2010年04月12日

レアル・マドリッド対バルセロナ ~何としてでも手に入れたい~

 レアルのスタメンは、カシージャス、アルベロア、ガライ、アルビオル、セルヒオ・ラモス、ガゴ、シャビ・アロンソ、マルセロ、ファン・デル・ファールト、クリロナ、イグアイン。怪我のため、カカが欠場。カカがいないほうが走れるファン・デル・ファールトが出場できて、良い面もありそうである。たぶん、ペペがいないほうがレアルにとっては痛いかもしれない。今や、いないのが当たり前になっているが。

 バルセロナのスタメンは、ビクトル・バルデス、マクスウェル、ミリート、ピケ、プジョル、ブスケツ、ケイタ、シャビ、ペドロ、アウベス、メッシ。メッシのワントップ気味で、アウベスがSHとして配置されている。で、右SBにプジョルがいる。レアル対策だよってことだろう。最近のバルサはメッシを中央において、サイドに守備を献身的にこなす選手を配置していることが多い。怪我のため、イブラとアビダルが欠場している。

 ■自分たちのサッカーって何?

 バルサのシステムは4-1-4-1。特徴的なのは、前線で起用していることだろう。このような選手起用を見ると、エッシェンを前線で起用したヒディンク采配を思い出すところで。ヒディンク采配の意図は、前線からの守備を復活させるということだった。アネルカとドログバを同時に起用すると、前線からの守備がなかなか大変でってところのエッシェンであった。ちなみに、今季のチェルシーが戦術の幅を回復することなく敗れ去ったのは非常に記憶に新しいところで。

 エトーがいなくなったことで、バルサも前線からのプレスが死にかけているのが現実であった。しかし、最近のバルセロナはシステム変更によって、前線からの守備が復活しかけている。両サイドに攻撃的な特徴を持つ選手よりもMFの選手や献身的なFWを起用することによって、守備のエリアを広げているような。後ろにも前にも。そんな改革に追い打ちをかけるようなアウベスの起用であった。

 で、試合が始まると、レアルのDFラインに激しいプレスをかけるアウベス。メッシとペドロも守備をサボらないので、非常に連動性のあるプレスを浴びせることに成功した。リーガではボールを保持して攻撃を仕掛ける場面が多いレアル。でも、実はCBが弱いのだよね。そういうところをまったく見逃さないグアルディオラ監督は非常にえぐい。相手の弱いところに自分たちの強いところをぶつける、王道のやり方。

 レアルからすると、ボールを運びながら、クリロナたちにいい形でボールを届けたいところ。しかし、いきなり出鼻をくじかれた格好で、無理矢理感満載の攻撃が目立った。クリロナの強引なドリブルとか適当なロングパスとか。それか中盤の選手が何とか相手のプレスをかいくぐってマルセロが仕掛けるくらいかなと。レアルからすると、落ち着いてボールを運びたかったわけで。それをさせないバルサの猛烈なプレスは、まさに監督の思惑通りに機能していた。相手に考える時間を与えるなよって。ガゴやシャビ・アロンソがもっとポジションを下げるかなと思ったが、そんな様子もなく、カシージャスはバックパスを受けてもあんまり意味が無いので、いきなりヤバイ状態のレアル。

 レアルのシステムは、4-3-3。ファン・デル・ファールトの位置がちょっと高かった。中盤を4枚で固めるのだろうと思っていたが、非常にあやふやなポジショニングであった。たぶん、ブスケツを抑える役割だったのかもね。なので、4-3で守る場面の多いレアル。ただし、前線の3枚も今日は必死に相手を追いかけていたと思う。しかし、レアルに比べれば、バルサのDFラインは繋ぐのがうまい。なので、クリロナたちの頑張りはアウベスたちほどの効果を生んでいるとは言えなかった。

 で、バルサの攻撃を眺めていると、いろいろ興味深いと現象がちらほら。アウベスの裏をケアする狙いもあったろう右サイドはまったく攻撃参加しなかった。レアルのカウンターを警戒したのだろう。左のマクスウェルも同じ様相で。なので、後方からの数的有利を活かしたビルドアップというバルサらしい場面はあんまり見ることができなかった。

 じゃ、どんな感じだったかというと、左のペドロ、メッシ、シャビが中心になって攻撃をしかけていた。アウベスはうまくボールに絡めていなかった。あれだったら、マルセロが相手でも良かったかもしれない。左のアルベロアは攻撃が非常に無難すぎることで有名だし。攻撃の中心はメッシとシャビ。この2人のポジショニングは非常にうまいものだった。

 ゼロトップ風味のバルサはメッシが何度も相手のDFラインから離れる場面が目立った。となれば、ガゴがメッシを捕まえそうなのだけど、ガゴよりもポジションを下げたり、サイドに流れたりするメッシ。なので、ガゴは自分のゾーンも守らなきゃいけないので、自由にメッシについていくことはできなかった。4-3の弊害である。4-4だったら、まだ無理しても穴は見えにくいもんね。シャビも同じで、相手の隙間に移動を続ける。ファン・デル・ファールトが思ったよりも下がってこないので、そのスペースでフリーになれる場面が目立った。

 平たく言うと、ポジションに縛られないメッシとシャビのボールのないところの動きがめちゃくちゃ優秀であるってことである。で、その奔放な動きの前に、レアルの選手はまったく対応出来ていない場面が何度も見られた。試合の中で話しあって解決できそうなのだけど、それができないのはレアルの弱さだろうねと。だって、相手のSBが攻撃参加しないんだから、ブスケツへのマークをずれても問題ないだろうに。ただし、ブスケツにマークをやるけども、実際は囮でしたって昨年のCLの決勝みたいだである。あのときは中盤がブスケツ、イニエスタ、シャビのふりして、本当はメッシ、シャビ、イニエスタだったわけで。

 このように記述していくと、前半はバルサペースだったように思えてしまいそうで。いや、バルサペースってのは間違っていないのだけど、いつものバルサとは異なるのが大切なところで。ボール保持が70を超えるような感じでもなく、前述したようにピッチをめいいっぱいに使えていたわけでもない。アウベスはうまくボールに絡めていなかったし、両SBは上がってこないし。というわけで、シャビとメッシの閃きに依存した攻撃となった。

 そんなこといったら、レアルだってクリロナとイグアインの個人技爆発待ちだよねって。間違いなくそのとおりなんだけど、バルサのメッシたちに比べると、ボールをいい形で受ける頻度が異なったかなと。チームとして彼らにどのようにボールを届けるかって形や、その選手たちのボールをもらうために動くか、そもそもどこまで動いていいのかってところに差が有るのかなと。

 そんなわけで、守備を機能させるバルサのほうが優勢だよねって前半戦であった。レアルは負けなしのホームなので、いつもとは違う状況に四苦八苦。守備から入った雰囲気もあったけど、攻撃も守備もうまく機能していない印象。もちろん、バルサの対応が良かったのもあるけれど、普段から攻守分断気味にやっている癖がここにきて露呈しちゃったのかなと感じるところもあり。

 なので、バルサの方が可能性を感じる前半戦。試合が動いたのは32分。セットプレーをすぐにリスタートするバルサ。バイタルエリアでボールを受けるシャビ。あとは飛び出すメッシにタイミングを合わせるだけ。いわゆる相手の隙を見逃さなかったバルセロナであった。ただし、レアルも枚数が足りていないわけではなかった。バルセロナがポジションバランスを崩して攻めてくるので、レアルも型どおりに守っていればいいわけじゃないのだけど。このあたりはデポルの5バックが懐かしいところで。

 ちなみに、この得点場面。中央で囮になったのが、アウベス。得点場面以外ではあんまり仕事をしていなかったが、こういう場面で働けるのが凄いところで。

 後半が始まると、バルサはシステムを変更。アウベスを右SBに、プジョルを左SBに、マクスウェルを左WGで起用。アウベスをSBで使って攻撃のテコ入れってよりは、守備を固めて速攻に切り替えた印象。人数をかけて守備を固めるバルセロナってのは脆い印象がある管理人。ま、今は修行中なんだろうけど。その修業の成果や如何にて感じだったけど、レアルが徐々にペースを掴んでいる感じ。クリロナもイグアインもちょこちょこボールに絡むようになっていく。こうなると、レアルが流れを掴む展開になっていくかなと。しかし、その流れをたちきったのがペドロとシャビ。またも中盤でフリーになったシャビ。そして抜群の動きで裏へ抜けるペドロ。シャビのスルーパスで抜け出したペドロは冷静に追加点を決める。

 というわけで、相手が流れに乗るまえに、自らの手で流れを引き寄せたバルサであった。攻めて来る相手を跳ね返し、カウンターを浴びせるバルセロナ。スペースのある状態でシャビやメッシにプレーさせれば、何かを起こせる可能性は高い。相手の状況によって、自分たちのバルサらしいサッカーを捨てられるのは新しいレベルに到達したんだなと感慨深いものがある。そのアイデンティティをいじり始めたのが、グアルディオラってのがまたまた興味深いところで。

 その後のレアルはグティが登場。試合を壊せるグティは得意のパスで試合を壊しにかかる。ファン・デル・ファールトへのラストパスが最大の見せ場であったかと。しかし、そこはバルデス。今やカシージャスと双璧するほどのボールを止める能力を持つバルデス。今日もしっかりと試合を作っていた。クリロナのFKを弾くことなく、ミドルシュートもことごとく防いでいた。

 で、バルサは何度も相手の裏を狙ったカウンターでレアルに襲いかかる。メッシが何度も決定機を迎えるが、そこはカシージャスが何度も防いでいた。同点の状態だったら、もっと騒がれていたくらいのプレーである。でも、2-0の状態だと、あんまり騒がれないかわいそうなカシージャス。

 最後に見せたラウールの意地の一発はベンゼマのハンドで取り消しになった。というわけで、リーガの優勝決定戦でもあるクラシコは、バルサの完勝で終わった。こういうふうに攻めてこういうふうに守ってというプランを相手のことをちゃんと考えたバルセロナの前に、為す術がなかったのが現状であった。

