2010年05月29日
スロベニア対ロシアです。この試合はプレーオフの第二戦。いわゆるファーストレグは2-1でロシアの勝利でした。でも、アウェーゴールを決めていることで、得点を決めれば、楽しいことになりそうなスロベニア。ロシアからすると、スコアレスの引き分けならOKなので、無闇に攻撃を仕掛けてくることはないだろう。
この試合から得たいことは、スロベニアってどんなチームだよってことと、ヒディンクロシアはなぜに南アフリカに来られなかったのかってことが多少なりとも理解できればいいなと。スロベニアは2002年以降、世界から遠ざかっている。スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、クロアチアは力をつけてきている印象。旧ユーゴ地帯は本当に恐ろしい。
■スロベニアの姿
ロシアのシステムは4-1-4-1。パブリチェンコ、アルシャビン、ビリャレトジノフ、ジルコフ、イグナシェビッチ、アキンフェエフなどなどお馴染みのメンバーがいる。スコアレスでもOKだよってことで、ロシアは守備から試合に臨んできた。ユーロでは4-4-2でアルシャビンをバイタルエリアで起用することが多かったが、今日は右SHで起用されていた。なので、あんまり怖くないアルシャビン。
4-1-4-1のロシアは、プレス開始ラインをハーフライン付近に設定。パブリチェンコは相手にプレッシャーを与えるよりは、パスコースを消すことに尽力していた。つまり、相手にボールを持たせて、ボールを奪ったら速攻でチャンスを狙うようなイメージだったのだろう。しかし、ロシアのカウンターに迫力はなかった。ユーロでのロシアは多人数によるカウンターで一世を風靡していたが、失点のリスクを恐れるロシアのカウンターは、誰かさんによる特攻がメインなってしまった。
そんな迫力のないカウンターもボールを奪えなければ、仕掛けることができない。というわけで、スロベニアの出番である。スロベニアのシステムは4-4-2。GKからのボールも味方へ繋ぐ、いわゆるボール保持を厭わないどころか、できるなら歓迎ですよって雰囲気のチームであった。なので、相手にボールを持たせようっていうロシアの狙いはスロベニアからすると、喧嘩上等って感じである。
ラドサウリェヴィッチとコレンが中盤の中央に配置されている。で、この二人が本当にうまい。DFラインからどんどんボールを引き出してボールを前線やサイドに届けていく。二人が交互に動きまくることで、二人で作り出したスペースをうまく利用していた。で、ロシアはシステムを噛みあわせているので、しっかりとマークを付けているのだけど、その動きとボールを持ったときの判断が早いので、抑えきれることはできなかった。
で、特にコレン。前線の動き出しを見逃さない。なので、下がってボールを受けたり、サイドでフリーになっていたり、裏へ動き出す動きに呼応したボールを供給することが出来ていた。ロシアの選手が中央にボールを奪いによってきたら、サイドチェンジで攻撃に変化を加える。で、右サイドからは、左利きのビルサがブレチェコの助けをえて、パスで仕掛けてくる。
で、FWではノヴァコビッチが存在感を示している。相手から離れたり、ゴール前で勝負したりとスロベニアの攻撃の中心として機能していた。さらにいえば、このノヴァコビッチ。フィジカルが強く、空中戦の的としても機能していた。つまり、スロベニアは地上戦でボールを運べないときに、空中戦で状況を打開する計画も持ち合わせている。つまり、攻撃の幅が想像以上に広いスロベニアであった。
ヒディンクがどのように計算したのかは謎である。得意の前プレで相手のボール保持を破壊する手段もあったろうけど、自陣で構えるプランを選択した。その結果、スロベニアからすると、陸からでも空からでも仕掛けられる状況が成立している。なので、前半は一方的にスロベニアが仕掛けまくる展開となる。GKとの一対一を作られ、ゴール前のきわどいクロスから、あわやオウンゴールなんて場面も見られた。
ぎりぎりで耐えていくロシアは、前述したようにカウンターで迫力を出すことができなかった。アルシャビンが遠い位置から存在感を発揮しても、ジルコフが暴走するくらいで、周りのサポートを失ったパブリチェンコは何もできなかった。チームの中で力を増大させるビリャレトジノフも個人で状況を破壊できるような才能を持っていない。なので、ロシアのやりたい事はほとんど機能することはなかった。
あとはホームの後押しを受けたスロベニア。前半の終了間際に待望の先制点を決めることに成功する。コーナーキックを防いだスロベニア。攻撃を急ぐことなく、ゆっくりとDFラインからボールを繋いでいく。で、ノヴァコビッチに楔を当てて、相手を引きつけたらコレンがサイドチェンジ。SBの攻撃参加で時間を作ると、ビルサが精度の高いキックでクロス→デディッチが強引に押し込んで、先制点が生まれた。このGKからの攻撃でロシアの選手は一度もボールを触ることができなかった。
前半のロシアはセットプレーくらいでしか得点の気配なし。これで、後半のロシアは攻めないといけない状況に追い込まれる。というわけで、ヒディンクの腕の見せ所になってくる。そして、スロベニアは守備がどれだけできるかってことが試されるわけだ。
■ヒディンク采配も
パブリチェンコ→ケルジャコフ。ヤンバエフ→セマクを投入。ジルコフをSBにするのだろう。頭から二枚代えってことは、前半はプラン通りに進んでいなかったってことだろうか。意図的に抑えているのかと思ったが、そうでもなかったのかな。意図的だったなら、二枚代えをする必要もあるまい。
ロシアはシステムを4-4-2に変更。アルシャビンを中央に配置して、より攻撃的な布陣に置き換えてきた。しかし、前半のように攻めまくる姿勢を見せないスロベニアの前に、良い形でボールを受けられない時間が続いていく。打って変わって、ボールを持たされたロシア。DFラインで落ち着いてボールを回すよりは、強引に縦に入れていく感じ。なので、中盤で味方に時間を与えられるような選手がいなかった。
なので、託されたのはアルシャビンやケルジャコフ。しかし、相手は自分のすべてをこの瞬間に捧げているような雰囲気である。なので、せめて一瞬でも時間を稼いでくれないと、さすがのアルシャビンでも輝きを放つことはできなかった。なので、バランスを崩して攻撃を仕掛けまくるジルコフサイドから何かが生まれそうな気配。久しぶりのアニョコフは試合にうまく入れていなかった。攻撃参加するタイミングなんかは抜群なんだけど、いかんせんスペースもないし、ボールも落ち着かないので出番がない。
で、後半のスロベニア。ボールを持てるときはボールを保持。無理なときは相手の裏に放り込んでよーいドン。後半はデディッチが全速力で相手を苦しめまくっていた。イヴァノヴィッチとのコンビも抜群のデディッチはアトレチコのトケーロにプレースタイルが似ているかもしれない。ただし、トケーロよりも速いと思う。つまり、相手をジラしまくるスロベニア。で、中盤でファウルをじさない守りによって、ロシアの攻撃の流れを分断していった。
試合が動いたのは66分。ジルコフのクロスに飛び込んだケルジャコフ。GKがボールをちょっと弾いたので押し込もうとしたが、思いっきりGKをけってしまう。ちなみに、GKもさりげなく殴り返している。ちょっと弾いたのでケルジャコフの気持ちがちょっとわかるのだけど、本人もやってしまった感はあったのだろう。一発退場になってしまったが、猛烈な抗議はしていなかった。
で、ロシアはポブレニャクだっけ。何か文字が足りない。背の高いFWを投入。中盤を削ってでも、攻撃だよってメッセージを投入。しかし、相手が減ったことで、スロベニアのカウンターに苦しめられる場面もたびたび。しかし、アルシャビンとジルコフのワンツーで決定機を作ったが、GKのスーパーセーブに防がれてしまう。ショートカウンターという最大の武器を発揮する機会を失ってしまった、自分たちから捨てた可能性もあるけれど、もしかしたらコンディションが悪かったから捨てた可能性もあるけれど、ちょっとヒディンクがしくじっちゃったかなって試合だった。試合は1-0のまま終了。
■独り言
