2010年02月01日
デポルティボ・ラ・コルーニャ対レアルマドリード ~最後に頼れるのは誰だ~
デポルのスタメンは、アランスビア、マヌエル・パブロ、ロボ、コロット、ラウレ、ジュカ、アントニオ・トマス、パブロ・アルバレス、ファン・ロドリゲス、バレロン、アドリアン・ロペス。バレロンがスタメンにいる。リアソールが会場でも多少は守備的になるのかなと思っていたが、バレロンがスタメンである。 レアルのスタメンは、カシージャス、マルセロ、セルヒオ・ラモス、アルビオル、アルベロア、シャビ・アロンソ、グティ、グラネロ、カカ、ベンゼマ、ラウール。そんなわけで、この試合が恐ろしく注目されているレアル。19年間勝っていないし、機能していないカカやベンゼマにとって、飛躍の試合になれるのか非常に楽しみ。ちなみに、大雨。 ■予期された新しいオプション レアルのシステムは4-3-1-2。前節は4-2-2-2ともいえるシステムで中央渋滞を起こしていたのが記憶に新しい。この試合では、グティがかなり気を使ってポジショニングをしているように感じた。基本的にはアロンソを孤立させないように、カカやベンゼマにバイタルの攻略を任せるようなイメージで。 前線にはベンゼマとラウールがコンビを組んでいた。クリロナは2試合の出場停止が決まっているので、次のエスパニョール戦もこのコンビになる可能性が高い。で、このコンビはなかなかの役割分担を見せてくれた。基本的にラウールがDFラインの付近をうろちょろ、ベンゼマは広範囲に動き回る形である。いつもはプレーエリアを制限されているようなベンゼマが躍動する姿はなかなか爽快感があった。 その気になれば、ラウールも広範囲に動き回ることができる。しかし、周りの状況を観察して、今日はDFラインを引き付ける仕事だねと判断できる力が本当にすばらしい。さらに言えば、ベンゼマが前線に来れば、代わりに中盤に降りる姿も見受けられた。当たり前のことだけど、ボールだけしか見ていない選手とは大違いである。別に誰かと比較しているわけではないよ。 で、注目のカカ。今日は中央渋滞していない&ラウールがDFラインをひきつけてくれるので、いつもよりはやりやすそうに見えた。ただし、やはりボールを受けてからスピードアップできないとカカらしさが発揮できないように感じる。それでも、サイドチェンジや周りを自由にするパスで試合を組み立てる部分での貢献度は徐々に増しているかなと。 ラウールの働きによって、デポルのMFとDFの間のスペースは空いたかというとそうでもない。ここがデポルの凄いところでもある。ラウールが前線に張り付くことで、デポルはDFラインをどうしても高い位置に設定しにくい状況となった。いつものレアルだったら、FWが両方とも中盤に下がっていくので、簡単にDFラインを上げることができる。しかし、今日はラウールが残っている。なので、上げにくい。で、カカとベンゼマが執拗にバイタルを狙ってくる。よって、ここで2択を迫られたデポル。バイタルを消してDFとMFの間を空けるか、バイタルを消してMFとFWの間のスペースを空けるか。 デポルは迷わずに後者を選択した。よって、ラウールの働きにより、自由を得たのがシャビ・アロンソたちとなった。恐らくこのような状況になることは想定済みだったのだろう。なので、このスペースにシャビ・アロンソ、グティ、グラネロを投入して試合のペースを握る作戦は完璧に機能していた。彼らが前を向いてボールを持てるので、後はボールのないところの動きを延々と繰り返すだけである。 ベンゼマとカカが両サイドに流れたり、スペースを見つけたらグラネロがバイタルへ侵入したり、グティがパスで仕掛けたり、シャビ・アロンソもサイドチェンジで自分の持ち味を発揮したりとやりたい放題であった。ラウールがボールに絡まないので試合に消えているようでしっかりとチームを牽引しているのが泣けるところで。 デポルはグティたちの対策をしたいところ。でも、MFが連動してプレスをかければバイタルを使われてしまう。FWたちを守備に参加させれば、リアソールで全員が自陣に戻って守備をすることになってしまう。バレロンにハードワークをかすのは懸命とはいえない。よって、にっちもさっちもいかないデポルであった。 デポルの攻撃の狙いは左サイドに選手を集めて、フリーな状況を作る。そして、マルセロを狙ったクロスを何度も供給することにあった。その狙いはなかなか機能していたが、結果を出す前に、レアルに先制点を決められてしまう。 レアルのゴールはコーナーキックの流れから生まれた。ファーサイドに流れたボールを中央に折り返されると、デポルの選手は懸命にクリアーを試みる。その懸命さが連携ミスにつながり、最後はグラネロに頭で押し込まれてしまう。9年ぶりにリードしたって状況が凄い。ある意味、呪いから解き放たれた瞬間である。 その後もレアルが仕掛ける時間が続いていく。