 ■独り言

 グアルディオラがとうとう本性を表したって言っても問題ないのかな。残りのCLでその本性がすべてを表すかもしれない。バルサスタイルに固執することなく、相手によって正しいプランを行えるシステムに変更したのはとっても大きいと思う。バルサらしさを捨てたバルセロナはちょっとやそっとじゃ崩れないと思う。メッシを活かすシステムのふりしてやってることはえげつない。そういえば、イニエスタはどうなる。

 レアルは11人でサッカーをやる道に進まないと強豪には勝てないってことが改めて証明されたような気がする。イグアインとクリロナは強烈だけども彼らを組織に組み込めないときついだろうなと。そして、戦術の幅を手に入れたいところで。クリロナを外してでも戦術の幅をとりにいけたら、凄いのだけどね。ペジェに来年もやってもらいたいけども、どうなるかな。

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posted by らいかーると |23:00 | リーガエスパニョーラ/0910 | コメント(14) | トラックバック(1)
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2010年02月02日

セビリア対バレンシアの雑感

 セビリアのスタメンは、パロップ、フェルナンド・ナバーロ、エスキュデ、スタンケヴィシウス、アドリアーノ、レナト、ゾコラ、ペロッティ、ヘスス・ナバス、ネグレド、カヌーテ。アフリカ祭りも無事に終了し、ゾコラとカヌーテが帰ってきたセビリア。さあ追撃だよってところだろうか。スタンケヴィジウスはリトアニア代表の選手でセリエを主戦場としていたらしい。得意の補強やねと。

 バレンシアのスタメンは、セサル、ブルーノ、アレクシス、ダビド・ナバーロ、ミゲル、マルチェナ、アルベルダ、マタ、シルバ、パブロ、ビジャ。バネガが控えにいるのは、守備的な姿勢か。3位を維持して久々にCLに参加したいバレンシアからすると、この試合は絶対に負けられない戦いである。でも、守備的に戦うとろくなことがなかった記憶しかないのだけど。

 ■悲劇よ再び

 アフリカ祭り中のセビリアは散々な成績となってしまった。カヌーテとゾコラの抜けた穴をまったく埋めることができなかったことで、色々な問題が多発してしまった。カヌーテがいなくなったことで、前線にボールがまったくおさまらなくなった。ゾコラがいなくなったことで、前線へのヘルプ作業を担っていたレナトがボール運びや守備におわれるようになった。さらに孤立するネグレドですべてが悪い方向に流れたのは記憶に新しい。

 このような主力選手の離脱やチームつくりの途中の結果を誤魔化せるか否かで監督の資質はかなり判明することは多い。しかし、セビリアはカヌーテの代わりが務まりそうなルイス・ファビアーノが怪我で離脱、さらにDFラインに怪我人が続出していたので、ちょっとごまかすのは不可能に近かった。しかし、国王杯後のリーガのバルサ戦での無気力っぷりに解任の噂もたったらしい。

 しかし、この試合にはゾコラとカヌーテが帰ってきた。バレンシアからすると、このタイミングで試合をしたくなかったなというのが本音だろう。アフリカ祭りを経た2人はコンディションを落とすことなく、以前と変わらないパフォーマンスをチームに提供した。特にカヌーテはめちゃくちゃ動きにキレがあった。もしかしたら、最近のチーム事情をかんがみて、いつも以上に気合が入っていたのかもしれない。

 そんなセビリアのシステムは4-4-2。ゾコラとレナトが縦関係になることが特徴である。ゾコラが試合を作りながら守備を引き締め、レナトがスペースメイクと前線の選択肢になること、攻守の切り替えで最初の守りの選手になることといった役割分担がなされている。もちろん、状況に応じて、レナトはゾコラの横に位置することもある。

 カヌーテが積極的に動き回りボールを受けることで、チームの攻撃を引っ張っていく。ネグレドはボールを受ける仕事から解放されたようで、ゴール前での仕事に集中していた。これが、カヌーテとルイファビのコンビだと役割がいい意味で重なるので破壊力がさらに増す。つまり、ベストメンバーのセビリアはセビリアらしい攻撃的なサッカーをあっさりと復活させていた。

 そんなセビリアのホームに乗り込んだバレンシア。システムは4-2-3-1。バネガが控えにいるのが残念なところで。中盤の底はマルチェナとアルベルダが組んでいる。ボール運びは大丈夫かなと思ったが、やはり駄目だった。ただ、それよりも良くなかったのが前後分断病である。

 守備的な布陣だけれども、バレンシアの前線の選手は守備的に戦うそぶりがまったくなかった。自陣に守備ブロックを作って、カウンターを連発するのかなと予想されたが、実際にはいつもどおりであった。SBが積極的に組み立てに関わり、前線のカルテットのコンビネーションで相手を混乱に落ち仕入れる形である。なので、カルテットはそこまでポジションを下げて守備を行わない。

 だからこそ、不利な状況でも耐えられそうなアルベルダたちの起用なんじゃないのという話もありそうである。しかし、さらされた状況でセビリアのサイド攻撃が止められるかというと、止められるわけがない。さらに、バレンシアのCBは決して世界屈指の選手たちではないので、カヌーテらの対応にめちゃくちゃ苦労していた。つまり、ファウルで止めるしかなかったわけで。

 イエローを連発する主審。そして試合は荒れ模様。ファウルを取らなかったり、イエローを出さなかったり、出しまくったり。恐らくこのままのペースでイエローを出していたら退場者だらけになるなと考えて、コントロールしたっぽい。ただし、直接FKとかPKとか得点に直結するようなところでの謎判定はなかったので、良かったねと。

 というわけで、ガンガンに攻め込まれるバレンシア。さらにセビリアのボールホルダーをどこまでも追いかける姿勢の前に、ボールをうまく運べないバレンシア。バネガなしでどうするのって解決策がなしかよと。ただし、セビリアのSHのマークはずれることが多かった。つまり、それなりに運べれば最初の前プレは交わせそうなのだけど、それはマヌフェルとバネガの共存待ちなのかなと。

 そんなわけで、前線にろくなボールが入らないバレンシア。たまにボールが前線に届いてもセビリアの守備によって、コンビネーションを発揮する前に潰されることの連続であった。つまり、前線の選手にとって不利な状況でしかボールを届けることしかできないバレンシア。バネガを使わないことによるメリットもデメリットも中途半端というかなり悲しい状況となった。

 そんなセビリアの猛攻。セサルを中心に耐え忍ぶバレンシア。誰かの代役で連れてこられたセサルだが、いつのまにかスタメンに定着している。ボールを止める能力も繋ぐ能力も世界に通用するレベルの選手なので、非常に嬉しい。でも、コーナーから頭でつながれて、最後はアフリカ祭りで苦労していたネグレドに押し込まれて先制点を許してしまう。

 よって、攻めるしかないバレンシア。シルバが無理やりに仕掛ける姿が印象的だった。数少ないチャンスを何とかものにしようと奮闘。でも、やはりまともなボールが届かないので、辛そうで。終いには、ロングボールを連発するバレンシア。前後分断もここまで行くと気持ちがいい。だったら、ジキッチを使えばいいのだけどね。

 なので、56分にパブロ→ジキッチ。マルチェナ→バネガ。前半に交代しても良かったくらいだけど、まともな采配が炸裂である。しかし、ピッチには不思議な光景が。明らかのほかの選手よりもでかいジキッチはハイボールでいきなりの強さを見せる。しかし、いわゆるハイボールが少ないバレンシア。セサルがどかんと蹴ればいいのだけど、なぜか繋げないDFラインにボールを繋いでいた。

 イメージではジキッチに当てる→ビジャが抜け出す&こぼれ球をキープしてバネガから攻撃をやり直す作戦かなと。でも、DFラインからバネガを経由する場面が多くなり、ジキッチを入れた意味が良くわからなかった。もっと徹してもいいと思うのだが。

 そんなことをやっていると、中盤であっさりとボールを奪われるバレンシア。ヘスス・ナバスにトリッキーなパスで崩されると、最後はネグレド。エリア外から正確なループシュートを決めてバレンシアを絶望に叩き落す。ネグレドがここまでセビリアで活躍した記憶はあまりない。アフリカ祭り中に苦労したご褒美だろうか。

 終了間際にバレンシアはジキッチの高さを活かした攻撃によって、1点を返すものの反撃はそこまで。最後までちぐはぐ感は否めないバレンシアだった。こういうことするから、ウナイエメリはいまいち評価が高まらないのだろうと。

 ■独り言

 やっぱりベストメンバーのセビリアは強い。さらに、新戦力のスタンケヴィシウスもなかなか守れて繋げる選手っぽい。最近のセビリアの補強はゾコラ以外は微妙続きだったが、久々の当たりかなと。このメンバーならば、CLでも面白いところまでいけそうである。ファンデラモス時代の強さにかなり迫っているかなと。この状態でバルサと3連戦したら、楽しかったろうね。

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posted by らいかーると |00:03 | リーガエスパニョーラ/0910 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2010年01月25日

エスパニョール対マジョルカ ~to be or not to be~

 エスパニョールのスタメンは、アルバレス、ダビド・ガルシア、ビクトル・ルイス、モイセス、チカ、ハビ・マルケス、バエナ、ルイス・ガルシア、ベルドゥ、カジェホン、オスヴァルド。今日が前半戦最後の試合になるわけで。つまり、やっと一周したリーガ。で、久々のエスパニョールのスタメンは、守備陣がかなり危機的な状況といえそうである。こんなときに怪我をしている場合じゃないぞい。

 マジョルカのスタメンは、アワテ、コラーレス、ルベン・ゴンサレス、ラミス、ホセミ、ホルヘ・バレーロ、マリオ・スアレス、フェルナンド・バレーラ、ゴンサロ・カストロ、ペッツォラーノ、アルハッサン・ケイタ。こっちはFWの枚数が非常に足りなくなっている。アドゥリスは出場停止。両チームともカンテラ祭りになっている。

