。ここまで高い集中力を見せていたアトレチコはこのセットプレイの瞬間、集中力が途切れてしまった。グティがなんてことないパスをカッサーノに通し、カッサーノが前線にスルーパス。それをイグアインが巧く抜け出し、なんとレアルが同点に追いつく。

 その得点後、アトレチコは前半のような組織的な攻撃を見せることは出来なかった。俺が点をきめるんだ!!という選手だらけで、個人で状況を打開しようとする場面だらけになった。ホームで内容も良い、それなのに同点に追いつかれてしまった。このショックのためか、アトレチコの攻撃陣に焦りが生まれたのだろう。好調フラドにボールが回らなくなったのがそれを表す最大の証拠となるだろう。

 カンナバーロがとうとう退場し、そこからアトレチコが波状攻撃を見せるが1-1のまま試合は終わる。

 ■独り言

 本日のレアルはもうどうしようもなかった。中盤中央での数的優位を生かせず、サイドもめちゃくちゃ。運動量でも負けていた。チャンピオンズリーグの疲れがあるのだろう。勝ち点1を得たのはでかい。MVPはカシージャス。

 アトレチコからすると、勝ちを失ったゲームとなった。得点を取り消されたことが大問題となりそうである。それにしてもフラドはいい。レアルは間違いなく彼を買い戻すべきである。トーレス、アグエロが想像以上に守備をしていて驚いた。この2人はトップ下とかいないほうがやりやすいのだろうな。 

posted by josepgualdiola |18:23 | レアルマドリッド/06~07 | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007年02月21日

U22日本対アメリカ。。。。。

たまにはものすごく簡潔に書いてみようと思います。

 ■悪かったこと。

 前線のカレン、平山、李が3人だけで攻撃を仕掛けていたこと。具体的に言うと、李、カレンの2人が平山との距離感に拘りすぎたため攻撃が中央よりになってしまった。その空いたサイドのスペースに水野、本圭が飛び込んでくれば、面白い展開になったと思うが、前線の選手はサイドを使うという考えがなかった。ただ、その3人の攻撃は多少連動性があったため、嘆くほどひどいものではなかった。もしかしたらまた試されるかもしれない。裏に飛び出すシーンもあったし。

 サイドアタックが機能しなかった3-5-2の弱点、ウイングバックの裏。ここの守備をどのように対応するかはチームによって違う。DFがサイドに流れたり、ボランチがサイドに流れたりするチームもある。U22ではウイングバックがそのまま下がるシーンが目立った。つまり、水野、本圭は自陣深くまで守備をしなくてはいけなく、攻撃の場面では誰も絡んでこないという最悪の状況に陥っていた。しかも、この2人は組織的に守る場面では、それなりの強さを見せるが、相手がドリブルで仕掛けてくる場面だと、ファウルでしか相手を止められない。攻撃の問題に対しては、増田を使えば解決すると思う。ただ、この試合に限っては、意図的にサイド攻撃を機能させなかったのかもしれない。あの監督の考えていることはよくわからん。

 ビルドアップの放棄。本拓は守備の人である。バルサで言ったらエジミウソン、ボールもらいたくない病である。この試合でボールもらいたい病の選手は梶山くらいであった。その梶山も後半途中からどっかに行ってしまっていたが。。。

 いつもは増田、梶山、青敏とボールを受けたがる選手が3人いる。今日は梶山のみであったため、さすがにアメリカも時間がたつにつれ、それに対応してきた。すると、DFラインからの放り込みや中途半端なパスが続出。このチームのDFは相変わらずビルドアップの能力がない。3バックと4バックのボールの回し方は全然違うのに、同じようにやっているから本当にひどい。中盤を経由して、効果的に前線にボールを供給したシーンはなかったような。

 ■良かったことというより、気づいたこと。

 増田がいないと無理。中盤中央を三枚にしないと、ろくに中盤でボールが繋がらない。

 水野の後ろには誰かを置く。水野は本圭と違い、独力で相手を交わしクロスを上げられる選手である。よってなるべく高い位置で勝負をさせる。後ろは別に攻撃的な選手でなくてもいい。

 逆に本田の後ろには攻撃的な選手を置いたほうがいい。彼の場合、誰かが後ろから彼を追い越すような動きをすれば、かなり面白い形になるだろう。ただ、本人が中央をやりたがっているのか、たびたび中央に進出してくる場面が目立った。いっそのこと、中央で使ってみたらどうかな。

 ■独り言

 3バックが決して悪いとは思わないが、今回の守り方はちとひどかった。前線からのプレスの仕方がばらばらであった。この辺はさすがに修正できると思う。

 でも、この世代って将来を意識したサッカーをしているのかな。それが疑問として出てきた試合であった。

posted by josepgualdiola |22:00 | 北京への道 | コメント(3) | トラックバック(2)
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2007年02月20日

