2008年01月28日

レアルマドリッド対ビジャレアル ~ポゼッション対決~

 レアルのスタメンにグティの名が。例年に比べると、今季のグティは守備を頑張っている。でも、スナイデルのほうが頑張っているというのが一般的な認識。ここで、守備以上の攻撃か、スナイデル以上の守備を見せればスタメン復帰もあるかも。マルセロが怪我をしたらしく、DFラインはミゲルトーレス、セルヒオラモス、カンナバーロ、サルガドとなっている。

 ビジャレアルは心臓のピレスが胃腸炎のため欠場。代わりにカソルラが出場。これは死ぬほど痛い。突破型のカソルラとピレスではプレースタイルが違いすぎますわ。もともとビジャレアルはボールを保持できなければゲームオーバー。相手はグティガゴ。正面衝突の始まり始まり。

 ■ポゼッションの必須条件

 試合が始まって15分までは、お互い五分五分の展開だった。レアルがボールを保持すれば、ビジャレアルもやり返す形に。ビジャレアルは両SBの攻撃参加
を利用してボールを運ぶが、レアルは少しやり方が違う。前線にボールを預けて、ガゴやグティに下げて攻撃を落ち着けるて、動きなおしをする。前線の選手に驚異的なキープ力があるからなせる業である。ビジャレアルにそれだけの力を持った選手はロッシしかいないので、全員で運ぶしかない。

 両チームの攻撃力にはさほど差はない。何に差があるかというと守備力である。特に、前線からの守備という観点で見ると、ビジャレアルは何もしない。最近のレアルの前線の選手は相手を追い掛け回していなかったが、この試合では相手を追い掛け回し、ビジャレアルの攻撃を分断していた。国王杯敗退によって過密日程から逃れられた影響か、それとも単に修正してきたか。それとも、ビジャレアルのDFの弱点をついてきたか。

 レアルの守備の前に苦しむビジャレアルは、時間が経つにつれてボールを前線に届けられなくなっていく。苦し紛れのパスやクリアーはほとんどレアルの手に渡ってしまった。レアルの攻撃が延々と続くことになる。ビジャレアルの攻撃はニハトとロッシがひたすら精度の悪いロングボールを頼りに、相手の裏を狙い続けるという、、太平洋に逃げたメダカに石をぶつけるようなものであった。

 レアルは好き放題に攻撃を仕掛ける。ボールを奪いに積極的にプレスをかければ、相手は慌ててミスしてくれるので、いつも以上に守備が冴え渡る。また、攻撃を組み立てる役割がガゴとグティの2人に増えたことで、レアルの攻撃はいつも以上に厚みを増していた。特に、グティのスルーパスは神がかっていた。先制点もグティのスルーパスから生まれる。

 スナイデルについて少し整理してみる。アトレチコ戦では本来のスナイデルらしさが出ていたように見えた。彼の持ち味は前線と中盤を繋いだり、2列目からの飛び出しが得意だ。これらの能力は中央で使われることで、効果的に発揮することができる。グティやガゴと比べて、低い位置でボールを受けたり、ゲームのリズムを変えたりも、できなくはないだろうが、得意でもないし好きでもないだろう。

 その点、ガゴとグティの相性はよさそうである。ボールを落ち着かせることもできるし、リズムも変えられる。攻撃面だけ考えると、お互いアンカーとしてやっていけないことはない。そんなわけで、ガゴとグティは近づいたり、お互いのポジションを変えたりして試合を楽しんでいた。その横でバチスタはしっかりバランスを考えたプレーをしていた。ガゴとグティが後ろにいるときは前線でフリーランニング、どちらかが攻撃に出た場合は守備を考えたポジショニング。さすが苦労人である。

 そんあんわけで、完璧にチームが機能すれば、普段目立たない人まで目立ってくるものである。サルガドの攻撃参加が久しぶりに機能していた。しかも、あわよくば点を取れそうな場面もあった。チームが機能すれば、個が活きる。

 ただし、レアルが良いというよりは、ビジャレアルが何もしていないからなんだけど。ビジャレアルは守ろうとする場合、後ろ人数をかけた人海戦術しかない。その戦術を選択すると、攻撃はまず組み立てられない。前半はロッシの個人技で同点で終わることができたが、後半はどうするのだろうか。