 ■偶然か必然か

 エスパニョールのシステムは4-4-1-1。基本戦術は相変わらずポゼッションである。このメンバーでは無理だろうなと思っていたが、この試合ではかなり機能していた。相手の自滅にも助けられた面もあるが、エスパニョールのレベルが上がっているといってもいいかもしれない。ただし、この内容のレベルアップが偶然の産物である可能性も捨てきれないのが微妙なところで。

 ポゼッションサッカーをするには、全体的にそれなりの選手をそろえなければいけない。代表クラスの選手をかき集めても、SBにろくな選手がいないだけで、機能しないことも頻繁にあるお話である。そういう意味で11人全員の力が必要とされるポゼッションサッカーが、育成レベルでもてはやされるのは理に非常に李に適っている。でも、極端になりすぎると、ドリブル禁止とかロングシュート禁止とか悲しい方向に進んでいる場合も目撃するけれど、それは秘密だ。

 今季のバレンシアの躍進の秘密は多々あるのだけど、実はSBにまともな選手が出現したこともかなり重要な一因になっていると考えている。攻撃万能のブルーノと背が高いのにテクニックのあるマテューの加入によって、バレンシアの攻撃力は増したのでないかと。ただし、それを簡単に証明するには2人に怪我をしてもらわねばならない。それは悪夢だろうと。

 でも、エスパニョールのSBは変わっていないぞと。でも、この2人は判断力の面で格段にレベルアップしている。今までは、ボールを持ってもわけのわからないプレーをしていたが、練習と実戦を重ねることによって、能力が上がっているのだろう。プロでもまだまだうまくなるのだ、という当たり前のことを証明してくれているケースである。

 そうはいっても、エスパニョールのSBのレベルが上がったから、自分たちのサッカーを展開できたということはまるでない。バルサの監督の言葉を借りれば、守備は一番前から、攻撃は一番後ろからってことで、CBに注目してみようと。本当はGKが望ましいのだけど、この試合では別に攻撃面でそこまで仕事を任されていたわけでないので、割愛。

 この試合でCBを任されたのがモイセスとビクトル・ルイス。ともにユース出身なのが泣けるところで。中盤で試合に出るときのモイセスの最大の特徴は守備である。守備の人である。懐かしい言葉を使えば、水を運ぶ人かなとも思うのだか、基本的にボールを運べる選手ではない。DFラインにボールがあるときに、ボールを受ける動きをほとんどしないことで有名である。

 しかし、腐っても中盤の選手である。簡単に前を向けるCBのポジションだと、一気に繋げる選手へと変貌を遂げるのだから面白い。阿部や今野をDFラインで使うのと理屈は同じかなと。エスパニョールの場合は、急増CBのためにモイセスを起用したわけで、繋げるCBを目指したわけではないのだけれども。

 で、お隣のビクトル・ルイスもかなりできる選手であった。よって、スタメンクラスのCBの欠場によって、エスパニョールは繋げるCBを手に入れたことになる。そして、中盤でコンビを組んだのが、ハビ・マルケスとバエナ。恐らくバエナもユースの選手である。この2人が動きに動いた。繋げるCBにボールを触りたがる中盤コンビ。そして、トップ下に運動量のあるベルドゥがいれば、嫌でもボールは繋がるよってお話で。

 中央に起点ができたエスパニョールは、スペースのできるサイドからどんどん勝負を仕掛けていった。繰り返されるSBの上下動と中盤からのサイドチェンジ。単独突破のカジェホンと、できる雰囲気をかもし出すオスヴァルドが前線にいるとなかなかの迫力であった。

 で、マジョルカが登場する。マジョルカのシステムは4-4-1-1。こっちはFWがいないってことで、ケイタを最前線に配置している。しかし、ケイタはサイドに流れてスピード勝負が持ち味なので、まったく機能しなかった。トップ下に配置されたペッツォラーノもそこに存在していたかを忘れるくらいのできで。

 しかし、まぐれでこんな順位にいるわけのないマジョルカ。攻撃は駄目でも守備はかなり機能していた。コンパクトに配置された守備、選手同士の距離感、カバーリングの意識の高さなどなど、エスパニョールの攻撃を跳ね返して、ちょこちょこカウンターを相手に浴びせていた。しかし、決定機を作れるほどの切れ味が攻撃陣にはないので、基本的には守備の時間が非常に長い印象であった。

 で、この試合で忘れちゃいけないのが審判。前半はエスパニョールよりの笛を吹いていた。ただでさえマジョルカからするとイラつく試合展開なわけで。火に油を注ぐような審判の判定が、マジョルカの選手をさらにいらだたせていく。そして、荒いプレーにはイエローカードで対抗。

 というわけで、マジョルカは一分でも早くロッカールームに帰りたい状況であった。相手の攻撃を凌ぐだけでは、楽しくないよねと。なので、ここで先制点を取りたいエスパニョール。しかし、ポゼッションでボールは運べても、仕掛けの状況でどこをどうするのってのはまだまだなようで。

 前半だしそこまで攻撃的に戦うこともないよねというマジョルカの危機管理の前に、ゴールを奪うことはできなかった。ペーニャのパスや俊輔のFKのような試合を壊せる武器がないってのは、なかなか辛いところで。

 で、後半になると、マジョルカが動き始める。一気に前プレ。前半もやっていたけれど、後半はさらに前がかりになっていた。中盤がついてこなくても関係ないよといわんばかりの前プレ。恐らく、前半でいろいろ疲れてしまったのだろう。最後まで我慢するのかと思ったが、我慢はできなかったようで。

 このようになると、マジョルカの組織的な守備は崩壊するのは間違いのない話で。繋げるビクトル・ルイスのすばらしいパスから始まったエスパニョールの攻撃のとりを飾ったのが、新戦力のオスヴァルド。後半早々に、待望の先制点で新スタジマムに歓喜をもたらす。

 で、マジョルカは開き直るしかないのだけど、どうもしっくりこない。もしかしたらコンディションが悪いのかもしれない。以前のバレンシアのような前後分断病を意図的に起こすようなチームでもないもんね。なので、エスパニョールからすると、このままボールを保持して試合をコントロールしたいところである。

 しかし、オスヴァルドとベルドゥをあっさりと交代。これで、どんどん試合の流れが変わっていく。マジョルカの王様であるホルヘ・バレーロは徐々に位置を高めていき、ユースのセルジを入れて、ケイタをサイドに配置するとかなりスムーズになっていく。そして、ゴール付近でのセットプレーの回数が増えていく。

 で、そのセットプレーからPKを奪うことに成功。これをマジョルカの王様がど真ん中に蹴ってマジョルカが同点に追いつく。ここで、審判が登場。後半の審判はマジョルカよりであった。バランスでも取ったつもりだろうか。このように余計なことを考え始めると、審判の判定はますます狂っていくものである。

 同点に追いつかれ、さらにモイセスが怪我をしたことで、ふんだりけったりのエスパニョール。マジョルカは羽目を外したことで勝ち点を失うという最悪の事態から抜け出せて、ほっとしているマンサーノ。そんな表情を想像することができる試合となった。

 ■独り言

 よって、試合は1-1であった。エスパニョールからすると、結果には納得いっていないだろう。たぶん、審判の文句でもいっているに違いない。ただ、内容で上位のチームと互角以上に渡り合えたのはいい傾向である。ただし、スタメンが入れ替わることで、試合の質に変化が訪れるのならば、この試合は幻と同じことになりそうだなって。

 マジョルカは上位のわりには質が低い。原因がアウェーだからです、ならいいのだけど、調子が落ちてきているのだったら、心配である。ひとまず、ウェポが見てみたいんだな。

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posted by らいかーると |16:33 | リーガエスパニョーラ/0910 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2010年01月12日

セビリア対ラシン ~カナレスとコルトルティ~

 セビリアのスタメンは、パロップ、アドリアーノ、エスキュデ、ドラコ、コンコ、ロマリッチ、ロロ、レナト、ペロッティ、ディエゴ・カペル、ネグレド。ロマリッチはアフリカ祭りからもれてしまったのかな。ネグレドが影響力を発揮できるかが注目される。打倒カヌーテに成功すれば、代表のスタメンも夢ではなくなる。でも、負けそうなスタメンだな。ヘスス・ナバスが国王杯で怪我をしたらしい。バリエンテがみてみたい。

 ラシンのスタメンは、コルトルティ、フェルナンデス、トレホン、エンリケ、ピニジョス、ラセン、コルサ、オスカル・セラーノ、ムニティス、カナレス、シスコ。ラシンはまったく記憶にない。コルサに期待。チームの調子は上がってきているらしい。

 ■ラシンの作戦

 前節のセビリアを振り返ろう。サイド攻撃は機能するけど、肝心の中央がどうしようもない試合展開であった。そんな状況を打破しようと、ヘスス・ナバスが中央に進出。しかし、ネグレドがどうしても存在感を示せずに、最終的にアトレチコに負けてしまうこととなる。でも、国王杯でバルサに勝つのだからわけがわからない。

 試合展開で予想されること。セビリアのサイドはやっぱり強いということになる。ペロッティと腐ってもディエゴ・カペル。なので、まずはサイドを孤立させることが必要となる。というよりも、ペロッティとカペルを止めにいかないといけない。となれば、SHとSBが協力して守りましょうという当たり前の結論。ペロッティたちを挟み込むんで自由を奪ってしまえ。

 で、両SHが低い位置まで下がって守備を行うのだから、全体的な守備ラインは下げる。よって、自陣に下がって守備ブロックを形成。4-4のラインの距離感を狭くすることで、レナトとネグレドも潰してしまおうと。ロマリックたちが中盤でゲームを作り始めたら、カナレスがそのスペースを潰そうと。でも、そんなことはできないだろうなって。ゾコラがいないし。

