2008年07月14日

大宮対磐田 ~自分の型~

 今週は水曜日にもJがある。ついでに、木曜日にもJがある。この暑さで超過密日程である。ここまで過密日程だと、さすがに試合内容にも影響が出そうだねって。

 大宮は小林コンビがスタメンに復活。自分達から仕掛ける意志を鮮明にあらわしてきたスタメン。控えに、ラフリッチというスロベニアの新助っ人がいる。吉原の立場やいかに。ただ、ナックファイブではずいぶんと勝利から遠ざかっているようで。せっかくの専用スタジアムがもったいないことになっている。

 磐田は前田がスタメンに復帰。前節ではまるで噛み合っていなかったが、どこまで連携を取り戻してきたかに注目。ジウシーニョと前田は個人で状況を打開できてしまうので、相手からするとかなり危険である。

 ■大宮対策を磐田が行う

 前節の鹿島戦ではサイドアタックと上田、成岡による仕掛けが中心であった磐田。しかし、大宮戦ではその表情ががらりと変る。今季の大宮はDFラインを高めに設定しているので、その裏を狙うことが主であった。つまり、磐田がロングボールを中心に攻撃を構築。裏を取れれば良し、跳ね返されるならば、両サイドの選手が中に絞ってセカンドボールを徹底的に狙う作戦を遂行した。

 大宮からすると、相手がロングボールを多用してくるので、DFラインを下げるしかない→さらにセカンドボールを拾うためにMFラインを下げるしかない状態に陥る。すると、ボールを奪い返しても低い位置でから組み立てるしかないので、大宮の攻撃力は半減。大宮の持ち味は高い位置でボールを奪ってボールを繋いでいくパターン。低い位置でボールを奪って、相手ゴールまでボールを運ぶにはSBの能力が足りていないので未だ無理。

 つまり、磐田の大宮対策で大宮はにっちもさっちもいかなくなる。また、チーム全体を統率できるリーダーが大宮にはいない印象を受けた。大宮の本来の形はDFもMFもラインを高くする形である。しかし、状況が状況なので、本来の形に拘っていると自滅するのは明らかである。それなのにも関わらず、大宮の中盤の選手の中には高い位置にこだわりをもっている選手がいて、磐田の思うがままになってしまった。

 大宮のシステムは4-4-2の中盤はフラット。磐田のシステムは典型的な3-5-2である。ジウシーニョと前田、カレンが中央に陣取るシステムで、サイドも攻撃を仕掛けられるし、中盤を仕切るのはゲームメイカーになりそうなコンビである。

 問題はトップ下のジウシーニョをいかに抑えるかである。CBは前田とカレンを担当する。そうなると、SBを中に絞らせる作戦は村居たちがいるので、どうも効率が悪い。となれば、中盤の慶行と佐伯しかない。しかし、この2人は完全に迷っていたように思える。前からプレスをかけるのか、磐田に合わせるのか。ちなみに藤本は前から行く気満々で大悟は行方不明だった。神戸は相手に合わせたけどね。

 結局、MFが中途半端な位置取りになってしまい、前線の3人をまったく捕まえることができなかった。また、磐田の3バックに対して、大宮のFWは苦戦。本来はFWがCBを見る、SBをSHが担当する関係が成り立つのだけど、今日はそれが成り立たない。

 プレスに行こうとすれば、ロングボールを蹴られるし、3バックがサイドを3人で使ってきたときにどこまで追うのか決まってないようだった。こらえきれずに藤本が前線に飛び出してプレスをかければ、自然とサイドが空いてしまう。さらに、ジウシーニョたちが相手のギャップでボールを受けようと動き回っているので、もうどうしようもなかった。

 で、さらに大宮の攻撃面を見ると、前線にボールが入らない。磐田FWのプレスの前に、ボールを後ろに戻すばかりで最終的にロングキックばっかりであった。吉原がさいさん相手の裏に抜け出す動きをして状況を打開しようとしていたが、細かく繋ぐことを義務付けられているのかあまりボールは出てこなかった。また、中盤でボールを運べなければ、藤本や大悟が助けに行けば良いのに、あまりそういうプレーはなかった。サイドに張っているわけでもなく、中央にいるだけだったら、デニスマルケスたちへのパスコースを味方が邪魔しているようなもんである。

 そんな攻守に機能していないにもかかわらず、前半は失点が1で終わったのはある意味奇跡である。後半の修正に期待。というか、サイドで数的有利を作れば良いのに、藤本も大悟も中にいすぎのような。それが大宮の形だとしても、相手によって柔軟にならないと。

 ■相性というべきか

 後半の大宮。特に修正なし。前半に比べると、運動量が上がったようには見えた。しかし、根本的に何も変っていない。52分に前田とジウシーニョを中盤の選手がスルー。中央の数的不利をレアンドロがさらされて、最後はジウシーニョがゴール。ただし、磐田も前半に飛びしたぶん、前線からの守備がゆるくなっている。