このロシアならまあ負けてしょうがないかなって感じ。絶対に負けられない戦いで自分たちの良さを発揮できなかったのだから、ドンマイである。それがコンディションによるものなのか、監督の戦術によるものなのか、そのあたりが謎である。ただし、この試合への臨み方は疑問の残るところがあったわけで。失点したあとのプランがちょっとひどかった。失点後の準備をしていないわけはないと思うのだけど。理解はできるけれど、共感はできない戦い方であった。
スロベニア。見てよかったなってのが素直な感想。ボール保持には自信があると思う。個々の選手がいちいち上手い。今日のスタメンが維持できているならば、ワールドカップで存在感を発揮する可能性が高い。ポゼッションを捨てることも厭わないし、全員で守備もできるし、前線の選手の後方への守備を助ける気持ちも強い。これは厄介なチームだと思うよ。相手によって、戦い方を変えることができる。注目選手はほぼ全員。その中でも、コレンが一番だと思う。油断したらやれるよアメリカ。
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スロベニア対ロシア ~研究しよう~
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2010年03月04日
フランスのスタメンは、ロリス、エブラ、エスキュデ、シアニ、サニャ、トゥララン、ラサナ、アンリ、リベリ、グルキュフ、アネルカ。さすがに知っている選手がずらりって感じである。2006年からどんどんチーム力は落ちている結果なのだけど、面子は強そうである。つまり、ガチ。実験的要素はほぼ皆無である。
スペインのスタメンは、カシージャス、アルベロア、ピケ、プジョル、セルヒオ・ラモス、シャビ・アロンソ、ブスケツ、イニエスタ、セスク、シルバ、ビジャ。ほとんどレアルとバルサ連合になっている。代表をクラブチームで固めるってのは非常に理に適っているのだろうけど、目新しさがないし、他のチームのサポは興味を失いそうだね。今日はシャビがいない実験って感じ。後は、結局セナが必要か否かについてって所だろう。
■破壊されたフランス
フランスのシステムは4-2-1-3。いわゆる疑惑の試合の後の試合である。なので、色々な想いを払拭したい試合である。この試合で中途半端な内容だと、ワールドカップに出場する資格ないよねって国民から思われちゃいそうなフランス代表。つまり、自分たちがワールドカップに値する実力を持っていることを世界中に証明したフランス代表である。逆に、ここで証明できないと、やっぱりね、みたいな雰囲気になりそうである。
スペインのポゼッションに対して、綺麗なゾーンで守りを固めるフランス代表。ボールホルダーを自由にしない&色気を出してボールを奪いにいって抜かれるような真似はしない、非常にバランスの取れた守りで、スペインの攻撃をうまく食い止めていた。アンリもリベリも懸命に守備をこなしていて好印象である。中盤の底にはラサナとトゥラランの職人コンビが控えているので、この守備を極めていけば、なかなか面白くなるのかなと。
ただし、攻撃が非常に微妙であった。アネルカ、リベリが仕掛けて、ラサナがボールを運ぶといった感じである。しかし、アネルカやリベリが得意な形でボールを受けることができない場面が非常に多かった。スペインがサボらずに守備を行ってきたので、フランスもボール運びに苦労する。それでも、そこまでの圧力がスペインの守備にはない。フランスのテンションに比べると、スペインのテンションはちょっと親善試合な感じ。
なので、ちょこちょこボールを運べるフランス。しかし、サニャが右サイドでボールを運ぶ仕事ができず、左サイドのアンリは存在感を消していた。なので、ちぐはぐなフランス代表。よって、徐々にロングボールをアネルカに当ててとか、グルキュフとアネルカがポジションを下げてボール運びを手伝う場面がちらほら。そうなると、FWの役割の選手が消えてしまうので、よりちぐはぐ感が漂う展開に。それでも、リベリにボールが入れば、サニャのオーバーラップを利用した攻撃ができていたかなと。つまり、守備に比べると、攻撃がちょっとヤバイ。グルキュフの役割も不透明でアンリの位置には他の選手を連れてきたほうがいいかもしれない。
で、試合展開に話を戻そうと。スペインはフランスの執拗な守備の前に、なかなかボールを運べない展開が続いていく。なので、セスクが低い位置で数的優位を作って試合を動かそうと試みる。しかし、フランスは崩れない。むしろセスクが下がったことで、ビジャが孤立気味になってしまう。序盤のスペインはイニエスタたちがサイドから動かなかったので、かなり硬直化していた。恐らくそういう指示がでていたのだろう。
時間がたつにつれて、スペインが変化していく。フランスの守備をはがすために2つの技を実行。イニエスタとシルバを自由に動かすこと、そして、DFラインを下げてフランスのプレスをおびき出すこと。
前者はよくある話で、相手のゾーンを混乱させる作戦。からっぽになったサイドにはレアルコンビを上がらせることで解決。セスクとイニエスタが近い距離で活動することによって、コンビネーションでフランスの組織を崩す場面も出てくる。後者の技によって、フランスはFWとMFの間にスペースができてしまう。つまり、深追いに連動できない中盤。どっちかというと、深追いしたのが悪いのだけど。こうしてスペインが徐々に試合のペースを掴んでいく。
こうして集中力を高めていったスペイン。守備の集中力も高くなっていくと、中盤でボールを奪い返す場面も出てくる。フランスはどんどん何もできなくなっていって、会場からもブーイング。DFラインがボールを持って、パスコースを探しているとブーイングである。やはり、結果が求められているフランス代表であった。
しかし、そうはうまくいかないもので。ボールを奪われての速攻からビジャが決めて先制点をスペインがとる。アンリが簡単にボールを取られちゃった場面であった。この場面なんかが象徴なのだけど、フランスは守備の枚数が足りなくなる場面がある。自陣まで戻ってこないリベリたちなので、4-3でスペインの攻撃を止めるのはきついかと。ロスタイムにも中盤でボールを奪ったスペインは、セルヒオ・ラモスが中央に切れ込んで追加点を決める。
親善試合だから交代がたくさん。ビジャ→トーレス。プジョル→アルビオル。セスク→シャビ。フランスはそのまんま。で、スペインの後半はいい意味でやばかった。前半とは戦い方を変えてきたので。前半がいつものスペインのやり方ならば、後半は自陣に引いて素早い速攻をメインに変えてきたようで。トーレスを走らせる場面が何度も見ることができた。このような戦術の幅がスペインの強さの秘密だろう。
63分にイニエスタ→ヘスス・ナバス。シャビ・アロンソ→セナ。ヘスス・ナバスを入れることで、よりカウンター色を強くしてくる。どうやら実験は本気のようで。ヘスス・ナバスは溌剌としたプレーで存在感を示した。セビリアでやっているように、もっと中央に進出できるようになれば、さらに機能性が増すのかなと。
同じ時間にアンリ→ゴブ。73分にリベリ→マルダ。76分にアネルカ→シセ。懐かしいなシセ。このあたりから徐々に試合はオープンな展開になっていく。両チームともコンパクトを保てなくなったのは、コンディションや親善試合などなど色々な理由が考えられるところで。そういう意味で、この時間帯に登場したセナは非常に苦労していた。
それでも、フランスはチャンスを作ることができない。ポストにシュートを当てることはあったが、カシージャスを慌てさせることはできなかったかなと。スペインはカウンターからトーレスが綺麗なシュートを放つこともあったが、前半に比べると、どうしても得点をって感じでもなかったので、こういう状況でも特に問題はないだろうと。そんなわけで、試合は2-0のまま終了。充実のスペインと、失望のフランス。両者の立ち位置は試合前となんら変わらなかった。
■独り言
親善試合のあり方を考えると、スペインはこういうことをやろうってなゲームプランを緻密に考えていたと思う。選手交代も含めて、予想通りにすべてが進んだのかなと。できすぎだね。