アトレチコの謎の采配 ~セビリア戦~

 あんまり需要のないだろうセビリア対アトレチコ。上位グループ対決であり、今後優勝争いに生き残っていくかどうかの重要な試合である。だが、最近の両チーム、いまいち状態が良くない。アトレチコはアウェー限定の強さであり、セビリアは他のチームに研究尽くされたか、今年になってから得点数が減っている。この試合ではそのセビリア対策と、アトレチコの調子について注意してみようと思っていたが、アトレチコが勝手に自滅してしまった。

 ■謎のシステム・3センター、3トップ

 アトレチコはこの試合に3センター、3トップで試合に臨んだ。中盤はリュクサン、マニシェ、コスチーニャと運動量豊富な守備を得意とする3人だ。前線はミスタ、トーレス、アグエロである。

 まず、なぜ守備的な選手を3人並べたか。その狙いはセビリアの攻撃をしっかり受け止めること、中盤で数的有利を作り、中央での戦いを有利に進めること。こんなところが主な狙いだと思う。また、3トップがあまり守備を熱心にやらないため、守備的な選手を多く使い、バランスを取る、こんな狙いもあったのかもしれない。

 試合が始まると、中盤の3人は流動的にポジションを代え、ボールホルダーに近い選手がプレスに行き、後の選手はフォローに回るというメカニズムを披露した。そして、3人とも中よりにポジションを取っていた。

 しかし、セビリアはあまり中央から攻めてこない。基本はサイド攻撃である。つまり、ダニエルアウベスがフリーになる場面が目立った。セビリアのサイドバックがボールを持つ、フリーでボールを前に運ぶ→このころにマニシェらがプレスにようやく来るという場面が目立った。アトレチコの中盤は中に絞り気味なので、外へのプレスはどうしても遅れがちになってしまう。つまり、セビリアは余裕を持って、ボールを回すことが出来た。

 でも、チェルシーやバルサも3トップやっているけど、その3トップが相手サイドバックの守備やっているじゃないか。アトレチコもそうすればいいじゃん!!という当たり前のつっこみがある。しかし、アトレチコの3トップは守備の場面でまったく役立たずであった。それだけでなく、3人とも中央にポジションを取っていて、セビリアのサイドはスカスカになっていた。

 こうなるとどうしようもない。キーパを除くと、セビリアは両サイドバックが上がるため、攻撃に8人参加し、FWも懸命に守備をするので、守備は10人で対応している。アトレチコはFWが守備をしないので、守備を7人、ペルニアしか攻撃参加しないので攻撃は7人で対応している。このような状態で勝てるわけがない。

 前半は面白いようにセビリアのペースであった。両サイドからバランスよく攻め、ゴール前で速いパス回しをし、アトレチコ守備陣をずたずたにしていた。また中盤の守備のプレスも強く、アトレチコ中盤に余裕を持ってボールを持たせないようなプレスをしていた。このプレスによって、アトレチコのパスが少し乱れる→パスコースも限定されているので、DFはパスが出たと同時にアトレチコ3トップと球際勝負に持ち込み→勝利していた。

 1点目は中盤でボールを奪った速攻と、2点目は左サイドからクロス→ファーに流れたボールをナバスが上がってきたアウベスに落とし、アウベスミドルゴールである。

 しかし、セビリアのピボーテのマルティが後ろからのタックルで前半の35分に退場してしまう。そして後半戦へ。

 ■4-4-2に戻してみたけれど
 
 アトレチコは後半頭からガジェッティ、フラドを投入しサイドからの攻撃を見せる。相手が1人少ないのだから、これは定石だろう。フィールドを広く使い、相手選手の間隔を広げスペースを作ることが重要だ。

 特にフラドサイドには、アグエロ、ペルニアが絡んできて、前半には見られなかったコンビプレイが生まれた。ガジェッティも積極的にサイドから仕掛け、前半とはわけが違った。

 しかし、攻撃が単発、基本的に個人技で勝負という場面しかなく、組織で動向という攻撃はほとんど見られなかった。またトーレスは何もしていなかった。

 コーナーから3点目を叩き込まれ、最後にPKで1点返すものも、相手の退場をいかせないまま試合はこのまま終わる。

 ■独り言

 アトレチコはあの布陣でセビリアに勝てると思ったのだろうか。是非アギーレのインタビューが見てみたい。また、セビリアがあまりに自由にプレーしていて、セビリア対策の参考にはまるでならなかった。プエルタが気に入った。

 アトレチコは本当にやばい。後半の形に未来は多少見ることが出来たが、トーレスに元気がない。また、組織じゃない。恐らく今までは前線の選手の個人技のみで勝ってきたのではないだろうか。次はレアル戦である。気持ちの熱い試合が見られそうだが、見ごたえはなさそうな気がする。

posted by josepgualdiola |09:58 | リーガエスパニョーラ/06~07 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年02月19日

