2008年07月10日
磐田対鹿島 ~お互い長所で勝負~
元祖クラシコ。いや、元祖クラシコはマリノス対ヴェルディか。かつてはしのぎを削った両チームも今は昔。鹿島はまたもや王座復権のチャンスを虎視眈々々と狙っている。とかいっても、昨年はなんだかんだ優勝しているのだが。磐田はよくわからない。アトランタ世代付近が偉大すぎたのだろうか。外から見ていると、世代交代に失敗して監督選びにも失敗している印象。特に後者かなって。 磐田のスタメンは、松井、茶野、田中、加賀、村井、上田、成岡、駒野、ジウシーニョ、萬代、カレン。ジウシーニョはあたりっぽいので、決して弱そうには見えない。鹿島は中田がいつかえって来るのだろうか。 ■磐田 システムは3-5-2。ボランチには上田と成岡。ボール触りたがりコンビである。両サイドには村井と駒野が控えている。CBはそこまで攻撃参加をしないので、サイドで数的有利を作る意図はない。その理由は明白で、村井と駒野。サイドでの一対一ならば、相手のタイミングをずらして中にクロスを上げることができる現実。 サイドの代わりに中央で数的有利を作る。FWがDFラインを引っ張って、ジウシーニョがDFとMFの間で暗躍する。小笠原と青木がジウシーニョに気を取られて中盤のラインを下げると、攻撃大好きコンビが空く。そこへ鹿島がFWを派遣すれば、磐田のCBは空く。つまり、3-5-2対4-4-2が戦ったときのメリットである中央の数的有利を享受できている磐田であった。 サイド攻撃は村井と駒野に任せているようで、FWの選手がサイドに流れることはあまりない。基本的な仕事は相手のDFラインを引っ張ることと、中盤から楔のボールを受けることである。相手のギャップにいることが多いので、ジウシーニョにボールを渡すことが多かった。このジウシーニョは間違いなく当たりで、何でもできるし運動量もある。ただ、小さい。 早すぎる失点によって、磐田は攻撃に出る必要があった。また連戦の疲れとシステムのギャップから組織的な守備を行えなくなった鹿島は、DFラインを下げて磐田の攻撃に対抗する。本来の鹿島は高い位置からの守備をしっかりと行うイメージがある。献身的なFWがそれを表しているかなって。しかし、磐田は後ろに人数をさいていて、しかも青木たちのラインを下げさせる罠も張っているので、スムーズにボールを回せていた。 鹿島側からすると、磐田のシステムによって、ラインの距離感がバラバラになってしまった。そのため、プレスが単なる無駄プレスで終わることが多くなっていった。だからDFラインを下げて効率よく守ろうとしたんだろうし、そもそも走りたくなかったのかもしれない。そんなわけで、磐田タイムで試合が進んでいく。 鹿島はジウシーニョの動きに対応できてはいなかった。正直困っていたと思う。それでも、磐田が点を取れないのはどうもFWが弱い。クロスボールに対する強さがまるでない。日本屈指の両翼のクロスを合わせるイメージがまるでわいてこない。仮に前田が出ていても状況は変わらないような。前田が出ていれば、中央を強引にこじ開けそうな気もするが、それでは両翼はどうする。 繋げるボランチ、突破できる両翼、相手のギャップで走り回るテクニシャンと役者は揃っているのだが、クロスをあわせる神なFWがいない磐田。チーム設計がめちゃくちゃである。こんな矛盾を包括したチーム事情では、なかなか点が生まれないのではないだろうか。セレッソからデカモリシでもかりてきて、潰れ役になったもらうしかない。 点が生まれないならば、攻撃の枚数を増やそうぜってことでボランチが、攻撃的に出たところを鹿島にカウンターでやられる絵に描いたような展開。本山のシュートを導き出した新井場のフリーランニングは最強だった。 ただし、この場面に両チームの性格の違いが見てとれる。鹿島はサイドで数的有利を作ることに命をかけているが、磐田はサイドは個人技で、中央でギャップを作ることに命を懸けている。システムがシステムなんでそうするしかないんだけれども。じゃ、どっちが効率良いかといえば、やっぱりサイドだねって話。 で、ボランチが二人上がってボールを奪われるのは最悪な展開である。攻撃参加するならば、CBの片割れがするのが定石。もっと、後ろで数的有利を作って、ボールを展開できる位置を高くするのが普通なんだが、磐田の選んだ道は特攻。嫌いじゃないけど、前半にやる技ではないぞと。 鹿島が試合巧者というありふれた表現よりは、磐田のチーム設計の失敗がチームのバランスを崩して相手に追加点を許した前半戦であった。磐田が後半にどんな手を打つか非常に心配。鹿島が4-1-4-1でジウシーニョにマークをつけたらゲームオーバーである。でも、日本で4-1-4-1はまだ見たことない勉強不足な管理人であった。どこかに4-1-4-1にチャレンジしているチームがあれば、教えていただけると助かります。 ■采配勝負 後半の鹿島。序盤は追加点を狙いますよと、そんな姿勢を見せるものの、数分で自陣に引きこもってしまった。恐らくシステム云々よりも疲れているのかもしれない。疲れていなければ、もう少し高い位置で頑張れないかと。ただし、それには運動量が必要押されるので、それらを選択肢に並べると引きこもることが有利と判断したのだろう。 磐田は上田、成岡を中心に攻め立てる。ジウシーニョのおかげで自由を得た二人が散らしてパスで仕掛けてミドルを放ってと行動に出るが、フィニッシュまでなかなかいけない。それに現時点での成岡はまだ低い位置でのプレーに慣れていないようで。上田に比べると、ボールを動かすのが慣れていない。そんなの当たり前か。この位置から、一気にドリブルやワンツーで仕掛けるプレーを成岡が選択できれば、面白いんだが。 58分。野沢→増田。かつては反町に寵愛されたけどなぜか一方的にふられてしまった悲しい増田。それにしても、守備固めなのか、攻撃的なのか分からない采配。単純に野沢がばてたか。 60分。なんと磐田が1点返すことに成功する。上田のサイドチェンジ→村井対内田の一騎打ち。予想通り、村井が相手とタイミングをずらしてクロス→これがファーサイドまで流れてカレンが決める。リーグ戦初ゴールらしい。やっぱりサイドは強い。でも、低いクロスがファーまで流れることはあまりない。61分に萬代→前田登場。62分に成岡→犬塚。選手の特性が分からないから、采配の意味が分からない。試合を見ている限り、犬塚は運動量が豊富で上下動・フィジカルが成岡よりも強い。 その後に本山→中後が登場。4-4-2が菱形になって、中央を分厚くする作戦。増田を前線の頂点として、守備を分厚くした。これが成功。最後は田代→伊野波でもう完璧。磐田のパワープレーでやられなくて良かったね鹿島。 磐田はジウシーニョ→名波でラスト10分の勝負。なぜにジウシーニョを下げたのか意味不明。後半終盤のジウシーニョは中央に拘らず、サイドで勝負も仕掛けていた。そういう突発的な動きが鹿島を混乱させるっていうのに、名波を出してどうする。 ■独り言 磐田はクロスにあわせられる選手を獲得するか、FWだけどサイドに流れて仕掛けられる選手か、ブラジル人FWを取ってくれば状況を打開できそうだけど、いまさら遅いか。 鹿島はお疲れのようで。守り方がちょっと浦和のようだった。そろそろ落とし穴があるかもしれない。逆にここで踏ん張れれば、上位でフィニッシュするのは間違いないだろうと。
posted by rijkaard |08:58 |
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