個々の選手を見てみると、アルベロアの左SBがやっぱりよろしくない。ここはカプテビラがいないと、チーム力が落ちそうである。カプテビラの代役もいるようでいない。さすがにマネーが出てくることはないのかな。また、ブスケツも非常に微妙。レアルに移籍したシャビ・アロンソがようやく噛み合ってきたので、セナとシャビ・アロンソの争いも激しさを増しそうで。
フランス代表は本気でスペイン代表に戦いと挑んだ。で、完膚なきまでに破壊された。破壊されたのはゲームプランだけでなく、いろいろな目に見えないものまで壊されちゃったかなと。日本と同じでいまさらドメネクが解任されることはないだろうけども、未来が不安になる試合となってしまった。
個々の選手を見てみても特に感想はない。グルキュフの役割がもっと増えるようでないと苦しそうである。そして、リベリとアネルカにもっと自由を与えられて、CFをつれてくることに成功すれば、楽しくなりそうである。リベリとアネルカをWG的に起用すれば、めちゃくちゃ楽しくなりそうなのだけどもね。
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フランス対スペイン ~絶望と希望~
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2009年11月19日
フランスのスタメンは、ロリス、サニャ、エスキュデ、ギャラス、エブラ、ラサナ・ディアラ、アルー・ディアラ、グルキュフ、アンリ、アネルカ、ジニャック。知っている選手がずらり。特にDFラインは強そうである。ベンゼマやリベリが復調すれば、スタメンに入ってくるのだろうか。そして、いつまでドメネク監督なのだろうか。
アイルランドのスタメンは、ギブン、セントレジャー、キルバーン、オシェイ、ダン、ウィーラン、ローレンス、アンドリュース、ダフ、ドイル、ロビー・キーン。知らない選手が多いアイルランド。愚直に徹底するってことにかけては凄まじい印象。でも、最近は知らない。
状況を整理しよう。ファーストレグではアネルカのシュートが炸裂。フランスが1-0でアイルランドのホームで勝利を得ました。今日はフランスのホームでアイルランドを迎えます。
■謎のドメネク
フランスのシステムは4-2-3-1。もっとわかりやすくいうと、4-2-4。はっきりいってめちゃくちゃであった。ユーロのときに比べると、グルキュフやアネルカの存在感が増している。特にグルキュフはいちいちうまくて驚いた。ミランで試合に出られなかったのが信じられないくらいにうまい。ってか、この2人はユーロにいたのかは知らない。
そんなグルキュフ。ボールを受けるポジションニングが抜群。後ろまで下がってボールを運ぶこともできる。視野も広い。正確なサイドチェンジができる。つまり、キック力もある。さらに、そんなキック力を背景にしたミドルシュートも装備している。個々のプレーの判断も非常に優れている。プレーオフ補正があるとはいえ、これぐらいのパフォーマンスを継続できれば、セスクくらいの評価は得られそうである。
アイルランドのシステムは4-4-2。2002年のころからサッカーが変わっていないのかな。いわゆるアイルランドサッカーを忠実にこなしていた。ボールを持ったら、どんどん前線へボールを供給する。
ハイボールと裏狙いのボールをミックスさせることで、相手のDFラインを下げさせる。相手のDFラインが下がれば、全体が間延びした状態になる。そんなスペースがある状態だと、走力が重要になってくる。スペースを埋める強い気持ちが必要になる。
具体的にいうと、アイルランドのロングボール作戦の前にフランスがDFラインを下げる。フランスのMFとDFの間が空く。フランスのDFとアイルランドのFWが競り合う。こぼれ球をアイルランドの選手が拾う場面が多かった。DFとMFの間にアイルランドの選手が全力で突っ込んでくるので、フランスのディアラコンビは勢いに負けてしまう場面が非常に多かった。
だったら、最初からディアラコンビがDFの前のスペースを潰せばいいじゃないかってご指摘が生まれる。しかし、アイルランドはDFからもロングボールを蹴ってくる。アイルランドのDFがボールを保持しているときに、フランスがDFラインを下げて、中盤のラインも下げるなんてことやったらどうなるでしょうか。
守備の連動性って言葉を利用すると、アンリたちの前線の選手はあんまり守備に参加していなかった。オフのとき、つまり、ボールがピッチの外に出た場合は守備に参加していたけど、流れの中でDFラインに加わるとか、SBと連携して相手のサイド攻撃を防ぐ場面はまれにしかなかった。
なので、アンリたちは基本的に高い位置にいる。なので、フランスの中盤の選手はなんとなく高い位置にポジションを取るしかない。前線の選手の献身製を見殺しにしてはいけない法則。でも、前線の選手は献身的でない&相手がロングボールを蹴ってくるという最悪の組み合わせがここに誕生。フランスはどこかで割り切るべきだったのだけど、それが前半のうちはできなかった。
よって、アイルランドのサッカーに対して、不利な状況で迎え撃つわけのわからない状態で試合が進んでいく。となれば、アイルランドのペースで試合が進んでいくのは当然の理であった。アイルランドの選手の恐ろしいところは、逃げないというところだろうか。競り合いや球際で絶対に逃げない。ロングボールを見殺しにすることはない。そういう、どんなときでも100%で相手と競り合う姿勢が、自分たちにプラスに働くことをしっているのだろう、多分。
ロングボールを全力でマイボールにしようと頑張るアイルランドの前に、フランスも全力で応酬。しかし、全力過ぎて味方同士で交錯。いきなりエスキュデ→スキラチの交代が行われる。そんな空中戦と裏への徒競走大会は徐々にアイルランドが優勢になっていく。それは競り合いに対して、アイルランドの選手が凄かったというよりは、こぼれ球に対して、後ろからどんどん攻撃参加してくるアイルランドの戦術の勝利。
だって、特にアンリは全然下がってこないだもん。なので、アイルランドのSHやSBはフリーな状態で良質なクロスを蹴ることができた。これはいつか失点してしまうと思っていたら、案の定。中盤がスカスカのフランス。サイドチェンジを織り交ぜたアイルランドの攻撃になすすべなし。ダフにサイドを攻略されて、最後はロビー・キーンに決められて試合を振り出しに戻されてしまう。
失点したことで、アネルカとグルキュフが急に暴れだしたのは面白かった。でも、完全孤立状態で、、それでもシュートまでいってしまうのは恐ろしいのだけど、、ギブンから得点するのは難しいですよってことで、前半が終了。
まとめると、フランスはアンリたちが守備をしないので、サイドの守備の枚数がたりない。ロングボールによって、DFラインが下げさせられて、中盤がスカスカになっている。攻撃面で言うと、攻め急ぎすぎてボロボロ。せっかくのSBが宝の持ち腐れ状態。失点したので、この状況が加速すると、本気でやばい。
■走れなくなったアイルランド
後半になっても、フランスは何も修正されていなくてびっくりした。4-2-4を継続。その4人でカウンターを繰り出す場面もあったが、4人を前線に残しているメリットを享受できていたとはいいがたいプレーであった。
そして、アイルランドは前半と同じように決定機を何とか作り出していく。しかし、最後に立ちはだかるのがロリス。リバプールを絶望においやったロリスはギブンに劣らないパフォーマンスを見せる。
58分にジニャック→ゴブ。アネルカを中央に配置。チェルシーに移籍してからプレーの幅が広がったアネルカ。いや、もしかしたら、昔からできたのかもしれない。前半も孤軍奮闘していたアネルカは、プレーエリアを限定されなくなり、ボールを各所でキープするようになる。
アネルカとアンリがポジションチェンジするなど、徐々に攻撃に変化が生まれてきたフランス。徐々にボールを保持できるようにもなる。アネルカのポジションチェンジで流れが変わったようにも見えるけれど、アイルランドに原因がある。前半から見せていたこぼれ球を拾うための上下動がさすがに潜めてきた。その結果、空いているスペースをラサナに試合され始めたのがとっても痛かった。