 ■まさかのスナイデル

 後半になっても流れは変わらず。ビジャレアルのベンチを眺めてみると、ギジェフランコ、トマソン、ホシコ。どうやって流れを変えろというのだろうか。前線の枚数を増やして、ひたすら裏に放り込むか。そんな精度の高いボール蹴れる選手はいない。。。。いつもだったら、ピレスを中にして攻撃的に行くんだけど、ピレスがいないし、マティはどこへ消えた。。。

 勇気があるなら、ニハト→ホシコで中盤を分厚くし、ガゴとグティをつぶしにいくけど難しいだろうな。正しさでいったら、前線の人数を増やすのではなく、守備の問題を解決させることが先だろうな。

 7分にコーナーキックからレアルにカウンターをくらい、最後はロビーニョに決められてしまう。相手をひきつけて、セルヒオラモスにパスを通したグティが凄かった。ただ、これで、ビジャレアルは開き直るしかなくなる。でも、バチスタに強烈ミドルを打たれる始末。

 後半13分にブルーノ→ホシコ、カニ→アンヘル。。。ブルーノが交代することは非常に日常的なことである。ただ、カニ→アンヘルってポゼッション捨ててロビーニョ対策かなんだなんだ。この交代以降、ビジャレアルは中盤で積極的にボールを奪いにいくようになる。しかし、なかなかボールを直接奪えないものの、後ろの選手にヒントを与えることはできていたはず。

 しかし、DFラインが低くく、インターセプトを狙っているそぶりもないので、あんまり意味を成さないものになっていた。レアルの前線の選手はキープ力があるので、飛び込んで交わされるリスクをとることができなかったのだろう。24分にニハト→トマソン。非常に微妙な采配。27分にバチスタ→スナイデル。こっちもよくわからない。

 30分にカプテビラがコーナーキックのこぼれだまを押し込んで、なんと同点。実は、この試合のビジャレアルの得たコーナーキックの数は12。レアルは9。意外に攻めているビジャレアル。10本以上あれば決まってもおかしくはないかも。

 31分にガゴの浮き球パスにスナイデルが飛び出してゴール。彼の持ち味はこういう動きだと思う。晩年のアヤックス時代の彼は点取り屋だったので。もうビジャレアルに反発する力はなく、試合は3-2で終了。レアルは本当に負けない。

 ■独り言

 いつのまにか、レアルが色々なことをできるチームになって行きそうな気がする。戦術的にも幅が出てきたような。そして、ディアラのいない間にガゴがスタメンに定着しそうな気がする。ガゴがスタメンの場合、グティも計算できるのは本当に面白くなりそうだ。鬼プレスのチームとやりあってボール支配したら本物だろう。

 前回の対戦では、レアルがカウンターでビジャレアルを倒したけれど、今回はポゼッションで倒した。改めて凄いチームだな。

posted by josepgualdiola |16:43 | レアルマドリッド/07~08 | コメント(14) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2008年01月28日

ビルバオ対バルセロナ ~サンマメス劇場~

 今年のリーガの残留争いは笑えないことになっている。7位から18位までの勝ち点差がたったの5。昇格組みが奮闘していることや、昨年微妙だったビルバオの健闘が目立つ。そんなビルバオも徐々にスタメンが固まってきたようである。後はエチェベリアくらいだろうか。そういえば、冬のマーケットでエスケーロは来ないのか。。

 ベニテスのローテ癖が乗りうつったかのようなライカールト。スタメンは、バルデス、シウビーニョ、プジョル、テュラム、ザンブロッタ、イニエスタ、デコ、シャビ、アンリ、ボージャン、メッシ。妙に強気なスタメンである。アンマメスのビルバオは結構強いぞ。

 コイキリ対メッシは名勝負になる予感。

 ■バルサの守備

 バルサの守備の形が面白かった。バルサの理想の守備は、エトーを中心とした前線からの鬼プレスや、デコを中心としたボールを奪われた瞬間に攻守を切り替えてボールを奪い、攻撃を延々続けることで攻撃は最大の防御を表現することだと思っていた。それが機能しなかったりしなりの繰り返しで、時には守備を誰もしないこともあった。

 今季になると、リードした場面限定で4-1-4-1で守備を行う場面が目立った。例年に比べると、守備をするようになってきているロナウジーニョを中央にして、アンリを左に。こうして、4-1-4-1の完成である。

