2010年05月24日

バイエルン対インテル ~あきらめじゃなくて~

 バイエルンのスタメンは、ブット、ラーム、ファンブイテン、デミチェリス、バトシュトゥバー、ファンボメル、シュバインシュタイガー、ロッベン、ハミト、オリッチ、ミュラー。ザ・お馴染みのメンバーである。リベリの代わりは万能型のハミト。リベリがいないと守備が安定する気がするバイエルン。でも、相手がカウンターしかやってこなかったら、その旨みを享受できないかもね。

 インテルのスタメンは、セザール、マイコン、ルシオ、サムエル、キブ、サネッティ、カンビアッソ、スナイデル、エトー、パンデフ、ミリート。モッタの代役はサネッティ。SBの選手だったのに、いつのまにか中盤の選手見たくなっちゃうのだから、すごい選手でもある。そして、95年からインテルにいるんだもんね。マルディーニみたいなものか。このときをずっと待っていたのだろう。95年からずっと。

 ■不穏な表情はなぜ?

 序盤のインテルはちょっと攻撃的なそぶりを見せる。モウリーニョの奇襲か、相手の出方を探るためか。真意は定かではないが、インテルは攻撃に枚数をかけて、バイエルンのゴールに迫っていく。もしかしたら、ボールをどれくらい持てるかの実験を行ったのかもしれない。効果的にボールが持てるなら、攻撃的に振る舞い、相手のカウンターに脅かされるほどのポゼッションしかできないなら、さっさといつもの形に戻ろうみたいな。

 バイエルンの守備が良かったってよりは、やっぱり自分たちの得意な形でやりあったほうが得策だなと判断したのだろう。大方の予想通り、10分過ぎからインテルがバイエルンにボールを持たせる展開で試合が動いていく。ただし、バイエルン側からすると、上等だよって感じで。つまり、お互いの長所がぶつかり合う試合となった。ただし、バイエルンはカウンターも得意なので、インテルにボールを持たせる作戦を実行していたら、恐ろしい試合になったと思うのだけど、それは夢のお話。

 バルサ戦に比べると、インテルは高い位置で守備を行っていた。バルサに比べると、バイエルンのビルドアップのレベルは低い→狙いすましたプレスでボールを奪えるだろうって計算があったのだろう。特に、ファンブイテンは露骨に狙われていた。インテル側からすると、守備をするのかしないのかわからないスナイデルが、今日は一生懸命に守備をしていた。さすがに、CLの決勝で守備をサボることはしないってことで。

 なので、高い位置からの守備によって、バイエルンのポゼッションを邪魔していくインテル。ファンブイテンにプレスをかけたのは、ロッベンにボールを渡らせたくないという理由もあっただろう。ちなみに、ロッベンの相手はキブであった。キブはロッベンに近い位置をうろうろすることで、ロッベンに前を向かせない、そもそもパスを出させないように警戒していた。パンデフとカンビアッソがすぐにダブルチームで対応できる意識を持っていたことも見逃せないところで。複数を相手にするロッベンはやっぱり苦戦していた。縦はキブが警戒し、中央はヘルプにきた選手が抑えている。

 インテルのプレスを無効化する役割を果たしていたのがシュバインシュタイガー。いつもの左の低い位置からボールを動かしまくっていた。バトシュトゥバーが上がっていくので、エトーはバトシュトゥバーについていく。で、その空いたスペースでボールを落ち着けるシュバインシュタイガー。ここからバイエルンの攻撃が始まっていく。

 で、ここでファンハールの誤算。引きこもった相手は色々な手段で粉砕してきたバイエルン。しかし、今日はCLの決勝。しかも、相手はバルサの攻撃を止めちゃったインテル。それでも、バイエルンならやることはやってくれるだろうと期待していた管理人。でも、決勝戦の魔力なのか、インテルの守備が凄すぎたからかはわからないが、力を発揮できない感じのバイエルンを見ることができた。

 ボールを保持したバイエルンの良いところは、パスとドリブルのバランスがいいところになる。リベリとロッベンの個人技がパスサッカーに良いアクセントを加えているのである。これが中堅チームだと、個人で試合を壊せる選手がいないので、コンビネーションが完成するまで、延々とボールを回し続ける現象が起きることがある。で、今日はリベリがいなかった。で、ロッベンにはなかなかいい形でボールを届けられなかった。なので、個人技に期待するのはちょっときつそうな展開である。

 なので、出番が期待されるのはハミト、オリッチ、ミュラーである。リベリがいないので、中央から左のエリアは自由に動きまわることができる。しかし、ここの運動量が恐ろしく少なかった。20分過ぎにデミチェリスの攻撃参加から、中央でオリッチとミュラーがコンビで崩した場面くらいだろうか。ハミトがバイタルでボールを受ける場面もたびたびあったが、それらの絶対数が少なかったと思う。さらにいえば、バックパスばっかりのバトシュトゥバーにはがっかりですよ。こっちにラームを置いておけば、絶対にインテルは困ったかと。

 そんなわけで、ボールが落ち着いても、前線の相手から自由になる動きがいつもよりも少ないバイエルン。これじゃなかなか崩せないよねって話である。それでも、ときどきエリア内に侵入したり、ロッベンが無理矢理にシュートまで持っていけたりするので、目指している方向性に間違いはない。ポジショニングで勝負できるミュラーが重宝されているのなんて、非常に理にかなっていると思う。ただし、ミュラーはびっくりするくらいに決定力がない。

 そんなわけで、大事に大事に攻撃を組み立てるバイエルン。それを難なく防いでいくインテル。インテルは何度もカウンターを仕掛けることに成功していた。バイエルンは守備の準備ができるほど相手を押し込んでいる感じではなく、中盤の選手がもっと高い位置でボールを保持できればなと感じる場面が多かった。パンデフたちはかなり低い位置まで下がっていくので、攻撃に絡みたがるCBがシュバの位置か横まで攻撃参加したほうが、カウンターの危険が増えるようで増えないと思うのだけど。

 インテルのカウンターはどんどん後ろから選手が上がってくる形が多かった。ミリートをポストにして、パンデフたちが攻撃に厚みをもたらす。カンビアッソのダイレクトパスが非常に機能しているのが印象的だった。まら、セザールのキック精度が半端じゃなかった。以前にコメントいただいたので、注目してみたが、レイナを凌駕しているかもしれない。

 そんなセザールのキックから、インテルの先制点が生まれる。セザールの正確なハイボールをミリートが抑える。で、スナイデルとのコンビで裏を取って一対一を冷静に決めるミリート。さりげないシュートフェイントが素晴らしかった。でも、もっと素晴らしかったのがスナイデルの曖昧なポジショニング。ハイボールの時点で数的不利だったのだけど、相手から離れていたスナイデルの価値である。

 懐かしのデ・ラ・ペーニャを思い出そう。最近ではセレッソトリオを思い出そう。ボールを受ける前に相手から自由になれるかどうかが重要である。勝負はボールを受けたときにもう終わっているのが理想なわけで。ボールを受けてから勝負をしなきゃいけない場メッもあるけれど、そうでない方が楽に決まっている。今日のスナイデルはこの曖昧なポジショニングが非常に優れていた。ここの勝負でバイエルンの前線が負けてしまったのが痛い。

 後半の立ちがあり。いきなりのバイエルンの奇襲が炸裂する。オリッチたちのコンビネーションで最後のシュートはミュラー。これをセザールがスーパーセーブで防ぐ。超決定機を外したバイエルンだが、後半はインテルに変化が訪れる。4-4の守備ブロックが4-2-1-3みたいになってしまう場面が出てくる。エトーたちが相手の陣地に居残る場面がちょこちょこ。

 狙いとしては、前プレで相手の攻撃を破壊するとか、攻撃意欲を見せることで相手の後ろの選手に攻撃参加をさせないって狙いがあったろう。しかし、一応ボールは運べるバイエルンである。なので、急速に試合は動き始める。コンパクトに保たれていたインテルの布陣がちょっと間延びし始める。となると、健康なロッベンへのヘルプが遅れる場面がちょこちょこ。ラームも迷わずに攻撃参加するようになり、嫌な雰囲気がただよう後半の立ちがあり。

 前半と同じように、インテルは55分過ぎからいつものように守備を固める。で、バイエルンはハミト→クローゼで位置を交代。ミュラーがサイドに配置され、何度もドリブルで仕掛けていた。思ったよりもサイドでのプレーが様になっていたので、来季はクロースとのポジションチェンジアタックが見られそうな雰囲気。ただし、クローゼが投入された影響力は特になし。ロッベンが強引にシュートを撃ちまくる場面が増えていった。

 で、69分。またもインテルのカウンターが炸裂する。さっさと前線にボールを運んで今度はエトー→ミリート。単純だけど、見事すぎるドリブルでファンブイテンを圧倒し、あとは一対一の駆け引きをするだけのミリート。昔から決定力はあるもんねってことで、見事に追加点を決めました。

 なので、オリッチ→マリオ・ゴメス。今年のマリオ・ゴメスはよくわからなかった。管理人予想ではスタメンから外れる。でも、途中で復活したけど、結局はスタメンから外れてしまっている。試合に出られないのは勿体無いので、移籍した方がいいかもしれない。ミュラーが出場しているのはプライドが許さない!とかないのだろうか。

 しかし、高さ勝負でインテルに勝てるか、何かを起こせるかってったら微妙。というよりも、特に高さ勝負で迫力のある場面も少なかった。インテルは退場しそうなキブ→スタンコビッチ。パンデフ→ムンタリ。ミリート→唯一のイタリア人と、いつもの交代劇を見せる。ってか、インテルの控えGKはトルドだったのか。

 そんなわけで、無事に守りきって終了。インテルがとっても久々に欧州の頂点に立ちましたとさ。サネッティとモラッティの喜んでいる姿は非常に良い景色だったと思いますよ。長かっただろうな、サネッティ。そして、モウリーニョはインテルのサポからはとってもリスペクトされるのだろう。後任はどうするのだろうね。

 ■独り言

 気になったのはインテルがときおり見せる謎の行動。序盤のポゼッションとか後半の守備に参加しない前線とか。色々試してみる余裕はあると計算したのかなと、終わってみると感じるところで。結局はいつものところに落ち着いたのだけど、まだ、バイエルンにはいろいろやっても負けないだろうなと考えていたのかもしれない。優秀なのは、その見切りの早さだろうけど。

 バイエルンは来年頑張りましょう。ちょこっと選手を入れ替えれば、楽しいチームになるとおもう。あとは守れるようになれば。リベリの残留も決まったし。でも、クロースが入ったら、誰がスタメンから外れるのだろうか。ロッベリーがFWになったら面白いな。ただし、バルサ戦に比べると、インテルは隙を見せていたので、そこで一矢を報いて欲しかった。

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posted by らいかーると |18:38 | チャンピオンズリーグ/0910 | コメント(8) | トラックバック(1)
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2010年04月30日

リヨン対バイエルンの短文

 リヨンのスタメンは、ロリス、レベイエール、クリス、ブームソング、シッソコ、ゴナロン、マクン、デルガド、ゴブ、バストス、リサンドロ。ファーストレグで敗戦だったので、今日は絶対に得点が欲しいリヨン。なので、いつもよりも攻撃的な選手がズラリな様子。4-2-4みたいになりそうな予感すらある布陣である。ボールを保持して迫れるかどうか。