62分にウィーラン→ギブソン。65分にオシェイ→マクシェイン。オシェイは怪我をしたようで。しかし、この交代が試合に影響を与えることもなく。アネルカとグルキュフのセットプレーを中心に攻撃姿勢を強めていくフランス。アイルランドは勝負どころを見極めてカウンターを炸裂させたけど、またもロリスが抜群の飛び出しで攻撃を防いでいく。
そんなフランスペースで試合が進んでいく。しかし、統率されたアイルランドの4-4-2をなかなか崩せない。積極的なミドルも、中央に飛び出していくSB攻撃も、不発に終わる。87分にグルキュフ→マルダ。4-4-2に変更のフランス。グルキュフ下げるのかよ。ありラウンドはロングボールも機能しなくなり、フランスは崩したいのだけど、崩す能力がないってな感じで後半も終了。延長戦へ突入する。
■ロリスは凄い
フランスペースは変わらないのだけど、こりゃ得点は入らなそうな雰囲気。だって、ギブンが控えているし、フランスはやっぱりバラバラで戦っている印象。個々の能力が高いから局面では勝てるのだけど、最終局面では数的不利の前に、それを崩すアイディアが不足している印象。でも、徐々にアイルランドのマークが外れ始めていたので、これはアイルランドのミスで試合が終わるかなと思っていたら事件がおきる。
センターサークル付近のセットプレーからフランスは放り込みを選択。これがオフサイドだったのだけど、なぜか見逃し。そしてこぼれ球をアンリが手でボールをコントロールしてセンタリング→ギャラスが押し込んでフランスが得点。
待望のゴールなのだけど、後味が最低であった。だって、あのハンドは間違いなくわざとだもん。さらにいうと、あの位置は審判から死角にあるって有名なところで。残念だけど、あの位置のハンドを判定できる審判はほとんどいないだろうな。
今回のプレーで審判5人制が実現する可能性が高まるのだろうな。で、アイルランドはあきらめなく最後のパワープレーで何とかしようとしたけど、ロリスがやっぱり凄かった。そして試合が終了。フランスは出場権を獲得したけど、いろいろなものを失ってしまったと思う。アンリは世界中でブーイングされるだろうな。
ただし、90分の内容と決定機はアイルランドの勝利。延長戦の流れはフランスだったので、ハンドがなくてもフランスが勝った可能性が高い。なので、より複雑なアンリのプレーであった。
■独り言
ロリスが凄かった。終了時間間際のパワープレーを何度も飛び出して防いでいた。あの判断は非常に勇気がいるプレーである。一対一を何度も防いで、今日のMVPは間違いなくロリス。リヨンのスタメンのロリス君の名前は覚えておいて損はないはず。
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フランス対アイルランド ~審判5人制~
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2009年11月16日
ポルトガルのスタメンは、エドゥアルド、ブルーノ・アウベス、ペペ、カウバーリョ、パウロ・フェレイラ、ラウール・メイレレス、デコ、ドゥダ、ナニ、シモン、リエジソン。リエジソンがブラジルからの帰化だった気がする。ユーロからの印象だと、デコの相棒にめちゃくちゃ苦労している印象。ってか、デコがいなくなったら、地味に暗黒期に再突入しそうである。モウチーニョ頑張れ。
ボスニアのスタメンは、ハサギッキ、スパビッチ、ナダレビッチ、ムラトビッチ、ラヒミッチ、イブリチッチ、ヤヒッチ、サリホビッチ、ミシモビッチ、ジェコ、イビシェビッチ。ブンデスを観戦している人にこの前線の恐ろしさが伝わるはず。大げさにリーガで例えると、シルバ、レナト、ルイスファビアーノ、ビジャみたいな前線。あくまで大げさです。
■若さ対経験
ポルトガルのシステムは4-3-3。ペペが中盤の底を担っている。世界最高の左足を持つドゥダが左SBに配置されている。ポルトガル代表ではペペが中盤をやっているのを忘れていた。これが機能しているから面白い。
そして、デコの相棒はメイレレス。今季はポルトで中心選手をやっていたのを覚えている。その印象のまま、この試合でも走り回ってチェンスメイクにミドルシュートにと大忙し。ひとまず、デコの相棒はメイレレスで問題なさそうである。
そんな色々な問題が解消されつつあるポルトガル。ロナウドがいないことで、前線の役割分担も固まってきているようである。左サイドのシモンはサイドから仕掛けるよりは中央に進出して相手の守備に混乱を与える役割。
たぶん、最近のシモンは個人技で相手を破壊できるコンディションにないので、ポジショニングとチャンスメイクで勝負の役割なのだろう。シモンの空けたスペースにはドゥダが侵入してくる。
中央のリエジソンはとにかく中央でボールを受けまくる。クロスにも飛び込みこみまくる。サイズが大きいわけではないけれども、潰れ役も厭わない姿勢はポルトガルに必要なタイプの選手だったろう。
ナニは右サイドからクロスマシーンと化していた。難しいことはしないでいいから、お前はサリホビッチを抜けと。サリホビッチを抜けないとやばいぞと。ここがロナウドだと、複雑なことをやろうとしすぎて、チームが混乱することもあるよね。ロナウドが中央に入って、パウロ・フェレイラが飛び出したり、リエジソンがサイドに流れたりってめんどくさいしリスクも出てくるではないか。
ボスニアのシステムは、3-5-2。相手がワントップやスリートップに3バックは自殺行為だよねというニュアンスの言葉をヒディンクから聞いたことがある。もちろん、伝聞だよ。
ってか、個人的にはそんな言葉に興味ないのだけど、3トップ対3バックってどきどきするね。前線が強力だけど、後ろの選手はお前らだれだ状態のボスニア。ミシモビッチを守備から解き放つためか、単なる守備固めかはボスニアマニアしか答えをしらないだろう。単純にポルトガルのホームだから失点したくないって理由かもしれないけれども。
試合が始まると、ボスニアは守備的な姿勢を見せる。やはり守備固めの3-5-2だったのか。つまり、人海戦術。でも、その守備的な姿勢が本気のポルトガルに試合の流れを与えることになってしまう。
ボスニアのプレス開始ラインはハーフラインよりも自陣よりに見えた。ジェコとイビシェビッチも後ろに下がっていく。ラインを深くして相手をおびき寄せたいポルトガルのCBはちょっとびっくりしたかもしれない。ボスニアの選手は全然ボールを取りに来ないんだねと。
で、ボスニアの不味かったところは、前線の3枚がフィルターとしてまったく機能しなかったので、ボールを運ばれまくりであった。特にペペの横にいるデコが簡単にフリーになれていたのはかなり不味かった。デコから積極的にバイタルにボールが運ばれるボスニアはかなり苦しい展開で試合が進んでいく。
しかし、高さで上を行くボスニアの前に、クロスではちょっと歯がたちそうもない。でも、ゴール前にボールを入れれば何か起こるかもしれない。だから継続しようとナニが積極的な仕掛けを見せる。ゴール前で守備を固めるボスニアの前に、メイレレスのミドルも飛び出してポルトガルはいい雰囲気。ボスニアのカウンターも、ジェコたちに前でペペ跳ね返す活躍で相手の攻撃の怖さをうまく封じていた。
ボスニアの守備はゾーンを埋める意識が非常に高いように見えた。なので、ポジションを外れて動くポルトガルの選手にあんまり対応できていなかった。ポジションを下げるデコや、ボールを受けるために動くリエジソンを簡単にフリーのするのはちょっといただけない。
後ろに人が余って中盤に人が足らない減少が発生。うまく機能させれば問題ないけど、うまく機能させる労力と時間とセンスがなければ、チャレンジしないほうがよさげである。ちなみに、今日の場合はシステム動向よりもボスニアの戦術に問題がありそう。
これじゃ、失点するだろうなと眺めていた。すると、30分くらいにコーナーキックの崩れからデコとナニコンビに右サイドを攻略されセンタリング。最後はファーサイドでブルーノ・アウベスが合わせてポルトガルが先制。歓喜に沸くリスボン。やっぱり本気の試合ってのは面白い。観客も選手も本気だから雰囲気が異常。現場はとんでもない空気なんだろうな。
