2010年02月07日
ヴォルフスブルグ対バイエルン ~戦術の粗を放置~
ヴォルフスブルグのスタメンは、レンツ、シェーファー、バルザーリ、マトルンク、リーター、ジョズエ、ゲントナー、長谷部、ミシモビッチ、ジェコ、グラフィッチ。前節とスタメンは一緒である。ひたすら守り通してロスタイムに同点ゴールを決められたヴォルフスブルグ。精神的なダメージが心配されるところで。多少は選手を入れ替えると思ったが、ベンチにろくな選手がいないのかなと。 バイエルンのスタメンは、ブット、バトシュトゥバー、デミチェリス、ファン・ブイテン、ラーム、シュバインシュタイガー、ファン・ボメル、ミュラー、ロッベン、オリッチ、ゴメス。バイエルンもスタメンはほぼ固定。ミュラーとバトシュトゥバーは試合に出場する機会に恵まれて非常に運がいい。もちろん、実力もあるのだろうけど、めぐり合わせもあるんだろうなって。 ■めちゃくちゃなヴォルフスブルグ ヴォルフスブルグのシステムは4-3-3。前線の3人が守備をしない問題は今日も健在であった。試合前からこんなことは予想されることである。労働のできるファンタジスタが求められる時代に、このようなことを許容しているのも問題外だが、まあ仕方ない。守備をしないならば、守備をしないなりにチーム設計を行えばよいだけである。 となると、自動的に4-3で守ることになる。広大なピッチを4-3で埋めることは不可能なので、高い位置からの守備をするのは自殺行為に近い。少人数でも、密集して守備を固めることで、カウンターに望みを託すことはできる。なので、守備をサボる選手がいるならば、後ろで引きこもって組織を形成しないと、ちょっとわけのわからないサッカーになってしまう。 ちなみに、前線の選手の守備のしなさを具体的な場面でお伝えしよう。前線の3人はセンターサークル付近をうろちょろしている。ボールホルダーにプレスをかけないならば、せめて中央のスペースを埋めてくれと懇願されたのだろう。この約束事は守っていたといってよい。 ただし、本当にスペースを埋めているだけであった。31分くらいにDFラインからボールを引き出すファン・ボメル。ジェコとグラフィッチの間でボールを受けると前を向いて前線へボールを繋げていった。 ミシモビッチ、ジェコ、グラフィッチは三角形の形でスペースを埋めている。ファン・ボメルはその三角形の中央でボールを受けて、あっさりとボールを繋いでいった。ファン・ボメルのポジショニングが良かったよりは、だれもボールを奪いに行かないことに笑ってしまった。早々に見切りをつけないと、やばいことになりそうである。 話を戻してヴォルフスブルグ。彼らの選択した守備方法はなるべく前で守ろうである。そんなバカな。でも、現実だから仕方ない。長谷部やゲントナーが相手のSBにまでプレスをかける場面が非常に多かった。どのように考えても、ジェコやグラフィッチの仕事場である。ポジションの役割以上の仕事をこなさせられている長谷部とゲントナーはぼろぼろになるに違いない。 違うんですよ管理人さんと。ヴォルフスブルグのシステムは4-1-3-2なんです。このように考えると、長谷部やゲントナーが相手のSBの担当になってもおかしくはないでしょうと。確かにそのとおりである。でも、中央の3人がサボりにサボるので、そんなシステムが機能するわけもなく。バイタルを埋めるのが役割のジョズエが、ミシモビッチを追い越して、シュバインシュタイガーを潰しにいった場面も非常に印象に残っている。 つまり、ヴォルフスブルグは前線の3人が守備をサボるので、ボールホルダーにプレスがかからない。なので、中盤の選手が役割を越えて動き始める。しかし、役割を越えた動きにはどこかのバランスを崩しているのは間違いないわけで。例えば、ジョズエが相手の最終ラインまでプレスに行けば、中央にスペースができるでしょうと。役割をこえなきゃいけないイレギュラーな状況がレギュラーな状況になっているヴォルフスブルグであった。 このイレギュラーな状態を監督はレギュラーにするのが仕事である。でも、レギュラーな状態をイメージできない監督さんが多いようで。ヴォルフスブルグのケースを考えてみると、そもそも監督がいないので、どうしようもない状態であった。暫定の監督もあんまり賢くはないようで、このチャンスをものにしてやるって野心はないようである。 そんなわけで、めちゃくちゃなヴォルフスブルグ。それに対戦するのが好調のバイエルン。結果は火を見るよりも明らかだねってことで。2分にあっさりとサイドを攻略されてしまう。ミュラーのクロスをロッベンが合わせてあっさりと先制。バイエルンの崩しも見事だったが、ヴォルフスブルグの構造上の問題が原因と考えられる。 早すぎる先制点によって、バイエルンはちょっと試合の流れをつかめなくなってしまう。あれ、こんなに簡単に点が入ってしまうのみたいな。特に攻守の切り替えが遅くなり、ヴォルフスブルグに復活の機会を与えてしまうことになる。ヴォルフスブルグは前線の3人に攻撃を任せる。ジェコあたりが恐ろしい仕掛けを見せるのだからやっぱり凄い。でも、攻撃はみんなでやるものよと徐々に攻撃の枚数を増やし始める。 ゲントナー、両SB、ジョズエの攻撃参加によって、ヴォルフスブルグは攻撃に厚みを加えていく。ゲントナー+誰かが攻撃参加したときのヴォルフスブルグの攻撃はなかなかの迫力であった。シャーファーのクロスも後一歩のところまで迫っていく。この猛攻で得点を奪えれば、試合は面白い方向に転がって言ったに違いない。