 なので、ラシンの戦い方を整理する。セビリアのサイド攻撃を抑えるために、サイドで数的有利を作る。積極的な守りをすることで、相手のフォローの時間を許さない。4-4で日引いて守ることでバイタルエリアを徹底的に潰す。この守備が安定したら、攻撃のことを考えようみたいな。いくら好調でも、強豪相手にアウェーだもんね。

 開始直後にペロッティにサイドを突破されてしまう。やはりムニティスも守備に参加しないと危ないと、ラシンは気を引き締めたに違いない。その後はサイドを徹底的に死守することで、ペロッティとカペルを試合から追い出していく。困ったセビリアは中央を起点にしたいのだけど、ネグレドがやはり働けない。守備をしないイメージはあったのだけど、ここまでボールに関われない選手だとは認識していなかった。ネグレドは得点を取ることに特化しすぎなのかな。それともスランプか。

 よって、レナトが次に動き始めるのだけど、コルサとラセンに対応されてしまう。胸でネグレドにラストパスを送った場面くらいだろうか。そんなわけで、ボールを持たされたセビリアは攻め倦む格好となる。その一番の原因は、中盤の中央コンビが無理をできないことになるだろう。ロロもロマリッチもドリブルで相手をひきつけたり、パスで味方を自由にしたりすることがなかった。特にロマリッチはそろそろやばいかもしれない。

 じゃ、ラシンのカウンターが冴え渡ったかといえば、そんなこともない。守備を重点的に意識していたので攻撃の枚数が足りないことが多かった。ネグレドよりは確実に巧いシスモもデポル時代のパフォーマンスからは遠く、注目のカナレスもボールにたくさん触ることで、調子を上げていく選手のようで単独で相手を崩すタイプではないのかなって。

 なので、守りが機能しているけれど、どこかでリスクをとらないと試合が動かせそうにないラシン。ひとまず攻撃ができているので、これを継続しながら色々なことを仕掛けていきたいセビリア。こんな構図で時間が過ぎていった。

 しかし、この流れが一瞬で破壊される。セビリアのハーフライン付近からのスローイン。もちろん、ラシンの選手もラインを上げてプレスに行く。中盤のごちゃごちゃでボールを奪うと、ショートカウンターが発動。カナレス→コルサ→ムニティス→カナレスと繋いで、最後はカナレスがループシュートでパロップを凌駕する。

 ラシンからすると、自分たちの思い通りに試合が運びすぎている状態。これでより自分たちのサッカーを信じられるラシンに対して、セビリアは色々迷いが生じそうな状態。でも、攻めるしかないわけで、必死の猛攻。しかし、サイド攻撃が分断されているので、まったくうまくいかない。

 で、コーナーキックからまたもラシンのカウンターが発動。ムニティスが潰れて、カナレスがあっさりとパロップと一対一。今度はあっさりと交わして、ゴールのカバーに入ったアドリアーノも交わして、余裕を見せるカナレス。ビッククラブも注目するカナレスの2ゴールで前半が終了する。テクニックに自信があるようね。

 ■コルトルティ

 ロロ→コネ。後半の頭からコネを投入。コネも祭りに参加できなかったのだろう。いまいちセビリアで存在感を発揮できていないコネだが、ここで結果を出さなければ、都落ちの時期も近い。PSVに帰ることもありえるのかな。

 後半のセビリア。カペルを中心に攻め立てる。ボール運びをレナトに任せることで、ちょっとは仕掛ける状態を作り上げることに成功したセビリア。怪我をしたらしいペロッティ→カレーニョでコネをサイドに配置すると勢いが加速する。

 いわゆるボールをパスで繋いでも、ちっとも有利な状況にならないセビリアはドリブル勝負のリスクをおかす。縦への勢いを加速させることで、カペルは何度もファウルを奪っていた。そして、困ったときのセットプレー。ドラコの精度の高いセットプレーから、あわやのチャンスを掴んでいく。

 61分。そのセットプレーからセビリアがとうとう反撃開始。ロマリッチの意地の同点ゴールが炸裂。ファーサイドから中央へ折り返したネグレドもいい仕事をした。

 その後もセビリアの猛攻が続く。基本的には前半のリピート。守備に重点を置きすぎたラシンに対して、後半のセビリアは力技と前線に枚数を投入することで、どんどん流れを掴んでいった。しかし、さぼらないセラーノとムニティス。そして、神が舞い降りたかのようなファインセーブを連発するコルトルティ。結果を出したカナレスが評価されるのはわかるけれど、試合を壊したという意味ではコルトルティに軍配が上がる。

 後半のラシンは危険なポイントに守備の選手を投入して、運動量の回復を図るばかりであった。つまり、セビリアの攻撃を有効に防ぐような手立てを打つことはできず。つまり、神に祈るような展開となる。そしてコルトルティに神が舞い降りたラシンが、守りきりに成功したという試合であった。

 ■独り言

 カナレス。走れるグティといった感じだろうか。グティが走れたら、スルーパス連発でなく、あのようなプレーをするのではないかなと思った。それにしても、ムニティスは元気。セビリアは病人や怪我人、祭り参加者で大変な状態。でも、ここで結果を出せば選手層が増すことになるわけで、頑張ってもらいたい。

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2010年01月05日

アトレチコ対セビリアの雑感

 アトレチコのスタメンは、アセンホ、アントニオ・ロペス、ドミンゲス、ペレア、ファン・バレーラ、アスンソン、ラウール・ガルシア、シモン、レジェス、フォルラン、イブライマ。ファニート、ウイファルシが出場停止。アグエロが怪我。出場機会を求めて、
シナマはリスボンに旅立った。イブライマはセネガル出身の若手。どんな選手なんだろうねと。

 セビリアのスタメンは、パロップ、フェルナンド・ナバーロ、ドラコ、スキラチ、コンコ、ロマリッチ、ドゥシェル、ペロッティ、ヘスス・ナバス、レナト、ネグレド。唯一2強を脅かす存在になれそうなセビリア。でも、アフリカ祭りや怪我人が多数。ルイファビが怪我。ゾコラとカヌーテは祭りに参加している。

 ■人数が足りない

 セビリアのシステムは4-2-3-1。FWが離脱中ということで、このようなシステムに落ち着いた模様。バレンシアのバネガ問題と非常に似た現象がセビリアでも起きていた。調子の良かったころのセビリアは、4-4-2で中盤をレナトとゾコラが担っていた。そして、ゾコラとレナトが縦関係になることで、ツートップにレナトが絡んでくる分厚い攻撃が非常に機能していた。

 しかし、4-2-3-1になると、ネグレドとレナトしかいない。ネグレドの位置に、セレソンのエースや超万能型のカヌーテがいれば、バイタルをあけたり、ボールがおさまったりと色々仕掛けることができる。しかし、今日はネグレド。つまり、ネグレドにセビリアの代名詞ともいえるFWコンビと同じような働きができますかと試されたわけで。

 結論から言うと、ネグレドがまったく機能しなかった。やらかし癖があるけれども、アトレチコのDFラインは基本的に人に強い。そんなペレアやドミンゲスに徹底的に苦しめられるネグレド。ツートップならば、もっと自由に動けたのかもしれないけれども、ワントップだから変なこだわりが出たのかもしれない。

 ネグレドが機能しなければ、影から出てくるレナトが機能するわけもなく。で、ゾコラのやっている仕事を2人でやるなんて効率が悪い→だからこそ存在感を発揮しないといけないドゥシェルたちは特に試合に影響力を発揮できていなかった。セビリアのサッカーが面白くなってきたのは、ゾコラとレナトの力が大きいのだなと改めて感じる。

 バレンシアのバネガ問題を思い出してみる。トップ下に配置されたバネガが中盤に下がりボール運びを行ってしまう。そのために、前線の枚数不足問題が発生する。このデメリットは11人で戦っていないということに最大の問題がある。自分の役割を超えた仕事をすることはとってもすばらしいことだが、本来の自分の仕事をしてからにしないと、どこかの枚数が足らなくなってしまう。よって、11人で戦っていないような錯覚に陥ることになるわけで。

 今日のセビリアに置き換えると、FWが減った分のメリットを中盤の選手が享受できていない。なので、ネグレドが孤立気味で焦ってしまう問題であった。つまり、チームの問題まで襲い掛かってきたネグレドが活躍できなくても仕方ないというのは何となく理解できる。でも、その程度で終わる選手にはなって欲しくないなー。

 ドゥシェルやロマリッチが前線に飛び出したり、ペロッティたちが中央に何度も進出したりするようになれば、多少は良くなったかもしれない。でも、SHはサイド攻略の役目があるわけで、もう少しCHコンビは頑張らないと未来がなくなるかもね。

 後半になると、管理人が期待していたコネやアドリアーノが登場するのだけど、アトレチコのペースを破壊するには至らなかった。それにしても、リーガに来てからのコネは普通以下の選手になってしまっている。PSVでは恐ろしい活躍をしていたのに。フランスでは神だったマルダがプレミアでは普通の人になったように、やはりレベルがあまりにも違うということなのだろうか。

 最後にはドゥシェルが退場して踏んだり蹴ったりでしたねと。ゾコラの穴埋めに想像以上にてこずりそうなセビリアは、ここからやばいかもしれない。バルサと連戦があるようだけど、3連敗も普通にありそうである。セレソンのエースの復活にすべてがかかっているのかなと。

 そんな悪い予想をされてしまったセビリアだけども、ペロッティとヘスス・ナバスは普通にうまかった。特にヘスス・ナバスは中央に移動して起点となったり、サイドをコンコと連携して崩したりと縦横無尽の活躍。シルバと比較しても面白いレベルに到達してきている気がする。シルバよりは縦への圧力が強い選手ってのが持ち味で。このピンチをヘスス・ナバスが救ったらかっこよすぎる。