で、ボスニア。失点する前から攻撃の中心はミシモビッチとサリホビッチ。この2人が何とかしてジェコたちにボールを届けたいのだけど、守備姿勢が強すぎるためか、孤立傾向にあった。
でも、左サイドのサリホビッチは徐々に試合に影響を与えていく。得意の左足から放たれる精度の高い長短のパスで試合を作りながら、守備も行うというどんだけ働くんだサリホビッチ。
そんなサリホビッチの活躍もあって、前半の終盤はゴール前に殺到されてしまったポルトガル。高さでは負けてしまうので、セットプレーはかなり危険であった。バーにぶつけられたし。ジェコもでかいが、ボスニアの選手はみんなでかくて、がたいも凄い。で、セットプレーの質も高い。これは怖い武器である。
後半になると、先制したポルトガルがちょっと大人しくなる。前線から見せていた攻撃的な守備がちょっとなりを潜め、相手にアウェーゴールを与えないような雰囲気に変化していく。
よって、ボスニアが余裕を持ちながら攻撃を進められるようになった。旧ユーゴ地方って無駄にうまい選手が多く、何でもできそうなイメージがあるのだけど、今日のボスニアにそういう選手が平均的にそろっている感じではなかった。
なので、狙い通りにカウンターでボスニアゴールに迫っていくポルトガル。リエジソンをポストにして、デコやメイレレスが二列目から飛び出してくるのはかなり脅威であった。
でも、ここで追加点を奪えないのが辛い。ケイロス監督は攻撃の手を追加することよりも守備かために走る。ペペ→コエントラでサリホビッチ対策に出る。ただ、このコエントラは将来を嘱望されているWGらしい。WGばっかだな。
時間がたつにつれて、このまま1-0で終わる雰囲気のまま終わらせないセビリア。最後に攻撃的な選手を投入し、特にリヨンのプヤニッチは本当に短い時間でも決定機を演出していた。ジェコのヘディングが入っていれば、ポルトガルは絶望に包まれたに違いない。でも、包まれなかった。防いだのはバーとポスト。運があるかもしれないね。
■独り言
親善試合にはあんまり興味がわかない。やっぱりプレーオフのようなしびれる試合がたくさんみたいなと再確認した。この試合では、ミシモビッチが悪かった。守備はしないし、攻撃ではペペに抑えられるわ。ボスニアがホームに行ってもここの局地戦には何らかの手を打たないと不味そうである。
ポルトガルはなかなか守備が堅いのだけど、ジェコの一発はやっぱり怖い。セカンドレグはポルトガルの戦い方が非常に注目される。守備的にポゼッションするか、相手にボールを持たせてショートカウンターを狙うか。ボスニアが90分間パワープレーしてきたらポルトガルは困る。考えるだけで楽しみである。
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ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~
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2009年09月10日
イングランドのスタメンは、グリーン、グレンジョンソン、テリー、アップソン、アシェリー、レノン、バリー、ランパード、ジェラード、ヘスキー、ルーニー。EUROは予選で敗退。で、自分たちを敗退に追い込んだクロアチアにリベンジってな煽りが多いらしい。監督がカペッロになってから、予選では負け知らず。やっぱり監督って大切だね。
クロアチアのスタメンはルニェ-、スルナ、クリジャナッツ、シムニッチ、プラニッチ、ヴコイェヴィッチ、ポクリヴァチュ、マンジュビッチ、エドゥアルド、クラニチャール、オリッチ。ペトリッチ、ラキティッチがベンチに控えているってことで、ちょっと守備的なクロアチアの印象。さすがに、コバチ兄弟は代表引退したのかな。
■イングランドが成熟している件について
ブラジル代表が自分たちの型を突き詰めている。アルゼンチン代表が迷走している。集まっても解散を繰り返す代表チームにおいて、組織力を高めることは困難である、、、、。そんな使い古された言葉がもう時代遅れなんじゃないかと、、、そんなことを思わせる南米のダービーであった。そして、欧州にも成熟したチームが現れた。EUROでの成功を継続すればいいスペインは別として。
イングランドのシステムは4-4-2。プレミアの4強が採用している4-3-3ちっくなシステムなのではないかと予想していた。なので、びっくり。しかし、かなりの完成度の4-4-2であった。攻守に非常に安定していて、ちょっと気持ち悪いくらいである。
では、話を試合に戻そうと。クロアチアのシステムは4-1-4-1。オリッチを前線に残して、エドゥアルドが中盤に組み込まれるようなイメージ。ただし、まったく機能していなかったので、クロアチアのシステムには色々な説があるかと思う。システムの解釈がばらばらのときって、ろくにチームが機能していないか、近未来のサッカーが展開されているかの二択のことが多い。
クロアチアを眺めていると、オリッチの動き方が特徴的であった。普段のオリッチは、1人でも鬼プレスを繰り返すような男である。特に代表でのオリッチは、魂を削るような守りを見せていた。そんなオリッチが非常におとなしいのである。何をしているのかなと観察していたら、どうやらアシェリーコールにボールが渡らないように守っているように見えた。つまり、イングランドの攻撃を右サイドからさせるように守っていたのである。
クロアチアの布陣を確認してみると、右サイドにはFW登録の選手とSH登録の選手がサイドを担当していた。名前を挙げると、スルナとマンジェビッチである。別に守れないわけじゃないだろうなと見ていたが、そんな事情もあって、クロアチアは左サイド対イングランドの右サイドの勝負を意図的に仕掛けてきたようである。
なるほどと。だから、ラキティッチがベンチにいるのか。アウェーだから、守備的なのねと思っていたら、あっさりと先制点を決められしまう。しかも、クロアチアが仕掛けたサイドの攻防から得点が生まれる。得点内容の詳細をば。グレンジョンソンの縦パスをレノンが受けて、持ち前のドリブルで中央に切れ込んでPKを奪った。
SBからSHへパスが繋がるという恐ろしい単純な場面であった。ここで、ある事実に気がつく。クロアチアの左SBはプラニッチ。FC東京の石川が常に界王拳を使っているようなレノンを、攻撃大好きのプラニッチに抑えられるのかと。多分、抑えられると考えたのだろう。それかSHの選手を信頼したのだろうか。クロアチアのゲームプランの読み違えが大惨事を招くこととなる。
まとめると、クロアチアの守備はイングランドの攻撃を右サイドに誘導していた。それは成功したが、右サイドから守備が破綻する結果となった。さらに言えば、ボールを運ばせてしまうので、バリーやランパードの中盤の底の選手に対して、効果的なプレスをかけることが出来ずに、ただただ後ろで耐えるものとなってしまった。
追加点もイングランドに生まれる。今度も右サイドから。レノンのクロスをジェラードが頭で押し込んだ。ちなみに、20分くらいからオリッチは左サイドをきるのをやめていた。たぶん、何の意味も無いなと感じたのだろう。
イングランドに話は移る。イングランドの中盤はジェラードが左、中央をランパードとバリー、右をレノンが担当していた。クロアチアのトラップディフェンスのせいで、攻撃は右サイドに片寄ったが、もともと右サイドが長所のようである。攻撃は右サイドからが中心のようで。
バリーがDFラインの前でボールを運び、ランパードがゴール前に飛び出していくのが中央の役割分担。ただし、ランパードも組み立てにどんどん関わる。バリーはジェラードの開けたスペースを埋めたり、長短のパスで攻撃のペースに変化を与えたりとしっかりとゲームをコントロールしていた。
そして、ジェラードの役割が非常に面白かった。低い位置で組み立てを助けたかと思ったら、バイタルに現れて楔のボールを受けたり、ランパードの空けたゾーンを埋めたりと縦横無尽の活躍。
リバプールよりも、代表のほうがジェラードのスキルの高さが存分に発揮されているような印象である。バルサでのイニエスタの仕事と似ている。各所で顔を出して、数的有利形成と、チームが困っている場所に顔を出して状況を打破。多分、強豪との相手とぶつかり合うときにジェラードにすべてが託されるような予感。