 バイエルンのスタメンは、ブット、ラーム、ファンブイテン、バドスチュベル、コンテント、シュバインシュタイガー、ファンボメル、ロッベン、ハミト、ミュラー、オリッチ。リベリが累積でいなくなった。でも、リベリがいなければ、戦術の幅が広がりそうなバイエルン。曲者ハミトが代役なので、非常に楽しみでもある。ボールを保持しに行くか、カウンターを中心にいくか楽しみなところで。

 ■また来年。

 序盤こそは悪くなかった。オリッチにボールを奪われて、ミュラーが外してくれた決定機を除けば、リヨンはファーストレグとは異なるサッカーでバイエルンを圧倒するそぶりを見せる。ファーストレグでは、自陣で構えるサッカーを見せてバイエルンの攻撃力の前に屈する形になってしまった。しかし、この試合では積極的な攻守の動きを見せる。明らかに、ファーストレグとは異なる雰囲気を会場に蔓延させることに成功する。

 しかし、リヨンの攻撃はかなり悲しいものだった。前線の4人のコンビネーションが不発。動き回るデルガドに呼応する動きは特にない。個々のパフォーマンスは悪くないのだけど、孤立勝負でなかなかバイエルンのDF軍団に勝つことができなかった。後方からのボールの届け方も決して上手くはないのだけど、名に負けないパフォーマンスが出来ていたかと言うと、微妙。個人能力で打破できない→コンビプレーで勝負→それでもダメって感じ。

 となると、SBの攻撃参加だってことになるけども、レベイエールは攻撃が得意でない。シッソコはロッベンの相手をしているのだけど、しょうがないってことで、前線に顔をだすようになる。でも、単純なコンビプレーも上手くいかない様子で、単発な攻撃はブットを焦らせることはほとんどなかった。バイエルンの守備がうまいからって感じもない。確かにロッベンも守備に参加して4-4-2で守るバイエルンも頑張っていたが、そこまで高いレベルとは言えない。

 例えば、バイエルンの弱点を考えると、ロッベンとラームの間のスペースとか、左SBのコンテントが思い浮かぶ。リヨンといえば、そういう弱点を執拗につきながらのサッカーも得意にしているイメージなのだけど、今回はそういうサッカーをしないのか、できないのか謎のまま時間だけが過ぎていった。

 また、リヨンの前プレは連動性がなかった。このようにしたいって理想があるとして、それらを実行させるのが監督の役割である。具体的に理想を伝えて、噛み砕いて説明する。で、現場で起きる事態に臨機応変に対応していく。たぶん、試合前の準備や当日のアクションも含めて、元リールの監督はあんまり上手くないのかなと。確かリールでは合致とした守備とクロス合戦が得意だったような。ま、新加入の選手が多いからしょうがないけども。でも、だったらなぜにベスト4まで残れたのか不思議。ロリスの奇跡か、運が良かったのか。

 バイエルンは前線の4人でカウンターを仕掛けたり、リヨンのプレスをかわしていつも見せているような攻撃をしたりしていた。序盤はちょっと焦ったかもしれないが、リヨンの攻撃の前に、これはいけるかもしれんねと判断できたのかもしれない。最初の決定機をミュラーが決めてくれれば、もっともっと楽な試合になったろう。

 先制点は相手陣地でのスローインから。クイックリスタートでミュラーがフリーで受けるとスピードアップ&ロッベンとのコンビでエリア内に侵入してラストパス→オリッチが決めて試合を終了させた。守備枚数が足りないってこともなく、スピードアップした攻撃に後手後手に回ってしまったのがすべてかと。

 後半はバイエルンがボールを保持し始める。持てるんじゃないかって仮説の答えは正解。大量点が必要になったリヨンはボールを保持するバイエルンの前に苛立を隠せない。で、クリスがくだらないいちゃもんを審判につけて退場。くだらないけども、あれくらいで赤を出すなよと。で、ハミト&オリッチに止めをさされて終了である。こういう試合の解説は大変だろうな。そんなことが頭をよぎる試合となってしまったとさ。

 ■独り言

 そんなわけで、決勝はバイエルン対インテルになりました。両方ともちょこちょこ見ていたので、プレビューができそうである。それが嬉しい。楽しい予想をそのうちにやろうと思います。リベリがでるかでないか決まったらやろうかと。バルサが崩せなかった守備を、健康なロッベンが崩せたら面白いなと今は思っているわけで。

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posted by らいかーると |15:58 | チャンピオンズリーグ/0910 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2010年04月30日

バルセロナ対インテル ~(NOT)ADVANCE~

 バルセロナのスタメンは、バルデス、アウベス、ピケ、ヤヤ、ミリート弟、ブスケツ、ケイタ、シャビ、ペドロ、メッシ、イブラヒモビッチ。累積のため、プジョルが出場停止。なので、中央のコンビがヤヤとピケになっている。で、左SBがなぜかミリート。3バックに移行するためか、それとも守備固めかちょっとわかりにくい。攻撃の起点にはなれても、ペドロを追い越すような動きをミリートはできないだろう。

 インテルのスタメンは、セザール、マイコン、ルシオ、サムエル、サネッティ、カンビアッソ、モッタ、キブ、スナイデル、エトー、ミリート兄。パンデフがアップ中に故障したらしい。なので、パンデフ→キブ。この変更はインテルの戦い方をちょっと守備的な方向に導きそうな気配である。バルサ出身のモッタとエトーはどんな気分なんだろうね。

 状況を整理すると、バルサは2点がどうしても必要である。なので、いつもよりも攻撃的に振舞う必要がある。でも、ミリート弟がいるよってことは、インテルのカウンターを警戒している。いわゆる攻撃に死ぬほどのリスクはおかしていない。これがどう出るか。

 ■28分まで

 パンデフの直前の離脱によって、インテルは左サイドの守備のやり方が変化している。エトーに比べると、キブの位置は高くない。確かにアウベスが高い位置にいるからという相手の事情もあるだろうが、キブがいるべき位置にスナイデルがいることもあった。なので、インテルのシステムが4-3-3で前線がミリート兄、エトー、スナイデルちっくになる場面がちらほら。これが狙ったものなのか、流れの中で仕方なくなってしまったのかが不透明なところで。

 ファーストレグよりもバルサがバルサらしい攻撃を見せた要因の一つが、この何だか普通でない状況なのは間違いないだろうと。ファーストレグに比べると、インテルはスペースを埋める意識が強く、ボールを持っていない選手への対応がおろそかになる場面が出てくる。そうはいってもファーストレグを10とすると、セカンドレグは7くらいのレベルなのだけども。バス移動から開放されたバルサは、やっぱりボールを持っていない選手の動きがちょっと多いような気もする。特にアウベスの動きは尋常でなかった。

 そんな動き回るアウベスを中心に、右サイドからバルサは攻撃を仕掛けていく。左サイドはペドロが単独で仕掛けるがチャンスは生まれそうにない雰囲気。それでも何かをやってくれそうなペドロには、右サイドからの仕掛けのフィニッシュを期待されているのかもしれない。ミリートは追い越すのでなく、自分が起点として攻撃にちょこちょこ絡んでいた。エトーの守備能力を考えると、そのくらいが丁度いいのかもしれない。色気を出して、ボールを奪われて、ショートカウンター発動させたら笑えないだろうってことで。

 ファーストレグの反省点として、ボールを持っていない選手の動きの量は改善されそうな雰囲気である。そして、ヤヤがなかなか優れていた。ドリブルで何度も攻撃参加。相手からはしかとされているけれど、中盤を助ける正しい行為なので、ひたすら続けるべきである。後方からのビルドアップが整備されたので、シャビもときどき自由になる場面が見られた。ファーストレグではまったくだったので、この攻撃を続けていけば、何かを起こせる可能性は高い。

 インテルサイドからすれば、パンデフがいなくなったことで攻撃の迫力が低下したこと。そして、守備の役割に混乱が見られる何ともいえない事態に陥っている。繰り返しになるが、キブとスナイデルが不透明なことによって、ファーストレグで見せたような高い位置からの守備はまったく機能せず。なので、単なる引きこもりちっくになっているインテル。それらの要素によって、バルサの選手がフリーで仕掛けられる状況が生まれつつある感じ。エリア内に侵入する場面もちらほらで、今日はセザールの出番が増えそうな様子である。ファーストレグはセザールの出番がほとんどなかったような。

 ■追い出されたモッタ

 9分にアウベスの侵入を止めたことでイエローを受けたモッタ。28分に手がブスケツの顔に当たったよってことで退場に追い込まれる。ブスケツのオーバーアクションがこの状況を導いたかと。首をしめるモッタも悪いヤツだが、ブスケツも劣らずって感じ。シメオネがこういうことをやると微笑ましいのはなぜだ。代役のスタンコビッチは累積でベンチにもいない。

 困ったモウリーニョはシステムを変更。ミリート兄を右SH、エトーを左SHに移動させる。で、4-4-1で前線がスナイデル。前線っていっても4-4の前で守備を固めている感じである。全員を自陣に戻らせてひたすら守りに入った瞬間であった。ちょっと待てと。スナイデルとキブの不透明な関係がさりげなく改善されているわけで。バルサからすると、得したのか損したのかわからない状態になっている。

 で、それだったら、10人で守ることに落ち着く前に猛攻だってことで相手の隙を見逃さないメッシ。右サイドからバイタルに侵入し、ボールを受けると、得意のドリブルで中央へ、そしてミドルを放つがセザールが初仕事をこなす。チェフやブッフォン並に評価されていい選手である。

 バルサの決定機のあとに、インテルの守備陣が徐々に状況に慣れ始める。DFラインをペナルティエリアに設定。その前に4人並べてバイタルエリアを消す。スナイデルを中央に配置して、中央を厚くする。シャビたちをつぶしに行っても、中央のスペースが空きすぎ内容に配慮。

 これで、困ったのがバルセロナ。完全に守備固めかよと。相手のプレスエリアの外でボールを回すことになったバルセロナ。ゴール前に侵入したいのだけど、イブラにボールがおさまらない。だったら、ポジションチェンジアタックか、無理やりのドリブルが見たいのだけど、前半はそういうのはアウベスくらいだね。
 
 ■そして後半へ

 ミリート弟→マクスウェル。やっぱり左サイドも強化しようってことだろう。SHとSBが連携して守っているので、ペドロだけではほぼ意味がない状態である。エトーも目の前からいなくなったし、カウンターの危険は格段に減っているわけで。

 しかし、55分までのインテルはちょっと面白かった。ハーフタイムのバルサはもっと攻撃的に振舞うやり方の確認に終始しただろう。ボール運びはうまく行っていたので、そこへの指示はないだろうし、選手たちも心配していなかったはず。なので、その隙を見逃さないモウリーニョ。なので、守備の奇襲。DFラインを高くして、ちょっと前からプレッシャー。聞いてたんとちゃうってことで、バルサは落ち着きを取り戻すのに10分くらいかかってしまう。見事に時間を稼いだモウリーニョでした。