現実対理想 ~バレンシア対バルセロナ~

 チェルシー対バルセロナの試合は、よく理想対現実と表現されることがある。チャンピオンズリーグで名勝負を披露してくれる両チームだが、バレンシア対バルセロナもそれに近いものがあるのでないか。

 バルサのスタメンは、バルデス、ザンブロッタ、プジョル、エジミウソン、オレゲール、マルケス、デコ、シャビ、ロナウジーニョ、グジョンセン、イニエスタ。このブログでおしているイニエスタが右で先発。ライーカールトらしくない采配だ。注目はグジョンセンのスタメンと、マルケスのピボーテが機能するのか。問題のエトーはベンチにも入らなかった。

 バレンシアのスタメンは、ブテル、モレッティ、アジャラ、アルビオル、ミゲル、シルバ、アルベルダ、マルチェナ、アングロ、モリエンテス、ビジャ。風邪のため、カニサレスが欠場。怪我のため、ビセンテ、バラハが欠場。

 両チームの前回の対戦を簡単に振り返ってみる。前半はバレンシアの守備の前にバルセロナが沈黙、ビジャに先制点を奪われる。しかし、後半、エジミウソンをイニエスタに代えて、中盤を支配し、バルセロナが同点に追いつく。こんな試合であった。

 ■バルセロナの前半戦

 バレンシアは前でボールを奪うということに、あまり拘っていなかった。前で奪うというよりは、後ろでしっかり守ってカウンターを狙う。デコ・シャビにもそこまできつく当たらず、バルセロナにボール支配を譲っていた。ボールを譲られたバルセロナは、比較的自由にボールを回してバレンシアのゴール前に迫っていく。

  しかし、ゴール前にバレンシア守備陣が壁を作り、ひたすらバルサの攻撃を跳ね返していた。前半はバルサのペースであったが、ほとんど決定機はなかったといってよいだろう。一度だけ、イニエスタが抜け出し、グジョンセンに良いクロスをあげたが、グジョンセンは枠を外してしまった。それのみだった。

 バレンシアの守り方はいたって単純。DFラインは下げすぎず、その前に中盤の4枚がラインを形成。この2ラインで分厚い壁を作り、ゾーンでしっかり対応していた。マークの受け渡しも完璧で、非の打ち所がなかった。声も出ているのだろうし、個々の球際、守備意識が非常に高かった。

 また特にDFラインがペナルティエリアの中まで下がらないように、意識していたのだろう。裏を取るにはスペースがなく、放り込むにはゴールとの距離がありすぎる。このDFラインの位置取りが見事だった。DFラインはペナルティエリアのラインまでしか下げない、それ以上下がってしまったら下がりすぎであるというのは今後も参考になるだろう。

 バルセロナはそんなバレンシアの守りの前になぜ沈黙したか。理由を3つに分けてみる。

 最初の理由は個々のコンディション不足だろう。要するに個人技で打開できる選手がいなかったことだ。わかりやすく言うと、目の前の敵を抜ける選手がいなかった。今までの不調時のロナウジーニョは独りよがりであった。最近は独りよがりに慣らす、周りを使うようになり、さらに自分がボールを奪われると、相手を地の果てまで追いかけるようになったが、迫力不足は否めない。また、デコも昔に比べると、サーカスプレイに走る頻度が増した。唯一、イニエスタは可能性を感じさせたが、彼にはボールが回ってこなかった。

 次の理由はこのイニエスタである。彼の右が機能しているとは言いがたかった。イニエスタを右で使う最大のメリットは、中央に侵入し、ボール回しを円滑にすることである。しかし、バレンシアが引いたことによって、今日のバルセロナのボール回しはそれなりに円滑に進んでいた。よって、イニエスタが中央に行く必要がなく、右でイニエスタが出る必要がなかったのである。さらに、イニエスタが中に行く→右サイドバックがその上がったスペースを埋める、これが約束事であるのだが、本日の右のスタメンはオレゲール。まったく攻めあがってこなかった。結果として、右に張り付くことになったイニエスタに本来の怖さはなかった。

 最後の理由はダイナミズムの欠如である。代表例は両サイドバックのオーバーラップのなさ。まったく上がってこなかった。バレンシアのカウンターを警戒して、上がらないという選択を取ったのだろうが、バルサらしくない。また、戦線の選手も単純なパス&ゴーが少なく、選手を追い越すような動きが少なかった。なぜこのような事態になったかはわからないが、攻め急ぐシーンも目立った。それでも攻撃はいい形で終わる場面が目立ち、それがバレンシアのカウンターを防いでいたので、決してバレンシアペースの前半戦というわけではなかった。

 ■バレンシアの後半戦

 バレンシアの攻撃の形はとにかくカウンターである。ボールを奪ったら前線に近い選手は全員ダッシュ!!!ボールをバルセロナのサイドバックの裏に放り込み、そこから勝負を仕掛ける。