FWはルーニーとヘスキー。2人ともが楔のボールを受けまくることで、攻撃にスピードと厚みをもたらしていた。中盤を支配できるときはこのペアが、カウンターを狙うときはデフォーのスピードで、いざとなったらクラウチの高さで。FWの層のバランスが非常に良い感じである。
代役がいなそうなのがルーニーだけど、そうなったらジェラードを配置すれば、何とかなりそうな予感。攻撃の役割や種類の豊富さ、適材適所、能力を引き出す采配が非常に機能しているようである。
守備を見てみても隙が無い。前プレと撤退の判断にまったく狂いが無い。さらに言えば、意思統一も完璧と来ている。ボールが奪えると判断すれば、中盤も連動したプレスを見せる。前線がプレスにいかなければ、全員で自陣に守備ブロックを形成して相手の攻撃を跳ね返す。
相手のボールを高い位置で奪えれば、ショートカウンター発動。ランパードやジェラードが後ろから飛び出してくるのは脅威である。相手がむやみにボールを前線に蹴れば、プレミア屈指のCBが空中戦で無類の強さを発揮していた。そしてこぼれだまをどんどん運んでいくバリー。
そんなわけで、文字通りに攻守に隙が無いイングランドであった。前半のクロアチアは何もできていなかったといっても良い。クロアチアの攻撃の狙いとしては、自分たちの左サイドでボールを奪う→クラニチャールのサイドチェンジで右サイドから攻撃を仕掛けるみたいな。たまには見られたけどね。
後半のクロアチア。ペトリッチとラキティッチを投入。低めの位置にクラニチャールを配置。一気に攻勢に出る。リードしているイングランドは、後半の頭は完全に相手に流れを与えてしまうことになる。しかし、そんな劣勢状態を追加点で打ち破る底力を見せたイングランドが無事にワールドカップ出場を決めた、、、、はず。
■独り言
イングランドの強さが、ただただ目立った試合となった。代表でも監督がちゃんと仕事をすればチームになることが、改めて証明されつつある昨今。ただ、後半のクロアチアの猛攻はなかなかの迫力であった。やっぱりラキティッチとクラニチャルは面白い選手である。モドリチが復活すれば、以前の質を取り戻せるかもしれない。
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イングランド対クロアチアの雑感
posted by らいかーると |20:07 |
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2009年09月08日
首位を突き進むデンマークと、出場が本当に危ういポルトガルの決戦。選手はそろっているだろうポルトガルは、いったい何が原因でこんなに落ち込んでいるのだろうね。やはり、コスチーニャとマニシェの穴が埋まらないのか。それとも、、、パウレタ。。。スタメンは記憶するを忘れました。
■ポルトガルの焦り。
サッカーは相手のあるスポーツである。自分たちの都合だけで試合の戦い方を決めるのは、絶対的な強者のみに許された選択肢である。それか、結果を捨てて理想に突き進むチームとか。残念なことだけど、ポルトガルはどちらのタイプでもない。むしろ、結果だけが求められている状況である。
そんなポルトガルのシステムは4-4-2の菱形。久々のペペがアンカーだったり、攻撃的なドゥダがSBだったり、シモンとロナウドがFWだったりと、何だかスクランブルな印象を受けた。優秀なCFがいないから、WGの選手をFWで使う。それを元にチームを設計していたらこうなったよみたいな。あくまで自分たちの状況が第一であり、首位をひた走るデンマークをリスペクトする形ではない。
でも、サッカーはシステムでやるものじゃないよ。4-4-2の菱形でも、デンマークのサイドアタックを止める、何らかのネタがそこに存在するんだよと。ネタが存在すれば、デンマークに敬意を評したこととなる。
そうすれば、上記の文章たちは泡となって消えるはずだ。絶対に負けられない戦いで必要なのは、自分たちの戦いでなく、相手に合わせる柔軟性である。ただし、それでも自分たちの戦い方をすれば、勝てるという驕りもあるかもしれないけれど。
話は試合に移る。サイドアタックが代名詞のデンマークの前に、ポルトガルは無策であった。とっても悲しい無策であった。何が悲しいってロナウドやシモンが守備をやる気満々だったからである。FWが守備を熱心にすることを前提とすれば、どんなシステムでも相手の長所を潰そうとする動きをすることはできる。
しかし、ポルトガルは何の準備もしていなかった。シモンとロナウドは暴走するプレスを繰り返し、途中からは何もしなくなった。中盤以降が彼らを見殺しにしてしまったのである。ただし、ポルトガルが高い位置でボールを奪う気がなかったのであれば、FWの暴走ですむのかもしれないけれど、あまりにもったいないロナウドたちの意欲であった。
システム噛み合わせ論がそのまんま機能するという失態をやらかしたポルトガル。デンマークの積極的なサイドアタックの前に、ゴール前への侵入を許す場面が本当に多かった。特にロンメダールに翻弄されるドゥダがかわいそうだった。
しかし、ポルトガル。伊達に自分たちの都合だけでチーム設計をしていない。攻撃はそれなりに優秀であった。デコを中心に仕掛ける仕掛ける。ドゥダの世界一のクロスや、ボジングワの単独突破でサイド攻撃を行い、中央からはシモンやロナウドが突破を狙っていた。攻撃にアクセントを加えるのはメイレレスである。二列目から飛び出したり、攻撃の起点となったり。
しかしである。ボジングワは単独でサイドを攻略することはできなかった。ロナウドやシモンは相手を背負ってのプレーに苦労していた。デコやメイレレスが懸命に走り回るものの、いまいち効果的に決定機を作れないポルトガル。そりゃ、サイドが孤立気味でサイドで働くべき選手中央にいれば、何だか不思議な気持ちにもなるもので。
それでも決定機を作るのだけど、シュートが枠に飛ばなかったり、GKのスーパーセーブに防がれたりと不運なポルトガル。強引なミドルが連発される場面もあり、得点が入らない→焦りのスパイラルが生まれ始めていた。
そんな前半の終了間際にベントナーが仕事をする。左からのクロスに対して、ドゥダを吹き飛ばし見事な胸トラップ&シュートでスタジアムに歓喜をもたらした。
デンマークの攻撃を少し。サイドアタックが代名詞なのだけど、三人目の絡ませ方がサイドアタックを機能させる秘密なのかなと。SHとSBだけでなく、もう1人をサイドに絡ませたり、選手を入れ替えたりって方法が非常に興味深かった。三人目がポイントだろうか。
後半のポルトガル。システムを4-3-3に変更したかに見えたが、何とも微妙で。デコの位置が下がったので、ロナウドの負担が増える悪循環に陥っていた。デンマークの強襲に苦しむ場面も変わらず、サイドの攻撃もデンマークに抑えられて、ああ終了と思ったら、最後にセットプレーから、リエジソン決めて何とかなりましたと。
引き分けで終わったわけだけど、デンマークは満足、ポルトガルは絶望に落とされた模様であります。
■独り言
デコが輝いていた時点で、ポルトガルはやっぱり若手が成長していない印象を受けた。終了間際になると、ロナウドが強引なドリブルを中央で仕掛けていたけど、フィーゴだったらサイドから強引なドリブルを仕掛けていたに違いない。どっちが成功する確率が高いかってクイズなわけで、勝負どころで冷静でありながら狡猾に勝負を決めにいけたフィーゴは凄かったんだなと。
でも、ロナウドが批判されるよりは、監督さんのゲームプランが良くない印象である。モウリーニョが監督になるまで待つことができるか。ごまかせるか。難しそうだな。
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デンマーク対ポルトガルの雑感
posted by らいかーると |11:31 |
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2009年09月07日
