2010年02月03日
日本対ベネズエラ ~実験室へようこそ~
日本のスタメンは、楢崎、徳永、中澤、闘莉王、長友、小笠原、稲本、遠藤、憲剛、大久保、岡崎。2010年になっても日本代表を華麗にスルーするわけにはいかないだろうと。さすがに試合を観戦する人の数も増えそうなので、そんなときにシャルケ対ホッフェンハイムを見ていましたとは言いづらいねと。 Jリーグはシーズンオフである。なので、各選手のコンディションはあんまり高くないのが現状である。逆に高すぎるとどれだけ気合が入っているんだということになる。ただし、東アジア選手権を消化試合や岡ちゃんの実験室にするとはちょっと考えにくい。となると、代表の基礎的なやり方を思い出そうね、そして新戦力を試せたらいいなって位置づけの試合になるのだろうか。ただし、興行を考えると、そういう雰囲気はだしちゃ駄目ね。 ベネズエラのスタメンは、モラレス、ロメロ、レイ、サラサール、シチェロ、ルセナ、フローレス、ディジョルジ、ゲーラ、モレーノ、アリステギエタ。もちろん、だれも知らない。でも、近年は成長著しいベネズエラである。コパでもそれなりの成績だったし、南米予選も頑張っていた記憶がある。でも、アランゴがいないのは残念だね。 ■久々の日本代表 ベネズエラのシステムは4-3-1-2の菱形。イメージとしては4-3-3で守っている。中央の守備を分厚くすることで、相手の攻撃をサイドに誘導するような狙いを持っている。これがそんな狙いを持たないと、トップ下を含めた前線の選手がワイドに広がることによって、FWの選手が相手のSB、トップ下の選手が相手のCBにプレスをかけにいく形になる。繰り返しになるが、ベネズエラは日本の攻撃をサイドに誘導する狙いがあったので、前線の選手は中央でフィルターの役割をこなしていた。 相手はサイドに誘導しようとしている。だったら、サイドから攻めるのはおろかなことかというと、そんなことはない。相手は中央を厚く守っているので、相手の強いところから攻めるってのは得策とは言えないわけで。逆にいうと、ベネズエラは日本をちゃんと研究してきたのだろう。日本の強いところに自分たちの守備の重点を置いているのだから。 日本のシステムは4-4-2。細かく言うと、4-2-2-2っぽい。中盤にはテクニカルな選手がずらり。で、そんなテクニカルな選手たちは中央渋滞を引き起こそうとしたベネズエラの攻撃に特攻してしまった。なぜにサイドを使わなかったのか。SBのコンディションが微妙とか、中央でプレーしたい選手がMFにたくさんいるとか色々あったろう。このあたりは状況を観察して、誰かに空気を読んで欲しかったところにある。特に大久保あたりに。 そんなわけで、相手の強いところとぶつかり合うことになった日本代表。そんな相手を簡単に崩せるわけもなく、試合は拮抗したものとなる。そして解説はこの状況を変な感じで絶賛。解説でしきりにベネズエラを賞賛しているのが面白かった。よっぽど、日本は親善試合の相手に恵まれてこなかったようで。 日本はボールをちょこちょこ繋いでいくのだけど、仕掛けの局面の手前で止められてしまうことが多かった。そりゃ、あれだけ中央渋滞してしまえば当たり前である。ここから期待されるのは、攻撃の流れに変化を加えることである。そういう意味で相手に怖さを与えた小笠原のミドルは素晴らしい判断だったと思う。 久々の代表である小笠原。メンバーに残るための危機感があったのか、ボールを触る回数が多かったわけではないけれども、怖さを出そうと躍起になっているように感じた。その結果、他の中盤の選手よりは相手に怖さを印象付けられたかなと。ミドルと岡崎へのスルーパスは彼らしさが出ていたと思う。 そんなわけで、徐々に変化し始める日本代表。このやり方では無理だなとはだれもが感じたところで。次に登場するのがFC東京のSBコンビである。登場が遅いが、登場しないよりはましである。2人の攻撃参加によって、サイド攻撃が機能しそうな雰囲気は感じることはできた。しかし、それは淡い期待となって消え去ることとなる。 長友と徳永。恐らくコンディションが上がれば、繰り返される上下動でチームを牽引できるに違いない。しかし、今日はボールを持ってからのプレーが非常に怪しかった。この2人て突破はまったくできないのでしょうかと。相手を中央に引きつけてサイドにボールを展開する。そこではオープンな状況が待っているので、強い選手を配置したいところである。ヘスス・ナバスとかペロッティとか。日本だったら石川とか乾とか。 現状のSBでは、相手にちゃんと対策を打たれたら何もできない可能性が高い。マンチェスター・ユナイテッドのように、パクチソンやナニによって封じ込まれたアーセナルのSB状態になりそうである。