 前半戦で2度カウンターからチャンスが生まれた。両方ともアングロが絡んでいた。最初のチャンスは中盤でボールを奪い、モリエンテスが前を向いてボールを受ける。アングロが同時に右サイドを駆け上がり、そのオーバーラップに気を取られたバルサの裏をつくスルーパスをビジャに通した。モリエンテスらしくないスルーパス。このビックチャンスはバルデスの好セーブによって防がれた。ちなみにビジャのマーク、エジミウソンは途中でオフサイドをアピールし、ビジャを追うのをやめていた。。

 次のチャンスは単純にアングロを使いそこからクロスで相手を崩したシーンである。地味な選手アングロだが、その貢献度は想像以上にでかい。

 後半になると、もう少し前からプレスに行く場面も目立ったが、戦い方は前半戦とあまり変わらなかった。しかし、カウンターで先制点を奪う。それは狙い通りの形であった。

 深い位置でバルサからボールを奪うと、一気にバルサ左サイドバックの裏へビジャが飛び出す。そのままビジャがバルサ陣内に侵入し、バルサのDFがビジャに気を取られているうちにアングロがゴール前に飛び出してきて、ビジャがそこにパス→ゴール。バルサのDFは何が起こったのか理解していないようだった。すぐさまメッシをグジョンセンに代えて投入。

 そして追加点がすぐにバレンシアに生まれる。相手のクリアミスを拾い、初めての波状攻撃。それを最後はシルバが押し込み二点差。

 このあとアルベルダ、デコが同時に退場し試合は荒れていく。この退場の原因は、アルベルダがメッシに後ろからスライディング→そばにいたデコがアルベルダを突き飛ばす→両者退場。なんか最近のデコはキレやすい気がする。

 メッシ加入後、バルサの攻撃は個人技で徹底的に仕掛けるものになっていく。それに比例して、ゴール前でのフリーキックのチャンスが増え、最終的にロナウジーニョが1点返し試合終了。

 ■独り言

 オレゲールがバレンシアサポにやたらブーイングされていたけど、なぜでしょうか。まったく理由がわからない。挑発でもしたのかな。

 バルセロナは相手にボールを預けても良かったと思う。昨年チェルシー戦でそのようなサッカーを披露したと思うのだが、あれは気のせいだったのだろうか。同じペースで攻め続けると、相手の集中力が極限まで高まることが多いので要注意である。エジミウソンとグジョンセンの立場が怪しくなってまいりました。

 バレンシアはさすがだけど、もう少し面白いサッカーをして欲しいぞ。チェルシーのほうがまだ面白いことをやっている気がする。

posted by josepgualdiola |11:29 | バルセロナ/06~07 | コメント(12) | トラックバック(0)
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2007年02月18日

レアル対ベティス ~変な采配~

 先週は風邪をひいてしまい、試合をまったく見ることができなかった。もし、更新を楽しみにしてくれている人がいたならば、申し訳ないです。冬風邪には気をつけましょう。

 ■グティをトップ下にした前半戦

 レアルのスタメンは、カシージャス、トーレス、カンナバーロ、エルゲラ、ラモス、ロビーニョ、エメルソン、ガゴ、ベッカム、グティ、ニステル。グティをトップ下で使い、ピボーテはエメルソンとガゴを組ませてきた。

 グティをトップ下で使うことの狙いは、ポゼッションを高め、ゲームをしっかり組み立てる、ということだろう。その狙い通り、レアルはレアルらしくないサッカーを前半戦に披露する。

 まず一番驚いたことはエメルソンが機能していた、ということだ。レアルに来て以来、まったく輝くことを忘れたエメルソンは多少その輝きを取り戻しつつあると思う。運動量が増え、ボールに積極的に絡み、前線にも顔を出す。また、ボールのないところの動きで、味方をフリーにしたり、スペースを作ったりと、まるで別の選手のようだった、

 ガゴはボールをもらいたい病である。相変わらずDFラインの前で走り回り、常にパスコースを作る。そのガゴに連動して、エメルソン、時々グティが動き、ボールを前線に供給していた。この3人のコンビはなかなか良かったと思う。

 つまり、ロビーニョは組み立てに参加する必要がなく、相手の裏を狙うプレーや、比較的いつもより高い位置でプレーすることが出来ていた。今日のレアルの攻撃の中心はこの左サイドであった。ロビーニョがキープ。中にボールを展開したり、トーレスのオーバーラップを巧く活用したりして、攻撃の流れを作っていた。

 左サイドにボールが出ると、ベッカムは中に絞り、ボールを失った時に備えるポジショニングをとっていた。献身的。また、右サイドでボールをため、一気にサイドチェンジという場面も目立った。一発でサイドを変えられる選手は結構少ない。ベッカムのいい面である。また、ラモスのオーバーラップを活かすために、中に侵入する場面も目立った。レアルでサイドを受け持つ選手のなかで、バランスを考えてプレーできるベッカムは貴重かもしれない。