 で、55分からは前半の終了間際の攻防が延々と繰り広げられる展開となる。インテルはゴール前に壁を作り、その外側から仕掛けるバルセロナ。4-4の間のスペースを使いたいのだけど、完全に消しているインテル。DFラインから離れても、インテルの最終ラインはついてくるので自由になれない。こうしてバイタル攻略は困難な状況となった。

 次に空中戦。しかし、高さ勝負で考えると、イブラとケイタがいるので、何とかなりそうだが、そういうボールは少ない。というか、高さで優位に立つインテルからすると、空中勝負は臨むところだよって感じだったのかもしれない。でも、ピケを前線に上げた最後はなかなかいいパワープレーをしていた気もする。強引にやってみれば、楽しかったかもね。

 うわーって感じのグアルディオラ。だったら、僅かな時間を見逃さないボージャンとドリブル勝負のジェフレンを投入。ってことで、イブラ、ブスケツが62分に交代。しかしジェフレンのドリブルが通用するんだったら、話は早いわけで。となると、ボージャンの一瞬の飛び出しやスペースを見つける動きにすべてが託されることとなる。ちなみに交代直後のイブラはエリア内でポストマンとして機能しつつあった。もうちょっと我慢しても面白かったかと。

 72分にスナイデル→ムンタリ。80分にミリート→コルドバ。インテルは徐々に守備を強くしていく。コルドバの登場でシステムは5-4に変更。ボールを奪ったときは前線に蹴っ飛ばしたり、ボールをキープして相手のファウルを誘ったりしていた。時間を稼ぎながら耐え忍んでいくインテル。

 5-4に変更したことで、最終ラインは増えたけど、中盤の中央が徐々に攻略されていくインテル。メッシやシャビが中央でボール交換からお互いを自由にする場面がちょこちょこ出始める。で、攻撃を加速させていく。メッシのクロスをボージャンが紙一重で外してしまった場面が生まれたのはこうした背景かなと。で、82分にピケから待望のゴールが生まれる。これも中央で前を向けたシャビからピケへ。相手のDFラインの裏へ飛び出したピケはFWのような動きで相手をかわしてゴールを決めた。

 あと一点だよってことで、ミドルシュートやパワープレーで活路を見出しにかかるバルセロナ。しかし、セザールは弾かないし、パワープレーも普通にクリアしていくインテル。でも、シャビとメッシはやっぱり自由になる場面が出てきていて、アウベスへのパスはアウベスがファウルを取りに行って終了。ロスタイムにはクリアボールがヤヤにあたってボージャンのゴールが生まれたかに見えたけど、ハンド判定。そして試合はそのまま終了する。1-0でバルサは試合に勝ったけれど、アウェーゴールを跳ね返せませんでした。

 ■独り言

 引きこもった相手に苦戦したのは昨年も同じである。なので、さらなる進化を目指してイブラを獲得したはず。自分のイメージではイブラの高さをもっと利用したり、イブラにもう少し自由を与えるかなと思ったが、メッシとの共存がなかなかうまく行かなかったのかなと。例えば、このような試合でジェフレンやペドロをサイドに置いておくのであれば、イブラでもいいような。

 で、全盛期の彼らはこういう相手にもっとリスクのある攻撃を仕掛けられた気がする。勘で申し訳ないのだけど。ボールを持っていない選手の動きやアイディアがちょっと少なかったかなって。それがミスへの恐怖ってのは、この試合ではおかしい。インテルのカウンターへの恐怖なんて、試合展開を考えればないわけで。となると、彼らを臆病にしたものの正体がわかりかねるのが正直なところ。

 ボージャンのヘディングが入っていれば、さすがバルサって風潮になっていたかとおもうとちょっと怖い。バルサは攻撃の幅を手に入れないと同じ過ちを繰り返すことになるかもしれない。昨年のイニエスタの奇跡が毎回起きるわけもないので。アイデンティティをいじり始めたグアルディオラ監督には、来年にそういう幅を手にいれることを期待したいなと。試合を壊せる選手を連れてきてごまかすってのも悪くないけどさ。

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posted by らいかーると |11:14 | チャンピオンズリーグ/0910 | コメント(24) | トラックバック(0)
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2010年04月27日

バイエルン対リヨン ~セカンドレグに向けて~

 バイエルンのスタメンは、ブット、ラーム、ファン・ブイテン、デミチェリス、コンテーロ、シュバインシュタイガー、プラニッチ、ロッベン、リベリ、ミュラー、オリッチ。ファンボメルが累積で出場停止だったような。なので、プラニッチが中央に配置されている。コンテントってのは誰だい。

 リヨンのスタメンは、ロリス、レベイエール、クリス、トゥララン、シッソコ、ゴナロン、シェルストレム、エデルソン、ピニャッチ、デルガド、リサンドロ。ロリスが半端じゃないことくらいしか、情報にないリヨン。全盛期はCLでなかなか結果が出なかったのに、一時代を担った選手たちがさってから、ベスト4に来られるとは、誰も思っていなかったに違いない。ちなみに、リヨンもバスかな。

 ■選んだ意味とは。

 リヨンのシステムは4-1-4-1。ロッベンやリベリとの対峙の場面で数的同数にならないことを最優先しているように見えた。なので、プレスを開始するラインも低めに設定されている。相手にボールを持たせるような守備なので、バイエルンがボールを保持する展開となった。高い位置からの守備に比べれば、走りまくる距離が少ないやり方である。なので、バス移動が関係しているのか、それとも単純にロッベンやリベリを恐れたかは謎である。

 バイエルンのサッカーはボールを保持することでリズムを加速させていく形に落ち着いている。ロッベリーが試合に出場しているときは守備がおろそかになる傾向がある。なので、バイエルン相手にボールを保持することはそんなに難しいことではない。また、そんなときにロッベリーを中心としたカウンターは恐怖だけども、そこへボールを届けることは得意ではない。なので、その回数を極力少なくする努力はできる。

 それでも、生まれるチャンスを守備陣が跳ね返せるかという計算問題を解かなくてはいけない。抜群のロリスを擁するリヨンの守備を考えれば、数的同数でたまにロッベリーの攻撃ならば、何とか防げそうな感じもするのだけども。それよりも、数的優位を常に維持して、守備のリズムをつかもう作戦を優先した監督の意向は知りたいところで。ま、それだけの価値がロッベリーにあるってことなのだろうけど。まだ、ファーストレグだし、アウェーだし。

 そんなわけで、ボールを保持したいバイエルンはリヨンの戦い方のおかげで、自分たちのやりたいサッカーでリヨンに挑むことができた。バイエルンの泣き所である繋げないけども、繋ぎたいCBへのプレスをかけられることなく。ここはセカンドレグの注目点になりそうだね。そういえば、誰か分からないコンテントはなかなかうまかった。つなぎの面でも。

 ボールを保持したバイエルンは、ロッベリーにボールを触らせる回数を増やしていく。相手の4-1-4-1の前線の4-1の間のスペースから攻撃を組み立てていった。リヨンは最前線の選手は守備をしなかったり、いきなり中盤にいたりと良く分からない感じであった。基本は4-1-4で守るリヨン。バイエルンのプラニッチたちは自分たちのポジションを下げて、相手がどこまでついてくるかの見極めを行う。で、ついてこない位置からのゲームメイクでまずは流れを掴みにかかる。リヨンは後方での数的優位がベースなので、どこまでも、相手についていくわけには行かない。

 で、今日はリベリの日。フランス人の彼はリヨンに色々な思いがあるに違いない。いつもよりも、がむしゃらなリベリからバイエルンの攻撃は加速していった。後方のコンテントとのコンビも悪くないようで、スピードアップするドリブルとダイレクトパスでリヨンの守備陣を徐々にはがしていく。だったら、俺もとロッベンもサイドから仕掛けたり、中央に進出したり。そして、ロッベリー&オリッチが最初の決定機を作る。

 徐々に漂ってくる失点の雰囲気。ロリスはコーナーキックの目測を誤るなど、今日は彼の日でない雰囲気もちらほら。やっぱりボールを持たせると、バイエルンの攻撃はどんどん迫力を増していくのは今日も同じようで。リヨンはロッベリーと正面衝突でうまく防いでいるのだけど、いかんせん勝負の機会が多すぎるような。で、もっと時間が過ぎると、シュバやミュラーもゴール前に進出してくるわけで。というわけで、ホームの観客のわくわくも止まらない。

 で、リヨンの攻撃を少し。ロングボールをドンってよりは細かいパスを繋いで、SBを攻撃参加させる。で、クロスを入れてって感じ。なるべく攻撃を急ぎたいけれど、孤立した攻撃になるならみんなで攻めよう。で、ロッベリーの守備をしない部分をぼくらの長所にしようって感じ。で、攻撃はちゃんとフィニッシュかプレーをアウトさせることで、カウンターを仕掛けさせないようにってこともあった。そこそこ機能していたが、いかんせん回数が少ない。シェルストレムの強烈ミドルくらいかな。

 問題はリベリの一発退場。気合の入りすぎたリベリ。球際でもよけない。そしてがちゃっとした場面で相手の足を踏んづける。これを近くで見ていた審判は一発レッド。最初はなんで赤やねんと思ったが、思いっきり足を踏んでいたのでしょうがない。私生活でいろいろあるようだけども、それが裏目ってよりは、アドレナリンがですぎたのかなと解釈しておきます。この試合のリベリは久々に怖いくらいのプレーだった。たぶん、35~40分くらいだったと思う。
 
 思わぬプレゼントにリヨンはどうしようかなと考えている間に前半は終了。守備的に振舞っているのに、いきなり攻撃へのシフトチャンジはなかなか難しい。でも、ベスト4に残っているのだから、それくらいの芸当は見せて欲しかったなと思う。そうすれば、バイエルンへ精神的なダメージをもっと与えられたかもしれない。

 後半の頭からオリッチ→ティモシュク。コメントでもあるように、オリッチは攻撃面であんまり機能していない印象。いかんせんボールに触らなすぎで。サイドで上手く周りと連動できていないし。プラニッチがサイドに配置されるかと思ったら、懐かしのシュバインシュタイガーであった。後半はリヨンに攻めさせるだろうで、ティモシュクはその保険だろう。でも、バイエルンはボールを持てるときは積極的に仕掛けていた。ラームのアタックはなかなか迫力があった。
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 で、11人のリヨンはハーフタイムに意志を統一、、、したかに見えた。後半が始まると、プレスのラインを前目に設定。後方での数的優位はほっておいても作れるので、勝負に出た模様。しかし、攻撃的な守備に勢いが感じられない。連動性がないってよりは、迫力がない。なので、バイエルンに致命傷を与えることができない時間帯。相手の選択肢を削って、中盤でボールを奪いたいのだけど、五分五分な模様。

 なので、ロッベンの抜け出しをファウルで止めるしかないトゥラランって前半に見られない景色が見られるようになる。で、黄色をもらうトゥララン。そして、その直後に中盤で相手の交錯するトゥララン。で、二枚目のイエロー。明らかにバランスを取りに行った審判の犠牲者になってしまったトゥララン。二枚目は厳しすぎるけども、一枚目が微妙に赤でもおかしくない感じだったので仕方ない。