 ■イメチェンのアトレチコ

 キケ監督になって、良くなりそうでなかなか良くならないアトレチコ。ビジャレアルが結果を出し始めたので、焦りだしそうな昨今である。でも、この試合を見る限り、守備の構築には目処が立った、、、、ような気がする。

 アトレチコのシステムは4-4-2。新加入のイブライマはなかなか活躍しそうである。若さゆえの一生懸命さがチームにいい影響をもたらしていた。特に影響しそうなのが競り合い。アトレチコの最終ラインは繋げない→ロングボールに逃げる→アグエロたちが競り勝てないループに陥ることがしばしば。でも、今日はイブライマが何度も相手と競り合いを行っていた。

 恐らく長身ではないイブライマ。でも、フィジカルは強いし、スピードもある。ジャンプ力もあるようで、競り合いを五分の勝負に持っていくことはできていた。ハイボールを競り合える選手はずっとアトレチコに欠けていた選手で、この加入はとてつもなく大きい。さらに、精力的に相手を追い掛け回し守備の始まりにもなれる選手であった。

 守備は4-4で行う。シモンやレジェスは基本的に自陣に戻って守備を行う。ひどいときのアトレチコは4-2で守備を行っていたのでえらい進歩である。シモンたちは周りと連動してサボらずに守備を行っていた。そしてボールを奪うとレジェスやシモンの能力を使ってボールを運んでいく。優先順位は縦へのロングパス。フォルランやイブライムに当てて、攻撃に参加するスタイルはかなり機能していた。

 つまり、自分たちでボールを展開するスタイルでなく、守備からはいるのがキケ×アトレチコの特徴になるかもしれない。強豪相手に無闇にきりあいを行うようなことは、もうやらないよみたいな。4-3のスコアはもう見させないよみたいな。これは未来が答えを教えてくれるはず。

 自陣に組織的な守備を敷いて、ボールを奪ったら縦に素早く展開。苦手だけどこだわっていたボール運びからの脱却によって、高いところまで上れるかどうかは非常に楽しみである。イブライムが鍵を握っていそうで将来が楽しみだ。

 ■独り言

 試合のほうはアトレチコが後半ロスタイムにアントニオ・ロペスがヘディングで逆転ゴールを決めるあついものだった。時間がたつにつれて、アトレチコの守備が機能していったのが印象的な試合。恐らくセビリアの攻撃に慣れていったのだろう。さらに、ボールを奪ったあとの攻撃が機能したことで、手ごたえを感じたに違いない。

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2009年12月21日

デポルティーボ・ラ・コルーニャ対バレンシア ~充実のせめぎあい~

 デポルのスタメンは、アランスビア、フェリペ・ルイス、ロポ、コロット、マヌエル・パブロ、トマス、セルヒオ、グアルダド、ファン・ロドリゲス、バレロン、アドリアン・ロペス。完全に怪我から復帰したバレロンである。非常に嬉しいこと。地味に上位に定着しつつあるデポルってのも嬉しいこと。

 バレンシアのスタメンは、セサル、ブルーノ、デアルベール、アレクシス、ミゲル、バラハ、アルベルダ、マタ、ホアキン、バネガ、ビジャ。この形だと、前線の枚数足りない現象に襲われそうなバレンシア。それとも、ちゃんと修正してきたのだろうか。そういう意味でも、ホアキンとマタの動きに注目。

 ■歴史は繰り返される

 バレンシアのシステムは4-2-3-1。前回はシルバの位置に誰もいない現象に悩まされたわけで。ボランチの選手がボールを運べないというよりは、シルバの位置に配置されたバネガが、ボールを運ぶことが好きで、調子も良くて、ポジションを下げてしまうという状況であった。

 ただし、レアル戦のバネガのパフォーマンスには何の問題もなかった。ただ、ビジャの後ろが空いてしまい、攻撃の分厚さやセカンドボールへの対応が後手に。途中から、ホアキンを投入し、シルバの位置にマタ、バネガを中盤に下げてこのバランスの改善に成功したバレンシア。今日はいかにってのが注目ポイントで。

 結論から言うと、今日もまったく機能していなかった。バネガの位置を高めに固定することで、ビジャの後ろのスペースを埋めようとしたが、ウイイレじゃないんだから機能しない。時間がたつにつれて、バネガの位置が下がり始め、前節と似たような感じになってしまう。さらに言えば、レアルよりもデポルのほうが守備は強いので、バレンシアは効果的な攻撃をすることができなかった。

 また、バレンシアのボールを奪ったあとの攻撃も機能していなかった。デポルの守備組織が整う前に速攻を意図的に狙うそぶりはなかった。もしかしたら、カウンター返しが怖かったのかもしれない。攻撃をわざと遅らせる場面が多数で、ボールをまわすことで自分たちの時間帯を作りたかったのだろう。しかし、遅攻をするには攻撃の枚数が必要である。さすがに4人だけで相手の守備陣を崩すのは不可能に近い。

 じゃ、バレンシアの選手はちゃんと攻撃に参加したのかというと、していない。ホアキンとマタがサイドに張り出すことで、SBの攻撃参加もいまいちで、バラハとアルベルダに関しては言うまでもなく。妙に大人しいブルーノはもしかしたらアドリアン・ロペスがサイドに流れてオーバーラップを牽制していたのかもしれない。

 そんなわけで、ゆっくりとした攻撃を意識してやっているのに、攻撃の枚数が足りない現象のバレンシア。しかも、レアルよりも守備の強いデポル。自由を制限されたバネガの動きも微妙。つまり、かなりぐだぐだであった。相手が強いってのもあるが、自分たちで招いた状態って要素も非常に強い印象である。

 デポルのシステムは4-4-2。守備のときは4-2-4みたいになることもある。FWとSHが連携して最初のフィルターを作っているのは非常に綺麗に見えた。まさに、全員攻撃全員守備って感じである。そんなデポルの攻守は多種多彩であった。

 セビリア戦でもそうだったが、デポルはあんまり攻撃を急がない特徴を持つ。その心はロングカウンターを成功させる人材がいないってことだろう。アドリアン・ロペスは非常に良い選手だと思うが、彼が単独でゴールを決めることにチームを託すにはリスクがありすぎる。そして高い位置でボールを奪うような攻撃的な守備をするよりは、自陣のスペースを消して守備をするほうが、守りきれる可能性が高い。

 こういった、緻密な計算によってチームが作られているのがデポル。ロティーナさんは本当にいい仕事をしていると思う。デポルの守備のすばらしいところは、自分のゾーンに囚われないところである。相手にあわせて守備の体系を変化させることができるので、相手がなかなかフリーになりにくいのである。なので、インターセプト&アプローチで後手に回ることが少ない。なので、だれもボールホルダーにプレスに行かない、または行けないという場面が本当に少ない。

 自陣のスペースを消してボールを奪うので、ボールを回復する地点は決して高くない。そこから、ボールを丹念に繋いで相手陣地に侵入し、攻撃に人数をかけて勝負をするデポルスタイルは、もしかしたらスペインらしさに満ち溢れているのかなと感じることもあった。スペインに行ったことがないので、よくわからないが、ポゼッションとスペース潰しってのはスペインの基本中の基本の部分なのではないかと。バルサみたいにずーーっとポゼッションてのは例外中の例外だろうし。

 そんなわけで、チームつくりにまったくの無駄がないデポルと粗を抱えているバレンシアの決戦。内容はデポルに軍配が上がるのは当たり前の話で。マヌエル・パブロとフェリペ・ルイスの攻撃参加とデポル中盤の相手のプレスを交わすワンタッチの連続と、バレロンが繰り出す仕掛けのパスは見ていて非常にスペクタクルなものであった。

 しかし、攻撃は微妙でも耐え忍ぶ力をつけつつあるバレンシア。前線からのプレスや、アルベルダコンビがデポルの攻撃とやりあうことで、何とかデポルの決定機の数を削っていく。デポルのシュートは枠の中に飛ばなかったり、枠にぶつかったりと前半に得点を奪うことはできなかったが、継続すればいいことがあるかもねと。

 ■このままで終われるか!!!

 そんなわけで、後半はバレンシアの逆襲が始まる。どんなわけだ。戦術家のウナイ・エメリがハーフタイムにチームを修正。話は変わるが、エメリよりも先にブレイクしたマルセリーノはサラゴサのごたごたに巻き込まれてしまったようで。ぜひとも岡ちゃんの後を継いでもらいたい。絶対にこないだろうけど。エスパニョールの監督になったりして。

 バレンシアの修正は、攻撃の優先順位の変更と守備の更なる強化であった。攻撃をゆっくりから早く。速攻が無理だったら、ゆっくりやろうと。その意思統一によって、ビジャが裏に抜け出す場面がちょっと多くなっていった。ゆっくりな場合もブルーノとミゲルが高い位置に張り出していて攻撃がうまく回り始めた印象。

 56分にバラハ→ジョルディ・アルバ。アルバ君を左に、マタを中央に、バネガを底に変更である。これで、一気に攻撃にレベルが上がるバレンシア。なぜに最初からやらない。バネガが中盤の底からゲームを作り出すことで、デポルの中盤の守備意識はDFとバイタルを消すよりも、バネガを潰すことに釣られ始める。

 それだけの存在感を発揮するバネガが優秀だってことで問題ない。しかも、潰されないのだから凄すぎる。バネガが何度もえぐいパスを通すことで、バレンシアの選手がバイタルで前を向ける場面が増えてきた。そして、攻撃に人数をかけ始めるバレンシアはボールを失ったときの守備を修正。延々と攻撃を続けるために、デポルにポゼッションを許さないような激しい攻守の切り替えでデポルの攻撃を分断する。

 これで、デポルは防戦一方に、、、ならなかった。ロングカウンターでアドリアンがやりかえすと、バレロンである。たった一人でバレンシアに勝負を挑み、チャンスを作っていくプレーは驚きであった。俊輔もこういうプレーが必要とされているのだとしたら、あまりに酷過ぎる気がする。ただ、こういうパスで相手を怖がらせる選手ってやぱり凄い。