アルゼンチンのスタメンは、アンドゥハル、エインセ、オタメンディ、ドミンゲス、サネッティ、マスチェラーノ、ダトロ、マキシ、ベロン、テベス、メッシ。ホームにブラジルを迎えるアルゼンチン。何と現在の順位は4位。ここで負けたら予選突破圏内から零れ落ちることが濃厚。しかも残されている試合はアウェーばっか。つまり、絶対に負けられない戦いってことである。
ブラジルのスタメンは、セザール、マイコン、ルシオ、ルイゾン、アンドレ・サントス、フェリペ・メロ、ジウベウト・シウバ、エラーノ、カカ、ロビーニョ、ルイス・ファビアーノ。首位に位置しているブラジル。コパ・アメリカのときから、色々いわれてきたドゥンガだが、結果で国民を黙らせている。ベンチにアドリアーノがいる。
■まるで成長していない。
ドイツワールドカップの反動とも言うべきか。ブラジル代表は守備から試合に入り、個人技を活かした&組織的なカウンターや、セットプレーで相手から得点を奪うスタイルに変貌を遂げている。ブラジルらしくないじゃんってな批判をよそに、あくまで結果を出し続けるブラジルは、とっても彼ららしい姿なのかもしれない。
決勝でアルゼンチンを下したコパアメリカ、カカを加えて優勝したコンフェデ。この試合も確実にその延長線上にあるような試合運びであった。コパでは前プレを積極的に行っていた印象だが、この試合ではいわゆるアウェーの戦い方を忠実にこなしていた。スタミナの無駄使いもしないように気をつけて。
ブラジルのシステムは4-2-3-1。自陣まで守備ブロックを下げて、相手がハーフラインを越えてきたらボールホルダーにプレスをかけていた。相手のDFまで無闇にボールを追い掛け回すことなく、相手にボールを持たせているような守り方であった。分析どおりか、アルゼンチンのCBは攻撃に参加することなく、せっかくのフリーの状況を謳歌することはできなかった。
相手の少ないところに味方を多くしましょう、、、そんな意図よりはボールを運べるのを俺しかいないとばかりにベロンの活躍が目立った。DFラインの近くまでボールを受けに来て、ダイレクトパスでゲームを作ったり、パス&ゴーでゴール前まで進出したりと、クラブチームでの好調を代表でも継続できているような。
ルイファビは守備に熱心でなく、カカの相手はマスチェとベロンってことで、ボールを中盤に届ける事に関しては、アルゼンチンは特に苦労することもなく試合を進めていった。しかし、それもブラジルは織り込み済みだったようで。さっさと徹底してゴール前に壁を築いていた。
コパの時代からアルゼンチンの左サイド攻撃は死んでいる。コパのときはカンビアッソとエインセが左サイドの攻撃を担っていたが、クロスがあさっての方向&そもそも空中戦が強くないFWってことで、まったく機能していなかった。そんな歴史が今日も繰り返されていた。
右サイドにはサネッティがいるのだけど、対面がロビーニョ。コパでもロビーニョ気を取られてあまり攻撃参加できなかった。本日も同じく。またも歴史は繰り返される。もしかしたら、マラドーナ監督の新たな戦術・サネッティは攻撃参加しないかもしれないけどね。
そんなわけで、アルゼンチンのSBは攻撃参加しても微妙&そもそもできない状態であった。よって、高い位置で数的優位を作ることがなかなかできない。前線にボールが入っても、後ろから周りを助けるフリーランニングが絶望的に少ないアルゼンチンであった。
なので、アルゼンチンの攻撃はとっても悲しいものとなった。ベロンが1人でボールも運んで、前に出て行かないと攻撃に迫力が生まれない状況で。メッシたちにボールが渡っても、ブラジルの挟み込み作戦の前に沈黙であった。
ブラジルからすると、ベロンにボールを運ばれても、そこでボールを奪ってしまえばいいよねって感じであった。DFとMFの間のスペースを徹底的に潰しまくることで、アルゼンチンの選手たちを次から次へと潰していった。恐らく、アルゼンチンのSB事情を知り尽くした守りだったのだろうと。中央の守備を固めるブラジルに対して、無骨に中央突破を狙い、可能性のない左サイド攻撃を繰り返すアルゼンチン。そんな前半戦だった。
ボールを持たされたアルゼンチンはポゼッションサッカーのようにも見えるのだけど、ピッチを広く使うことができていないのが致命的であった。密集して守備を固めるブラジルの選手間の距離を広げるのはサイド攻撃で優位にたつしかなかったのだけど。
前半の途中から、メッシもチャンスメイクに乗り出すことで、多少はましになったアルゼンチン。ベロンとメッシ以外の選手はちょっと攻撃で貢献できているとは思えなかった。コパのときは、リケルメとメッシにベロンが絶妙なアシストを見せていた。今回はそんなベロン役がいないので、コパよりも力が落ちた印象である。
そんなアルゼンチン。前半にセットプレーから2失点。2点目は不運だったけれど、最初の失点はルイゾンをフリーにする大失態であった。攻撃が機能しない状態で、セットプレーでミスが出ればどうしようもない。
マキシ→アグエロで攻撃的に出るアルゼンチン。サイド攻撃が機能しないならば、サイドに人を置くよりも、前線に的を置いたほうがいい作戦。メッシとベロンがゲームを作ってチャンスメイクをする。ダトロ、アグエロ、テベスが執拗にゴールを狙う形は前半よりも可能性を感じさせるものだった。いわゆる、力技である。
それでも、ブラジル代表は淡々とアルゼンチンの攻撃を跳ね返していく。献身的なロビーニョやエラーノの姿を見ると、ブラジルは徐々に完成度を高めているのだと感じた。守備に隙がなくなってきている。そしてカカを中心としたカウンターで相手を苦しめる。いやあ、えぐいチームになってきている。
なので、よっぽどのスーパープレーが出なければ、得点を奪うのは難しそうである。アルゼンチンはダトロのスーパーミドルで1点差に詰め寄るものの、直後にカカのスルーパスをルイファビに決められて試合が終了した。恐らく誰もが思ったろうが、両チームには明確な差が生まれてきている。
■独り言
コパの反省がまるでないのがびっくりした。アルゼンチンってのはそういう国なのだろうか。そしてマラドーナ監督は残念だけどちゃんと仕事をこなせているとはいえない。
アルゼンチンの守備の意識はポジションによってバラバラであった。前線の選手は前プレ、中盤は連動させようと中途半端、後ろの選手はついていけない。そしてポジション間にスペースができるスカスカの状態。守備意識の統一ができていない。攻撃面でもサイドを使うことさえできない。FWの選手は相手のDFラインに吸収されて、高い位置でボールをまわすこともできない。
ブラジルは自分たちのやり方を突き詰めている。最後にはアドリアーノを出場させる余裕も見せていた。チリ戦がとっても楽しみである。
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アルゼンチン対ブラジル ~変わらない国~
posted by らいかーると |10:20 |
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2009年04月02日
トルコのスタメンは、ヴォルカン、ハカン・バルタ、エムレ・アシュク、ギョクハン、イブラヒム、エムレ・ベロゾクル、アウレリオ、トゥンジャイ、アルダ、ニハト、セミフ。懐かしい名前がずらり。今日はホームだから負けてられないわと。
スペインのスタメンは、カシージャス、セルヒオ・ラモス、ピケ、マルチェナ、カプテビラ、セナ、シャビ・アロンソ、シャビ、リエラ、シルバ、トーレス。ビジャはベンチ外。カソルラはベンチのようで。ピケがスタメンって凄いなー。抜擢抜擢。
■しっかり守ったけれど
スペインのシステムは4-1-4-1。ただし、シャビ・アロンソがセナの横に行ったり、シャビの横に行ったりしているので、4-2-3-1でも良い。そのシャビ・アロンソのポジショニングは相手の都合に合わせたもので、常に周りの状況を把握していないとできない芸当である。ちなみに、シャビ・アロンソはこの仕事を完璧にこなしていた。代表では報われなかったシャビ・アロンソの意地炸裂。