 ピニャッチ→マクン。4-4-1で守備を固めるわよというわけで、前半のリピートとなる。リベリのぶんも頑張るわとロッベンが一気に躍動する。プラニッチ→マリオ・ゴメス。で、攻撃の枚数を増やして決定機を作っていくバイエルン。リヨンはかなり厳しい展開になっていく。しかし、マリオ・ゴメスが最高の決定機をロリスに止められるなど。

 でも、前半から続く流れをさすがに止め切れないのが現実で。ロッベンのミドルはミュラーにあたってゴールに吸い込まれましたと。なので、リヨンもゴブを投入するが影響力はあんまりなく、バイエルンがどんどん攻める時間が続いていく。85分にロッベン→ハミト。ロッベンは怒っていたが、この時間帯までくればしょうがない。しっかりと守りを固めて試合を終わせましたとさ。

 ■独り言

 リヨンが前からいくしないだろうで、どこまで緻密さを高めてくるかが楽しみ。まさか、後方で守備をするころはないだろう。バイエルンはリベリがいない。さらに、怪我人が多発しているようで、後方が不安。なので、盛り上がっていきそうである。リヨンはかなりチャンスだな。ファンハールがどのようにごまかすかなと。選手でごまかすか、戦術でごまかすか。

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2010年04月22日

インテル対バルセロナ ~人とスペースとボール~

 インテルのスタメンは、セザール、マイコン、ルシオ、サムエル、サネッティ、モッタ、カンビアッソ、スナイデル、パンデフ、エトー、ディエゴ・ミリート。セリエのすべてを背負って、いや、自分たちの存在をかけた闘いが始まるわけで。やっとここまで来れたのだから、モチベーションは最高だろう。相手がどこであっても。

 バルセロナのスタメンは、バルデス、アウベス、ピケ、プジョル、マクスウェル、ブスケツ、シャビ、ケイタ、ペドロ、メッシ、イブラヒモビッチ。管理人としては、イブラヒモビッチを出場させないのかなと予想していたのだけども。シャビを中盤に下げることによって、ボールを支配しようという気持ちがちょっと強いバルセロナの布陣。正面衝突かいな。

 ■人への意識

 インテルのシステムは4-2-3-1。相手にボールを持たせてカウンターを仕掛けるスタイルで試合に臨んでいた。先入観からいうと、自陣に引きこもる→バルサのDFラインが浅くなる→バルデスとDFの間にあるスペースにミリートを走らせる展開なのかなと思ったが、そんなことはなかった。いや、そんな場面も多かったけれど、この表現は真実に近くないのかなって。

インテルの前線の選手は前半から前プレを仕掛ける場面が散見された。後半も前半も前プレの回数はそんなに変わらないかなと。そういう意味では、前半も後半もそこまで自分たちのやり方を変えていなかったと思う。なるべくバルセロナの選手に思考の時間を与えなかったり、パスコースをきったりって場面はそこそこに多かった。いつもやっていたわけではないけども。つまりは、奪えそうならどこまでも。

 インテルの守備のやり方を整理すると、モウリーニョの得意技が炸裂。ゾーンとマンツーマンのミックスである。マンツーマンの得意な南米の選手が多い現状はモウリーニョにとって助けになったと思う。危険な選手はマンツー気味に対応し、そうでない選手はちょっとプレスが緩くなる傾向の強いやり方である。マークを受け渡せる場合は、受け渡すけれども、受渡せない場合は、マンツーのようについていく感じ。

 例えば、シャビ。バイタルエリアの近い位置にいるときは、カンビアッソとモッタの近い方が対応していた。で、低い位置に下がったときはスナイデルに受け渡す。スナイデルに受け渡せないときは、そのままついていくことで、シャビに余裕を与える場面は少なかった。ちなみに、後半の終盤で相手を自陣に押し込むポゼッションを成し遂げた時のシャビは徐々に自由になっていっていた。

 イブラはサムエルが普通についていっていた。4バックのラインを崩すことを厭わない守備である。ちなみに、サムエルがCBから消えたときのインテルはSBが中央に絞るなどのことはやらなかった。そのスペースに誰かが入ってくれば、また変わったかもしれないけれども。メッシも似た対応で何とかしていた。

 つまり、相手のボールの位置で守備の時のポジショニングは決まるのだけど、人に対する意識を忘れないインテルである。というか、モウリーニョはこういう守備組織を作ることがうまいし、アルゼンチン人はこういう守備が得意である。巷で有名なイタリア人監督が岡田監督のサッカーをぼろぼろに分析したやり方をさらに進化させた感じかなと。エスパニョールがマークの選手をはっきりさせたのに対して、インテルは決めなかったところが面白い。

 で、バルセロナのシステムは4-4-1-1。最近に比べると、ちょっと攻撃的な布陣を組んできている。前線にメッシとイブラ、中盤にシャビを配置する形であった。なので、ボールを保持してレッツゴーって感じである。実際の試合もそんな様相でスタートした。インテルの守備がボールを奪うよりは選択肢を削るような守備でスタートするので、ひとまずボールを保持することはできたバルセロナ。あとは、バルセロナしだいである。

 しかし、相手を陣地に押し込むようなポゼッションはなかなかできなかった。中央を分厚く守るインテルの前に、バルサの攻撃はサイドに誘導されることとなる。しかし、サイドにいる選手はケイタとペドロ。かつてはロナウジーニョとメッシ。なので、SBの攻撃参加が必要とされる。マクスウェルもアウベスも積極的に攻撃参加するが、それは知っているよとエトーとパンデフが守備に参加している。

 なので、サイドも数的同数のバルセロナ。マクスウェルがエトーをドリブルでぶっちぎれるかというと怪しさが満点である。なので、サイドから効果的な仕掛けができないバルセロナであった。シャビやメッシやイブラがサイドに流れて、ポジションチェンジアタックなどを仕掛けられれば、面白かったのだろうけど、メッシやイブラはあんまりサイドに流れなかった。メッシが右サイドに移動したのは後半のお話である。

 インテルはボールを奪うと、2つのやり方が見られた。中盤のスナイデルにボールを届けるようなスタイルと、相手の裏に放り込むようなスタイル。狙いはアウベスの裏にミリートを走らせる懐かしい形。プジョルやピケが一生懸命に対応していた。よーいドンの競争に負けていなかったと思う。なので、いつかはタイミングが合うかもしれないけれど、スナイデル経由のほうが何かを起こせそうなインテル。なので、無闇に蹴るよりは繋ぐ意識も見せる。

 しかし、そこはバルセロナの得意技が炸裂。素早い攻守の切り替えで相手からボールを奪う場面が何度か見られた。で、その攻守の切り替えが生んだ18分の先制点。相手の隙を見逃さないシャビ。相手の最終ラインに素早くプレスをかけると、イブラが連動して相手からボールを奪うことに成功する。

 急に守備の対応に負われたインテルは、ブロックを作るよりも人への意識が強い。特にエトー。どこまでも追いかけることは良い面も悪い面もある。このときは悪い面が出てしまう。深追いのエトーはシャビをフリーにしてしまい、シャビのスルーパスをうけたマクスウェルはサイドを抉って、中央のペドロへ。そしてペドロのゴールが生まれる。人への意識が強すぎると寄せすぎてやられちゃうのが弱点だろうかと。

 で、インテル。別に焦ることなく試合を進めていく。バルサも特に変わらず。サイドが機能しないことは変わらないので、イブラに放り込む場面が増えていく。実は先制点もイブラへの放り込み失敗→前プレから生まれている。これは繋げないからイブラよろしくってよりは色々な方法を試して相手に状況を探るバルセロナらしいやり方だなと見ていた。

 でも、イブラへの放り込みは機能していたとは言えない。むしろボールを失って前プレを連動させなきゃいけないことで、疲れが心配されるバルセロナであった。このあたりの連動性のなさを見抜いたインテルは無闇にボールを蹴らずにビルドアップを試みるようになっていく。

 で、同点ゴールに繋がる。流れを振り返ると、イブラへの放り込みを奪う→前プレをかわしながらエトーに届ける。マイボールのスローインになる→ビルドアップをやり直す→今度はモッタが倒される→素早いリスタート→サイドでエトー&マイコンコンビが炸裂→ミリート経由で最後はフリーのスナイデルがズドン。スナイデルがフリーだよって話だけどもあれはペドロかシャビがマークにつかないといけないだろうなと。

 同点に追いつかれたバルセロナはアウベスを積極的に裏へ走らせることで流れを引き寄せようと画策。これはなかなか成功していたが、アウベスのクロスはほとんどが明後日の方向へ飛んでいっていた。マクスウェルも似たようなもので、イブラとケイタがゴール前に飛び込む意味がないぞって感じ。逆にインテルはセットプレーやカウンターでバルサのゴールを脅かしていく。というわけで、嫌な展開のバルセロナ。

 ■いろいろやったけれど

後半のバルセロナはメッシを右サイドに配置。サイドが機能しないなら、サイドに強い選手を配置作戦。非常に理にかなっている。メッシが懐かしの右サイドでボールを持つ場面が増えていく。対面は同郷のサネッティと元同僚のモッタ。ここの勝負でメッシはなかなか勝つことができない。で、メッシがファウルをアピールするが、ノーホイッスル。ふてくされるメッシをよそに、ペドロが素早い切り替えで守備に参加したのが印象的だった。

 しかし、ボールを奪ったインテルは早い。パンデフがバルサの中盤を置き去りにすると、カウンターは加速。エトーを囮にしたミリートがボールを受けてマイコンへラストパス。マイコンが押し込んでインテルが逆転に成功する。守備のためのケイタは頑張って走ったけれど間に合いませんでしたと。パンデフに3人かわされちゃったことが一番の悲しさである。

 せっかくいい流れを作れそうだったのにねとがっくりのバルセロナ。でも、試合はまだ終わらないと愚直に相手のゴールを目指す。困ったときのセットプレーだとブスケツが会心のヘディングを放つが無常の真正面。チャンスのあとにはピンチが来るってことで、直後に追加点が入る。今度はインテルの攻守の切り替えが勝ち。相手陣地でボールを奪ったモッタからインテルはショートカウンターを発動。エトーのクロスをスナイデルが折り返してミリートが押し込んで終了。

 3点目の前に55分くらいにパンデフ→スタンコビッチ。パンデフは疲れきっている印象。スタンコビッチはパンデフのポジションにそのまま入ったような印象。4-4-2に変化するかなと思ったが、エトーの位置が変わらなかった。

 2点差になってしまったバルセロナは62分にイブラ→アビダル。で、4-3-3へ変更。得点を取りに行くのに攻撃の選手を下げるのだから特殊なチームである。マクスウェルを前線に上げてアビダルからビルドアップって感じだろうか。このあたりからメッシのポジションは自由になり、スナイデルが守備をできなくなっていく。

 なので、バルサがらしい時間を過ごすようになっていく。インテルは高い位置で守ることができなくなり、自陣に押し込まれるようになっていく。このままじゃまずいよと、70分にマイコン→キブ。75分にミリート→バロテッリ。マイコンはメッシの肩があごにヒットしたようで、悲しみの負傷退場であった。バロテッリがエトーの位置に入ったのだけど何だかふわふわしていて、機能していなかった。