 前半よりもチャンスや攻撃の回数は少ないが、精一杯にやり返すデポルと攻め続けるバレンシア。前半とは様相が変わったが、両者の集中力が切れることは最後までなく。デポルの体をはったDFの前に、アランスビアがスーパーなプレーをするチャンスもなく。充実の0-0で試合は終了した。両チームも持ち味は発揮されて非常に楽しい試合でした。

 ■独り言

 これで、リーガは冬休み。今季は2強が抜けているけれども、中位のチームや上位を狙っているチームが昨年よりもまともなサッカーをやっているので、なかなか楽しい。ビジャレアルとアトレチコが後半戦に15連勝くらいすれば、凄く楽しくなりそうである。

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posted by らいかーると |12:37 | リーガエスパニョーラ/0910 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2009年12月14日

アトレチコ対ビジャレアルの雑感

 アトレチコのスタメンは、アセンホ、ウイファルシ、ファニート、ペレア、ファン・バレラ、パウロ・アスンソン、フラド、シモン、レジェス、マキシ、フォルラン。アグエロはCLで怪我をしたらしい。徐々に結果が出始めているアトレチコ。ただ、キケっぽくないチームが出来上がっているようで。ポルトガルで心境に変化でも訪れたのだろうか。

 ビジャレアルのスタメンは、ディエゴ・ロペス、カプテビラ、マルカーノ、ゴティン、ハビ・ベンタ、ブルーノ、セナ、カソルラ、カニ、ダビド・フステル、ロッシ。予想通りにニウマールはスタメンから外れたのだけど、まさかジョレンテがスタメンから外れるとは。ダビド・フステルはそこまで良いのかな。

 ■個人対組織

 アトレチコのシステムは4-1-3-2のような。アスンソンをアンカーに配置して、フラド、レジェス、シモンが横並びになっている。マキシがトップ下気味に使われるのかと予想したが、普通にFWの位置にいた。だったら、シナマを使ってあげればいいのに。レクレ元王様はアトレチコで実に苦労している。

 別に4-4-2の菱形と表現してもいいのだが、アンカーの横にレジェスとかシモンのような選手を配置するチームって減ってきている気がする。ビジャレアルで言うと、アンカーをエグレンでセナとブルーノを配置してスリーセンターってのが定番かなと。なので、そういうのを区別する意味で4-1-3-2。ブンデスで見られそうなシステムである。

 で、こんなシステムで自分を表現できるのかキケ。いや、選手に合わせてシステムなんて変わるのだよって言いそうなキケだが、お世辞にも機能しているとはいえないアトレチコであった。穿った見方をすれば、自分の得意な形をもう少し表現できればいいのにねって。簡単にいうと、守備がぼろぼろであった。

 ビジャレアルのシステムは4-2-3-1。ダビド・フステルがなかなか面白い。2列目にいたり、最前線にいたり、ロッシとポジションを入れ替えたりと、巧妙な動きを見せる。ドリブルもパスもいけるトリックスターであり、相手のゾーンの隙間で暗躍できる選手なので、ジョレンテとは異なるタイプの選手である。

 バルベルデの特徴とも言える、カソルラを左で、カニを右で起用するのは健在である。利き足を逆サイドで使う意図は中央への進出やマッチアップのギャップを狙ったというものが多い。しかし、カソルラもカニも別に中央に進出する回数が別段多いわけでもなく、どちらかというと、サイドにいることが多い。

 でも、ビジャレアルも徐々に結果を出しつつある。で、その原因は王の帰還ってとこだろうか。セナの復活でビジャレアルの中盤のレベルは格段に上がったように見える。ブルーノとセナのゴールデンコンビが復活し、ブルーノが後ろでパスを散らして舵取り、セナが高い位置で攻守にゲームを作ることでビジャレアルは勢いを取り戻しているのかなって。

 アトレチコの稚拙な守備もあって、ビジャレアルは中央から次から次へとチャンスを作っていった。中央のブルーノとセナ、ダビド・フステルが横並びにならず、縦にずれることで相手のゾーンを混乱させるポジショニングで勝負していた。ポジショニングで相手から自由になり、数的優位を作るのは今や常識になりつつある。後ろから数的優位を活かして作り出すのは時間がかかりすぎるのかな。

 そんなわけで、シュートの嵐を浴びせるアウェーのビジャレアル。しかし、決定力に課題のあるロッシのシュートはアセンホに防がれて、カニやカソルラの飛び出しによって、決定的な場面を作り出すもゴール前の人数が足りないなどで不発に終わった。アトレチコは中盤の構成で完全敗北。最終ラインとアセンホで耐え忍ぶだけであった。

 そんなアトレチコの攻撃。サイドを使うこともできず、個々がバラバラであった。ビジャレアルの高い攻守の切り替えの前にたじたじ。バルベルデになって、守備が間違いなく組織的になったビジャレアル。シモンやレジェスも意味なく中央に入ってきて、よりわけのわからなさが増していた。しかし、個人の能力は高いので、ドリブルや攻撃のアイディアはやっぱり恐ろしいものがあって。シュートまでいくことは少ないのだけど、なんか怖い。

 アセンホがスーパーセーブを連発し、ビジャレアルの攻撃がゆっくりと勢いを潜めていく中で先制点が生まれる。まさに一瞬のひらめき。中央のレジェスのスルーパスを二列目からするすると飛び出したシモン。一対一を冷静に決めて、まさかのアトレチコが先制である。まじかよという雰囲気を壊せないまま前半が終わり、後半が始まる。

 話は変わるのだけど、スペイン代表。マルコス・セナが健在であれば、優勝も間違いない。もしも、セナが試合に出られなければ、無理だろう。それぐらい代えのきかない選手である。色気をだして、シャビアロンソとか使っちゃったらやばいだろうな。

 ■やっぱり個人対組織

 なぜか最近良く目にするトップ下を配置するシステム。4-4-1-1だったらサイドの守備が大丈夫なのだけど、2トップだとちょっと怪しくなる。サイドを補完する戦術がないと、かなり苦しい試合となる。いや、斬りあいが仕様ならばそれでもいいんですけど。で、アトレチコもそういうシステムで、特にサイドの対策はしていなかった。レジェスやシモンは中央にきたり、サイドにきたりと慣れない仕事に追われていた。

 で、ビジャレアル。カプテビラがそのスペースを見逃すわけもなく。前半から積極的に攻撃参加していたカプテビラ。後半もその姿に代わりはなく。そしてそのカプテビラのアーリークロスに飛び込んだダビド・フステル。苦労人の同点ゴールで早々に追いついたビジャレアルであった。

 後半早々に同点になったことで、守りきるという概念がなくなった両チーム。めちゃくちゃの攻め合いになった。で、どっちかというと、ビジャレアルのほうがやっぱり組織的であった。例えば、アトレチコの前線はハイボールに弱い。なので、アトレチコにボールを細かく繋がせると不利である。なので、前からプレスをかけて、ハイボールを蹴らせよう。ついでに、そのハイボールの精度を下げようと。なので、前プレを懸命に頑張るビジャレアルであった。

 そんなわけで、アトレチコは単発な攻撃を繰り返すことになる。しかも回数もまばら。それでも裏への放り込みや飛び出しであわやのチャンスを作るアトレチコはさすがであった。セットプレーの迫力も異常。しかし、以前に比べると、個の能力で勝負する場面が減ったような。シモンがドリブルで仕掛けるような場面が本当になし。

 ビジャレアルはセナを中心に攻撃を仕掛けまくるのだけど、こっちも昨年に比べると、相手の陣地深くに侵入していく場面が減った。なので、斬りあいをしているのだけど、肉も骨も斬っているのかこれは見たいな状態。ただ、守備がもろいだけじゃないのかなみたいな。

 で、ホームのアトレチコが終盤にセットプレーから何度もチャンスを掴んだり、レジェスが怪我を覚悟で裏へのボールに飛び込んだりと気持ちを見せるのだが、一歩とどかず。で、逆にロスタイムにビジャレアル。またも左サイドからのクロスを、今度は途中出場のジョレンテが押し込んで勝利を得ました。

 ■独り言

 調子を取り戻しつつあるという話だったが、まだ時間はかかりそうである。妙に攻撃的なスタイルのアトレチコは、後ろから繋げない病が再発している。ビジャレアルは相手陣地深くまで侵入していく場面が少ない。なので、決定力がめちゃくちゃあるわけでないビジャレアルのFW軍団にはチャンスが少ないのは痛手で。

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2009年12月02日

アトレチコ対エスパニョール ~キケ初勝利~

 アトレチコのスタメンは、アセンホ、ファニート、ウイファルシ、ドミンゲス、ペレア、パウロ・アスンソン、フラド、レジェス、シモン、フォルラン、アグエロ。まだ1勝しかしていないという悲しい現実があるアトレチコ。キケ監督はアトレチコの救世主となれるか。CLではいい感じだったけども。

 エスパニョールのスタメンは、カメニ、ダビド・ガルシア、ロンカリア、フォルリン、チカ、ベルドゥ、モイセス、俊輔、カジェホン、ルイス・ガルシア、タムード。久々のエスパニョール。俊輔も久々のスタメンのようで。タムードがいるのが嬉しいぞ。

 ■まるで成長していない

 エスパニョールのシステムは4-2-3-1。エスパニョールの謎なところは、いったいどんなサッカーがしたいのか、ということが良くわからない点にある。正確に言うと、なぜにこのサッカーを選択しているのだろうか、ということが良くわからない。ちなみに、俊輔は右でスタメン出場。30分過ぎからトップ下に移動していた。

 基本的にエスパニョールはボールを繋ぐことを目指しているように感じる。DFラインの振る舞いを見ていると無闇にロングボールを蹴るなと指示されているのだろう。確かに、エスパニョールは空中戦で他を圧倒するような選手はいない。なので、この状態でロングボール作戦を遂行しても、風まかせのようなものである。