 このように前半戦のレアルは常に攻めまくっていた。しかし、点を取ることは出来なかった。その最大の原因は攻撃の枚数が足らないことである。トーレスがクロスをあげても、ボールに飛び込んでくるのはニステルのみ。強引に個人技で状況を打開しようとしていたのも、ラモスのみであった。不思議とロビーニョは大人しく、味方に託す場面が目立った。グティがパス出した後にゴール前に飛び込んでくればよいのだが、難しいところだと思う。グティ・トップ下、最大の弱点、ニステル孤立は健在であった。

 ■ラウールをトップ下にした後半戦

 後半になると、カペッロは頭からガゴ→ラウールに代えてきた。カペッロってこんなに交代早い監督だったっけ。ガゴは前半にイエローをもらっていたから代えたのだろう。ただ、相当効いていたのでかなり意味不明な采配。ニステルの孤立化を解消したい気持ちはわかるけれど。

 後半になると、レアルにはついていない事態が起こる。エメルソンが早い段階でばててまったく動けなくなったことと、前半は緩慢だったベティスに勢いが出てきたことである。

 この試合の中盤の出来なら、恐らくガゴがいなくても中盤は何とかなるのではないか!とカペッロは考えたのかもしれない。しかし、エメルソンは後半途中からまったく動けなくなり、いつものボールもらいたくない病が再発していた。そうなると、グティにボールが自然と集まるが、ベティスからしたらそこを狙えば良いだけの話。DFラインはどこにボールを預けていいかわからず、ベッカムが前線にロングボールを供給する場面が目立ち始める。

 ロビーニョも高い位置でボールをもらうことが出来ず、前半のようなプレーは出来なくなってしまった。ラウールは走り回っていたが、あまり意味がなかった。ベティスの一つ一つのプレーに力強さが生まれ、レアルは後手後手になってしまう。

 ベティスはハーフタイムに、監督から、「もっと積極的にプレーしろ!!!!!」とでも言われたのだろう。結果として、ベティスはボールを奪うと、レアルDFラインの裏にボールを放り込み、カウンターでレアルゴールを狙う。前半のベティスの戦術を、リトリート→ロングカウンターとするなら、後半は高い位置からプレス→ショートカウンターとなった。

 ほぼ防戦一方になったレアルはロビーニョ→レジェス、ラモス→マルセロに代えて攻勢に出るが状況は改善されなかった。レアルの武器はベッカムの右足のみになってしまい、そのクロスをニステルが外し、フリーキックも枠を外れとこのまま試合を終える。

 ベティスもビックチャンスを何度も作ったが、ポストに当たるわ、シュートがイレギュラーバウンドで枠を外れるわと、カシージャスの神通力が効いていた。結局スコアレスドロー。

 ■独り言

 ベッカムが自分でフリーキックを取りに行く姿に泣けた。もっとロビーニョが中で強引に勝負すれば、フリーキックやセットプレイのチャンスが増えただろう。いいセットプレイを持っているのだから、もっと意図的にセットプレイを取りにいくべきだろうな。レアルはセットプレイで先制点を取ることが多い気がする。先制点によって、相手が攻めてきたところをカウンターで点を奪う。そんな試合を数多く見てきた。先制点が取れないと、本当にやばいレアル。

 グティ、ガゴ、エメルソンの3人は結構良かった。ただ後半はエメルソンはばて、グティはお粗末な守備であった。やはりガゴを下げるべきでないような。最近のカペッロは変な采配をする。

 レアルのMVPはカシ-ジャス。また彼が目立つ試合になってきた。ベティスのパンクラートはなかなかいい選手である。

 

posted by josepgualdiola |21:29 | レアルマドリッド/06~07 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2007年02月09日

今週のリーガらプレビュー

 これからは、観戦予定である試合の注目点を、金曜日に書いていきます。

 ■ソシエダ対レアル

 ソシエダはかなりがけっぶち。19位で勝ち点14。18位のレバンテの勝ち点は22。そろそろ勝ち点を積み上げていかないと、ゲームオーバーになってしまう可能性が高い。レアルをホームに迎えるわけだが、是が非でも勝ちたいところだろう。レアルの注目点はラウール、イグアイン、ニステルの3人のコンビがどれくらい機能するのか。ガゴとグティどちらを使うのか。それとも、予想外のディアラ、エメルドンコンビ再結成なるか。希望としては、ラモス右バック、ガゴ・ディアラのピボーテ、グティ、ラウールの両サイドハーフが見てみたい。大穴の予想としては、ガゴ、グティのピボーテ。絶対ありえないだろうけど。

 ■バルサ対ラシン

 前節で好チームヘタフェをぶったおしたラシン。前に見たときのラシンは、本当に散々であった。守備も駄目、攻撃も駄目。それがムニティス、ジキッチのでこぼこ2トップを中心に、チームを立て直してきたらしい。ものすごく楽しみであったわけだが、その2人がなんと累積で出場停止。。。カンプノウの試合ということも有り、波乱はなさそう。楽しみはイニエスタが右ウイングの位置でスタメン出場を果たすかどうか、メッシ、エトーのそろいぶみなるか!!といったところだろう。バルサファンにとっては安心して見られるカードになりそうだ。