 2-0になってしまった大宮。攻めるしかない状況。ベンチではラフリッチが準備を開始。そんな55分にセットプレー崩れのなかから、冨田が点を決めて2-1に。磐田はオフサイドトラップミスだったようである。
 
 57分に藤本→ラフリッチ。190である。吉原をSHに変更。デニスマルケスとラフリッチのFWコンビとなった。藤本たちに比べると、サイドから攻撃を展開する吉原のほうが3-5-2に対しては相性が良いようで。

 また、ラフリッチが空中戦で魅惑の強さを発揮。周りがラフリッチを理解すれば、大宮は戦術の幅を広げること間違いなしなんだけど、デニスマルケスとあわなそうな予感。ただ。困ったときのラフリッチは大宮を何度も助けることになりそうである。

 73分に大悟→土岐田。出番がこれだけあるってことは、土岐田の評価は高いのだろう。時間をかけて、彼のよさを理解したいと思う。大宮が猛攻を仕掛けるものの、磐田もカウンターで大宮ゴールを脅かす。吉原のゴールラインすれすれのクリアとか鳥肌者であった。それにしても、運動量のあるカレン、キープ力抜群の前田、シンプルプレーと献身性で違いを生み出すジウシーニョのトライアングルはやばい。

 残り10分でジウシーニョ→船谷、成岡→犬塚。大宮は吉原と橋本。ジウシーニョは走りすぎたようである。外国人でこの献身性はあまりない。大宮の交代策はラフリッチ以外が機能したとは言えずそのまま終了。大宮は初の連敗でナックファイブでは勝ちがさらに遠ざかった。サポも苛立っているようで、野次がすさまじかった。

 ■独り言

 大宮はお疲れか、高い位置からの守備が機能するか、、この先不安である。今日は相手が3バックで、そのシステムのずれをどう解決するか練習でつめていたのかつめていないのかが疑問。つめていたんだろうけど、そのギャップを利用されたら、対策なしで相手に挑んでいるようなものである。自分の型を守ることは大切だし、理想に邁進することは大切だけれど、相手によって多少の柔軟性を持たないと、、、上位にはなかなかいけないぞって。

 磐田はトライアングルが機能したし、村居の調子が良い。この試合ではロングボールを多用したせいか、上田、成岡はそこまで目立った活躍はしていなかった。形振り構っていられない状態だったので、見事な大宮対策を披露。時代の流れですね。

posted by rijkaard |14:33 | | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年07月14日

清水対神戸 ~どうやって攻めるのか~

 清水。序盤はいつも不調→後半戦は絶好調で上位でフィニッシュ癖のある清水。今季は後半に好調にならなければ、本当にやばい清水。なんでこんなに順位が低いのか原因を探ろう。フェルナンジーニョは京都に移籍してしまった。藤本、兵働、伊東、枝村が中盤を形成していた時代が懐かしい。ちなみに、岡崎が久しぶりにスタメンのようだ。
 
 神戸。前節で本来の力を取り戻した感のある神戸。GKも徳重を継続。単純に、榎本がまだ怪我から復帰していないだけかもしれない。結果として、勝っているチームはいじらない作戦で清水に乗り込む。不安要素は大久保が浮いているくらいか。
 
 ■引きこもったのか、引かざるを得なかったのか

 前節では高い位置からの守備で、大宮の攻撃を根本的に破壊することを試みた神戸。しかし、この試合では引いて守る違う表情を見せる。ちなみに、監督のインタビューを見ると、引いて守ってカウンターの意図はなかったと発言していた。つまり、相手が強かったので、高い位置でボールを奪えない→引くしかない結果ああなったということだろう。基本的に監督の発言を信じないこともある管理人である。これは本当なんでしょうかね。

 神戸のシステムは4-4-2のフラット。ボッティは左サイドに構えているが、神出鬼没。大久保よりも、。レアンドロを探し回っている印象である。守備はそんなにしない。清水のシステムは4-4-2の菱形。枝村を頂点、伊東を底にして中盤を形成している。元横浜FCのマルコス・パウロが妙に元気で、藤本が魔法を使えなくなった昨今である。

 このフラット4-4-2と菱形4-4-2がぶつかり合うと、どんな現象が起きるか。フラット4-4-2は自分たちのSBが空くことが多く、菱形4-4-2は中盤の底が空くことが多い。神戸は両SBが。清水は伊東が自由を得ることになる。

 清水は前線から相手を追い掛け回すことなく、守備ブロックを形成していた。相手のSBにはFWが目を光らせることで相手に警戒感を与えていた。つまり、システムの不備をFWの運動量でカバー。直接的にプレシャーを与えていたわけではないが、ちんたらボールを持っていると、ボールを奪いに行くよ!というプレッシャーを神戸に与えていたと思う。