トルコのシステムは4-4-2。FWに背の高い選手がいないので、ハイボールは禁止にしているようだった。ヴァルカンはどうしようもならない状況にならない限り、CBにボールを渡していた。で、DFラインからエムレ、アウレリオ、FW、トゥンジャイが積極的にボールを引き出す動きを見せていた。
CBがロングボールを禁止されているので、それだけの選手がDFラインからボールを引き出そうとしているトルコ。しかし、スペインの守備がそんなトルコの企みを潰しにかかるわけだ。スペインの強さは組織的な守備と普段からポゼッションつぶしに慣れている選手たちってのが最大の長所だったり。
ほっておいても、トルコのCBはドリブルでつっかけてこないし、ロングボールも蹴らないってことで、スペインはボールを引きだす動きをするトルコの選手たちのケアを最優先にした。シャビアロンソとセナがお互いの位置関係を把握していることで、中央の守備は完璧だったと言っても良い。あえて苦言を呈するならば、FWの動きにマルチェナとピケが中途半端な対応をすることがあったくらいだ。
パスコースを消すとCBは迷うわけで。そこにトーレスとシャビをぶつける。特にシャビはボールを引き出す動きをする選手を注意しながら、前にもプレスに行くという技を披露していた。そんな組織的な守備の前にトルコはまったく攻撃を機能させられないまま、時間だけが過ぎていく。
トルコのSBは何をしているんだい、って話だけど、まあひどい。なぜか左SBのイブラヒムにボールが集まるのだけど、何も出来ない。それだけでなく、相手をひきつけてパスをするなんてこともなく、イブラヒムを経由することでさらに不利になるトルコって感じだった。トーレスが左に行くように守備をしたのもそんな原因だろう。つまり、トルコをちゃんと研究しているスペインだった。ちなみに、時間がたつにつれて、ヴァルカンのロングボールが何度か見られた。あきらめたトルコ。
整理すると、トルコはハイボールに強くないので、ショートパス主体のサッカーで攻めてくる。GKもロングボールは蹴らない。なので、CBから攻撃が始まる。最大の長所はボールを引き出す動き。つまり、ここをケアできれば、勝ったも同然。シャビ・アロンソとセナが相手のマークについて対応しろと。足りなかったら、シャビも助けにいけと。相手のSHはSBに任した。トゥンジャイは動き回るが、アルダはサイドに張っていることが多いだろう。
で、トーレスが積極的にボールホルダーに寄せに行く。相手に考える時間を与えるな。余裕があれば、シャビも積極的に寄せに行こう。前に蹴らせるのはOK。でも一番いいのはトルコのSBにボールを持たせること。ボールを持っても何も出来ないからね。で、ボールを奪ってショートカウンターを炸裂させようか。
そんなわけで、完全にスペインが試合を支配するのだけど、攻撃がうまく回らない。今日はポゼッションよりも縦に早いダイレクト志向のサッカーをスペインは実行しているのだけど、いまいち。左サイドが死んでいるのと、ゾーンを越えて仕掛けるのがシルバくらいって理由が大きいのだろう。シャビアロンソにもゴール前で仕掛けていく姿勢が求められるのだけど、ゲームメイクに徹しているように見えた。
なので、クワトロ・フゴーネスに比べると、リエラがまったく機能していない&シャビアロンソがセナの仕事とかぶっているなんて理由で見劣りする今日の中盤。だったら、俺が前に行くよなんてそぶりを見せるセナは素敵だった。ドリブルで奪われたけどね。
そんなスペイン。逆カウンターからなんと失点してしまう。25分くらいかな。アルダのクロスってよりは、縦パスに抜け出したトゥンジャイをマルチェナがスルー。最後はセミフに押し込まれて、歓喜の発炎筒のトルコ。スペインは久々の失点だったらしい。その後も斜め走りで飛び出してくるトゥンジャイを捕まえきれない場面が出てきたスペイン。CBは弱点かもね。
で、ここからスペインはエンジンをかける。守→攻って流れを攻撃からじゃってことで、ポゼッションで迫っていく。リエラが邪魔だったカプテビラも、積極的に高い位置を取るようになり、シャビアロンソもゴール前で仕掛ける場面がちらほら。セルヒオラモス&シルバは右サイドから積極的に突破を見せるものの、最後はトルコが体を投げ出して前半が終了。プレミアの審判に抗議したシャビがイエローをもらって、ハーフタイムを迎える。
■ポゼッションだけど
後半の試合はまさに前半の後半の延長のようだった。ただし、ハーフタイムをはさんだことで、トルコには心の準備が出来たようで。スペインが攻めてくるならば、うちらはカウンターで応酬だってなトルコ。序盤から素早い攻守の切り替えで決定機をつくる。
で、トルコの守備。今日はセスクもイニエスタもいない。だから、スペインの中盤は恐れるに値しない。がっつりいけと。DFラインを高めに設定することで、中盤の選手が思い切ってアタックできる環境を整えたトルコ。ファウルが多かったが、スペインの中盤を分断するには間違いのない手段である。
ただし、DFラインを高くってことは裏を狙いやすいってこと。スペインはそんなトルコの裏を狙いたがるセナやシャビアロンソがロングボールを連発するのだけど、裏を狙うのがビジャ、ときどきSB、そしてリエラとちょっと枚数が足りない。日常的に狙ってるのがトーレスのみだと、やっぱり対応されちゃだなと。
しかし、リエラの飛び出しからコーナーを得たスペイン。で、このコーナーキックの混戦でまさかのPK判定のトルコ。手に当たっちゃったって感じだった。シャビアロンソが落ち着いてきめてまさかの同点。
前半に比べると、守備から試合に入っていないスペインの前に、トルコは個々の局面で勝利を抑えていく。で、チャンスを作っていくのだけど、最後がどうしても合わない。さらにいえば、スペインのDFは個人技で仕掛けてくるチームを苦手にするかもね。
ここで、セナが負傷→カソルラが加入。シャビが中盤に落ちて、ゲームを作るようになる。でも、シャビは高い位置に戻っていくのだろうな。スペインは徐々にトーレスの裏への飛び出しが決まり始める。シャビも飛び出したり。で、飛び出しの枚数を増やすかと思ったら、シルバ→ブスケッツ。いやあ、出世したな。
スペインは最後にトーレス→グイサで交代は終了。ブスケッツを入れて、ボールを落ち着けようとしたが、落ち着いた時間は少なかった。ラスト10分で試合を落ち着けるのは困難なタスクなのでしょうがないかもしれない。それでも、ブスケッツはらしさを見せていたけど。
そんな展開である。まとめると、後半のスペインはポゼッションで何とか状況を打開しようとしたけど、トルコの高いDFラインの罠の前に苦しんだ格好。裏のスペースが大好きな選手と、裏を狙うのを持ち味としている選手VSしっかり繋いでゴール前まで迫っていく選手。仲間内の戦い。セスクとイニエスタがいればねって試合であった。裏狙いの続くスペインで抜け出した場面はちらほら。DFの間から何度もチャンスを伺っていたけど、オフサイドは微妙なずれが最後まで続いて。
で、トルコはそんなスペイン相手に攻撃の型をぐちゃぐちゃにして迫る迫る。妙に不安定なカシージャスに襲い掛かったが、今日はニハトが不調だったのが痛い。決定機の数はトルコのほうが多かったかも。
さて、そんな試合はたいてい引き分けにおわるのだけど、ロスタイムに事件が起きる。スペインの豪快なクリアー→あきらめないグイサがサイドを突破。誰もが目を疑った事態。サイドを抜け出したグイサは中央へパス→そんな事態を信じたリエラが見事に押し込んでスペインが逆転してしまったとさ。まじかよ。ミラクルスペインって感じかな。
■独り言
クワトロ・フゴーネスの後釜ってか怪我したときの代役や流れを変える選手がほしいぞ。カニ、マタあたりは試しても面白いと思うけど。ホアキンとかも。そして異質な存在としてトーレスを起用しているわけだけど、結果を出さないと異様に叩かれそうな感じ。ただ、今日みたいな試合で結果を出さないとやばいぜ。ポゼッションが機能しないときの頼みの綱なんだからさ。
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トルコ対スペインの雑感
posted by らいかーると |09:33 |
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