いまだにカカとベンゼマがかぶる場面もあったが、今までに比べると2人の良さが引き出されているように感じた。そしてグティの体の向きと違う方向へ繰り出される仕掛けのパスに敵味方も騙されているのが印象的で。前半も終了間際になると、徐々にデポルがリスクをかけて攻撃姿勢を見せる。すると、もろさを見せるマルセロ。 しかし、守備をサボらないグティを中心に相手の攻撃を防いでいくとレアルのカウンターが炸裂する。相手のコーナーからのカウンターはもう型を決めてやっているチームが多そうだなと。レアルは見事な連携でグティがアランスビアと一対一の状況つくりに成功。そして、グティがまさかのヒールパスを選択。ベンゼマは触るだけであった。久々に見た歴史に残るゴールであった。恐らくスポルトでも大騒ぎするに違いない。 そして前半が終了。リアソールで圧倒するレアルマドリッドとなった。呪いはどこへ消えた。この呪いを消す役割を担ったのがラウールやグティ、そして管理人が右でお勧めするアルベロアだというのがにくい。アルベロアはスペースにフリーでボールを受けるのがうますぎる。 ■アルベロアの攻撃参加 ハーフタイムを挟んでも、試合の流れに影響力を与えるような修正は見ることができなかった。デポルはロングボールを増やし、レアルのDFラインに積極的なプレスを試みたが、どうしても連動性にかけてしまうプレスではレアルに脅威を与えることができなかった。 よって、55分くらいまではレアルの猛攻を受ける。前線からのプレスを行ったことによって、DFとMFの距離感が広まってしまったデポル。ミランのときのようならしさをカカが本当に一瞬だけど見せたのがとても印象的で。 で。デポルはバレロン→イバン・ペレス。守備の修正というよりは攻撃の修正というイメージ。誰かに依存するのではなく、全員で攻撃するしかないだろうというメッセージだろうか。イバン・ペレスの登場で、デポルは丹念にボールを繋ぎながら、レアルの陣地に侵入していく場面が徐々に増えていく。 で、徐々にレアルも運動量が落ちていく。というか、攻撃意欲を失っていくというか。リアソール・2点差でどのような試合運びをしようかという点で意思統一がなされなかったのかなって。65分過ぎからはバルサのように鳥かご状態となった。前に行くのかボールを繋いで相手を消耗させるのかの判断がバラバラで、さらにボールをもらう動きも減ったので、徐々にデポルに攻撃の機会を与えることになってしまう。 で、チームのおかしさに気がついたラウールが中盤におりて守備をしたり、ボールを運んだりするのだから、凄い。ピッチを観察してチームに足りない役割を瞬時に判断し実行できる決断力を持っている選手はあんまりいない。よって、ラウールの運動量が増加する。 デポルもリキを投入し、マルセロを狙う作戦に出るが、安定感を身につけたセルヒオ・ラモスをなかなか崩せない状況が続く。よって、無理やりなミドルシュートの場面が目に付くのだけど、そこはカシージャスである。でも、カシージャスは本当に繋げない、キックに弱点がある選手だと今日も感じさせる場面がたくさんあった。 さて、そんなデポルが徐々に攻め込むけど、決定機は作れない状況で登場したドレンテ。特に何もしていなかった。ボールを離すのが早すぎて、マルセロを戸惑わせるくらいで。そんな左サイドからデポルの攻略がとうとう成功したのは85分くらい。リキの突破でPKを奪う。で、リキが決める。土壇場で1点差。 しかし、ロスタイムに駄目押しゴールを決められる。レアルは右サイドからの攻略。きっかけはアルベロアの飛び出し。前線でボールがとまっているのを見ると、この時間帯に脅威の飛び出しを見せる。サイドに選手がいる場合は中央に飛び出すのがセオリーで。そして、アルベロアは冷静にマイナスのクロス。相手から離れていたベンゼマが追加点を決めて試合が終了した。 ■独り言 駄目押しゴールが決まったときのグティの喜び方が尋常でなかった。レアルに在籍期間が長いほど、リアソールには特別な思いがあったのかもしれないし、この試合がめちゃくちゃ重要な試合と考えていたのかもしれない。やる気のあるグティはジダンよりも凄いかもしれないね。やる気のあるグティと健康なロッベンの共存がもっと見たかったなと。 また、レアルはラウールが恐ろしい働きでレアルの最後のピースになれることを証明した。デポルのプレスをわけのわからない状況に陥れたのは、ラウールの働きが大きい。後はペジェグリーニの選択である。ラサナがいなくても、カカがいなくても、クリロナがいなくても、イグアインがいなくても、それでも強いレアルはいろいろな場所で台風の目になれるだろうねと。
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posted by らいかーると |20:42 |
レアルマドリッド/0910 |
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