 この試合のバルサも4-1-4-1で守る形を披露した。その守り方が悲しいほど酷くてちょっと泣けてきた。ボージャンを頂点とする4-1-4-1。中盤の位置ははハーフラインの5メートル手前くらい。

 中盤の位置が微妙に低いので、相手のSBに誰もプレスに行かない状況になってまった。バルサの事情からすると、攻撃してくるのを待ち構えていたのだと思う。必然的にボージャン対ビルバオの4バック。1対4。ボールを奪えるわけがないし、プレスをかけてもほとんど意味がない。こうして、ビルバオのDFラインは自由を得た。

 次にイニエスタがアンカーとして起用されている。イニエスタの周りには誰もいない。そのため、そのスペースに対する注意が必要とされる。どうやって注意するかというと、中盤とDFラインの距離感を限りなく近くすることが求められる。バイタルエリアをイニエスタだけに任せるなんて自殺行為である。

 では、バルサのDFラインと中盤のラインは残念ながら離れていた。なぜ、DFラインが低かったかというと、よくわからない。ビルバオに裏を狙われ続けたわけもなく、両SBが攻撃的に振舞っていたわけでもなく。テュラム×プジョル
コンビだからだろうか。

 そんなわけで、ビルバオのDFラインはフリー、イニエスタの周りのバイタルエリアはガラガラ。よって、ビルバオは楔のボールを通しまくりのボーナスステージに突入。せめて、中盤の4枚が後ろに誰がいるかとか、逆サイドが中に絞って、ボールサイドにいる選手を前に出すとかできれば問題なかったんだろうけれど、スペースを埋めることだけにしか興味がないようみえた。メッシ以外の選手は。

 そんなわけで、バルサは結構苦労する。特にスサエタと自由に動き回るジェステの対応に苦慮した。しかし、プジョルとテュラムが耐え凌いだわけだけど、ちょっと危なっかしい。守りきれる可能性もあるだろうけど、失点してしまう可能性もある。事故で失点というより、ああやっぱりか、、といったような失点をしてしまうかも。前半は無失点に抑える。

 前半に2度、メッシが相手をエトーのように追い掛け回してボールを奪った場面があった。ビルバオのDBは別に足元が上手いわけではないので、メッシのように追いかければ、バルサが高い位置でボールを奪い延々と攻撃を仕掛けられた可能性は高い。相手の嫌がることをしよう。

 ■ビルバオの事情とバルサの攻撃

 4-4-2で、ジェステもアドゥリスと同じ位置で守備を行ったいた。バルサのDFラインはプジョルとテュラム。あまりにフリーにすると、ドリブルで暴走することがある。ロングボールの精度は決してよくない。ビルバオからすると、このCBコンビにロングボールを蹴らせる状況を作るのが効率がよさそうである。

 バルサのSBを味方のSHにつかせ、中盤に降りてくるシャビ×デコにはオルバイス、ハビマルティネス、イニエスタにはFWのどちらか。もう1人がCBへのリターンパスをきりながら、どこまでも追いかけていく。

 しかし、ビルバオは2人ともCBのプレスに行きたいけれど、イニエスタもマークしないといけないという欲張りなプレーに出る。そりゃ無理だ。というわけで、イニエスタが簡単に前を向いて、前線にボールを届ける場面がかなり目立った。イニエスタをうまくマークできている場面ではボールを運べずに苦労しているバルサを見ることができたが、イニエスタにボールが入れば状況は変わる。

 しかし、ビルバオの運動量がバルサの攻撃を凌駕したのか、バルサの調子が悪かったのか。恐らく、両方だと思うがバルサの攻撃は上手くいかなかった。まず、イニエスタが前線にボールを届けても、デコシャビの位置が遠い。ボール運びのために低いポジションを取っていたのだろう。攻撃参加がいつもよりも遅いように見えた。

 それならそれで、アンリとボージャン、メッシが距離を近くして、両SBに飛び出させればいいんだけど、そういう場面は少なかった、というよりもほどんとなかった。シウビーニョが少しだけやったくらいであった。特に気になったのは、アンリとボージャンがポジションチェンジをしなかったことが気にかかった。
 
 パスコースが少ない状況でボールを持つ。選択肢は味方の上がりを待つか、自分で仕掛けるか。待ってられないよね、ということでメッシはがむしゃらに仕掛けるものの、ことごとくビルバオの守備網に引っかかってしまった。誰かしかれ。