 バルセロナはピケを前線に上げて、ゴール前をカオスな状態にしようと試みるが、インテルの体を投げ出した守備の前に沈黙。一番はアウベスのドリブルがダイブと判定されたことだろうか。両面から考えても怪しい場面だったので、しょうがない。結局はセザールのスーパーセーブを導き出すこともないまま、バルセロナは試合を終了することになる。イニエスタが入ればとみんな思ったに違いない。

 ■独り言

 4-4-1-1のバルサだと、ちゃんと人へ対応すれば、こんな感じになるのかなと。エスパニョールとインテル戦を見た感じだと。相手がせめて来てくれれば、アーセナルやレアル戦のようになるのだろうけども。でも、イニエスタがいないので、4-3-3で押しきれるかは非常に微妙である。セカンドレグはプジョルがいないので、開き直るチャンスはあるけども。どうなるかね。

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2010年04月09日

マンチェスター・ユナイテッド対バイエルン ~正しさ対理不尽~

 ユナイテッドのスタメンは、ファン・デル・サール、ラファエル、リオ、ビディッチ、エブラ、キャリック、ギブソン、フレッチャー、ナニ、バレンシア、ルーニー。ルーニーが復活している。事前に流れた情報は真実だったようで。朴智星が外れて、いわゆる4-3-3へ回帰している。これは期待できそうである。

 バイエルンのスタメンは、ブット、ラーム、ファン・ブイテン、デミチェリス、バトシュトゥバー、ファン・ボメル、シュバインシュタイガー、ロッベン、リベリ、ミュラー、オリッチ。そういえば、いつのまにかクローゼやマリオ・ゴメスを差し置いて、ミュラーとオリッチがスタメンにいる。地味に層が厚いバイエルンであった。そしてロッベリーがそろい踏みである。諸刃の剣はどう出るか。

 ■対策はしたけれども

 結論から言うと、ユナイテッドは非常に賢く戦ったと表現できそうである。ファーストレグで見られたルーニーとMFの間にギブソンを常に配置し、フレッチャーもそのスペースで守備をさせることで、バイエルンの攻撃をうまく分断していた。ちなみに、4-3-3ってよりは4-4-1-1って表現した方が適切かもしれない。大切なのはサイドアタッカーが両サイドに配置されていることで、中盤の三角形の向きではないのだけども。

 ファーストレグはバイエルンがボールを保持して延々と攻撃を仕掛けていく試合展開であった。セカンドレグはどうしても得点が欲しいユナイテッドが攻撃的に振舞うしかない展開が予想される。で、その予想通りにことが進んでいく。予想通りにことが進むということは、ファーガソンの狙いが見事に炸裂したってことである。このあたりはさすがとしか言いようがない。

 前述したように、ユナイテッドのFWとMFの間のスペースを埋めること&前線から激しいプレスをかけることで、バイエルンの攻撃に落ち着きを与えないことによって、バイエルンはボールを保持した試合展開をできなくなってしまう。ユナイテッドの守備に苦しむバイエルン。ファーストレグではあんまり見られなかった光景である。

 これで、ボールを取り返したユナイテッド。ファーストレグはバイエルンのプレスに苦しんだわけで。スコールズがいないので、ボールが落ち着くかなと心配していたら、フレッチャーが中心になってボールを運んでいた。最近のフレッチャーのパフォーマンスは異常である。キャリックとフレッチャーが相手の裏をつくことで、隙間から前線のボールを何度も届けていた。特にロッベンが組織的な守備をしないので、深追いや連動性のなさをうまく利用していたかなって。
 
 で、ボールはクロスマシーンと化しているバレンシアに届けられることが多い。でも、今日は左サイドにナニもいるよってことで、横幅を最大限に利用したボール運びでユナイテッドはバイエルンのゴールに迫っていく。この両サイドにサイドアタッカーをおくことで、サイドの選択肢が片方しかないよって状態から抜け出せたのは大きい。仮に、攻撃がサイドに偏ったとしても。

 リベリとロッベンを配置したバイエルンからすると、この二人の守備が非常に軽い。いわゆる諸刃である。ユナイテッドの先制点はラファエルがあっさりとリベリを交わしたことから始まる数的優位状態からの崩しで、2点目は中盤でロッベンが簡単に外されて、ユナイテッドの攻撃にスイッチが入った状況であった。そんなわけで、ギブソンのミドルとバレンシアのクロス→ナニのトリッキーなシュートで、10分までにユナイテッドが2-0にしてしまう。

 バイエルンからすると、ロッベンとリベリをどのように守備に組み込むかが問題となってくる。守備をサボる選手を嫌いそうなファンハールは、彼らがそれなりに守備を機能させられるとして、それなりに高い位置にラインを配置した感じ。でも、彼らが簡単に交わされてしまうので、ユナイテッドは数的優位から仕掛けられる状況が整ってしまっていた。さらに、ラインが高いので、バイエルンの選手間の距離は遠い。なので、さっさと引きこもることで、コンパクトを実現したいバイエルンだったが、そういう開き直りはあんまり得意ではないようで。

 そんなわけで、前半のユナイテッドは計画通りに試合を進めていく。で、41分にはラファエルのスローインからバレンシアの突破→バレンシアのクロスをナニが冷静に蹴り込んで3-0へ。というわけで、ちゃんとバイエルン対策を考えて忠実に実行したユナイテッドが当たり前のように結果を手に入れようとしていた。

 しかし、たまにはボールを運べるバイエルン。カウンターから一対一のチャンスを作ったが、そこはファン・デル・サール。ユベントスから都落ちした印象だったけれども、本当に復活したなってい今更か。でも、3-0になった直後に中央突破に成功する。

 シュバインシュタイガーのパスにミュラーがヘディングで相手の裏へ。キャリックに競り勝ったオリッチは角度のないところからシュートを決めて、土壇場で3-1にすることに成功する。

 で、後半。アウェーゴールの関係もあり、あと一点で逆転だよってことで、バイエルンは焦ることなくハーフタイムを消化。後半もいつもどおりのサッカーをしようって感じで、立ち上がりは本当にいつもどおりであった。ユナイテッドはルーニーが途中で足を痛めていた。なので、ルーニーは徐々に試合から消え去っていった。

 後半の頭から交代かなと思ったが、なぜか引っ張る。やっぱり精神的な主柱なのかなと。後半の序盤のユナイテッドは相手にボールを持たれる場面が目立った。しかし、ファーストレグの失敗は嫌だねってことで、フレッチャーとギブソンがどこまでも相手を追いかける。バイエルンの選手に考える時間を与えないように、時間を奪っていくギブソンとフレッチャー。

 しかし、焦らないバイエルンはゆったりとボールを回しながら、ロッベンとリベリにボールを触る機会を増やしていく。彼らが何かを起こしてくれればいいし、調子を上げてくれるならば、今の機会を見逃してもいいみたいな。彼らに対する信頼感みたいなものを感じる瞬間であった。で、そのリベリが仕事をする。中央でラファエルを圧倒すると、ラファエルのファウルを誘い、彼を試合から追い出すことに成功する。

 これでユナイテッドはかなりキツイ状況に追い込まれる。ルーニー→オシェイで4-4-1でトップにナニを配置。現段階でも中盤の選手はめちゃくちゃ走っていたのに、もっと走れってのかみたいな。それでも、走りまくるナニたちにスタジアムはねぎらいの拍手を何度も浴びせていた。自陣に全員で守備を固めるユナイテッドはまれにカウンターを繰り出すが、基本的には守りきりを図った格好。

 4-4-1で懸命に守備を固めるユナイテッド。中央を分厚く守っているので、バイエルンはなかなか中央に侵入することができなかった。ロッベンやリベリもスペースを消されて仕事ができず。アーリークロスに飛び込むマリオ・ゴメスだが、リオとビディッチが相手ではなかなか効果的な攻撃とも言えず。ただし、終了までの時間が長い。ファーストレグはでも同じだったように、ボールを運びながら焦らずに攻撃を続けるバイエルンがほころびを見つける可能性も高いわけで。

 ラファエルの退場によって、ファーストレグのやり直しを余儀なくされたユナイテッド。引きこもりで必死に対抗したが、試合を分けたのがセットプレー。ユナイテッドのシュートはゴールの中に入らずに、バイエルンのセットプレーは凄まじかった。74分にリベリのファーサイドへのコーナーキックをロッベンがダイレクトボレー。漫画か。

 その後のユナイテッドはギグスやベルバトフを投入して反抗を試みるが、ボールを回せるバイエルンの前に、影響力はなし。あそこまで守備を固めていた状態から切り替えるのは難しい。というわけで、ロッベンのスーパーボレーの時点で試合は終わってしまったようであった。

 ■独り言

 ユナイテッドからすると完璧なプランで臨んだのだけど、負けちゃった。結果を言えば、ラファエルの退場や、ロッベンのスーパーなプレーによって試合は壊された。逆の意味で試合を壊しそうになったロッベンとリベリだったけど、終わってみればっていい方向に出たようで。次は関門を突破したリヨンが相手。ちゃんと対策をすれば、いい勝負になりそうである。それにしても、ミュラーとバトシュトゥバーはいい経験を積んでいる。このコンビは将来どこまでいくかなと。

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2010年04月08日

インテル対CSKAモスクワ ~ファーストレグだよ~

 インテルのスタメンは、セザール、マイコン、マテラッツィ、サムエル、サネッティ、スタンコビッチ、カンビアッソ、スナイデル、エトー、パンデフ、ミリート。モウリーニョを連れてきたのがCL制覇のためだとすると、久々にその目標に限りなく近づいているような。国内は連覇しているので、選手もこっちのモチベーションのほうが高いのかなとか考えてみたり。

 CSKAモスクワのスタメンは、アキンフェエフ、V,ベレズツキ、A,ベレヅスキ、イグナシェビッチ、シェンニコフ、アルドーニン、シェンベラス、クラシッチ、本田、ママエフ、ネツィド。本田がこのチームに移籍してCSKAの読み方を初めて知ることになった。ありがとう本圭。いまや本田△になっているが、昔は本田拓也と区別するために、本圭と表記していたのが懐かしい。さらにいえば、日本の救世主として期待されているのだから、人生はわからないものである。

 ■裏の裏と誘い。

 インテルのシステムは4-3-3風味。ようするに、エトーとパンデフをサイドに配置しているのが特徴。チェルシー戦での4-3-3は、相手のSBの攻撃参加を抑える目的が強かったが、今日はカウンターアタックを成功させよう、という狙いが強かったかなと感じるところであった。チェルシー戦に比べると、モウリーニョは計算を軽くしたのかもしれない。9人で守備ブロックをつくるチェルシー戦に比べると、CSKA戦はDFとスタンコビッチ&カンビアッソだけで攻撃をしのぐ場面がちょこちょこ見られた。

 CSKAのシステムは4-2-3-1。本田がトップ下にいる。丁寧にボールを繋ぎながら攻めるチームのようで、なかなか良いチームに移籍したなと率直に感じた。イグナシェビッチのロングボールはハチャメチャだったが、いろいろな攻撃方法を取ることのできるチームなのかなと。スピード豊かなクラシッチを上手く使えば、ロングカウンターも行けるだろうし。