 そんなわけで、神戸はSBを起点に攻撃を組み立てることができていなかった。パスコースはプレスに来ない中盤の選手とSBが埋めていたのだろう。だから、自分のゾーンを飛び越えて動くレアンドロとボッティがボールに絡まなければ、攻撃に迫力が生まれない神戸。ボールをキムナミルを経由すれば、サイドアタックが可能となるが、中央は渋滞気味であった。

 清水の事情を見てみると、伊東でボールを落ち着ける意図がまるでない。枝村とFWの存在によって、神戸のDFとMFのラインは高い位置での守備が行いにくくなる。仮に、中盤のラインをいつもの位置に設定すると、枝村にDFとMFの間で暗躍されるし、中央で神戸のCB対清水のFWと枝村の数的不利で困難な状況になる。そのため、神戸はいつもよりも低い位置で守備を行う必要がある。なので、最初から引きこもることは十分予想できたはずで、清水が強いとか関係ないと管理人は感じる。

 で、そんな清水はボールを落ち着けてサイドを何度も代えて相手の体力を削ればいいものを攻撃のペースがずっと同じだった。常に仕掛ける。常にクロスを上げる。そんな単調な攻撃では神戸の守備にリズムを与えるようなものである。マルコス・パウロがブラジルらしさで攻撃のペースを変えようとしていたが、周りの選手にその意図はないようで。

 せめて、サイドを広く使った攻撃ができれば、数的不利に陥ることなく攻撃を完結できたろうに、兵働が後半の終盤に登場するまで、その意図はなかった。最近は結果が出てないよねってことで、焦りもあると思う。なんとかして先制点を!!という気持ちが強すぎてか、焦りスパイラルに陥った可能性の高い清水。大丈夫でしょうか。

 試合展開は、神戸が守って清水が攻める。神戸がときどきカウンターで清水のゴールに迫るものとなった。基本的に後半もそこまで大差ない内容であった。神戸のコーナーキックから清水は見事なカウンターアタックを披露する。実はカウンターの巧い清水。すばやいパス回しとフォローでフィニッシュまで持っていくさまはさすがだった。

 ちなみに、途中からは神戸の松岡の危険察知能力によって、カウンターはファウルで止められてしまっていた。それにしても、松岡は凄い。何が凄いって周りの状況を把握できていて、適切な判断とその判断を信じる決断力がすばらしい。

 ここで仮説。清水ってもしかしてカウンターのほうが効率的に決定機を作れて、得点も生まれやすいのではないかと。カウンターの切れ味と連携は本当に抜群であった。もしかして、それが本当ならば、引きこもった神戸は正解なのではないかと。チョジェジンのいなくなった清水は、絶対的な強さを発揮できるポストマンが不在なので、引いた相手を打開する力があまりない。実際にも、攻めているわりには決定機が少なかった。どなたか教えていただけると助かります。ただカウンターの切れ味が鋭いわりには、相手に引きこもらせるようなシステムを選択している矛盾を説明できる自信はない。

 後半になっても、清水のペースは変らない。どうせクロスを上げまくるくらいならば、前線に選手を投入すれば良いのに、交代は怪我がらみがほとんどで、最後に原が出てきたくらいであった。もう少し早く動いても良かったかなって。

 神戸もそれは同じで、ボッティ→田中の既定交代以外は、82分まで動かなかった。ずいぶんと我慢強い監督のようで。先制点は神戸。交代で入った岸田の鬼プレスで青山が相手にコーナーキックをプレゼント。そのコーナーキックを栗原が押し込んで先制。87分の終了間際であった。ちなみに、清水はマンツーマンでセットプレーの守備を行っていて栗原の担当は枝村。ドンマイ枝村。

 で、試合終了。0-0が打倒だったようにも思えるが、清水はカウンターとセットプレーでしか効果的に攻撃できていなかったので、何ともいえない。守りを固める神戸相手に積極的なミドル連発も実ることはなかった。

 ■独り言

 神戸のレアンドロ、キムナミル、石櫃はかなり目立っていた。ボッティは高い位置でボールを奪えたほうが活き活きするようで、まだまだ本調子でないようである。そして、大久保はあんまり見せ場がなかった。

 清水は時間がかかりそうである。中央にしぼってSBからのクロスをサイド攻撃の主にしているが、いかんせん中央の人数とクロスの精度が悪い。中央の人数を増やすか、サイドを深くえぐって勝負するかしたいところである。訓練が難しいが、4-4-2の菱形だったら、ランダムにサイドに選手を飛び出させることができるので、もう少しサイドから勝負したらよくなりそうな予感。

posted by rijkaard |12:44 | | コメント(3) | トラックバック(0)
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