しかし、現実はそこまで甘くなかったと。 相手に付け入る隙を与えたことで、徐々に目がさめるバイエルン。相手がプレスにこられないのだから、落ち着いてボールを保持して攻撃を仕掛けようと。狙いはやっぱり長谷部サイドなのかなと。ミュラー、バトシュトゥバーのユースコンビを中心にバイエルンが徐々にゴールへの意識を高めていく。 バイエルンの攻撃の怖いところはシュート意識である。オリッチもマリオ・ゴメスもミュラーのシュート意識がとっても高い。ゴールまでの道が見えたら迷わずにシュートを狙ってくる。ボールを持っているときの優先順位がはっきりしているのだろう。ゴールを狙えるなら打て。それが駄目なら、パスをすればいいし、それも駄目ならドリブルだろうみたいな。 シュバとファン・ボメルが試合を落ち着かせ始めると、ペースは徐々にバイエルンへ。この2人に猛烈なプレスをかけたらどうなるのか非常に興味深い。バルサではちょっと厳しかったファン・ボメルだもんね。それにしても、シュバインシュタイガーは中央で存在感を発揮できるようになった。ファンハールのコンバートは成功したようで。 そして26分にコーナーのこぼれ球をつながれて、最後はファン・ブイテンに押し込まれてかなり残念な展開となってしまう。全員がボールを見てしまったゆえの悲しい結末。ジョズエがラインを押し上げるのを遅れてしまったのだけど、彼のせいにするのはこくかなと。2-0は危険なスコアだというけれど、1-0よりは危険でないわけで。それにこの試合の2-0では、絶望的な差を見せ付けてられているように感じた。 ちなみに、ヴォルフスブルグは途中から後ろで守備を固めていた。結局のところ、自分たちがどうしたら最適か!っていうのは、周りの状況が教えてくれているわけで。監督よりも、自分たちの目指すやり方よりも、いま、起こっていることに素直に従う、または耳を傾けるのが正解に近いと思うんだな。サイド攻撃を志向しても、相手が妙にサイドを固めてきたら他の方法を取るしかないわけでしょ。耳をすませば、答えはサッカーが教えてくれるみたいな。耳をすますのが難しいのだけど。 ■戦って死んだともいえない。 余裕のバイエルンは、後半の頭からオリッチ→リベリ。ロッベリーの登場である。泣きっ面の蜂か、それともヴォルフスブルグに策は残っているのか。後半開始直後に、いきなりロッベンにポストにぶつけられるのを見ると、どうしようもなさそうである。 そして、どうしようもなかった。30分過ぎに開き直って後ろで守備を固めた正しさを捨てて、後半はリセットの前からの守備である。となると、中盤が役割をこえたポジショニング→バイタルが空く。前線の守備に連動性もないので、バイタルをリベリたちに使われる光景のリピートであった。 で、58分も簡単に相手にボールを運ばれてリベリに中央突破→ロッベン→2列目からの飛び出したミュラー→レンツがスーパーセーブ→こぼれ球をリベリが冷静に押し込んで3-0である。 60分に長谷部→ペカリク。今日の長谷部は11人のなかの1人って感じで、特に存在感が際立っていたわけでもなく、足を引っ張っていたわけでもない中途半端な感じで。ボールを持ったときのプレーは悪くないのだけど、バイエルンの選手に比べると怖くないみたいな。ちなみに、ペカリクは長谷部と同じ仕事を担っていた。流れを変えるような交代策ではない。 65分。楽勝モードのバイエルン。DFラインでボールを回しているときにファン・ブイテンが相手にボールをプレゼント。初めてのショートカウンターが発動したヴォルフスブルグ。なんとPKを奪う。でも、グラフィッチが外してしまう。もうこの場面がチームの今を象徴しているのかなと。 71分にミシモビッチ→カーレンベリ。とうとうミシモビッチが下がった。機動力で優れるカーレンベリのほうが良さそうである。守備の位置はミシモビッチよりは後ろであった。でも、ミシモビッチの守備の役割と遠からず近からずであんまり変わらない。前線の選手に守備に戻ってこいよとジェスチャー→シカトされていた。 このあたりからバイエルンの集中力も切れ始める。カウンターが中心になり、ロッベン、リバリ、ミュラーがどんどん仕掛けていった。点差があるので、相手に攻め込まれてもあんまり気にしていないような。でも、ロッベンはかなり守備をしていた気がする。 ゲントナーとシェーファーを中心に何とか一矢を報いたいヴォルフスブルグ。終了直後にジェコのシュート性のクロスのこぼれ球をグラフィッチが押し込んで3-1にすることはできた。でも、悲しい悲しいゴールであった。 ■独り言 新監督が来るまでは、ヴォルフスブルグの観戦は控えようかなと。ただ、ここからの試合を調べると、レバークーゼン、シャルケと続く。アーセナル並みに強豪との連戦が続いていく。完全に罰ゲームである。こんな強豪と当たる時期だから、だれも監督を引き受けてくれないのだろうか。 バイエルンはだいぶ組織的になっていた。ゼロベルトに依存していたころが懐かしい。CLでも以前のようにあっさりと敗れ去ることはないだろうと。ただし、ファン・ブイテンが狙われると、ちょっと怖いことがおきそうである。
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posted by らいかーると |13:27 |
ブンデスリーガ0910 |
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