 序盤はCSKAがボールを保持しながら攻める場面が見られた。インテルの守備枚数が少ないので、相手の陣地には楽に入っていけるCSKA。しかし、アウェーだし、序盤だしってことで、あんまり攻撃に枚数をかけることはなかった。なので、クラシッチアタック以外でCSKAがインテルの守備陣を慌てさせる場面はなかったかと。そんな中で、注目の本田は可もなく不可もなく。ただし、怖くはなかったかなと。でも、ボールの落ち着きところとしては悪くないかなと。

 そんな展開の中で、インテルの序盤はふわっとしていた。簡単なパスミスが見られ、カウンターを仕掛けられないケースが目立った。なので、CSKAは試合を決めるならチャンスだったのだけれど、特に動く気配はなし。そりゃ、この時間帯を勝負どころだと見極めて、一気に動くリスクを犯せる選手はほとんどいないだろう。でも、圧倒的な強者の前では、それくらいの覚悟が必要な気もする。

 で、徐々にインテルが試合の流れを取り戻していく。前線の選手がポジションチェンジしたり、スナイデルが下がってボールを受けたり、つまり、システムを崩すことで組織的なCSKAの守備組織の混乱させるように動き始める。また、前線の選手が相手へプレスをかけることで、CSKAのボールの出所を破壊しようと試みる。ここらでインテルの選手は相手の調子とか自分との相性だとかの情報の整理ができたのかなと。

 CSKAからすると、ワントップのネツィドがボールをキープできなかったのが誤算だったろうかと。インテルの守備陣に完敗であった。前線にボールがおさまらなくなったCSKAはどこにボールを運ぶのかが曖昧になっていく。カウンターのチャンスも失敗体験からかバックパスで攻撃をやり直す悲しい判断がなんども見られた。このチャンスを見逃さないインテルは、危なっかしい場面をどんどん減らすことに成功する。

 それでも、インテル発信の攻撃はあんまり多くなく、CSKAの攻撃をうまく防いでいくことに成功していった前半戦であった。おそらくモウリーニョの狙いとしては、攻守分断型のサッカーをすること。守備で圧倒的な数的有利を作って、相手の攻撃を跳ね返す。これは相手のカウンター対策といってもいいだろう。で、中盤をゆるくすることで相手に攻め込ませる。それでも、力関係を考えれば、簡単に決定機を作られることはない。なので、CSKAが攻撃に枚数をかけることで、インテルのカウンターを有利にしようみたいな。で、相手が誘いにのってこないとしても、攻撃陣を比較すれば、インテルが結果を出す可能性が高い。

 結論をいうと、CSKAはモウリーニョの誘いに乗ることはなかった。システムのバランスを破壊してまで攻撃を仕掛けることはなかった。なので、守備の場面で危機的な状況に陥ることはなかった。でも、このままでは得点を奪えそうな雰囲気はない。さあどうするって後半戦である。しかも、前半戦にCSKAの情報をインテルの選手たちは頭で体で理解してしまっている。こりゃ、きつそうである。

 で、後半になると、インテルが攻撃に枚数をかけ始める。この相手には結果が必要だよねってことで、マイコン、カンビアッソ、スタンコビッチも攻撃参加を始める。CSKAはどこから守備をするのって考えが非常に曖昧だった。ひきこもればいいのだけど、ひきこもらない。なので、インテルのスタンコビッチたちにあっさりと中盤を制圧されてしまう。いうなれば、スペースを与えてしまっていた。
 
 で、インテルの縦横無尽なポジションチェンジアタックの前に、CSKAは対応出来ない場面が続出。相手を捕まえきれないので、簡単に前を向かせて勝負をさせてしまう場面が目立った。なので、繰り返される決定機。それをユーロで有名になったアキンフェエフが防ぐ防ぐ。どうやらあのときの能力を維持しているようで、ビッククラブにまたも注目される存在になれそうである。GKでお悩みのチームはぜひ。

 そんなアキンフェエフがパンデフにかわされても、ぎりぎりでDFのカバーリングで防ぐなど危ないCSKA。やっぱり耐えきれないよねってことで、ミリートの強烈なシュートが炸裂。恐らくエリア外かな。ゴールの隅にあのシュートを飛ばせる技術がすごい。兄弟でインテルとバルサなんだから、現役では最強の兄弟だろうか。

 CSKAの攻撃はミドルシュートばかり。懐かしのマルゴンが登場するが、特に影響力はなく。期待の新星は惜しい場面を作れたので、セカンドレグはもっと出番が与えられるかもしれない。なんにせよ、セザールが相手ではよっぽどのミドルが炸裂しないかぎり、ゴールは奪えなそうである。本田くんもそういうチャンスは与えられずに途中交代。後半はボールが届かずに残念そうであった。

 そんなわけで、1-0で終了。後半だけでも大量の決定機を作ったインテルからすれば、2-0か3-0で終わりたかったかなって感じ。個人能力の差を正しく計算したモウリーニョの采配がうまかったかなと。内容なんか知った事ないよって感じで、ある意味非常にらしかったかと。CSKAの選手を見ていると、中盤の選手のボールをもったときの判断が非常にまずい。前線にミリートクラスの選手がいれば、迷いもなくなるだろうが、無理な話で。判断という個々の能力の差がでた試合だったかなって思うわけです。

 ■独り言

 このタイミングでファーストレグ。セカンドレグを楽しむためには欠かせない試合だったかなって。他の試合に比べると、テンションが低いと感じるところもあった。でも、モウリーニョがテンションが低くなるように計算してやった可能性が高いので、致し方ないかもしれない。問題はCSKAのセカンドレグの臨み方。ボランチとFWに難があるし、クラシッチがいない。だからこそ、アウェーゴールを得られたかもしれないファーストレグで勝負する勇気が欲しかったかなって。それだけが残念。

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2010年04月07日

バイエルン対マンチェスター・ユナイテッド ~早すぎる先制点~

 バイエルンのスタメンは、ブット、ラーム、ファンブイテン、デミチェリス、バトシュトゥバー、ファンボメル、プラニッチ、ハミル、リベリ、ミュラー、オリッチ。というわけで、セカンドレグの予習になります。バイエルンはちょこちょこ見ているのだけど、こんなスタメンは見たことがないわ、ってのが正直なところで。累積とか怪我とかいろいろあったのだろう。

 ユナイテッドのスタメンは、ファン・デル・サール、ネビル、リオ、ヴィディッチ、エブラ、フレッチャー、キャリック、スコールズ、ナニ、ルーニー、パクチソン。ユナイテッドの4-3-3を自分が絶賛していたのは懐かしい記憶。でも、控えにふさわしい選手がいないので、なし崩し的に終了になってしまった感が強い。パクチソンはいい選手だけど、あのときの4-3-3を機能させるにはちょっと異なるタイプだもんね。

 ■選択のミス

 ユナイテッドのシステムは4-1-4-1。開始早々に先制点をとることができたので、ルーニーを前線に残して守備を固める作戦に出たようである。アウェーという状況を考慮すれば、ちょっと守備的に闘うことになんら不思議はない。先制点の形は、セットプレー。壁にあたって変化したボールが、ルーニーの元へこぼれ幸運であった。マークのデミチェリスはバランスを崩したようで、転んでいた。ちなみに、セットプレーの狙いはニアでボールの軌道をずらして、ルーニーって形だったと予想している。

 バイエルンのシステムは4-4-2。プラニッチが中盤の中央を任されていてびっくりした。さらにびっくりしたのが、普通にプラニッチがうまい。サイドで失格の烙印をおされたプラニッチだったが、まさか中央で復活するとは夢にも思わなかった。スタメンは、シュバ×ファンボメルコンビニなるだろうけど、貴重なバックアッパーとして生きて行けそうである。ティモシュクはどうするかしらない。

 先制されたことで、攻撃するしかないよねって意思統一が容易になったバイエルン。ユナイテッドが守備的に振舞ったことで、自分たちの戦い方で勝負を挑めたのは運が良かった。膠着状態が続けば、バイエルンは自分たちのサッカーをなかなかできなかったろうで、そうなれば、試合の中で調子を上げていくことは困難だったのではないかなと思うわけで。

 バイエルンはボールを大切にするサッカーをしている。なので、DFラインから丁寧に繋いで、前線の選手に仕掛けられる状況を作ってあげたいと希望するサッカーをしている。相手はルーニーをDFラインの付近に配置している。しかし、ルーニーは守備の役割をになっていないので、基本的に自由なバイエルンのDF軍団。中盤のファンボメルたちにはスコールズたちが襲いかかれるのだけど、デミチェリスたちは自由だった。

 この自由を上手く利用出来るのがバイエルンの賢いところである。いわゆる、ユナイテッドのMFとFWの間にCBとファンボメルたちを送り込むことで、最初の関門を突破することに成功する。デミチェリスたちが何度も長い距離をドリブルで攻撃参加する場面が多かったのがこんなところが原因でないかと。

 ユナイテッドからすると、自陣に引いて守備を固めるけれども、引きすぎないように注意していたはず。全体をコンパクトにして、ショートカウンターを発動できたらいいなって考えていた可能性が高い。しかし、中盤の対決で圧倒的に数的不利に陥ったユナイテッドは、昔のようにゴール付近で空いてを跳ね返すことになってしまう。スコールズは途中から前で潰す意図をチームメイトに伝えようとしていたが、あっさりとファンボメルに交わされていた。

 ハミル、ミュラー、リベリが縦横無尽にポジションチェンジを繰り返し、右サイドにはラームが飛び出してくる攻撃はなかなかの迫力であった。つまり、ユナイテッドはバイエルンのポジションチェンジアタックを捕まえ切れない場面が続出。それでも、最終ラインを中心にバイエルンの攻撃を跳ね返し、ミドルシュートはファン・デル・サールがブロックすることで事なきを得ていた。

 しかし、シュートまで行かれたり、自分たちが攻撃を仕掛けられなかったりする状況が好ましいわけもなく。ただ、ルーニーに放り込んであとはおまかせってのも、非常に困難そうであった。ナニはそこまで影響力を発揮していなかったし、左サイドは朴智星なので、期待もできない。

 そんななかでも、活躍しているのがルーニーとフレッチャー。特にフレッチャーは恐ろしい運動量でMFとFWのポジションを同時にこなしているような錯覚に陥るくらいである。前半の終了間際に左サイドに流れてルーニーにピンポイントのクロスを上げた場面はまさに彼の真骨頂かと。でも、チャンスはこれくらいだったような。

 前半が終わるにつれて、ユナイテッドも徐々に守備を開始する位置を前に移動してくる。スコールズの意図が伝わった瞬間。ハーフタイムを挟めば、もっと明確な対策をやってくるに違いない。バイエルンはその上を行くことができるかどうか。それにしても、リベリが元気である。思うに、ユナイテッドの左サイドにリベリがいたら、そりゃ恐怖だろうなと。ちょっと実現して欲しい。見てみたい。

 ■ファーガソンの狙い?