 ■アトレチコ対ビルバオ

 なぜにバレンシア対ヘタフェを放送せずに、このカードなのか。恐らく生放送やハイビジョンの関係だと思うが、バレンシア対ヘタフェ見たかったな。この試合の注目点はホームでアトレチコが試合を支配できるかどうか。ホームで成績が悪いようなので、現状を打破したいですね。よっぽどの発見がない限り、このカードのレポは書かないと思います。

 ■ベティス対セビリア

 つい最近国王杯で対戦した2チーム。またまたアンダルシアダービーだ。恐らくこの試合が、リーガの中で、一番気持ちの入ったいい試合になるに違いない。ベティスは最近調子を上げてきている。最近の結果はこの通り→○△△●△△○○●△○○←いい感じである。このいい感じになったベティスの試合を見るのは初めてで、非常に楽しみだ。対して、最近調子の悪いセビリア。引きこもった相手になかなか点が奪えない試合が続く。新しいオプションを示せるかどうかで、セビリアの監督の能力が示されるだろう。自分も少し考えて見ます。

 ■エールディビジョ

 今節はいいカードがないので観戦予定はなしです。AZやアヤックスについては積極的に見ようかなーって考えています。

 ■パレルモ対エンポリ

 時間があったら見ます。パレルモには興味があるので。でも一時期の勢いがないようなので残念。

 ■ニューキャッスル対リバプール

 これが今週で一番楽しみなカードです。プレミアは見たり見なかったりなので、いまいち最新の情報に詳しくないですが、ニューキャッスルはようやく結果を出してきていると思います。そこにリバプールっていうのは最高ですね。リバプールも手を変え品を変え、いつも変なことやってくるので見ていて飽きません。バカ試合を期待します。

 ユナイテッド、アーセナル、チェルシーについては、どれか一試合みるかもしれません。この3チームのなかで、お勧めのカードがあるぞってかた、それを教えていただけると助かります。

 ■ブレーメン対シュトゥットガルト

 これも結構楽しみなカードなんですが、なぜかブレーメンと自分の相性が悪い。あまり楽しめないのです、。だったら、なぜ楽しめないかをいつか書こうと思うのですが、なぜか途中で見るのをやめてしまう。

 ■まとめ

 こうやって書くと結構見られるんだなって思いました。でも実際に見るのは半分もないでしょう。では。

posted by josepgualdiola |18:03 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2007年02月07日

悲観しなくていいと思うぞ、今週のレアル ~レバンテ戦~

 試合を見る前に、結果を知ってしまったカードである。各メディアの反応を見ていると、最低だったらしい。今シーズン、レアルはホームで無残な姿を何度か披露している。ヘタフェ戦、デポル戦、レクレアティーボ戦らがその代表といえるだろう。まさか、それと同じくらい意識の低い試合をしてしまったのだろうか。ラウールとグティが戻ってきてそれでは、もうどうしようもないかもしれない。

 カンナバーロはインフルエンザでベンチ外。ガゴは軽症のためベンチ外。エメルソンがベンチに復活し、久々のミニャンブレスもベンチに入った。また、ラウールの復活によって、ロビーニョがベンチ。

 スタメンは、カシージャス、左からトーレス、ラモス、エルゲラ、サルガド、レジェス、グティ、ディアラ、ラウール、イグアイン、ニステル。

 ■レバンテのスペースを潰す守り方

 隠れた名チームに認定されているレバンテ。しかし、強豪相手には大健闘するも、下位チーム相手に結果を出せず、とうとう監督が代わってしまった。ロペスカロのサッカー好きだったのに。
 
 監督交代によって、レバンテの守備の組織が大幅に変わった。ロペスカロ時代の守り方は前線から徹底的に相手を追い掛け回しボールを奪う攻撃的なものだった。しかし、新しい監督になると、それがスペースを潰し、クサビのパスや前線に入ったボールを奪う形になった。

 あまり前線からボールを追いかけず、パスコースを限定し、狙いどころでボールを奪う。消極的な守備とは言わないが、ダイナミックさがなくなり残念である。この守り方はまだ完成されてなく、ラウールに微妙な隙間をつかれ、最終的にカテナチオになってしまっていた。監督代えて、悪くなってないかな。攻撃面でもフィジカルを活かした攻撃から、よく分からない形に変わっていた。このままじゃ下に落ちそうな予感。

 ■ボールを支配したのはレアル

 相手にボールを支配させ、カウンターで相手をしとめる。そんなレアルが珍しくボールを支配した。その原因はレアル側にもレバンテ側にもある。まずレバンテ側の理由から見てみよう。

 レバンテは幸運にも、前半の早い段階にPKで先制することが出来た。そこからはリスクをおかす必要もなく、数少ない攻撃の場面でも、後ろから人は飛び出してこなかった。そのため、レアル守備陣はそこまで守備に労力を必要としなかった。