 こんなときにシャビやデコが攻撃のリズムを変えられればいいんだけど、そういうプレーはなかった。攻撃を遅らせて、パスをまわしまくるだけでも状況は変わったと思うんだけれど。

 それでも先制点はバルサ。前を簡単に向かせちゃいけないイニエスタのロングスルーパスからこぼれだまを最終的にボージャンが押し込んで、バルサが先制。さて、後半はどうなることやら。

 ■スサエタ、アドゥリス→ガルメンディア、アイトールラモス

 カパロスの大勝負。これは交代で入った選手に注目である。この2人はなんとFWの位置に入った。ダビドロペスが右にジェステが左の中盤に。攻撃的になったのか、守備的になったのかよくわからない。新加入の前線の2人は積極的に相手を追い掛け回した。どうやらやぶれかぶれ。ハビマルティネスとオルバイスの頑張りにすべてを託した感のある采配。

 後半になると、バルサは全体的な守備意識が高く、前半に見られたようなDFと中盤の距離間も修正してきた。修正というよりは、低いDFライン合わせて、中盤もラインを下げた形に。この距離感をなくしたことによって、相手にボールが渡っても数的不利に陥ることなく、簡単にシュートまで持っていかれる気配はなくなっていった。

 しかし、ボールを奪った後に速攻を仕掛ければいいものをドリブルしたり、相手がたくさんいるのに繋ごうとしたりと非効率。そこでボールを奪われてシュートを打たれる悲しさったらない。

 前線にアンリとメッシを残してカウンターでも良いのに、徹しきれないバルサ。後半17分にシャビ→エジミウソン。イニエスタが前へ。

 この交代で攻められっぱなしの状態が解決する。イニエスタが前線でボールをもてるので、ファウルを奪うこともできる。それをきっかけにバルサはボールをキープするようになる。エジミウソンはロングボールを中心に試合を組み立てようと試みる。ボールを奪われることも多かったが、攻められっぱなしの状態をゼロに戻したかったのだろう。守りに入るのではなく、ボールをキープする形に戻したほうがいいし。

 流れは確実にバルサに傾きつつあったものの、攻撃の形は前半から何も改善されていないので、効果的に決定機は作れず。メッシが中に折り返しても誰もいなかったり、プジョルが中央でボレーを放っても枠に飛ばなかったり。

 それでも、流れはバルサ。後半32分。バルデスがゴールキック。誰も競り合わずにボールはビルバオへ。その跳ね返されたボールのが競り合いにシウビーニョが破れ、左サイドを突破される。その左サイドからのクロスを未完の大器ことジョレンテが決めて同点。クロスに対するジョレンテのフリーになる動きが教科書どおりだった。教科書どおりだったからこそ、テュラムにはついていって欲しかった。そしてシウビーニョが競り合いに負けることは仕方ないとして、ゴールキック、、誰か競れよと。グジョンセン呼んで来いよと。

 バルサはボージャン→グジョンセンを投入。これはボージャンの疲れを見こした交代で、同点に追いつかれた状況は関係ないだろうな。試合はビルバオが押せ押せのまま終了。1-1の同点。アウェーで勝てない病は健在の模様。

 ■独り言

 バルサはファウルが少ない。ビルバオは21でバルサは12。ビルバオは肝心な場面でこそ、ファウルをしてバルサの攻撃の流れを上手く止めていたと思う。ちなみにビルバオのイエローの枚数は3で、バルサは0。バルサは少し正直すぎたかなと思う。ファウル21でイエローが3というも少ない気がする。それだけ、危ない場面になる前にファウルで止める意識がビルバオにあったのだろう。

 デコはこの試合でもダントツにボールを失う回数が多かった。17回。ちなみに、イニエスタは7回で、メッシは11回。頑張れデコ。面白いのデータもある。プジョルが0回でテュラムが4回。CBコンビがマルケス×ミリートの場合だと、2人合わせて20回はボールを失うこともある。それだけマルケス×ミリートが攻撃に対するチャレンジをしているということなのだけど。

 ローテーションもいいけれど、マルケス×ミリートにすべてを託すくらいの気持ちがないと、この先きつそうである。マルケスは怪我だった気がするので、託しようもなかったけれど。今日はバルデスに助けられた日でした。

posted by josepgualdiola |09:42 | バルセロナ/07~08 | コメント(6) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加