 後半が始まると、相手のDFラインまで、フレッチャーがプレスをかける場面が散見されるようになる。やはり守備の位置を高くするのかなと眺めていると、あくまで時々であった。基本的には、前半のリプレーである。慣れ親しんだ戦い方から脱却するのはなかなか難しいのかもしれない。過去の成功体験もやまほどあるだろうし。

 そんなわけで、いつもどおりのバイエルンがいつもどおりの攻撃をどんどん機能させていく。組織で繋いで個人勝負したり、コンビプレーで崩したりと。ハミルのドリブル突破からのシュートや、ミュラーのポジショニングを使った攻撃など、ファン・デル・サールの出番がどんどん増えていく展開となる。

 ここまで攻め込まれてしまったのは中盤で相手に簡単に前を向かせているからである。ユナイテッドが引いて守っているからって理由もあるだろうけど。引いて守る選択をしたとしても、GKの出番がやたら多いのでは機能しているとは言えない。ファン・デル・サールの能力を織り込んでいるのだと言われても、それはあんまり賢いとは言えない。プラニッチが前を向いて、パスコースを何の苦労もなく探している姿はびっくりする光景である。

 69分にキャリック→バレンシア、朴智星→ベルバトフ。動いたファーガソン。4-4-2で相手のCBを抑えに行くのかなと思ったが、後半はそんなにバイエルンのCBは攻撃参加していない。ベルバトフの行方を追っていると、ファンボメルのそばにいた。つまり、システムを4-4-1-1に変更。4-4-2で相手の中盤を壊しに行くほうが良さそうなんだけど、ルーニーは意地でも前線に残すようで。ベルバトフは頑張っていたけれど、あんまり状況は変わらなかった。

 77分にバイエルンの猛攻が実る。ネビルのハンドから得たFKをリベリが直接決めることに成功する。ネタはマリオ・ゴメスが壁にいて、蹴る瞬間に移動。そのスペースを狙ったキックであった。昔にリベリーノがやったことあるとホイッスルで読んだ。あれをまねしたのであろう。

 ユナイテッドは試合を落ち着けるために、スコールズの位置を下げたり、ベルバトフを投入したりしたけれど、自分たちの時間を作ることはできなかった。ベルバトフは多少働けていたけれども。バイエルンの攻守の切り替えやいざというときにどこまでも追いかけるプレスの判断がユナイテッドに悪い影響を与えたのかなと思うわけで。

 バイエルンは攻撃の選手を次々に投入。そして、ロスタイム。マリオ・ゴメスの強引なドリブルから、最後はオリッチが混戦を抜け出して逆転ゴールを決めることに成功する。シュートを打つ前に、キックフェイントで相手との駆け引きに勝利したのがすべてかと。マリオ・ゴメスの至近シュートを防いだファン・デル・サールでも、オリッチのシュートは防げませんでしたと。

 ■独り言

 怪我をしたルーニーは復活するとかしないとか。ユナイテッドからすると、自分たちでボールを支配できるかどうか。そのためにどのような選手配置で臨むのかは楽しみである。バイエルンにボールを受け渡せば、ファーストレグのリピートになりそうである。ユナイテッドのFWとMFの間を、ファンハールはまたもついてくるのか。それとも、ファーガソンの作戦はどんなだろうか。キーマンはスコールズ、フレッチャー、ベルバトフ。バイエルンはロッベンが戻ってきたら面白くなるだろうな。

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posted by らいかーると |12:25 | チャンピオンズリーグ/0910 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2010年04月06日

アーセナル対バルセロナ ~YOU CAN (NOT) ADVANCE~

 アーセナルのスタメンは、アルムニア、サニャ、ギャラス、フェルメーレン、クリシー、ソング、セスク、ディアビ、ナスリ、ベントナー、アルシャビン。現状を考えると、ベストに近い布陣なのかなと。バルサ相手にどのような戦術で臨むのかは非常に興味深いところである。どうするベンゲル。

 バルセロナのスタメンは、バルデス、アウベス、プジョル、ピケ、マクスウェル、ブスケツ、ケイタ、シャビ、メッシ、ペドロ、イブラヒモビッチ。シャビが復活している。アビダルの怪我によって、マクスウェルを獲得した意味が大きくなっている今日この頃。もう少しできる子だとみんな思っているだろうけどね。

 ■変化は継続するか

 バルセロナの弱点は、僕たちはこういうサッカーをします。相手がどうであれこういうサッカーをします。みんな、ちゃんと対策をしてね、でも最後に笑うのは僕たちだけど、って所だと思っていた。いつでもポゼッションで、いつでも4-3-3で、チームのコンディションの差によって、完成度にはばらつきがあるけれども、方向性はそんなに変わらないみたいな。

 その方向性ってやつが徐々に変化している。そのきっかけはメッシのトップ下への変更から始まっている。強引にカテゴライズすれば、4-3-3とも言えなくもないけれども、4-2-3-1に変更してからのバルセロナは、いつもの方向とは異なる方向に歩き始めている。ゆっくりなサッカーからメッシを中心とした相手のゴールにどんどん迫っていくサッカーへ。両サイドに献身的な選手を配置することで、サイドの守備の穴ができにくいサッカーへ。

 で、この試合の前半戦。システムは4-4-2。メッシとイブラのツートップでバルセロナは試合に臨んだ。ペドロの位置が高かったので、4-3-3といえなくもない。大切なことは、シャビとブスケツが中盤の底でコンビを組んで、メッシがたまに助けにくるといった構成の変化である。FWの役割を整理すると、イブラは相手のDFラインに張り付いて裏を狙い続けたり、サイドに流れてずらしてクロスやシュートの勝負を仕掛けたり、メッシはバイタルをひたすらうろうろする役割分担であった。

 というわけで、思ってたんとちゃうバルセロナである。いわゆるバルセロナ=グアルディオラと言っても怒られなそうな人が、バルサのサッカーを壊しに行く、良く言えば進化させにいくとは、ちょっと想像できなかった。自分たちのサッカーは攻撃的で方法はいろいろだよ、って形にバルサが進化すれば、そりゃ手がつけられなくなる。縛りサッカーから本気で脱却しようとしているのかは、非常に気になるところで。

 アーセナルのシステムは4-1-4-1。途中からセスクが動き始めて4-4-2のように変化していた。20分までは完全にバルセロナタイムであった。アーセナルはボールに触ることもできずに、ただ引いて守るという選択肢しか与えられていなかったが現状である。エミレーツスタジアムには衝撃が走ったことだろう。俺たちがいつも見ているパスサッカーはいったいなんなんだって感じで。

 なぜにアーセナルはここまでボールを奪えなかったのか。観察していると、ボールを持っていない選手の動きがバルサは優れている。休むことなく相手のいないスペースへ移動していく。相手から少しずれることで生まれる一瞬の時間を有効に利用していくバルセロナの選手たちは、めちゃくちゃクリエイティブであり、ハードワーカーである。

 で、さらに凄いと思うのが信頼感。相手から完全に離れているフリーと、少し離れているフリー。後者の場合、ボールホルダーは次の選手がボールを捕られるかもしれないと考えると、タイムをロスしてしまう。でも、バルサの選手はここに悩みがない。捕られるわけないみたいな。なので、どこにパスを選択するかの判断が早い。

 なので、アーセナルの選手はこのボール運びについて行けない。さらに、個々の選手のキープ力も高いので、捕まえられてもボールを奪えない。だから、人数をかけてボールを奪いに行く。となると、引きつけられてフリーな選手に繋がれてしまう悪循環であった。なので、途中からセスクがボールの出所を潰すために、前線に飛び出していく場面がちょこちょこ出てくる。この状況を打破するためにアクションを起こせるところはさすが。でも、味方との連動性がなかったので、あんまり意味はなかったけれども。

 アーセナルからすると、なるべく高い位置で奪いたい→無理だったから中盤の密度を濃くしたい→無理だったから引きこもるしかない状態に追い込まれる。バルセロナは相手の体力を奪うようなボール運びをすることなく、どんどんボールを前に運んでゴールに殺到していった。いつもだったら、相手をいなし続けるのだけど、今日のバルセロナは縦に早い。で、どんどん決定機が生まれるわけで。

 その決定機をしのいだのがアルムニア。自分のゴールにボールを入れることもあったアルムニアだが、今日は当たりの日であった。繰り返される決定機を何度もファインセーブでチームを救い続ける。前半で5-0もありえない話ではない展開だったが、アルムニアが見事に試合を破壊することに成功していた。アルムニアの奮闘の前に、アーセナルの選手も体を投げ出した守備で答える。ナスリやアルシャビンもSBかよってくらい守備をしていた。

 20分過ぎから、アーセナルもボールを持てる場面が徐々に出てくる。バルセロナのボールを奪われる→素早い攻守の切り替えでボールを奪い取るが緩み始めたのが原因かなと。2列目の飛び出しがほぼ皆無だったので、分厚い攻撃とは行かなかったが、アーセナルもゆっくりと自分らしさを自分たちのスタジアムで発揮していく。しかし、アルシャビンとギャラスが怪我で交代してしまう&セスクが累積でセカンドレグに出場できなくなってしまう前半戦となった。まさにふんだりけったり。

 そんなわけで、前半はバルセロナが恐ろしいサッカーを披露したものの、アルムニアが理不尽な力で試合をスコアレスなものにしてしまった。徐々にらしさを取り戻したアーセナルだが、怪我人やセスクのこともあって、後半に向けてポジティブな空気を感じられないまま前半が終了。アルムニアがすごくても、前半のリピートではポジティブにはなれない。

 ■ここでも戦術の幅

 後半のアーセナル。前に出てきたセスクを後ろに下げて、ベントナーをブスケツにぶつけていた。そんなフリーのピケから裏への放り込み一発。メッシの下がったことによってできたスペースを利用するイブラ。前に出てきたアルムニアを嘲笑うかのようなループでバルセロナがあっさりと先制点を上げる。後半開始直後のゴールだった。前半の苦労はどこへ消えたみたいな感じである。

 で、セスクがまたも前線に飛び出していく。ボールを運ばせないってことが一番リスクが高いようで低いのではないかという仮説。つまり、バルサのDFラインに激しいプレスをかける一か八かしかないと。前半は孤立無援であったが、後半は意思統一をしてきたようで。アーセナルは高い位置から積極的に守備をするようになっていく。そして、久々にバックパスを処理するバルデス。

 そんなアーセナルのやり方なので、試合はオープンなものになっていく。前半はバルサの一方的な感じだったが、後半はやられたらやりかえすような。ベントナーのヘディングのあとに、シャビのヘディングなんてのはその象徴的な場面であった。で、この状態でさきに得点を入れるのはどっちってな計算勝負に勝てたのがバルセロナ。58分にイブラがまたも裏をとって、追加点を決める。

 得点場面を見ると、先制点のリピートであった。今度はシャビがフリーでメッシに引きつけられたフェルメーレンの裏のスペースをばしっと。メッシがイブラをチラ見しているので、狙ってやっているのだなと。最強のFWコンビが形成されそうな瞬間である。ディアビがマークを外したか、クリシーがペドロのマークを捨てるべきかは難しい判断である。ま、シャビをフリーにしたのが一番の悪だけども。

 2点差になってことで、バルセロナは縦に早いサッカーからゆっくりしたものへ変更していく。点差を考えれば間違いのない判断なのだろうけど、チーム全体で意思統一が出来るかが問題。結論から言うと、何だか勢いがなくなってまったりしている印象を受けた。ちょっとペースを緩めたような。