 また、前述したように、レバンテの守り方が変わったことによって、センターバックやピボーテのグティ、ディアラは簡単に前を向くことが出来た。そこから先を潰すのがレバンテの守り方なわけだが、ここの選手たちに余裕が生まれたことは、レアルにとって大きなものとなった。次にレアル側の理由を見てみよう。

 前節のレアルの大きな問題点はサイドの選手の攻め急ぎであった。ピボーテからボールが入ると、サイドの選手はなぜか頑なに個人技で勝負を仕掛け、最終的には相手に囲まれやられていた。今節、サイドのスタメンはレジェス、ラウールである。

 残念ながら、レジェスはこの試合でも同じミスを繰り返していた。しかし、ラウールは違った。元々ドリブルで仕掛ける選手ではないので、ラウールはボールを受けると、ピボーテに返したり、前線の選手に単純に渡していた。結果的にこれが効果的だった。

 また、レバンテのボールの回復点はニステルやラウールにボールが入った瞬間である。この瞬間に前に出てパスカットするのが理想的だ。しかし、ラウールもニステルもワンタッチでボールを味方に返す場面が非常に多かった。このワンタッチによって、レバンテの早い寄せに意味はなくなり、その寄せが甘くなれば、今度は前を向かれてしまうという最悪の循環になった。ラウールの球離れのよさとニステルと周りとの相性がこのワンタッチプレイを可能にしたと思う。

 このワンタッチプレイによって、レアルはボールを効率よく前線に運ぶことが出来た。しかし、その先がなかった。ゴール前でのトラップミスや判断ミスが目立ち、決定機を作っても外してしまう場面が目立った。

 ■ロビーニョの投入

 後半頭から、カペッロはレジェスをロビーニョに代えて攻勢に出る。前半と同じように、ボールを前線に運ぶことが出来たので、ロビーニョは高い位置で相手と勝負することが出来た。今までは中盤の低い位置で窮屈そうにしていたが、この試合ではらしさを存分に出していた。しかし、途中で怪我をして交代してしまった。。

 レアルは後半も何度もレバンテゴール前に迫るが、レバンテの即席カテナチオの前に完封されて試合は終わった。

 ■独り言

 試合内容は決して悪くなかったと思う。この試合内容が悪いというなら、今案での試合はもっと悪い。数字で表すならば、今日の調子を10とすると、ヘタフェ戦やレクレアティーボ戦は0以下である。

 前線もラウール、イグアイン、ニステルを使えるめどが立った。特にニステル。イグアインの加入によって、ニステルが孤立する場面が減り、それにともなって、ニステルの運動量が序盤に比べて相当増し、ポストプレイも徐々に巧くなってきた。また、お互いの動きを利用して、相手の裏へ飛び出す場面が見られるようになった。このような動きがここ何試合か継続してみることができる。さらに、この試合では、後半になると、ラウールが中に入ってイグアインとポジションチェンジをするなど柔軟性も見られた。ただ、ラウールが中には行ったきり戻ってこなかったので、相手を混乱に陥れるというレベルには達していなかった。

 ロビーニョの使い方もゴールに近い位置でプレーさせれば、ある程度能力を発揮させることが出来ることがわかった。レジェスはサラゴサ戦のような気迫を見せない限り、出番はない。

 グティはチームの起点になろうと、積極的にボールに絡んでいたが、守備が悪すぎる。また、前線に飛び出す場面も少なく、ガゴよりも何が出来るか、とうことをアピールできなかった。グティがパートナーだと、ディアラの飛び出しに思いっきりが感じられない。もう少し前で使ってあげた方がいいと思う。

 トーレスはかなり良いのでないか。攻撃面でもレジェスを助けていて、今後経験をつんでいけば貴重な戦力となる。ラモスはやはり攻撃が好きなようで、センターバックは似合わない。
 
 今シーズンのレアルはなぜか勝つ試合が多かった。なぜか得点を取れる試合が多かったと思う。それが今回は入らなかった。こんな試合もあると思う。ただ、セットプレイの数が少なかったのが気がかり。狙ってセットプレイを取りに行っても良かったのではないかな。

posted by josepgualdiola |15:13 | レアルマドリッド/06~07 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2007年02月05日

PSV対AZ ~いざ、首位決戦~

 前節ローダ相手に2失点完封負けしてしまったPSV。首位を独走する状態が続いているので、集中力が切れたのだろうか。そんな試合も一年に数回起きるものと思う。このチームの特徴は堅固な守備と、個人能力の高い攻撃陣である。ただ攻め続けるだけでなく、時には試合のペースを意図的にダウンさせ、大人のサッカーを魅せることも出来る非常に優れたチームだ。

 AZはまさにオランダサッカーを体現しているチームだと思う。育成の面でよく手本になる機会が多いオランダだが、それをそのままプロにしたような感じである。組織的な好チームだ。