 ロングボールを強引にゴールに結びつけるような選手はいない→だったらポゼッションだろうってことじゃなくて、だったらスペース潰す完全なリアクションサッカーを目指すのが通常の思考回路だと思うのだが、エスパニョールは自分たちで相手を破壊することを目指しているように感じる。

 確かに、ペーニャというパスで相手を壊す世界チャンピオンがいることで、その理由になるのかもしれない。でも、ペーニャはいない。ビジャレアルにいるバルベルデは、そのあたりの割りきりがうまかった。高速カウンターとスペース潰しのエスパニョールは欧州の舞台でもかなりの結果を残していたと記憶している。ってか、別にカウンターでもペーニャは関係ないだろうけど。

 今のサッカーではペーニャがいないという理由だけで、エスパニョールは崩壊していきそうである。サッカーは11人でやるスポーツであり、絶対的な個によって左右されすぎちゃうのもあんまり面白くないと個人的には思う。アトレチコも個人依存型に分類されるかもしれないが、前線のコンビプレーはなかなかの化学反応で見応えがあるよ。
 エスパニョールがポゼッションを目指すと仮定して、チーム戦力を見ると足りないものばかりである。CBはあまり繋げない、SBは組み立てに参加できない、DHはDFラインからボールを引き出す動きを全然しない、SHは自分勝手でどんどん仕掛けてしまうなどなど。周りを自由にするプレーなど皆無である。俊輔くらいしかやっていないのが悲しい現実である。

 なので、俊輔を中心にするのか、それとも勢いに任せるのかって采配が難しいところで。俊輔の変わりに縦に走れる選手を入れて、ポゼを捨てて走りまくるサッカーに変えるか、自分たちの意思を貫くかって選択で、監督さんは絶対に迷っているだろうな。いい加減に結論を出さないと、手遅れになっちゃうよと。

 試合内容に話を戻すと、序盤はどっちもどっちであった。4-4-2のアトレチコは中央にアスンソンとフラドを配置。ボールが運べないわけではないフラドだけど、本質はチャンスメイカー。窮屈そうにプレーしているのが印象的だった。中央の位置で攻守に存在感を発揮できず。エスパニョールも無理な戦術をかたくなに遂行しようとして、アトレチコに跳ね返される日々であった。

 チームが機能しなければ、試合を壊せる選手を保有しているチームが有利なわけで。アトレチコはアグエロとフォルランが徐々に暴れ始める。シモンがどうも調子が悪い。レジェスもサイドを突破できないじゃん、ってことで、ウイファルシの攻撃参加、アグエロが両サイドに流れて仕掛けを始めてからアトレチコが優勢に立つ。レジェスもシモンも中央で周りを助けるのはうまいから素晴しいアグエロの判断であった。

 で、右サイドをアグエロとレジェスのワンツーで破壊され、こぼれ球をフォルランが決めてアトレチコが先制。まだ1勝しかしていないアトレチコはかなりうれしそうだった。これで動き始める俊輔。中央に移動。プレーエリアが左サイドから中央に移動することで、自由度が増す俊輔。両サイドに顔を出したり、中盤の低い位置に移動したり。積極的にボールに絡むことで、エスパニョールのポゼッションがようやく形になり始める。

 しかし、いくらボールを動かしても肝心のチャンスメイカーがいない。つまり、ラストパスを供給できる選手や、ドリブルで優位な状況を作れる選手がいない。タムードはフィニッシャーだし。なので、ゴール前までたどり着けないエスパニョール。強引に仕掛ける選手もいないので、セットプレーのチャンスすらない。やっぱりこのままではやばそうだねってことで、前半が終了。

 後半も前半と同じような布陣のエスパニョール。しかし、ベルドゥの位置が少し前目になった印象。前半も高い位置に飛び出すことがあったが、いきなりの高い位置では様相が全然違う。モイセスを中盤に一人ぼっちにしたら、どうなるかというのは明白なわけで。

 案の定、ボールを運べない&俊輔が必要以上に守備を強いられる悪循環。さらにハーフタイムに守備の修正を施してきたアトレチコの前に、エスパニョールはまたも苦戦を強いられる展開となった。修正といっても、自分のゾーンをちゃんと守ろうと再確認したくらいで。

 で、俊輔のファウルで得たフリーキックをアグエロが直接決めて、2-0。アグエロはうまかったけど、壁の間を抜けてきたシュートはさすがのカメニでも止められない。で、やっぱりうまくいかないエスパニョール。時間がたつにつれて、アトレチコが守備かためを始めてから徐々にゴール前に迫ることができた。原因は相手。しかし、頼みのセットプレーも俊輔がふかし、アトレチコは高さでは勝る。

 カウンターにさらされるエスパニョールのDF軍団はやはりファウルが多くなり、ロンカリアが退場に追い込まれる。そしてアグエロにセットプレーから決められて、気持ちが終了。最後はアグエロにハーフラインからぶっちぎられ、最後はマキシに決められて、試合が終了した。

 ■独り言

 そんなわけで、エスパニョールはまじでやばい。降格もありえそうな気配。俊輔を中心に添えても時間がかかりそうだし、だれが崩すのって問題は解決しそうにない。たぶん、このまま時が流れるのだろうな。

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2009年11月30日

バレンシア対マジョルカ ~粘り~

 バレンシアのスタメンは、セサル、マテュー、デアルベール、ダビド・ナバーロ、ブルーノ、アルベルダ、バネガ、パブロ・エルナンデス、シルバ、マタ、ビジャ。妙に放送の多いバレンシア。それだけのサッカーをやっているからなのか、それとも偶然か。前線の攻撃陣は好調のようで。だったら、ホアキンを放出してほしいぞ。

 マジョルカのスタメンは、アワテ、アヨセ、ラミス、ヌネス、ホセミ、マルティ、スアレス、カストロ、ホルヘ・バレーロ、ビクトル、アドゥリス。奇跡のスタートダッシュを実現したマジョルカ。いつもは後半から怒涛の追い上げを見せるのだけど、今年はどうなるマンサーノ監督

 ■3人集めよう

 マジョルカのシステムは4-4-1-1。別に4-4-2でもいい。守備のときは4-4で守るのが実態である。DFラインを高めに設定し、積極的な出足で相手のパスを奪うことを念頭においているように見えた。このような方法を選択した理由は、バレンシアの前線の選手に前を向かせたくないからだろう。前を向かせたら、個人技で勝るバレンシアに押し込まれちゃうのは明白なわけで。

 で、好調のバレンシア。メンディエタが頑張っていたころから守備の文化が根付いている印象だった。しかし、クーマン改革を経て、いつのまにか随分と普通の意味で攻撃的なチームに生まれ変わったといってもいいかもしれない。ウナイ・エメリが内容を求めるのと声高に叫んでいたけど、本当に実現するとは信じていませんでした。ごめんよ。

 今までのバレンシアは、攻撃的な守備で相手の機能性を阻害するとか、ミスを誘って自分たちのペースに持ち込むってのが語弊があるかもしれないけど、今までのバレンシアだった。

 でも、今は自分たちでボールを動かすことによって、相手を破壊するサッカーに変わってきている。現実から理想への転換で失敗するチームがほとんどだけど、バレンシアは時間をかけて成功してきたのだなと。そろそろ成功と表現してもいいのではないかなと、管理人は思います。

 そんなモデルチェンジに成功したバレンシア。序盤から飛ばしまくり。積極的なマジョルカの目先を混乱させるために、ゾーンを越えて動きまくるバレンシアの前線の選手たち。ビジャとシルバがポジションを下げまくり、相手のゾーンの隙間でボールを受けると攻撃が加速していった。

 流行の戦術というのが世界にあるとすると、3バックでポゼッションなんてのが各所で見られると、ここでも報告してきました。もしかしたらだけども、これからはサイドに3人集めて数的優位を形成作戦が流行るかもしれない。

 昨年度から、バレンシアは左サイドに人を集めて数的優位を形成して局面を打破することがたびたびあった。役者はマタ、シルバ、ビジャである。ただし、バレンシアがこのような方法を選択したのは、右サイドにろくな選手がいなかったこと、SBが攻撃で貢献できなかったことがあげられる。

 しかし、今年は右サイドでパブロがブレイク。そしてSBにはマテューとあのブルーノが加入している。つまり、本当の意味で役者はそろった。というわけで、シルバのプレーエリアが恐ろしく広がった。両サイドに流れまくるシルバ。そして、飛び出しも組み立ても高精度で行えるブルーがいる右サイドを中心にバレンシアはマジョルカを攻め立てる。

 4バックのチームが多い中でサイド守備担当はSBとSHであるのが一般的である。そこへゾーンを越えた動きでシルバやビジャが飛び出してくると、もちろん相手もついてくる。しかし、それらはイレギュラーな事態といってもいい。

 本来埋めなければいけないスペースから離れて守備を行うことには色々な仕事を発生させる。いわゆるそういう判断を相手に繰り返させることで、ミスを誘うってのはなかなかの方法だと思う。つまり、相手の思い通りに守備をさせない作戦。

 このサイドに3人集める作戦はもともとビエルサの得意技だった気がする。セビリアもやっているし、確かジェノアもやっていたような。日本ではサンフレッチェがやっている。

 どうやって3人集めるかの方法論は各チームによって、バラバラなのが面白い。いわゆる前線の流動性の亜流みたいなものかもしれないけど。バレンシアのやり方だと、SHが中央に流れるのでなくて、SHはそのままでFWがサイドに流れるみたいな。

 試合に話を戻すと、攻めるバレンシア。たまにホルヘ・バレーロを中心にカウンターを発動させるマジョルカ。どうみてもバレンシアが優勢に試合を進めていく。しかし、セットプレーからの得点機会をビジャが無駄にしたり、サイドからのクロスをビジャが付加したりとらしくない状況。