ボールを持ったらひたすらクロスを上げるだけみたいな。でも、ニアを狙っていれば、日本代表ではOKなんでしたっけ。 なので、誰かをサイドに流れさせて連携で崩そう作戦が必要そうである。しかし、そこまでの余裕はまだなさそうな気配で。なので、大久保にはめちゃくちゃ期待していた。今日のスタメンで唯一の突破型の選手である。 しかし、前半はラフプレーで相手に怖さを与え、岡崎と一緒にゴール前でボールを待っていた。そりゃ、地元凱旋だから目立ちたい気持ちはわかるけれども、状況に応じた仕事をして欲しいもので。中央突破のドリブルなどいいものは持っているので、さっさとサイドに流れて欲しかった。 そんなわけで、日本はベネズエラを崩せない展開となる。ボール運びもなかなかスムーズになることはなかった。で、観察していると、遠藤がCBの間に入っていった。まさかの3バックでポゼッションである。SBの位置を高くするための即興か計算された作戦か。日本代表がやるとは思わなかったぜよと。 しかし、バルサのピケや広島の槙野、、、っても広島は擬似的3バックですねっ、、、、のように、中澤たちがドリブルで駆け上がって中盤のマークをはがすことはないので、メリットを最大限に享受できているわけではなかった。でも、びっくりした。ちなみに、前半終了間際に稲本がCBの間に入るようになった。 前半は0-0で終了。大久保よ、早くサイドに流れるのだ。知り合いがたくさんきているぞって前半でしたと。それにしても、九州出身の選手がスタメンにちょこちょこいる。岡田監督はそういうことに気を使うタイプでしたっけ。 ■アタッカーだらけになった 後半も攻撃のときは、3バックでポゼッションを継続。稲本がCBにいるのはなんだか頼もしい。で、ベネズエラの守備がテレビいっぱいに広がるのだけど、本当に中央をがっちり固めているのが良くわかった。なので、SBを高い位置に使えるこの戦術は間違いない。ただし、CBの距離が近すぎるのは残念なところで。56分に徳永を中澤が追い越した場面がこのやり方を象徴するところで。たぶん、広島のやり方をぱくったな。 他には、前半はパサーだらけの選手たちにちょっと変化。小笠原の位置が上がったかなと。ボランチで使ってもらえない悲しみの小笠原。遠藤を前に出すって考えはないのだろうか。それも楽しそうなんだけど。 58分に憲剛→平山。徳永→駒野。小笠原を残すのはちょっとえらい。これで大久保が左SHに移動。やっとか。でも、後半の大久保は左気味にいたので、期待していたぞと。平山が相手のCBの付近をうろつくことで、とうとう日本にCFがあらわれたみたいな。しかもでかい。よって、ベネズエラのDFラインはなかなかラインを上げることができなくなっていく。 そしてサイドに移動した大久保が徐々に迫力を増していく。また、駒野はなかなかボールが納まるようで、右サイドもまあまあ活性化される状況となった。大久保がいなくなり、中央に陣取る平山のおかげで、岡崎も徐々に自分らしさを取り戻していく。平山がボールに絡んで何かをしたわけではない。ただ、そこにいるだけでいいってのもなかなか面白い仕事である。 で、ここからベネズエラが凄い。菱形をあきらめて、4-4-2のフラットに変更。中央に蓋をすることで、平山周りのバイタルを埋めにかかってきた。親善試合なのに、ガチである。しかもベネズエラ人ってのが凄いなと。この試合のベネズエラの位置づけは新戦力の確保やアウェーの経験を若手につませることだろう。で、試合のコンセプトは守備である。しっかり献身的にこなせるか、戦術理解度のテストなのかなと。攻撃はまあほっておいて。で、そのテストは成功したのだろうなって。 で、対策された日本だけど、対策へのカウンターは特になし。アタッカー特質の選手が次から次へと登場してきた。パサーだらけからアタッカーだらけへ。バランスよく配置したいものである。極端から極端へってのが、非常にらしいといえばらしいのかもしれないが。 ■独り言 両チームとも決定機はそんなに多くなかったかなと。両チームとも実験としては有意義だったと思う。一番気にあるのは、どんな繋がりでベネズエラに声がかかったのだろうって。確かワールドカップの翌年にコパ・アメリカに出場するんだよねと。何気にEUROと同じでワールドカップに並ぶ大会だもんね。そこで真のベネズエラと再戦できたら楽しそうである。
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posted by らいかーると |11:00 |
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