 ■受身に回ったAZ

 PSVのホームに乗り込んだAZは守備の意識が高い選手をスタメンに入れてきた。1つの目安として、DF登録の選手を6人、スタメンで使ってきた。まずは守りから!という意識だったのだろう。守備を固めて、速攻でPSVを崩す。ファンハールはこのようなゲームプランを頭に描いていただろう。

 しかし、そのゲームプランはあっという間に崩れ去ってしまう。試合序盤から全開で飛ばしてきたPSVにAZ守備陣は押し込まれてしまう。コーナーキックから決定機を作られてしまうなど、集中力の欠けたプレーも目立った。
 
 また、守備意識の高い選手たちは徐々にそのポジションを下げ、最終的に最終ラインに吸収される選手まで出てきた。そうなれば、中盤と前線の距離が開いてしまい、そこをPSVに使われてしまう。中盤でコクやメンデスが自由にボールを持っている状態で、DFラインをあげることは自殺行為だ。

 つまり、守備意識の高い選手を並べ、スペースを潰し、高い位置でボールを奪おうとするプランが、最終ラインに吸収され、相手にスペースを与え、自陣ゴール前で踏ん張るという危険な状態に陥ってしまった。このような状態で相手からボールを奪っても、PSVゴールは遠い。それだけでなく、PSVは先制点を取るまで前線から激しいプレスをかけてきた。つまり、ボール奪取→すぐに相手のプレス→苦し紛れのクリア→または奪われる。このようなスパイラルが続いた。

 まさに苦し紛れのクリアーから、PSVに先制点が生まれる。PSVはスローインから相手を崩しファルファンが先制。まさに狙い通りの形だっただろう。

 先制点後、PSVは少しラインを下げ、リスクを犯さない形にしてくる。お得意の形である。すばやい寄せで2トップからボールを奪い、ファルファン、コネを中心に速攻を仕掛けた。AZは守備の巧い選手を並べすぎたためか、攻撃の場面でも個々の場面でほとんど敗れ去り、どうしようもない状態で前半を終える。特にサイドでの一対一はびっくりするほど見ごたえがなかった。前線にボールを入れても、どうしようもないと判断したAZのDFは自陣から2度ドリブル突破を仕掛け攻撃をリードしていた。この場面のみAZのらしさが出ていた。

 ■イェネルとブカリ

 後半頭からAZは2枚交代枠を使ってきた。守備的な選手を攻撃的に代えてきたのだ。イェネルとブカリはサイドの選手である。つまり、後半は攻撃的に行くこと、特にサイドから相手を崩すということというメッセージが誤解なくAZイレブンに伝わっただろう。そのメッセージどおりに、AZはサイドから積極的に仕掛ける。

 特に右サイドに入ったイェネルの積極性が目立った。果敢にドリブルを仕掛け、さらに必ず攻撃をクロスにつなげていた。右サイドが活性化したことによって、2トップの右に位置するデンベレも復活。イェネルとコンビで崩したり、イェネルをおとりにして中央突破を試みるなど、AZの攻撃はファンハールの交代策によって復活した。

 まさにその右サイドから同点ゴールが生まれる。イェネルが強引にクロスを上げ、そのこぼれだまをデンベレが押し込む。

 同点後、PSVもラインを上げ攻撃的になるが、意外な形でAZ得点が生まれる。コーナーキックがなんと直接入ってしまった。ニアポストのところにいたコクがボールをスルーしてしまい、それがゴメスにあたりそのままゴール。これでAZは逆転に成功する。

 逆転されたPSVは狂ったようにリスクをかけて攻撃に出る。するとすぐにコクが同点ゴールを叩き込みここから試合は無秩序状態になっていく。

 スコアが2-2になってから、両チームとも攻撃と守備の選手がわかれ、中盤が空っぽになり、ノーガードの打ち合い状態になっていった。このような状態のとき、自然にボールはチームのエースに集まる。PSVのエースはコネ。コネが左サイドから積極的に仕掛けチャンスメイクをする。

 それに対して、AZ。エースがいない。絶好調の右サイドコンビにボールが集まるではなく、PSVのDF陣に跳ね返され良い形を作れていなかった。チーム得点王のクーフェルマンを投入するが、流れは変わらなかった。しかし、追加点はAZに生まれる。コーナーキックのこぼれだまにいち早く反応したのは途中交代のクーフェルマン。これで3-2。試合はこのまま終わる。

 ■独り言

 ファンハールの切り替えは良かった。非常に論理的な采配だけれども、あそこまですぱっと切り替えられる人は多くないと思う。後半に攻撃的に行った結果、コーナーキックも得られたので、勝つべくして勝ったともいえる。

 いつもながら、PSVは守りに入るのがはやい。前半に2点目を奪えなかったのが痛いね。

posted by josepgualdiola |18:22 | Eredivisie | コメント(0) | トラックバック(0)
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