 で、時間が淡々と過ぎていくとまさかの事態が起こる。28分ころにシルバが自滅で負傷退場。ホアキンが登場する。で、残りの15分のバレンシアはシルバがいたときほど効果的な攻めができなかった。芝生が荒れているらしく、パブロやマタではなかなかワンタッチでボールをコントロールできない→プレーの判断が遅れる現象でマジョルカに徐々に抑えられていってしまった。

 しかも、マジョルカもファウルを辞さないプレーを連発。攻撃の流れを分断されたところで前半が終了。バレンシアからすると、嫌な雰囲気である。

 ■耐えるということ
 
 攻撃の流れが断ち切られたとき、状況が変化するのはセットプレーや相手もミス。バレンシアはセットプレーで後半早々に先制点を決める。コーナーキックからバネガの流したボールを今度はちゃんと決めたビジャ。あっさりとバレンシアが先制点を決める。

 シルバ抜きのバレンシア。前半はあんまりだったが、後半はなかなか機能していた。この機能した理由がハーフタイムの修正なのか、先制点の与えた余裕なのかは答えが出ない。多分、両方ともなのだろう。前半に見せたサイド攻撃ではなく、個々の選手のポジションチェンジを基準とした攻撃を機能させていた。

 特にカウンターの切れ味が凄まじかった。得点を決めたことで余裕の生まれたビジャはチャンスメイクの奔走、左サイドのパブロもパスで何度も仕掛けることでマタやホアキンに何度も決定機が訪れた。ビジャのスルーパスに抜け出したマタや、マタの絶妙な落としをダイレクトボレーでポストに当てたホアキンの場面は決めてほしかったね。

 今までは前後が分断されるバレンシアだったけど、今日はそんなこともなく。前線が積極的に相手にプレスをかけて、後ろの選手も前プレに連動していた。いつのまにか解決されている前後分断サッカー。ホルヘ・バレーロを中央に配置してゲームメイクを狙ったマジョルカの狙いも簡単に防ぐ場面は凄かった。アルベルダの守備と顔を出しまくるバネガの役割分担も悪くない。

 しかし、得点は入らずに時間だけが過ぎていく。で、エメリは守備固めの交代を続々。マジョルカは攻撃のカードをどんどん切ってくる。耐えるバレンシア。波状攻撃を仕掛けるマジョルカ。それでも、全員で組織的に守るバレンシアの前に、流れの中から決定機を作れないマジョルカ。

 そんな緊迫した時間の中でブルーノがご乱心。ヘディングのクリアミスを自分で何とかしようと相手に特攻。強引な競り合いがファウルと判定されて、まさかのPK判定。これをホルヘ・バレーロがど真ん中に蹴りこんでまさかの同点に。

 焦ったバレンシアはジキッチを投入でパワープレーを敢行。しかし、最後まで実らず。しかも、ビジャとジキッチにイエローが出るおまけつきで試合が終了。バレンシアの攻撃をしぶとく耐え忍んだマジョルカが喜んで家に帰ることとなった。

 ■独り言

 2点目を決め切れなかったのが、すべてってのがしくっとこない。まあ、そうなんだろうけど、ボールをまわして時間を潰すとかできるようになれば、バレンシアはさらにレベルアップするのだろう。それにしても、シルバが心配。

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2009年11月09日

セビリア対ビジャレアルの雑感

 セビリアのスタメンは、パロップ、ナバーロ、エスキュデ、スキラチ、セルヒオ・サンチェス、レナト、ゾコラ、ペロッティ、ヘスス・ナバス、ネグレド、ルイファビ。CLの勝ち抜けも決まったよってことで、好調のセビリア。内容も良くなってきているので、万々歳である。ネグレドも出番をもらっているようで何より。

 ビジャレアルのスタメンは、ディエゴ・ロペス、カプテビラ、マルカーノ、ゴティン、ハビベンタ、エグレン、ブルーノ、ピレス、カニ、ダビド・フステル、ロッシ。まだバルベルデが監督をやっているのか。アトレチコみたいに解任されるかと思っていたよ。多少は良くなってきているらしい。ちなみに、ビジャレアルの怪我人は、セナ、カソルラ、ジョレンテ、ニウマール。

 ■ちぐはぐなビジャレアル

 ビジャレアルのシステムは4-2-3-1。ダビド・フステルをトップ下に配置し、ロッシのワントップであった。この意図は非常にわかりやすい。セビリアのシステムは4-4-2。ただし、中盤の中央の選手が前後の形になることが多い。わかりやすくいうと、4-4-2の菱形。横並びよりも縦並びのほうがスペースを埋められるし、チャレンジ&カバーもできるもんね。

 で、そんな変化を日常的に行うセビリアに対して、システムをかみ合わせるビジャレアル。ダビド・フステルをゾコラの位置に配置することで、セビリアにロングボールでボールを運ばせることを狙っていた。非常にわかりやすい。二部で結果を出した苦労人のダビド・フステルの上下動に期待ってところなのだろう。

 ロッシをワントップで使ったのは攻撃面の理由である。決定力はないけれど、抜群のテクニック&体の強さを活かしたキープ力はビジャレアルの中でも屈指である。ビジャレアルの選手を眺めると、前線でボールをキープしてくれそうな選手はロッシしかいない。小さいけれど、彼しかいないのだからしょうがない。注意点は空中戦でボールを運ばなければ、ということである。

 試合前のシステムを見れば、ビジャレアルがちゃんと考えているのは理解できる。意味不明の選手配置で試合に臨む監督に比べれば、バルベルデは確かに優秀だろう。しかし、試合前に頭の中で描いた絵がうまくいかないことはおうおうにしてある。大切なのは、試合の中で臨機応変に対応&修正することだろう。

 で、試合が始まると、圧倒的にセビリアのペースで試合が運ばれていった。イケイケのセビリアに対して、ビジャレアルはかなり苦戦してしまう。狙い通りにショートパスでボールを運ばせないことに成功した。でも、ロングボールに競り勝てないビジャレアル。ネグレドが恐ろしい強さを発揮していた。いやあ、セビリアに移籍してよかったねと。もともとこぼれ球を拾うメカニズムができているセビリアにロングボールで勝負を挑むってのはちょっと分が悪かったね。

 で、早々にセットプレーからルイファビに決められてしまう。このセットプレーの工夫の数々はめちゃくちゃ練習しているのだろう。バースデーゴールを決めたルイファビはこの試合に気合が入っていたようで。ポストプレーや前プレでいつも以上にこなしていた。

 その後の猛攻はディエゴ・ロペスがいつものスーパーセーブの連発で防ぐと徐々にビジャレアルに流れが向いていく。で、ビジャレアルの攻撃。中盤の選手がブルーノとエグレン。ショートパスでボールを運ぶのは酷な話である。しかも、セビリアが熱血プレスをかけてくる。

 となれば、ビジャレアルもロングボール作戦をするしかない。でも、的はロッシ。もちろん競り勝てるわけもない。なので、希望のないハイボールや、絶望的な相手の裏への放り込みで攻撃の可能性がないままビジャレアルは攻撃を進めていく。マルカーノは恐らく精度の高いボールを蹴ることができる。その自信が悪い方向にでちゃったかなと。たぶん、普通のFWならば、マイボールにできたボールもあった。

 でもでも、マイボールにできれば、そばにピレスやカニがいる。そんな数少ないチャンスで存在感を発揮したのがピレス。フランスのレジェンドはやはりうまい。また、セビリアの攻撃→ビジャレアルのカウンターで相手を脅かす場面もちらほら。カウンターだったら、ロングボールでなくてもボール運べるもんね。でも、絶対的な回数は少なかった。つまり、効率が悪い。

 ビジャレアルもELを戦っているわけで、コンディションの条件は似たようなもののはずである。でも、今日はセビリアの守備意識がちょっと緩かった。特に攻撃が終わったあとの攻守の切り替えとか。それがビジャレアルにちょっとした余裕を与えることになる。そして、ブルーノやダビド・フステルの飛び出しで、ビジャレアルの攻撃が活性化すると、ピレスのボレーが炸裂する。

 後半になると、ビジャレアルのカウンターが炸裂。最後はダビド・フステルが押し込んで逆転に成功する。ビジャレアルも悪くなかったけど、セビリアがビジャレアルに余裕を与えた印象である。この辺りの緩さを直さない限り、セビリアは強豪にはなれないだろうなと余計な感想も。でも、これがセビリアらしさだったり。

 逆転された直後は悪い雰囲気である。まじかよと。しかし、その雰囲気をあっさりと払拭する。仕事人は攻撃のために投入されたアドリアーノとルイファビのブラジルコンビ。相手DFの間にポジションを置いたルイファビの頭にピンポイントクロス→ルイファビの豪快なヘディングが決まりすぐに同点。

 こうなればイケイケのセビリア。ショートコーナーからカヌーテが押し込んであっさりと逆転に成功。めちゃくちゃな試合展開である。10人でバルサに逆転したこともあるサンチェス・ピスファンで、セビリアに勝つのは至難の技になってきたようだね。ファンデラモス時代の底知れぬ勢いみたいのが戻ってきたのかなと。

 よって、セビリアが見事な逆転勝利を見せる。同点に追いついたところで、ネグレド→カヌーテの交代があった。こういう場面でかえられちゃうネグレドはかなり悔しそうだった。でも、カヌーテとルイファビのコンビプレーの怖さは尋常でなかった。ネグレドの挑戦はまだまだ続くね。

 ■独り言

 この試合で確信したのが、ビジャレアルはやっぱり変わったなと。ジョレンテが戻ってくれば、多少は今のサッカーでもましになるかもしれない。ただ、サイド攻撃を重視していそうなのに、カニやピレスを使ってエスクデロを使わない意味もわからない。これからどこに行くのだろうね。

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posted by らいかーると |22:15 | リーガエスパニョーラ/0910 | コメント(6) | トラックバック(1)
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