 65分にウォルコットが登場。ウォルコットはいきなり快速を披露し、走れることをアピールする。で、68分。高い位置から守備を始めたアーセナル。セスクの頑張りからゆっくりと選択肢を削られたバルセロナ。ブスケツがなんてことないパスミスをしてしまい、ショートカウンターが発動。ここでベントナーのスルーパスをウォルコットが受けて、まずは一点返すことに成功する。

 で、試合は一気にアーセナルの流れに傾いていく。積極的な守備から繰り出される速攻でボールを相手陣地に運んで、後ろからの追い越しを巧みに使うらしさが戻ってくる。そして、ゴール前に攻防で俺だけセカンドレクに出られないのは嫌だよってことで、ピケを道連れにするセスク。

 76分にイブラ→アンリ。アンリは拍手で迎えられて、ボールを持ったらブーイングされていた。アンリを無理矢理に出すグアルディオラはいろいろ考えすぎな気もする。そこまで気を使う必要があるかって。アンリを入れることで何かが変わるわけもなく。

 アーセナルペースは変わらず。バルセロナはボールを奪うのが上手くない。攻守の切り替えで相手を破壊するのは得意だけど、引いて守るのはまだまだなようで。相手にボールを持たれてしまうと、ちょっと苦しい展開になってしまう傾向がある。でも、バルサ相手にボールを持てるチームは少ないけれど、CLではいるだろうね。

 しかし、プジョルが立ちはだかる。ウォルコットを防ぎに行くのがプジョル。マクスウェルを頻繁に助けに行くプジョル隊長の働きによって、ウォルコットも徐々に脅威を与えられなくなっていく。しかし、85分。そんなウォルコットのクロスからベントナーが落として飛び出すセスクとプジョルが交錯。このプレーでPK&プジョルが退場に追い込まれてしまう。ピケに続いてプジョルも巻き添えにするセスク。このPKを豪快に決めるが、古傷が再発したようで、ピッチでは10対10となる。

 試合は2-2のまま終了。次節のことを考えてみよう。バルサは両CBが欠場。マルケスとミリートが代役を務めるだろう。懐かしい組み合わせである。問題は守備だろうな。特にマルケス。そしてアビダルが復活してウォルコットとの対決を制すことが出来るか。アーセナルはアルシャビン、ギャラス、ソング、セスクがいない。いなすぎである。メリットはバルサのサッカーを体感できたことだろう。その経験を活かせるかどうか。

 ■独り言

 久々の更新でした。年度末は忙しいですね。だいたい落ち着いてきたので、マイペースにやっていこうと考えています。コメント仕様が変化したので、よりマイペースにやっていけるかなとポジティブに考えてもいます。まずはCLのファーストレグを空気を読まずに観戦しようかなと。クラシコも楽しみだな。

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posted by らいかーると |12:13 | チャンピオンズリーグ/0910 | コメント(14) | トラックバック(0)
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2010年03月18日

チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~

 チェルシーのスタメンは、ターンブル、イバノビッチ、アレックス、テリー、ジルコフ、ミケル、バラック、ランパード、アネルカ、マルダ、ドログバ。前節を1-2で負けてしまったチェルシー。でもアウェーゴールを決めたしってプラスに前節を考えることができる。ってか、ターンブルって誰。チェルシーはインテル対策をするのかどうか。

 インテルのスタメンは、セザール、マイコン、ルシオ、サムエル、サネッティ、カンビアッソ、モッタ、スナイデル、パンデフ、ミリート、エトー。4-3-1-2を捨てたCL仕様のインテルである。チェルシーのサイド攻撃をケアする意味合いが強いのだろう。サラゴサにいたミリートがこういう舞台に上り詰めたってのはなかなか感慨深いものがある。モウリーニョを呼んだ理由、CL制覇に向けてインテルはどこまでいけるかな。

 ■戦術の幅

 インテルのシステムは4-2-3-1。ミリートを前線に残して、エトーを右、パンデフを左に配置している。いつもの4-3-1-2に比べると、単純に攻撃の選手が多い。そして、守備の選手が少ないので、そのまま行うと自殺行為になる。なので、11人で守備をするよとCL補正をかけて試合の臨むインテル。いつもは4-3で守るのだけど、今日は4-5だよって感じ。つまり、日常は走らない選手を走らせることで、いつもよりも人数が多く見えるインテルであった。

 チェルシー対策としてSBの攻撃参加にパンデフたちをケアさせる。これは王道として、もっと大切な事がある。アンチェロッティ×チェルシーはなんだかんだボールを保持することをチームの基盤としている。いざとなれば、ドログバへの放り込みも厭わないが、基本的にはボールを持って自分たちの時間を増やそうって考えがある。その中で発展してきたのがアネルカである。相手をなかなか崩せない状況で、自由に動き回るアネルカ!という状況を作り出すには、ボールを落ち着ける必要がある。

 で、このボールを保持したいチェルシーのもくろみを完膚なきまでに破壊したのがインテルであった。簡単にいうと、休ませないくらいに相手にプレスを浴びせる。ミリートがCBに襲いかかり、スナイデルやエトーがランパードたちに襲いかかり、ゴール前に近づいてきたらカンビアッソたちが襲いかかる。この襲かかり方が非常にうまかった。エトーの鬼プレスが中盤で発揮されると、こんなにえぐいのかと。

 どのエリアにも選手を配置することで、チェルシーのボール回しに休む時間を与えないインテル。でも、必ずどこかサボる場所があるはずだと管理人はじっとテレビを眺める。サボりそうなスナイデルは懸命にこなしていたし、カンビアッソと何よりもエトーのフォローを得たことによって、スナイデルのサボリは非常に巧妙に隠されていた。ってか、さぼっていなかったけれど。

 相手がサボらなければ、相手がこない場所を探すのが吉である。となると、自陣のゴール付近に相手を近づけるリスクが必要となる。チェルシーの最終ラインを眺めると、アレックスとジルコフはイレギュラーな出場である。さらに、キーパーはターンブル。余計な負担はかけたくないのが、選手&監督ともに感じるところだろう。

 となれば、バックパスは少なめになると予測できなくもない。それに、キーパーを利用したビルドアップを試みれば、スナイデルを含めたカルテットが鬼プレスを発動させていただろう。なので、インテルは相手に長い距離をいつのまにか走らされている深追いを気にすることなく、激しいプレスをチェルシーに浴びせることができる。だから、チェルシーに思いっきり当たれる。そんな迷いの無いインテルのプレスの前に、チェルシーはタジタジになっていく。

 でもさ、ランパードあたりがポジションを下げまくれば、ボールを落ち着いたのではないかと。でも、チェルシーは負けている状況なので、ゴールから遠ざかる判断は難しいところである。というメンタル的な要素まで考えて、モウリーニョがこの作戦を実行したかどうかは、誰かが彼に聞くしかない。

 それでも、チェルシーには困ったときのドログバがいる。チェルシーのドログバ対策は徹底的なマークである。DFラインを高くしてドログバをゴールから遠ざけるのでなく、ルシオとサムエルが常にマークを受渡しながら注意していた。ファウルをじさないサムエルたちの前にドログバはなかか思うように力を発揮できていなかった。なので、地上戦でも空中戦でもうまく機能しないチェルシーであった。

 で、インテルはカウンターを浴びせていく。エトーたちが中央に絞れば、マイコンが攻撃に横幅を与えているのが印象的だった。3トップの与える攻撃の勢いや、マイコンの攻撃参加によって、チェルシーはインテルは攻撃も忘れていないことを思い知らされているわけで。さらに厄介なのが、戦術の幅。チェルシーは高い位置からの守備を忘れてしまっているので、ときどきインテルがボールを保持するような攻撃を仕掛けることもあった。結局のところ、インテルが自分たちのやりたいことをすべてやっているような前半戦が過ぎていくわけで。

 チェルシー側からすると、もう少しインテルの対策を考えても良さそうなのだけど、かなり普段どおりであった。数多くある試合の一つみたいな感じで。そのままで勝てると計算していたなら、計算機が故障しているのではないかと。ベストメンバーならまだその考えは理解できるけどもさ。

 前半のチェルシーは終了間際にチャンスを何度か掴むことに成功する。ドログバへの放り込みが実ったり、アネルカの神出鬼没が垣間見えたりって場面である。でも、なかなか効率的に攻撃がはまらないし、最後の耐え忍ぶところはさすがイタリアって感じの体を投げ出した守りであった。守っている選手はイタリア人ではないのだけども。そんなわけで、前半は0-0。後半のアンチェロッティの策に期待。

 ■動けないのか動かないのか。

 アネルカ⇔ドログバ。つまり、お互いの位置が変更になった。おそらくドログバのマッチアップの相手を変更したってことだろう。つまり、ドログバ優先。中央でどんと構えるアネルカは神出鬼没っぷりを潜めることとなる。なので、ドログバがいきないと非常に苦しい展開なのだけど、まったく活きなかった。今日はダメグバのようである。Not his day。

 で、ハーフタイムに相手の状況を把握したインテル。もう少しボールを運べるのではないかとか、チェルシーはやっぱりボールを奪うのがうまくないよねとか、ドログバは何とかできそうだなとか。怖いのは単独で仕掛けてくるマルダだねって感じ。だとすれば、マルダにやられるのはしょうがないとして、もう少し試合をコントロールしにいこうと。

 で、後半の立ち上がりはチェルシーも猛攻を見せるのだけど、気がつけばインテルがボールを保持していた。両者の差はボールをどこで奪えるかの差。インテルはゴール前でもゴールから遠い位置でもボールを奪えるようになっていた。普段はできない印象だけど・チェルシーは普段どおりに前でボールを奪えないのがちょっときつかった。後半は走らないと負けちゃうよとか脅すこともできたと思うのだけど。

 インテルの攻撃はスナイデルのパスでの仕掛けから決定機が生まれていった。しかし、チェルシーもキーパーの出番を作らないようにギリギリのカバーリングで防いでいく。ときどきみせるジルコフのカバーリングが妙に印象に残っている。で、チェルシーはジョー・コール、カルーを投入し、スクランブルアタックを見せる。でも、自分たちのやり方を変えないので、あんまり意味はなかった。というか、ほとんど意味はなかった。

 そして78分。スナイデルのパスに抜け出したエトーが決めて、インテルが待望のゴールを決める。直前に4-3-1-2に変更したのが吉となったかなと。で、チェルシーはアレックスを前にしてパワープレー。なので、カンビアッソたちがモウリーニョとどんなふうに守るのと相談しているのが印象的で。

 しかし、最後にも顔を出したのがボールを奪えない組織。スタンフォードブリッジに響いたのが、インテルがボールを回すオーレの大合唱。相手にパワープレーを許さないインテルが最後は余裕で試合を終わらせましたとさ。終了後のインテルのはしゃぎっぷりがすごかった。この試合にかける思いが爆発したのだろう。関門を突破したインテルは一気にダークホースになりそうだね。

 ■独り言

 チェルシー対策を行ったインテルの勝ちってところ。チェルシーが勝負に徹すれば、また違った展開になったのかなと。アンチェロッティとモウリーニョの性格の差がでたのかもね。ポジティブに考えれば、チェルシーはリーグに集中できる。でも、これでリーグも取れなかったら、とんでもない事態になりそうだね。有り得そうで怖い。代表にも悪影響がでなければいいけど。

 モウリーニョはまた名を上げたなと。それだけ。

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